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雨の通り道

5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。

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ファイナルファンタジーP4

最近世界の偉人の伝記漫画とか、
かやまゆみさんの時をかけた少女たちシリーズとか読んでたら、歴史熱が発症しました!!
日本史は明治~昭和初期位しか興味なかったけど、江見てたら戦国時代も良いなぁ~とか…
戦国武将カッコイイ!心躍ります!
そしてかやまゆみさんの純情ピュワ歴史ラブストーリーにきゅん死しそうです…!!vv

西洋史では、ハプスブルク家とかあのへんが元々大好きなので、その辺りを漁ってますー
ちょっと前話題になってた「怖い絵」シリーズの著者中野京子さんの、
「残酷な王と悲しみの王妃」新品買っちゃったよ…!
漫画と小説以外の本なんて自分で買ったの初めてだー!
語り口はスキャンダラスに過ぎるきらいがありますが、やはり上手くてひきこまれてしまうのです~
もう王室とか政略結婚とかお世継ぎ争いとか大好きですすみません。

つづきからファイナルファンタジーP第四話。
 


4
その後のフィオの活躍には目を見張る物があった。幾多の魔物相手に、ごくありふれたホウキを手に殴りかかり、なぎはらい、はきすてていく。仲間が傷を負えば、即座にケアルを詠唱する。先ほどまでの怯えた少女はどこに行ったのやら、
「戦闘ってストレス解消にいいわぁ~やっぱり動かないと駄目ね、人って」
等とのたまう始末である。
「ここまで順応性のある奴も珍しいよな…」
そっとつぶやくリッジにスライも
「全く」
と同意する。と、またぞろ敵のお出ましである。森の精霊、ドリアードだ。外見こそ可憐な乙女の姿をしているが、その性格は凶暴で、人間と見れば襲いかかってくる。リッジの攻撃・槍二刀流!ドリアードに158のダメージ。ドリアードの攻撃、誘惑―リッジは誘惑され混乱状態になった!フィオはすかさずリッジの頭をホウキで殴りつける。リッジに65のダメージ・リッジは正気に戻った!スライの攻撃、秘技・十文字切り―その名の通り敵に対し縦横に切りつける剣技である。ドリアードに200のダメージ・ドリアードを倒した!経験値110ポイント・112ギル・妖精の粉を手に入れた!フィオはレベルアップ!エスナを覚えた

こうして一行は襲いくるモンスター達を倒しつつ、黄昏の森の最深部にある湖畔へとたどり着いた。そこで3人が見たものは―
「…飛空艇だ…」
6年前に国中の飛空艇が破棄されて以来、3人が初めて見る飛空艇はしかし、懐かしさ等というものを抱かせてくれる代物では全く無かった。
「何、あのひどいセンス…」
フィオが思わず呟くのも無理は無い。その船体は赤と紫というドぎつい色で塗りたくられ、「くいーん・らみあごう」とでかでかとかつケバケバしい書体で船名が記されている。お世辞にも「お洒落ですね」とは言えない外観だ。
「ま、まあ、とにかくこの船のどこかに皇后陛下が囚われているんだ」
3人はお互いに顔を見合わせると、うなずいた。
「いくぜ!皇后陛下を救いに!」

チャダルヌークの飛空艇は、近づいて見ると何の事は無い、木で出来た昔ながらの素朴な作りのものだった。世界でも指折りの文明国であるメリーラントではかつては貨物船でさえ鉄製だった事を思えば、随分と原始的である。そのかわり、比較的小柄な船体は小回りが利きそうである。数々の悪事を重ねながらも今まで捕まらなかったのは、そんな事情だったのかもしれない。とりあえずリッジは扉を開けようとしてみるが、当然の如く鍵がかかっていて開かない。「何とか侵入する方法を考えなきゃな…」リッジは視線を上にやると、「おっ、このエアダクトから中に入れそうだぜ!」と提案する。どうやら中に入る入り口(と言えるのかどうか)はそこしか無さそうだったので、3人は押しつ押されつなんとか飛空艇内に浸入した。

