雨の通り道
5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。
BSプレミアム・世界バレエフェスティバル2012
- 2012/10/15 (Mon) |
- 日記というか雑記 |
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絵は2ヶ月前くらいに描いてたけど全然雑記に絵載せないからずっと出しそびれてた、
私の中のザ・貴婦人のイメージ。
こういうつばの広い大きな羽根飾りの付いた帽子を被ってるイメージです。あとパラソル。
何かハウルに出てきそうですね。
ヴィクトリア朝後期~アールヌーヴォー初期位の時代?の貴婦人像が一番好きです。
バッスル・スタイルのドレスも捨てがたいですが…!!(>_<)
続きからBSプレミアムでやっていたバレエの4年に一回の大きな祭典である、
世界バレエフェスティバルのAプログラム、Bプログラム、
合わせて25演目全ての感想の羅列です。
完全自己満の備忘録なので、
バレエやダンサーに興味がない方には意味不明ですので全く読まなくても困らないかと…!
今回は東日本大震災のチャリティー公演だったんですねー
たっけぇよ!と思ってたけどそれなら仕方ないですよね…とは言いつつテレビで観られて嬉しい!
では、駄長文の覚悟が出来たというお優しい方は続きからどうぞ。
まず幕が開く前、指揮者が現れ何たら戴冠式とかいう聞いたことのないクラシック曲が演奏され、
耳慣れない物の何となくメンデルスゾーンのかの有名な結婚行進曲に何となく雰囲気が似た感じの
晴れやかで明るい曲調が気に入って、テンション上がりましたー!!
戴冠式とかいう題名がもう私好みすぎてにやけます。
王権とかの権威にとことん弱い人間ですみません。
Aプログラム
モペイ
1演目目からコンテンポラリー?マジ勘弁こっちは昨日から寝てないんだからさー、
とか思ってたら
目が醒めるような音楽と目が醒めるようなフリーデマン・フォーゲルの動きに
一気に覚醒しました!青春を感じさせる踊りですが、現代バレエに良くある青春の鬱屈ではなくて、
青春の新鮮な光を感じさせるような踊りと振り付けで、良かったですー!
最後フォーゲルが
「ふっ…」
と上を向いて息を吐いて終わるのですが、もちろんそういう振り付けなのでしょうが、
終わったーという達成感と、新鮮な創造の息吹と、両方を感じさせる幕切れで、印象に残りました。
幻想~白鳥の湖のように~から第一幕のパ・ド・ドゥ
この演目、10年前位にTVでハンブルク・バレエの公演がやっていて観てから凄く好きなのですが、
その時は何より衣装が絶妙なニュアンスの色合いで生地の質感とかもすごーく上品で素敵だったのに
今回照明のせいもありひたすら青々しく、デザインも見劣りするしでいまいちでした。
バイエルン王ルートヴィヒ2世役のティアゴ・ボァディンはまあ雰囲気出てたけど
ナタリア妃役のエレーヌ・ブシェが何分お年に見えて、いまいち魅力が感じられなくて残念。
いつの間にか終わってたという感じでした。
ドリーブ組曲
上野水香さん、ご本人のご人格がどうこうとかでなく、ダンサーとしての存在感がとても好きなダンサーです。
ダンサーって同じ演目を踊っても、ひたすらバレエらしい清浄な空気を漂わせる方と
艶っぽい感じが出る方とに二分される気がするのですが、上野さんは前者ですね。
何と言っても細ーくて長ーい手足に小さなお顔というバレリーナの見本の様な体型ですし、
纏っているオーラがとてもきらきらしていて清々しいというか、
以前眠りのオーロラ姫をDVDで観たのですが、まさにお姫様の様なバレリーナだなーと思います。
で、ようやくバレエらしいクラシックチュチュの上野さんと
お揃いの青い衣装のマシュー・ゴールディングが現れ、
曲もコッペリアの耳に馴染んだメロディーだしでまたテンション上がる私。
コンテもドレスも好きだけど、やっぱりチュチュにはえも言われぬ魅力がありますね。
一気にバレエの世界に誘ってくれるというか。
上野さんの着ていた、胸元だけベロア素材?で紫のチュチュが現代的で可愛かったです。
で、踊り。ゴールディングは初めて見るのですが、ずんぐりしたダンサーだな…という印象。
踊りも取り立てて言うほどの事は無いし(失礼ですが)、あまりぱっとしない感じ。
上野さんはヴァリエーション溌剌として可愛らしくて良かったですー。
天性のコケットリーが彼女の持ち味ですね。
うーんでもやっぱりゴールディングが何かヴァリもサポートも物足りないです…
クリスマスプレゼントにゴールディングが王子役の
オランダ国立バレエのくるみ割り人形のDVDもらおうと思ってたのですが(いくつだお前)、
くるみは王子にハマれないとつまらないからちょっと考えちゃうなー…
「扉は必ず…」
これもコンテかな?
オーレリ・デュポンもとっても美人だけどあまり色気(色香ではない)の無いダンサーですね。
マニュエル・ルグリはもう引退したんじゃなかったっけ?公演時の8月の時点ではまだだったのかな?
ルグリも素晴らしいダンサーだと思うのですが、何分彼の公演映像で良いの観た事無いんですよねぇ。
ビデオで観たドン・キはヌレエフの変な振り付けのだったし。
で、そんな二人のデュエット。舞台に大きなベッドが置かれ、二人がそこに寝ころんだりしながら
なんやかや踊ってる…って感じで始まって、段々と二人の置かれている状況とかが分かってくる感じ。
二人は決して冷めてはいないけど、お互いの関係に何らかの危機感を抱いている夫婦で…
という感じかなと思いました。
二人が赤と白の大きな花束を
何度も相手に投げては受け止め、投げては受け止め…の繰り返しの場面は
深い虚無感を感じさせて恐かったです…二人ともさすがの表現力。
でもそれをデュポンがついに止めて花束を乱暴に床に投げつけるシーンから、
少しづつまた二人の関係が動き始め、嵐の中に光が差し込みかける…
最後の二人が一つの林檎をかじるシーンは、禁断の実である林檎を食べる→楽園追放
でバッドエンド?と思いましたが、二人で何かをしたという事が重要なのであって、これはタイトル通り
楽園から出ても、また新たな扉が開かれる…というお話なのかな、と、私なりの解釈で思いました。
海賊からパ・ド・ドゥ
ポリーナ・セミオノワとイーゴリ・ゼレンスキー、
どちらも生で観た事あるし海賊の演目も派手なので好きで楽しみだったのですが…
セミオノワ、ベルリン国立バレエのシンデレラで観た時は凄く良かったのに、
何かオーラが薄くなった…?というのが正直な感想でした。
ゼレンスキーもまだ踊ってたんだ…
という驚きの方が大きかったですが、(20数年前の白鳥の湖の映像で主役踊ってるのに)
さすがに年取っちゃったなあ…っていう感じの踊りで、なぁんか個人的に盛り上がらなかったです…
ゼレンスキー、白鳥の映像での勇姿を知ってるだけにジャンプも回転も観てて辛い…;;
ヴァリエーションの最後の回転でぐらついちゃったのが残念でした。
本人もフィニッシュの時あちゃーって顔してたし。
セミオノワも見せ場のグラン・フェッテいまいち勢いが無くて残念。
正直せっかくの純クラシックなのに期待はずれでした…
「瀕死の白鳥」
ウリヤーナ・ロパートキナ、個人的にはエラが張ったお顔だよなあという印象しかないんですが、
やっぱりマリインスキーのトッププリマですね。
後ろ向きで登場した瞬間から、瀕死の白鳥が必死で飛び立とうともがく姿が目に浮かぶ様でした。
個人的にサン・サーンスの白鳥は
私が幼い頃父に聴かされて最も親しんでいたクラシックの一つなので、
音楽が思い入れ強いです。
でもそんなブラボー連呼するほど良かったか?と思ってしまいました。
でも彼女は立ち姿が高潔で凛としていて、本当に白鳥のようですね。
プリマの風格がびしびし感じられました。
パガニーニ
ここまで終わって時計を見たら、まだ全体の五分の一しか時間が経過してない事に戦慄、
これは持久戦になるなと覚悟を決めた私はこの辺から真面目に観るのを放棄しはじめてました。
ウホッマルセロ・ゴメス良い筋肉とおけつ!!
