雨の通り道
5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。
メトロポリタンオペラ「ランメルモールのルチア」観賞
- 2022/10/02 (Sun) |
- 日記というか雑記 |
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絵はミントグリーンの生地に大胆にすみれをあしらったドレスを着たリリー・ヘザー
こういういかにもなデザインのお姫様ドレスに
あえてお花のプリントをあしらったりしたら面白そうだなあと思って描いたのですが、
ドレスのリボンの水色や肩や袖口のレースも映えて結構可愛くなったのではないかと(* ̄∇ ̄*)
背景の花の素材で見辛いですが、帽子の白い羽飾りもポイントです♪
ろうたけた王妃らしく、華やかで粋な着こなしになった気がします♥
あーいくら自画自賛しても許されるブログ、ホームって本当良いわー
昨日WOWOWでやっていた、2012年のメトロポリタンオペラのライブビューイング
メアリー・ジマーマン演出・ナタリー・デセイ主演のランメルモールのルチア観ました~
このオペラ初めて観るのですが、開幕前に宮本亜門のストーリーや見所解説等があるので
ストーリーも予習出来て、退屈せずに最後まで観られて良かったです。
オペラって長くて眠くなるので、
椿姫とかホフマン物語とか何度も見たことあって良く知ってる作品以外は
TVでやっててもほぼ観ないのですが、
今回は衣装が素敵そうだったので興味を持って観てみて正解でした‼゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚
舞台を原作の17世紀から19世紀ヴィクトリア朝時代に置き換えた上品な衣装も素敵だったけど、
何よりジマーマンのロマンチックで繊細な演出がとても美しくて、
スコットランド版ロミジュリとも言うべき悲劇を
感傷的なゴシックロマンとして彩っていて凄く良かったです‼
第一幕、スコットランドの高地の荒涼とした岩山を表現した舞台美術が
とっても異国情緒があって凄く素敵でした~‼
田舎の貴族の領地の陰鬱で荒々しい雰囲気が良く伝わってきて
乾いた空気の匂いまで感じられるようで良かったです。
冒頭のキルトを着た男性達の合唱で本物のアイリッシュハウンド二匹が出演しているのも見物。
ルチア役のナタリー・デセイ、ナビゲーターのルネ・フレミングも言っているように
小柄で華奢で、折れそうな程儚い雰囲気が
愛する人と引き離され
政略結婚させられて狂気の淵に沈んだ悲劇のヒロイン役にぴったりでとても良かったです~
ルチアの侍女とエンリーコの侍従?家令?の壮年の男性の
ルチアの神経の細さを案じている感じも誠実な召し使いという感じで良かったです。
そして開幕前で見所と言われていた、
ルチアが歌っている時に現れる通常では台本に登場しない泉に沈められた女性の幽霊の演出も
女性演出家ならではの繊細なロマンチシズムに溢れていて魅了されました(*≧∀≦*)
真っ白い服を着て半ば色が落ちて水色になりかけた髪に水草が絡みついている幽霊役の女性、
本当に幽霊そのもので、彼女がルチアの頬をそっと撫でた時は
ルチアと一緒に観ているこちらまで幽霊のひんやりとした手の冷たさが感じられる様でした。
その後再びセリで泉の底に沈んでいく幽霊も素敵。
第二幕、ルチアと敵対している家の息子エドガルドとの恋仲を知ったルチアの兄エンリーコは、
偽の手紙を用意してルチアにエドガルドが裏切ったと信じさせ、
彼女にアルトゥーロと政略結婚する事を承諾させます。
婚約披露の場に集まった貴族の女性達の
グレイッシュと言うかモノトーンで統一されたバッスル・スタイルのデイドレスが
派手ではないもののとても趣味が良くシックで素敵でした~
そしてその中に現れるルチアの、
一人だけ血の犠牲を表すようなワインレッドの生地に地紋の入ったドレスが
何とも効果的でドレスも上品で素敵だった‼