クイーン・ラミア号・内部―エアダクトは人一人がやっと立って歩ける位の高さだったが、各部屋の上を通っており、部屋の天井は網張りになっているので、それぞれの部屋の様子が良く見渡せて好都合だった。3人はエアダクトを通りながら皇后の囚われている部屋を探す事にする。途中何度かエアダクト内を徘徊しているラグタイムマウスと出会って戦闘になったが、ここにたどり着く前に幾度かレベルアップした3人の敵では無かった。「…なあスライ、皇后陛下ってどんな人なんだ?結婚祝賀パレードでもオレ遠すぎて顔見えなかったし、謁見も許されて無いから知らないんだよな」
「私も知りたいわ。皇后陛下なんてご庶民の私達には縁の無い人だもの」
リッジ達のその問いに、スライは
「皇后陛下は、その、まあ面白い人だよ」
と曖昧に答える。
「美人なのか?」
「まあ、それなりにね」
煮えきらない答えにリッジが更に突っ込もうとした時、
「居た!皇后陛下だ!」
とスライが声を上げる。見ると、薄暗い狭苦しい部屋の中に、若い女性と壮年の紳士とおぼしき人物がとらえられている。
「おっしゃっ!第一関門突破だぜ!」
リッジは天井の金網を槍で破って部屋の中に飛び降りる。スライとフィオも後に続く。そこにいたのは―
皇后陛下という言葉のイメージとはほど遠い、女性と言うよりはまだ少女と言って良いだろう女人の姿だった。おそらくフィオと同じ位だろう。純白の一見質素な旅装をしているが、その生地から最高級の仕立て屋の手による物だと一目で知れる。既婚女性の慣例に従い、栗色の髪を大きく結い上げているが、その髪型が不似合いに思えるほど幼さが残る顔立ちをしている。その隣にいるのは皇后と共にさらわれた老紳士(リッジ達にはすっかり存在を忘れられていたが)。いかにも徳の有りそうな人物で、引き締まった顔立ちに片眼鏡、青い宮廷衣装という出でたちである。
「あらあら。まあ」
皇后は突然現れた3人を見て驚きつつもどこかのんびりとした声をあげた。
「陛下、近づいてはなりません。族の一味やもしれませんぞ」
そう聡す紳士を
「ウェルザー伯爵、失礼でしてよ。」
と軽くいなして、
「その制服は、城の近衛隊と衛兵隊の方ですね?お初にお目にかかります。メリーラント皇后のエシャロット・マルグレーテ・フォン・メリーラントですわ。こちらはわたくしの執事を勤めて下さっているロバート・ウェルザー伯爵。」
エシャロット皇后は宮廷風の作法に則ったお辞儀をした。3人もそれにならって慌ててどうも、とお辞儀をする。リッジはともかく、毎日謁見の間で警護にあたっているスライはお初にお目にかかる訳では無いのだが、皇后は気付いていないらしい。
「わたくし達、さらわれてしまいましたの。」
―見れば分かる。
どうも調子狂うな、この皇后陛下は…リッジは早くもこの皇后に対し苦手意識が芽生えはじめる。その間にも、エシャロット皇后とウェルザー伯爵は互いに我が身の不幸を嘆きあっている。
「ああ、お忍びで城から出たりするんじゃありませんでしたわ。きっとわたくし達、このまま奴隷市場で競売にかけられて一生奴隷として惨めな生涯を送るのですわ、ああ、そうなったらこの国はどうなってしまうのでしょう!」
「だから私はあれほどおやめになる様にと言ったではありませんか。おお、奴隷商人に売られるのも我が運命、こうなればこのウェルザー伯、最後まで陛下と苦楽を共にしますぞ!」
―何だかなぁ、と3人は思った。
表面上は悲劇だが、はたから見るとどうにも緊張感が感じられないのだ、この二人は。とりあえず、リッジが
「あの~、そうならない様に我々が助けに来たんですがね」
と宣言する。
「まさか!あの恐ろしいチャダルヌーク一味相手にあなた方だけで戦うとおっしゃいますの?」
「大丈夫、この二人、こう見えて腕は立つんです。それにしても、どうして城を出たり…?」
そう問うフィオに、エシャロット皇后は今思い出したという様に顔を曇らせる。
「だって…皇帝陛下はいつもお忙しくて、ちっともわたくしにかまって下さらないんですもの。それが、今度の久々の休暇にはアムルの湖畔でピクニックをしようねっておっしゃって下さって、わたくしとっても楽しみにしていましたのに、当日になって急に片付けなくてはならない書類が出来たとかで…」
「中止に?」
エシャロット皇后は頷くと、
「わたくし、立腹しましたの。」
と、重要な宣言でもするかの様にきっぱりと言い放った。
「それで、皇帝陛下を嫌いになったんですか?」
「まあ、まさか。陛下ほど素敵な方はこの世にいらっしゃらないわ。」
皇后は頬に手をやり、うっとりとしながら答える。
「でも、陛下はわたくしよりも国政の方が大切なんですわ。それでわたくし、いつもの様にお忍びで出かけて陛下を少しは心配させてあげようと…」
はあ…―
聞いていた三人は脱力感を隠しきれなかった。どうやらこの皇后陛下は、外見だけでなく内面までもまだ子供のままらしい。一国の皇后としては、あまりにも責任感にかけている。ウェルザー伯爵もため息をついている。可哀想に、普段から相当この皇后に振り回されているのだろう。
「さて…一区切りついた事だし、チャダルヌーク一味を探しに行きますか」
とリッジがいい加減で話を切り上げようとすると、エシャロット皇后の口から思わぬ言葉が飛び出した、
「わたくしもみなさんと一緒に戦いますわ!」
と。スライが即座に
「とんでもございません、これ以上陛下の身を危険に晒す訳には…」
と断ろうとするが、
「あら、わたくし喧嘩は得意ですのよ。昔はよくお姉さま達を泣かせたものですわ…。」
と陶酔状態に陥っている。喧嘩って…。この皇后、お気楽度はフィオといい勝負である。更にウェルザー伯爵が「皇后陛下が行くと言うならばこのウェルザー伯爵も行かない訳には参るまい!陛下、私も共に戦いますぞ!」
と決意を顕にするが、エシャロット皇后は
「ウェルザー伯爵、あなたは止した方が良いのじゃないかしら。また腰を痛めてよ。」
と制止する。
「何の何の、私はまだまだ衰えていませんぞ~」
とその場でスクワットを始めるウェルザー伯爵。と。
ゴキゴキメリッ!とこの世の物とも思えない音がして、ウェルザー伯爵が悶絶する。
「じ、持病のギックリ腰が…」
―こうして、パーティに半ば強引にエシャロット皇后が加わり、ウェルザー伯爵は
「どうか皇后陛下を頼みましたぞ~!」
と虚しい叫びを残して取り残されたのである。
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小雨
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自己紹介:
7月15日生まれのかに座、A型。
めんどくさがりでものぐさ。

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