コンテなので真面目かと思いきや、お笑いの要素と舞踏の美が程よく調和してて、面白かったです。
ヴァイオリンのチャールズ・ヤンの演奏も見事でした!!弾けるようなリズム!
ラ・シルフィード第2幕から
タマラ・ロホ、ロイヤルバレエの来日公演で眠り観た時は何か無個性とか言ってたけど、
こんな素敵なダンサーを生で観ておきながら堪能しなかったなんて過去の私超勿体ない!
って位凄く素敵でしたー!!ラ・シルも好きな演目なので嬉しいvv空気の妖精さんとか萌えvv
ロホのシルフィード、首の使い方、かしげ方、腕の使い方まで、完璧に愛らしくすっごく可愛い!!
ファム・ファタール的な役割ではありますが、邪心の全くない無垢な空気の精そのものでした。
ジェームズ役のスティーヴン・マックレーもロイヤルのアリスのジャック役も良かったし、
ジャンプ高いし跳躍勢いあるしスカート似合うし←素敵でしたvv
シルフィードの薄いチュールを何枚も重ねた真っ白いロマンティック・チュチュも、
踊る度にふわっ…と揺れて、その名の通りロマンティックそのものでうっとり…vv
シルフィードの少女のような穢れ無さを象徴しているようでした。
ラ・シル第2幕のパ・ド・ドゥの音楽も大好きなので三度テンションだだ上がり!
ラストのシルフィードが上体を傾けて手を顔に添え、
脚を垂直に上げるあの有名なポーズはまるで本当に一幅の絵を見ているように美しかったです。
後述のBプロのライモンダ観ても分かるように、ロホ、役によって様々に演じ分けるタイプの様なので
眠りのオーロラ姫もお姫様って事でわざと無個性に演じてたのかもな…(見る目がないだけです)
「ブレルとバルバラ」
すみませんorz私これずっとエリザベット・ロスをデュポンだと勘違いして観てました…
この演技この動きさすがデュポンだなーとか思ってたら、カーテンコールでロスの字幕がorz
外人の顔見分けるの苦手だし髪型変わると誰が誰やら分からんです。
それはそうと、確かこの演目で始めてヴォーカル入りの曲が使われてましたよね?
こういうムードのある海外版懐メロ系の曲って落ち着いて好きですー現代舞踏と相性良いですね!
曲のせいか、ジル・ロマンが小舟に揺られてるシーンがまるで揺りかごの中を表している様だったせいか、
母胎回帰願望が現れている様な気がしました。
日本文化を愛したベジャールらしく、ロスが羽織る衣装に純白の振り袖が使われている所とか、
東洋と西洋の幸せな出会いという感じがして素敵でした。二人の髪型もモダンで素敵v
カンタータ
現代コリオグラファーの気鋭、(←振付家詳しくないので多分)N・ドゥアトの世界初演作品。
…で?っていうのが感想でした…。
あのウラディーミル・マラーホフとディアナ・ヴィシニョーワが踊ってここまで起伏が無いのも珍しい。
何か音楽もコンテにありがちな悲愴な感じの宗教音楽的なのだし、
男女がくねくねと何となく絡み合って終わりという…こんなもんでいいんじゃね?感が凄くしました…
何か今更ですが各ダンサー・振付家のファンの方が読んだら炎上しそうな暴言ばっかりですみませ…
あくまでもド素人の1バレエファンの主観的な独り言として読んで頂けると幸いです;;
とにかく、上記の様な印象しか受けませんでした…私の見る目がおかしいだけなのか…?
ドン・キホーテからパ・ド・ドゥ
Aプロの大トリだし華やかな演目だしで期待大だったのですが…
オレシア・ノヴィコワ、何かポーズの形の一つ一つが全然綺麗に決まって無くてがっかりなキトリでした。
ふにゃふにゃしててしまりが無い感じ。特にキトリのヴァリエーション、
出の扇の扱い方見ただけでこんなのキトリじゃない!!って分かってしまう位。
バジルのレオニード・サラファーノフはマネージュ?だっけ?舞台を回転しながら一周するヤツとか、
技も決まっててまあ良かったですが…
アダージオの片手リフトとかキトリのグラン・フェッテとか、
もっと上手い人いくらでも観たことあるしなあって感じでした。
何か今回(観るの初めてだけど)クラシック不調じゃね?って印象を残し、Aプロ終了ー。
この時点で放送開始から2時間、全体のやっと五分の二…
まだまだ期待演目&ダンサーはある!って事で2分の休憩を挟んでBプロへー。
(書くのも大変です…orzまだ半分以下…好きでやってるんだけどさ…)
Bプログラム
パルシファル
忍者ブログがずっと調子悪くて書いてて疲れるのでいまいちだったのは感想が適当になります…
これは可もなく不可もなくって感じかな。ダンサー二人の背景に白い布が張ってあって、
二人の動きが大きな影になって見えるという、
手前のダンサーと背景の影の二重構造の舞姿、という感じでアイデアがいいなあと思いました。
黒い影と対比すると、地味な色のレオタードのカテリーナ・シャルキナとオスカー・シャコンが、
カラフルに彩られている様に見えて視覚効果的に面白かったですー。
タイス
上野さんは…何か陽性のダンサーなんですね…と言うことが良くも悪くも分かった演目。
彼女、華やかだったり可愛らしい役はとてもよく似合うんだけどあまり叙情性が無いというか…
タイスの瞑想曲は美しいヴァイオリンの調べがとても素敵な私も好きな曲なのですが、
音楽の叙情性と上野さんがどうもちぐはぐに見える…
ゴールディングも相変わらずずんぐりしてぱっとしないダンサーという印象を拭えませんでした。
上野さんの衣装はブラウン系の胸下切り替えのチュニック状で、
長身で手足の長い上野さんのスタイルをよりいっそうひきたてていて良かったのですが。
エフィ
私はフィギュアのエキシビとか観ててもそうですが、
こういう海外懐メロ系おセンチヴォーカルの曲がバックに流れてると
それだけで叙情性がアップしている様に感じてしまうようです。
マライン・ラドメーカーは、凄く自由な表現力を持っているし、
またそれを表現する事が出来る恵まれた肉体を持っている、という感じがして、
動きの一つ一つにとても表現する力が感じられるというか、観ていて気持ちの良いダンサーでした。
これまた青春の自由な感じを描き出してて良かったです。
ただバックの曲が3曲目になった時は「いや…さすがにもう良いよ…」と思ってしまいました(^_^;)
すぐ終わって良かったけど。けっして退屈では無いのですが!
