ヴァンデミエールの翼

鬼頭莫広さんの｢ヴァンデミエールの翼｣という漫画、昔兄が持っていて読んだのですが、
もう一度読み返したくなってamazonのマーケットプレイスで全二巻ポチってみました。
大分前の漫画だけどまだ絶版になってないみたいだし、
ブックオフで探せばあるだろうなーと思ったのですが探す手間より手軽さを考えて。
送料込みでほとんど新品と変わらない値段しましたが、買って大満足です。

ヴァンデミエール、それは魂の宿った自動律胴人形。
これは彼女と彼女に出会った人々の数奇な運命の物語―

何というか、とってもイノセンスな物語。空虚なのに優しい独特の世界観がとても好きです。
昔読んだときは難しく感じたのですが、
今読むとちゃんと言葉で説明されてるし、決して投げっぱになっていません。
その上で台詞とか絵とかモノローグとかから色々解釈できる感じが凄く好き。
ぼんやりと感じるだけで上手く言葉に出来ないのがはがゆいですが。
絵もとっても綺麗で上手くて素敵です。
ヴァンデミエールどの子も可愛い。言葉遣いも可愛い。
口絵の水彩の滲んだ感じもとっても綺麗です～

特に好きなのは一巻巻末の｢フリュクティドールの火葬｣。
共依存の関係から抜け出して真に大人の男性になったミルトンが良かったです。
最後ヴァンデミエールとのこれからを感じさせる終わり方も凄く好きです。
ヴァンデミエールに関わった人達が死にそうで死なないのが良いです。
基本的にいわゆるハッピーエンド的じゃないけどハッピーエンドな所も。

色んな人に布教したいけど一時も自分の手元から離したくない。そんな漫画です。