ルチアに裏切られたと思い込んだエドガルドが彼女に渡した指輪を取り返し、捨てる所で
エンリーコが「家のために彼女を犠牲にしてしまった」と悔やむのは
エンリーコはもっと野心家の冷血漢だと思っていたので意外でした~
幕前の解説でヴェルディはドニゼッティを尊敬していて、
ドニゼッティの書いたオペラルチアの影響を受けたと思われる、と言っていましたが、
確かにこの辺の展開やエンリーコのキャラは
ヴェルディの椿姫のジェルモンと似ているな~と思いました。
ルチアがエドガルドの豹変に傷付き、全てを諦める所で
写真家がカメラで
い並ぶ貴族達や夫となったアルトゥーロと並ぶルチアの写真を撮って幕が降りる所も面白かった。
第三幕、ルチアとアルトゥーロの初夜を祝う夜会、
これまた女性達の
スタイリッシュで落ち着いたバッスル・スタイルのイブニングドレスが素敵♥
そしてそこへ新郎アルトゥーロと共に現れる花嫁衣装のルチア、
ごくシンプルなデザインのウェディングドレスだけど、
良く見ると光沢のある生地にやはり地紋が入ってて、
上品で手の込んだ作りになっていてとても美しかったです~
そしてルチアが新郎との新床に向かったのを見送った客人達が浮かれ騒いでいる所に、
先述の家令?が蒼白となって惨劇が起きた事を知らせ、
血染めの花嫁衣装を着て手には短剣を持ったルチアが姿を見せます。
このオペラの一番の見所でオペラの中でも最も有名な場面と言われる「狂乱の場」、
ルチア役のナタリー・デセイが17分もの間たった一人で狂気に陥ったルチアの心情を歌い、
これだけの長丁場にも関わらず全く間延びを感じさせない息つく演技と歌声に
本当に圧倒されました~
幕間のインタビューでデセイが狂乱の場について
「以前は演技に神経を割きすぎて歌の質が落ちていたけど、
今は両方おろそかにしないよう訓練をしている」
と言っていた通りの名演技と絶唱でした‼(。・´д`・。)
エンリーコとの決闘が行われるはずの墓地にやって来ていたエドガルドは、
ルチアが狂乱の果てに遂に命を落とした事を知り、
彼女のいない世界では生きていけないと自らも剣で腹を付いて息絶えます。
そこへあの泉の幽霊とそっくりの姿になったルチアの亡霊が現れ、
あの幽霊にされたのと同じように死にゆくエドガルドの頬を撫で、
彼が果てるとその体を包み込む様に彼に寄り添うのでした。第三幕終。
実はこの時目を見開いたまま客席に顔を向けてくずおれるエンリーコ役のテノールの、
美しかった青い瞳が、本当に何も映さないかのように光が消えている所が
本当にどうやって演じているんだろうと言うくらい真に迫っていて、
狂乱の場以上に感動したのでした。
先述の様に原作の小説や本来の台本の舞台は17世紀ですが、
19世紀の衣装や風俗が
今まで他のルチアを観ていないので判断は出来ませんがとてもハマっていて、
ジマーマンの儚くも美しい演出が冴え渡っていて本当に観ていて楽しかったです。
幽霊と19世紀のゴシックリバイバルの潮流を結びつけたというアイデアも秀逸。
もちろんデセイ始め歌手も皆素晴らしかったです‼
ランメルモールのルチア、神秘的な響きのタイトルから遠い神話世界の話だと思っていたのですが、
男達の覇権争いの中で犠牲になった悲運の少女、という
いつの時代に置き換えても違和感が無さそうな普遍的なテーマの物語で、
純白の花嫁衣装が
花婿の鮮血で真っ赤に染まるというショッキングなシーンの印象深さがとても心に残り、
まだこの一作しか観て無いけどもう私の中ではこのジマーマン演出の舞台が決定版になりました‼
その後同じメトロポリタンオペラで今年上演された
舞台を現代のアメリカに置き換えた新演出のランメルモールのルチアもやっていて録ってるのですが
見比べる楽しさはありそうだけど観る気がしないなあσ(^_^;)?
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7月15日生まれのかに座、A型。
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