ライモンダからパ・ド・ドゥ
すっごい良かったですー!!
冒頭、二人が出てくる所で、中世ハンガリーが舞台なのに
マックレーの衣装が青いタキシード(風)に蝶ネクタイ、
ロホが頭にドレッシーなヘッドドレス?を付けてて、意表を突かれました。
こういう現代的な遊び心みたいなの大好きですーvv
ロホ、女優ですね!!ラ・シルの時と演技も身のこなしも踊りも雰囲気も全然違う!!
特にシルフィードの時には無かった目力の使い方半端無かったですー!
ハンガリーの民族舞踏風の、重厚で物悲しいメロディーに乗せて、
実際は音はならない物の両手を打ち合わせる仕草をする所とか、
片手を腰に、片手を頭に添える独特のポーズとかが凄くキマっててため息が出ました。
本当にこの人は役柄によって肩も腕も
体のパーツ全てさえも丸ごと取り替えてしまえるんじゃないかと思うほど、
完全にシルフィードとは別の人格を持った一人の女性が確かにそこにいました。
マックレーも、スマートで粋な金髪好青年で、
ダンスパーティーにエスコートしてもらうならこういう男性が良いわーv
と思わせるような(分かりづらい)素敵なダンサーですね!
ただ踊りは良いんですが脚が短いのだけが残念…(^_^;)
ライモンダのヴァリエーション、
14歳位の時に父と観に行った「バレエの女神(ミューズ)」というガラ公演で
ユリア・マハリナが踊ったのが凄く素敵で印象に残っているのですが、
ロホも同じ位素敵でしたー!
楚々とした貴族の姫君というよりは威厳溢れる女王様に見えちゃうけど。
コーダのライモンダのグラン・フェッテも堂々としていて良かったです!
このパ・ド・ドゥ、他の作品にはない民族色のある音楽と振り付けが独特で、好きですー
バレエにおける民族舞踏「風」の振り付けに弱い私です…
昔は本物の民族舞踏(洋の東西問わず)も大好きだったんですけどねぇ…
とてもクラシカルなのに現代的でスタイリッシュなライモンダ、本当に素敵でしたー!vv
ロメオとジュリエットからバルコニーのパ・ド・ドゥ
有名なマクミラン版だし、
バルコニーのシーンのロミジュリ可愛くて好きだしで期待度高かったんですが…
アリーナ・コジョカル、良く愛らしいダンサーと言われるみたいですが、
もちろん容姿はもう結構歳いってるはずなのにとても可憐で愛らしいのですが、
眠りもくるみもDVD持ってるけど本当の意味で愛らしいと思った事って無い気がします…
決して気持ちが入ってないわけじゃ無いんだけど、どこか「作った」感じがしてしまう。
ジュリエットも、「14歳にならない(マクミラン版では特に)無邪気な少女」には見えませんでした…
何だろう…感情表現がいつも少し控えめに見えちゃうのかな。
マクミラン版ジュリエットは吉田都さん位思いっきり無邪気さを全面に打ち出す感じで良いかと。
ロメオ役のヨハン・コボーも情熱的な若々しさはあって良いのですが、
二人共に「瑞々しさ」が無いと思いました。どっちも年相応にしか見えなかったです。
このパ・ド・ドゥにおいて、瑞々しさは必要不可欠だと思うのですが。
最後だけ、二人がキスする場面で
ロメオがジュリエットを地面からほんの少し持ち上げてキスするのが、可愛らしいなあと思いました。
ウィズアウト・ワーズ
運命的にもAプロで個人的にワーストだった振付家、N・ドゥアトと、
ワーストのダンサーだったノヴィコワの組み合わせ。
で、私にはどっちもこちらの作品で発揮されてる個性の方がずっと合っていた様です。
男女が特にテーマ性もなく絡み合う(エッチな意味で無く…いやそっちの意味もあるけど)…という、
カンタータと共通の構成ですが、こちらは音楽もずっとリラックスした感じで、
二人の体の絡み合いが段々楽しく、洒落た遊戯的に見えてくるというか…
そういう、強いメッセージ性は無いけど、ただ何となく観ているだけで何となく楽しめる、
そういうダンスの形も有って良いんだなぁと何か新鮮な発見でした。
ドゥアトはこういう作風の振付家なのかな?
ノヴィコワの、文字通りクラシックバレエの型にはまらない個性には
こういうコンテの方がやっぱり相性良いみたいですね。
椿姫から第3幕のパ・ド・ドゥ
オペラの椿姫は大好きですが、バレエの椿姫はほぼ観たことが無いので、
どういう場面の踊りなのか分からず、ショパンの優美な音楽は素敵でしたが
これも気付いたら終わってた感じでした…
とりあえず、椿姫役のアニエス・ルテステュが真っ黒いオフショルダーのドレスから
自然な肌色のシュミーズ?姿になる所が、下品じゃなく色っぽかったです。
ラ・シルフィード第2幕から
これは私が20歳位の時にマリインスキーの来日公演のピンチヒッターでジュリエット踊って、
生で観たのその1回きりだけど大好きなダンサー、エフゲーニャ・オブラスツォーワと、
私の大好きな妖精が主人公のツボバレエ、ラ・シルとの組み合わせと言うことでかなり期待大でしたが、
それに違わず凄く良かったですー!!vv
期待度と実際観た感想が今まで半比例してばっかりだったので、期待通り、
いやそれ以上に素晴らしい舞台を見せてくれたオブラスツォーワのシルフィードに感謝ですvv
…しかし真性BAKAの私はオブラスツォーワのシルフィード登場シーンを
周りにいる東京バレエ団の冴えない日本人ダンサー達の一人だと思ってスルーしておりましたorzorz
ちゃんと区別つく様にオブラスツォーワだけネックレスとブレスレットしてるのにね…orzorzorzorz
オブラスツォーワのシルフィードは、Aプロのロホと比べると、場面のせいもあるでしょうが
女性らしくて柔らかい印象で、また素敵でしたー個人的にはこっちの方が好みvv
オブラスツォーワ、19歳でジュリエット踊った時の素直な表現力はそのままに、
凄く女性らしい雰囲気の踊りをする良いダンサーに成長したなぁと思いましたvv
第1ヴァリは空気の精らしく本当のそよ風の様に軽やかで、
第2ヴァリはしっとりと落ち着いた雰囲気で、
題3ヴァリ(これどれか他の演目と間違えてるかも;;記憶がもうあやふやで;;)は
ちょっとお茶目な悪戯ッ子の様にぴょんぴょん飛び跳ねる様が何とも可愛かったですーvv
ジェームズ役のマチュー・ガニオは、デュポンとラ・シル踊った頃は
少女漫画の王子様が抜け出てきたみたいなきらきらした瞳の美少年でしたが、
今は程よくたくましくなってて良かったです。
にしてもロホとオブラスツォーワの衣装、素材感から頭の花冠まで、随分違うんだなーとびっくり。
ロホの花冠の白い花の中に淡いピンクの花が混ざってる所は思わず声に出して
「可愛い~vv」と言ってしまいましたが、
オブラスツォーワの大振りの白い花の花冠も似合ってて、
ウエストに細い水色のサッシュしてるのも可愛かったです~vv
東京バレエ団仕様の衣装なのかしら。
マーラー交響曲第五番から”アダージェット”
何かブシェとボァディンが真っ白い衣装で踊ってたのは思い出したけど良く覚えてない。
このハンブルク組からは何か感じる物が無かった…
シェラザード
セミオノワとゼレンスキー、海賊よりはこっちの方が安心して観られる感じでした。
ゼレンスキー、金の奴隷はアリみたいに飛んだり回ったりしなくていいもんね…
残酷かも知れないけど自分の年齢の限界にあった作品を選択していく事も必要だと思います。
かつてのゼレンスキーの輝きを知ってるだけにこちらも切ないですが…
何かタイプは全く違うけど、アリと金の奴隷つながりで今のルジマトフ観てるのと同じ辛さを感じる…
セミオノワのゾベイダも王の愛妾という役柄らしくそれなりに官能的で良かったです。
くるみのアラビアの踊りみたいなエキゾチックな曲や雰囲気も好きなので。
それまで西洋モノばっかりだった事もあり、
衣装や振り付けが新鮮に見えて得してるなーという感じでした。
金の奴隷に後ろからキスされて悶えるゾベイダがエロかったですー。
海賊からパ・ド・ドゥ
セミオノワ・ゼレンスキーコンビがAプロでやや残念な出来だった海賊を、
海賊とはこうあるべし!!と見せてくれた感のある、凄く良い舞台でした!!
メドゥーラ役のナターリヤ・オシポワは今まであんまり美人なイメージ無かったんですが、
凄く艶のある美人さんに見えましたー
針金のように長くて細い脚から繰り出されるグラン・フェッテは圧巻の迫力!!
今フェスティバル中観たグラン・フェッテの中で文句なしに一番の出来でした!!
イワン・ワシーリエフはまさに海賊とはかくあるべしという、颯爽とした跳躍!!勢いのあるジャンプ!!
凄く爽快な気分にさせてくれるアリでした!!
今フェスティバル中個人的にベスト3に入るお気に入りの演目でした。
ル・パルク
Aプロでは演目で損してた感のあるヴィシニョーワとマラーホフ、
お馴染みのカップルによるいぶし銀のデュエットという感じでなかなか味わい深かったです。
ル・パルク、むかーしパリオペのをTV放送した時観たのをぼんやり覚えてるだけだったのですが、
とても健康的なエロスとでもいうか、清々しいエロティシズムを感じさせる作品でお気に入りでした。
ヴィシニョーワは、冒頭前傾している体から垂れ下がった結ってない長い黒髪を、
腕でかきあげる所がどきっとする程色っぽくて思わずはっとさせられました。
二人とも白い長めの丈のナイティの上だけを身につけて、
度々ナイティが捲れ上がってパンツが見えるんですが、衣装全部が真っ白だからか
露骨なエロさを感じさせなくて良いんですよね。
マラーホフは今回あまりいつもの様なオーラが感じられませんでしたが、
キスしたままヴィシニョーワを手を使わずにリフトしてぐるぐる高速で回るところは、
何というか二人とも色々な意味でさすがという感じでした(笑)
女性の振付家らしい、性への前向きな賛歌とでもいう様な物が感じられる作品で、
やはり好きだなあと実感しましたー。
コール・ペルドゥート
スヴェトラーナ・ザハロワは、綺麗だけど硬質な感じの踊りと、演技が上手くないせいで
あんまり好きじゃないんですが、この作品はインド?かどこかのイメージとおぼしき衣装と
音楽がとても良くて、結構気に入っちゃいましたー
いつもより色っぽく見えたし。サリーみたいな赤いロングドレスと後ろで編み込んだ品のある髪型で
女性らしく見えるからかな?
パートナーのアンドレイ・メルクーリエフは、まだマリインスキーにいた頃の来日公演のロミジュリで
マキューシオ踊ってたの観に行った事あるのですが、あの頃から変わらない、
天性のどこかおちゃらけたユーモラスな少年の様な雰囲気が個性的で良かったです。
ドン・キホーテからパ・ド・ドゥ
フェスティバルの大トリ、Aプロではがっかりの締めくくりだったドン・キを、
ヤーナ・サレンコとダニール・シムキンが、きっちりと〆てくれました。
キトリのヤーナ・サレンコは、スペイン娘っぽくは無いけど綺麗なブロンドに
赤い薔薇を飾っているのがとっても映えて華やか~な雰囲気v
赤い衣装も刺繍が綺麗で、キトリの衣装はやっぱりこうでなきゃねーって感じでした。
Aプロのノヴィコワの衣装、赤いだけでパッと見練習用かと見まごう程地味ーだったので。
ずば抜けたテクニックがある訳では有りませんが、手堅くまとめたキトリでした。
キトリのヴァリは女の子っぽい可愛い雰囲気でしたー。
ダニール・シムキンのバジルも、スタンダードでオーソドックスな、
けれんみのないバジルで良かったです。12月の東京バレエ団とのくるみちょっと観たいな…
眠れる森の美女のアポテオーズによるカーテンコール、フィナーレ、総評
書き忘れましたがAプロのフィナーレも眠りのアポテオーズでした。
荘厳で重厚なこの音楽は数々のスターが一同に会するこの祭典の締めくくりに相応しいですね。
カーテンコールで放送されなかった演目の衣装着たダンサー達も写ってて、
とくにオネーギンは観たかったなーと歯がみしてました…;;
全体的に、2,3を除いてはこれは凄い!という演目は思ったより有りませんでしたが、
色んなコンテンポラリー作品が観られたり、海賊やドン・キ、シーンは違う物のラ・シルと、
同じ演目を違うダンサーが踊るのも、見比べられて面白い趣向でした。
個人的にラ・シルはABどっちも満足ですvv
個人的ベスト3は、3位はオシポワ・ワシーリエフの海賊で決まりとして、
一位はロホとマックレーのライモンダか、オブラスツォーワとガニオのラ・シルか迷うなー
雰囲気、センスの良さで決めるならライモンダ、可愛さ・幸福感で決めるならラ・シルかな。
最後に、噂には聞いていたけどお値段的にとても手が出せなかった世界バレエフェスを、
いくつか抜けた演目はあるとはいえ、5時間に渡り放送してくれたNHKに、ありがとう!!
この映像は永久保存版にします!
そして100%いないと思いますが、もし最初から最後まで、
もしくは所々でも斜め読みでもここまで読んで下さった方がいたら、
本当にありがとうございました…!!
耳慣れない物の何となくメンデルスゾーンのかの有名な結婚行進曲に何となく雰囲気が似た感じの
晴れやかで明るい曲調が気に入って、テンション上がりましたー!!
戴冠式とかいう題名がもう私好みすぎてにやけます。
王権とかの権威にとことん弱い人間ですみません。
Aプログラム
モペイ
1演目目からコンテンポラリー?マジ勘弁こっちは昨日から寝てないんだからさー、
とか思ってたら
目が醒めるような音楽と目が醒めるようなフリーデマン・フォーゲルの動きに
一気に覚醒しました!青春を感じさせる踊りですが、現代バレエに良くある青春の鬱屈ではなくて、
青春の新鮮な光を感じさせるような踊りと振り付けで、良かったですー!
最後フォーゲルが
「ふっ…」
と上を向いて息を吐いて終わるのですが、もちろんそういう振り付けなのでしょうが、
終わったーという達成感と、新鮮な創造の息吹と、両方を感じさせる幕切れで、印象に残りました。
幻想~白鳥の湖のように~から第一幕のパ・ド・ドゥ
この演目、10年前位にTVでハンブルク・バレエの公演がやっていて観てから凄く好きなのですが、
その時は何より衣装が絶妙なニュアンスの色合いで生地の質感とかもすごーく上品で素敵だったのに
今回照明のせいもありひたすら青々しく、デザインも見劣りするしでいまいちでした。
バイエルン王ルートヴィヒ2世役のティアゴ・ボァディンはまあ雰囲気出てたけど
ナタリア妃役のエレーヌ・ブシェが何分お年に見えて、いまいち魅力が感じられなくて残念。
いつの間にか終わってたという感じでした。
ドリーブ組曲
上野水香さん、ご本人のご人格がどうこうとかでなく、ダンサーとしての存在感がとても好きなダンサーです。
ダンサーって同じ演目を踊っても、ひたすらバレエらしい清浄な空気を漂わせる方と
艶っぽい感じが出る方とに二分される気がするのですが、上野さんは前者ですね。
何と言っても細ーくて長ーい手足に小さなお顔というバレリーナの見本の様な体型ですし、
纏っているオーラがとてもきらきらしていて清々しいというか、
以前眠りのオーロラ姫をDVDで観たのですが、まさにお姫様の様なバレリーナだなーと思います。
で、ようやくバレエらしいクラシックチュチュの上野さんと
お揃いの青い衣装のマシュー・ゴールディングが現れ、
曲もコッペリアの耳に馴染んだメロディーだしでまたテンション上がる私。
コンテもドレスも好きだけど、やっぱりチュチュにはえも言われぬ魅力がありますね。
一気にバレエの世界に誘ってくれるというか。
上野さんの着ていた、胸元だけベロア素材?で紫のチュチュが現代的で可愛かったです。
で、踊り。ゴールディングは初めて見るのですが、ずんぐりしたダンサーだな…という印象。
踊りも取り立てて言うほどの事は無いし(失礼ですが)、あまりぱっとしない感じ。
上野さんはヴァリエーション溌剌として可愛らしくて良かったですー。
天性のコケットリーが彼女の持ち味ですね。
うーんでもやっぱりゴールディングが何かヴァリもサポートも物足りないです…
クリスマスプレゼントにゴールディングが王子役の
オランダ国立バレエのくるみ割り人形のDVDもらおうと思ってたのですが(いくつだお前)、
くるみは王子にハマれないとつまらないからちょっと考えちゃうなー…
「扉は必ず…」
これもコンテかな?
オーレリ・デュポンもとっても美人だけどあまり色気(色香ではない)の無いダンサーですね。
マニュエル・ルグリはもう引退したんじゃなかったっけ?公演時の8月の時点ではまだだったのかな?
ルグリも素晴らしいダンサーだと思うのですが、何分彼の公演映像で良いの観た事無いんですよねぇ。
ビデオで観たドン・キはヌレエフの変な振り付けのだったし。
で、そんな二人のデュエット。舞台に大きなベッドが置かれ、二人がそこに寝ころんだりしながら
なんやかや踊ってる…って感じで始まって、段々と二人の置かれている状況とかが分かってくる感じ。
二人は決して冷めてはいないけど、お互いの関係に何らかの危機感を抱いている夫婦で…
という感じかなと思いました。
二人が赤と白の大きな花束を
何度も相手に投げては受け止め、投げては受け止め…の繰り返しの場面は
深い虚無感を感じさせて恐かったです…二人ともさすがの表現力。
でもそれをデュポンがついに止めて花束を乱暴に床に投げつけるシーンから、
少しづつまた二人の関係が動き始め、嵐の中に光が差し込みかける…
最後の二人が一つの林檎をかじるシーンは、禁断の実である林檎を食べる→楽園追放
でバッドエンド?と思いましたが、二人で何かをしたという事が重要なのであって、これはタイトル通り
楽園から出ても、また新たな扉が開かれる…というお話なのかな、と、私なりの解釈で思いました。
海賊からパ・ド・ドゥ
ポリーナ・セミオノワとイーゴリ・ゼレンスキー、
どちらも生で観た事あるし海賊の演目も派手なので好きで楽しみだったのですが…
セミオノワ、ベルリン国立バレエのシンデレラで観た時は凄く良かったのに、
何かオーラが薄くなった…?というのが正直な感想でした。
ゼレンスキーもまだ踊ってたんだ…
という驚きの方が大きかったですが、(20数年前の白鳥の湖の映像で主役踊ってるのに)
さすがに年取っちゃったなあ…っていう感じの踊りで、なぁんか個人的に盛り上がらなかったです…
ゼレンスキー、白鳥の映像での勇姿を知ってるだけにジャンプも回転も観てて辛い…;;
ヴァリエーションの最後の回転でぐらついちゃったのが残念でした。
本人もフィニッシュの時あちゃーって顔してたし。
セミオノワも見せ場のグラン・フェッテいまいち勢いが無くて残念。
正直せっかくの純クラシックなのに期待はずれでした…
「瀕死の白鳥」
ウリヤーナ・ロパートキナ、個人的にはエラが張ったお顔だよなあという印象しかないんですが、
やっぱりマリインスキーのトッププリマですね。
後ろ向きで登場した瞬間から、瀕死の白鳥が必死で飛び立とうともがく姿が目に浮かぶ様でした。
個人的にサン・サーンスの白鳥は
私が幼い頃父に聴かされて最も親しんでいたクラシックの一つなので、
音楽が思い入れ強いです。
でもそんなブラボー連呼するほど良かったか?と思ってしまいました。
でも彼女は立ち姿が高潔で凛としていて、本当に白鳥のようですね。
プリマの風格がびしびし感じられました。
パガニーニ
ここまで終わって時計を見たら、まだ全体の五分の一しか時間が経過してない事に戦慄、
これは持久戦になるなと覚悟を決めた私はこの辺から真面目に観るのを放棄しはじめてました。
ウホッマルセロ・ゴメス良い筋肉とおけつ!!
コンテなので真面目かと思いきや、お笑いの要素と舞踏の美が程よく調和してて、面白かったです。
ヴァイオリンのチャールズ・ヤンの演奏も見事でした!!弾けるようなリズム!
ラ・シルフィード第2幕から
タマラ・ロホ、ロイヤルバレエの来日公演で眠り観た時は何か無個性とか言ってたけど、
こんな素敵なダンサーを生で観ておきながら堪能しなかったなんて過去の私超勿体ない!
って位凄く素敵でしたー!!ラ・シルも好きな演目なので嬉しいvv空気の妖精さんとか萌えvv
ロホのシルフィード、首の使い方、かしげ方、腕の使い方まで、完璧に愛らしくすっごく可愛い!!
ファム・ファタール的な役割ではありますが、邪心の全くない無垢な空気の精そのものでした。
ジェームズ役のスティーヴン・マックレーもロイヤルのアリスのジャック役も良かったし、
ジャンプ高いし跳躍勢いあるしスカート似合うし←素敵でしたvv
シルフィードの薄いチュールを何枚も重ねた真っ白いロマンティック・チュチュも、
踊る度にふわっ…と揺れて、その名の通りロマンティックそのものでうっとり…vv
シルフィードの少女のような穢れ無さを象徴しているようでした。
ラ・シル第2幕のパ・ド・ドゥの音楽も大好きなので三度テンションだだ上がり!
ラストのシルフィードが上体を傾けて手を顔に添え、
脚を垂直に上げるあの有名なポーズはまるで本当に一幅の絵を見ているように美しかったです。
後述のBプロのライモンダ観ても分かるように、ロホ、役によって様々に演じ分けるタイプの様なので
眠りのオーロラ姫もお姫様って事でわざと無個性に演じてたのかもな…(見る目がないだけです)
「ブレルとバルバラ」
すみませんorz私これずっとエリザベット・ロスをデュポンだと勘違いして観てました…
この演技この動きさすがデュポンだなーとか思ってたら、カーテンコールでロスの字幕がorz
外人の顔見分けるの苦手だし髪型変わると誰が誰やら分からんです。
それはそうと、確かこの演目で始めてヴォーカル入りの曲が使われてましたよね?
こういうムードのある海外版懐メロ系の曲って落ち着いて好きですー現代舞踏と相性良いですね!
曲のせいか、ジル・ロマンが小舟に揺られてるシーンがまるで揺りかごの中を表している様だったせいか、
母胎回帰願望が現れている様な気がしました。
日本文化を愛したベジャールらしく、ロスが羽織る衣装に純白の振り袖が使われている所とか、
東洋と西洋の幸せな出会いという感じがして素敵でした。二人の髪型もモダンで素敵v
カンタータ
現代コリオグラファーの気鋭、(←振付家詳しくないので多分)N・ドゥアトの世界初演作品。
…で?っていうのが感想でした…。
あのウラディーミル・マラーホフとディアナ・ヴィシニョーワが踊ってここまで起伏が無いのも珍しい。
何か音楽もコンテにありがちな悲愴な感じの宗教音楽的なのだし、
男女がくねくねと何となく絡み合って終わりという…こんなもんでいいんじゃね?感が凄くしました…
何か今更ですが各ダンサー・振付家のファンの方が読んだら炎上しそうな暴言ばっかりですみませ…
あくまでもド素人の1バレエファンの主観的な独り言として読んで頂けると幸いです;;
とにかく、上記の様な印象しか受けませんでした…私の見る目がおかしいだけなのか…?
ドン・キホーテからパ・ド・ドゥ
Aプロの大トリだし華やかな演目だしで期待大だったのですが…
オレシア・ノヴィコワ、何かポーズの形の一つ一つが全然綺麗に決まって無くてがっかりなキトリでした。
ふにゃふにゃしててしまりが無い感じ。特にキトリのヴァリエーション、
出の扇の扱い方見ただけでこんなのキトリじゃない!!って分かってしまう位。
バジルのレオニード・サラファーノフはマネージュ?だっけ?舞台を回転しながら一周するヤツとか、
技も決まっててまあ良かったですが…
アダージオの片手リフトとかキトリのグラン・フェッテとか、
もっと上手い人いくらでも観たことあるしなあって感じでした。
何か今回(観るの初めてだけど)クラシック不調じゃね?って印象を残し、Aプロ終了ー。
この時点で放送開始から2時間、全体のやっと五分の二…
まだまだ期待演目&ダンサーはある!って事で2分の休憩を挟んでBプロへー。
(書くのも大変です…orzまだ半分以下…好きでやってるんだけどさ…)
Bプログラム
パルシファル
忍者ブログがずっと調子悪くて書いてて疲れるのでいまいちだったのは感想が適当になります…
これは可もなく不可もなくって感じかな。ダンサー二人の背景に白い布が張ってあって、
二人の動きが大きな影になって見えるという、
手前のダンサーと背景の影の二重構造の舞姿、という感じでアイデアがいいなあと思いました。
黒い影と対比すると、地味な色のレオタードのカテリーナ・シャルキナとオスカー・シャコンが、
カラフルに彩られている様に見えて視覚効果的に面白かったですー。
タイス
上野さんは…何か陽性のダンサーなんですね…と言うことが良くも悪くも分かった演目。
彼女、華やかだったり可愛らしい役はとてもよく似合うんだけどあまり叙情性が無いというか…
タイスの瞑想曲は美しいヴァイオリンの調べがとても素敵な私も好きな曲なのですが、
音楽の叙情性と上野さんがどうもちぐはぐに見える…
ゴールディングも相変わらずずんぐりしてぱっとしないダンサーという印象を拭えませんでした。
上野さんの衣装はブラウン系の胸下切り替えのチュニック状で、
長身で手足の長い上野さんのスタイルをよりいっそうひきたてていて良かったのですが。
エフィ
私はフィギュアのエキシビとか観ててもそうですが、
こういう海外懐メロ系おセンチヴォーカルの曲がバックに流れてると
それだけで叙情性がアップしている様に感じてしまうようです。
マライン・ラドメーカーは、凄く自由な表現力を持っているし、
またそれを表現する事が出来る恵まれた肉体を持っている、という感じがして、
動きの一つ一つにとても表現する力が感じられるというか、観ていて気持ちの良いダンサーでした。
これまた青春の自由な感じを描き出してて良かったです。
ただバックの曲が3曲目になった時は「いや…さすがにもう良いよ…」と思ってしまいました(^_^;)
すぐ終わって良かったけど。けっして退屈では無いのですが!
ライモンダからパ・ド・ドゥ
すっごい良かったですー!!
冒頭、二人が出てくる所で、中世ハンガリーが舞台なのに
マックレーの衣装が青いタキシード(風)に蝶ネクタイ、
ロホが頭にドレッシーなヘッドドレス?を付けてて、意表を突かれました。
こういう現代的な遊び心みたいなの大好きですーvv
ロホ、女優ですね!!ラ・シルの時と演技も身のこなしも踊りも雰囲気も全然違う!!
特にシルフィードの時には無かった目力の使い方半端無かったですー!
ハンガリーの民族舞踏風の、重厚で物悲しいメロディーに乗せて、
実際は音はならない物の両手を打ち合わせる仕草をする所とか、
片手を腰に、片手を頭に添える独特のポーズとかが凄くキマっててため息が出ました。
本当にこの人は役柄によって肩も腕も
体のパーツ全てさえも丸ごと取り替えてしまえるんじゃないかと思うほど、
完全にシルフィードとは別の人格を持った一人の女性が確かにそこにいました。
マックレーも、スマートで粋な金髪好青年で、
ダンスパーティーにエスコートしてもらうならこういう男性が良いわーv
と思わせるような(分かりづらい)素敵なダンサーですね!
ただ踊りは良いんですが脚が短いのだけが残念…(^_^;)
ライモンダのヴァリエーション、
14歳位の時に父と観に行った「バレエの女神(ミューズ)」というガラ公演で
ユリア・マハリナが踊ったのが凄く素敵で印象に残っているのですが、
ロホも同じ位素敵でしたー!
楚々とした貴族の姫君というよりは威厳溢れる女王様に見えちゃうけど。
コーダのライモンダのグラン・フェッテも堂々としていて良かったです!
このパ・ド・ドゥ、他の作品にはない民族色のある音楽と振り付けが独特で、好きですー
バレエにおける民族舞踏「風」の振り付けに弱い私です…
昔は本物の民族舞踏(洋の東西問わず)も大好きだったんですけどねぇ…
とてもクラシカルなのに現代的でスタイリッシュなライモンダ、本当に素敵でしたー!vv
ロメオとジュリエットからバルコニーのパ・ド・ドゥ
有名なマクミラン版だし、
バルコニーのシーンのロミジュリ可愛くて好きだしで期待度高かったんですが…
アリーナ・コジョカル、良く愛らしいダンサーと言われるみたいですが、
もちろん容姿はもう結構歳いってるはずなのにとても可憐で愛らしいのですが、
眠りもくるみもDVD持ってるけど本当の意味で愛らしいと思った事って無い気がします…
決して気持ちが入ってないわけじゃ無いんだけど、どこか「作った」感じがしてしまう。
ジュリエットも、「14歳にならない(マクミラン版では特に)無邪気な少女」には見えませんでした…
何だろう…感情表現がいつも少し控えめに見えちゃうのかな。
マクミラン版ジュリエットは吉田都さん位思いっきり無邪気さを全面に打ち出す感じで良いかと。
ロメオ役のヨハン・コボーも情熱的な若々しさはあって良いのですが、
二人共に「瑞々しさ」が無いと思いました。どっちも年相応にしか見えなかったです。
このパ・ド・ドゥにおいて、瑞々しさは必要不可欠だと思うのですが。
最後だけ、二人がキスする場面で
ロメオがジュリエットを地面からほんの少し持ち上げてキスするのが、可愛らしいなあと思いました。
ウィズアウト・ワーズ
運命的にもAプロで個人的にワーストだった振付家、N・ドゥアトと、
ワーストのダンサーだったノヴィコワの組み合わせ。
で、私にはどっちもこちらの作品で発揮されてる個性の方がずっと合っていた様です。
男女が特にテーマ性もなく絡み合う(エッチな意味で無く…いやそっちの意味もあるけど)…という、
カンタータと共通の構成ですが、こちらは音楽もずっとリラックスした感じで、
二人の体の絡み合いが段々楽しく、洒落た遊戯的に見えてくるというか…
そういう、強いメッセージ性は無いけど、ただ何となく観ているだけで何となく楽しめる、
そういうダンスの形も有って良いんだなぁと何か新鮮な発見でした。
ドゥアトはこういう作風の振付家なのかな?
ノヴィコワの、文字通りクラシックバレエの型にはまらない個性には
こういうコンテの方がやっぱり相性良いみたいですね。
椿姫から第3幕のパ・ド・ドゥ
オペラの椿姫は大好きですが、バレエの椿姫はほぼ観たことが無いので、
どういう場面の踊りなのか分からず、ショパンの優美な音楽は素敵でしたが
これも気付いたら終わってた感じでした…
とりあえず、椿姫役のアニエス・ルテステュが真っ黒いオフショルダーのドレスから
自然な肌色のシュミーズ?姿になる所が、下品じゃなく色っぽかったです。
ラ・シルフィード第2幕から
これは私が20歳位の時にマリインスキーの来日公演のピンチヒッターでジュリエット踊って、
生で観たのその1回きりだけど大好きなダンサー、エフゲーニャ・オブラスツォーワと、
私の大好きな妖精が主人公のツボバレエ、ラ・シルとの組み合わせと言うことでかなり期待大でしたが、
それに違わず凄く良かったですー!!vv
期待度と実際観た感想が今まで半比例してばっかりだったので、期待通り、
いやそれ以上に素晴らしい舞台を見せてくれたオブラスツォーワのシルフィードに感謝ですvv
…しかし真性BAKAの私はオブラスツォーワのシルフィード登場シーンを
周りにいる東京バレエ団の冴えない日本人ダンサー達の一人だと思ってスルーしておりましたorzorz
ちゃんと区別つく様にオブラスツォーワだけネックレスとブレスレットしてるのにね…orzorzorzorz
オブラスツォーワのシルフィードは、Aプロのロホと比べると、場面のせいもあるでしょうが
女性らしくて柔らかい印象で、また素敵でしたー個人的にはこっちの方が好みvv
オブラスツォーワ、19歳でジュリエット踊った時の素直な表現力はそのままに、
凄く女性らしい雰囲気の踊りをする良いダンサーに成長したなぁと思いましたvv
第1ヴァリは空気の精らしく本当のそよ風の様に軽やかで、
第2ヴァリはしっとりと落ち着いた雰囲気で、
題3ヴァリ(これどれか他の演目と間違えてるかも;;記憶がもうあやふやで;;)は
ちょっとお茶目な悪戯ッ子の様にぴょんぴょん飛び跳ねる様が何とも可愛かったですーvv
ジェームズ役のマチュー・ガニオは、デュポンとラ・シル踊った頃は
少女漫画の王子様が抜け出てきたみたいなきらきらした瞳の美少年でしたが、
今は程よくたくましくなってて良かったです。
にしてもロホとオブラスツォーワの衣装、素材感から頭の花冠まで、随分違うんだなーとびっくり。
ロホの花冠の白い花の中に淡いピンクの花が混ざってる所は思わず声に出して
「可愛い~vv」と言ってしまいましたが、
オブラスツォーワの大振りの白い花の花冠も似合ってて、
ウエストに細い水色のサッシュしてるのも可愛かったです~vv
東京バレエ団仕様の衣装なのかしら。
マーラー交響曲第五番から”アダージェット”
何かブシェとボァディンが真っ白い衣装で踊ってたのは思い出したけど良く覚えてない。
このハンブルク組からは何か感じる物が無かった…
シェラザード
セミオノワとゼレンスキー、海賊よりはこっちの方が安心して観られる感じでした。
ゼレンスキー、金の奴隷はアリみたいに飛んだり回ったりしなくていいもんね…
残酷かも知れないけど自分の年齢の限界にあった作品を選択していく事も必要だと思います。
かつてのゼレンスキーの輝きを知ってるだけにこちらも切ないですが…
何かタイプは全く違うけど、アリと金の奴隷つながりで今のルジマトフ観てるのと同じ辛さを感じる…
セミオノワのゾベイダも王の愛妾という役柄らしくそれなりに官能的で良かったです。
くるみのアラビアの踊りみたいなエキゾチックな曲や雰囲気も好きなので。
それまで西洋モノばっかりだった事もあり、
衣装や振り付けが新鮮に見えて得してるなーという感じでした。
金の奴隷に後ろからキスされて悶えるゾベイダがエロかったですー。
海賊からパ・ド・ドゥ
セミオノワ・ゼレンスキーコンビがAプロでやや残念な出来だった海賊を、
海賊とはこうあるべし!!と見せてくれた感のある、凄く良い舞台でした!!
メドゥーラ役のナターリヤ・オシポワは今まであんまり美人なイメージ無かったんですが、
凄く艶のある美人さんに見えましたー
針金のように長くて細い脚から繰り出されるグラン・フェッテは圧巻の迫力!!
今フェスティバル中観たグラン・フェッテの中で文句なしに一番の出来でした!!
イワン・ワシーリエフはまさに海賊とはかくあるべしという、颯爽とした跳躍!!勢いのあるジャンプ!!
凄く爽快な気分にさせてくれるアリでした!!
今フェスティバル中個人的にベスト3に入るお気に入りの演目でした。
ル・パルク
Aプロでは演目で損してた感のあるヴィシニョーワとマラーホフ、
お馴染みのカップルによるいぶし銀のデュエットという感じでなかなか味わい深かったです。
ル・パルク、むかーしパリオペのをTV放送した時観たのをぼんやり覚えてるだけだったのですが、
とても健康的なエロスとでもいうか、清々しいエロティシズムを感じさせる作品でお気に入りでした。
ヴィシニョーワは、冒頭前傾している体から垂れ下がった結ってない長い黒髪を、
腕でかきあげる所がどきっとする程色っぽくて思わずはっとさせられました。
二人とも白い長めの丈のナイティの上だけを身につけて、
度々ナイティが捲れ上がってパンツが見えるんですが、衣装全部が真っ白だからか
露骨なエロさを感じさせなくて良いんですよね。
マラーホフは今回あまりいつもの様なオーラが感じられませんでしたが、
キスしたままヴィシニョーワを手を使わずにリフトしてぐるぐる高速で回るところは、
何というか二人とも色々な意味でさすがという感じでした(笑)
女性の振付家らしい、性への前向きな賛歌とでもいう様な物が感じられる作品で、
やはり好きだなあと実感しましたー。
コール・ペルドゥート
スヴェトラーナ・ザハロワは、綺麗だけど硬質な感じの踊りと、演技が上手くないせいで
あんまり好きじゃないんですが、この作品はインド?かどこかのイメージとおぼしき衣装と
音楽がとても良くて、結構気に入っちゃいましたー
いつもより色っぽく見えたし。サリーみたいな赤いロングドレスと後ろで編み込んだ品のある髪型で
女性らしく見えるからかな?
パートナーのアンドレイ・メルクーリエフは、まだマリインスキーにいた頃の来日公演のロミジュリで
マキューシオ踊ってたの観に行った事あるのですが、あの頃から変わらない、
天性のどこかおちゃらけたユーモラスな少年の様な雰囲気が個性的で良かったです。
ドン・キホーテからパ・ド・ドゥ
フェスティバルの大トリ、Aプロではがっかりの締めくくりだったドン・キを、
ヤーナ・サレンコとダニール・シムキンが、きっちりと〆てくれました。
キトリのヤーナ・サレンコは、スペイン娘っぽくは無いけど綺麗なブロンドに
赤い薔薇を飾っているのがとっても映えて華やか~な雰囲気v
赤い衣装も刺繍が綺麗で、キトリの衣装はやっぱりこうでなきゃねーって感じでした。
Aプロのノヴィコワの衣装、赤いだけでパッと見練習用かと見まごう程地味ーだったので。
ずば抜けたテクニックがある訳では有りませんが、手堅くまとめたキトリでした。
キトリのヴァリは女の子っぽい可愛い雰囲気でしたー。
ダニール・シムキンのバジルも、スタンダードでオーソドックスな、
けれんみのないバジルで良かったです。12月の東京バレエ団とのくるみちょっと観たいな…
眠れる森の美女のアポテオーズによるカーテンコール、フィナーレ、総評
書き忘れましたがAプロのフィナーレも眠りのアポテオーズでした。
荘厳で重厚なこの音楽は数々のスターが一同に会するこの祭典の締めくくりに相応しいですね。
カーテンコールで放送されなかった演目の衣装着たダンサー達も写ってて、
とくにオネーギンは観たかったなーと歯がみしてました…;;
全体的に、2,3を除いてはこれは凄い!という演目は思ったより有りませんでしたが、
色んなコンテンポラリー作品が観られたり、海賊やドン・キ、シーンは違う物のラ・シルと、
同じ演目を違うダンサーが踊るのも、見比べられて面白い趣向でした。
個人的にラ・シルはABどっちも満足ですvv
個人的ベスト3は、3位はオシポワ・ワシーリエフの海賊で決まりとして、
一位はロホとマックレーのライモンダか、オブラスツォーワとガニオのラ・シルか迷うなー
雰囲気、センスの良さで決めるならライモンダ、可愛さ・幸福感で決めるならラ・シルかな。
最後に、噂には聞いていたけどお値段的にとても手が出せなかった世界バレエフェスを、
いくつか抜けた演目はあるとはいえ、5時間に渡り放送してくれたNHKに、ありがとう!!
この映像は永久保存版にします!
そして100%いないと思いますが、もし最初から最後まで、
もしくは所々でも斜め読みでもここまで読んで下さった方がいたら、
本当にありがとうございました…!!
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小雨
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