ノルウェイの森

今日は一人でノルウェイの森観てきましたー。
うーん…原作を読んでるかどうかで、
かなり感想が変わる映画なんじゃ無いかなぁ…と思います。
私は…原作が大好きで、無人島に一冊だけ持って行くとしたらこれ！
って位大好きなんですが…
映画の方は…ちょっとあまりにもはしょりすぎで、
これ原作読んでなかったら分からないんじゃないかなぁって箇所がいっぱいありました。
正直つまらなくは無いけど、あまり良い映画じゃない…と思い…ます…。
続きからちょっと毒吐き感想。

何が不満かって、キャラクターの良さが全く活かされてないというか、
キャラの背景にあるバックストーリーとかが全く説明不足な点ですねー
直子とキズキ君の関係とかは唯一ほぼ原作通りに描かれてましたが、
直子がどうして精神病になったのかとか、
緑のお父さんとの関係とか、
レイコさんの生い立ちとか…
あまりにそれらの点が断片的にしか説明されてないので、
映画だけ観た人にはキャラに感情移入しにくかったんじゃないかと思います。
2時間15分もあったみたいですが、悪い意味であっという間で、
これだけ尺とってこれだけの人物描写しかできないの？
って感じでした。
まあ原作丸々描写してたら4時間位無いと足りないと思うのでしょうがないですが；；

特にレイコさんのキャラが空気過ぎて不満でしたねー
原作では凄く味わいのあるさばさばしたおばさんなのに、
綺麗な普通のおばさんになっちゃって…
まあ最初見たときは美人過ぎ？と思いましたが、
外見については良い意味で歳取った感じで、あまり気にならなくなりましたが。
ワタナベに対して｢私を抱いて｣っていう所は、
原作と全然雰囲気が違って意味合いも違った物になってしまっていて…
そのせいで、最後緑に電話する所も、うすっぺらい感じが否めませんでした。
ワタナベはレイコさんとのSEXという通過儀礼を通して、
初めて直子との関係を整理し、緑と真っ向から向き合える様になったと思うのです。
｢緑以外に大切な物は何もない｣っていう台詞も、
あれじゃ単に直子が死んじゃったから緑にそう言ってるようで、
それ単に緑を都合の良い女としてしか見てないんじゃない？という感じがしました。
映画を観ながら、原作がいかに良い作品で、
映画はその良いところをことごとくすっとばしてるか
台無しにしちゃってるかどっちかだなーと思いました。

良かったところは…
｢キズキ君が死んでから…愛するって事がなんなのか分からなくなっちゃた｣
と直子が号泣するところ、
綺麗なお芝居の泣き方じゃなくて、本当に心からの慟哭って感じで、胸に迫りました。
脚本がアレなだけで、キャストは皆さん良かったと思いますー
ただ緑と直子は役を入れ替えて欲しかった…外見のイメージ的に…
あれじゃ緑の方が全然美人に見えて、
何でさっさと緑とくっつかないんだよと思っちゃいます。

ということで緑役の水原季子さん可愛かったですｖ
原作の緑のキャラクターも凄く大好きなのですが、
映画の方はちょっとお茶目な可愛らしい女の子って感じで、
前髪をピンで留めた小学生の女の子みたいな髪型もとっても可愛いｖｖ
最初はイメージ違うー！と思いましたが、可愛かったので良しとしますｖ
緑の｢あなたのしゃべり方凄く好きよ｣
｢お父さん死んじゃったの｣
｢今あなたと話したくないの｣
｢いいわ。待っててあげる。でも取るときは私だけをとってね｣
とか、一つ一つの台詞が凄く可愛らしかったです。
でもだからこそ
原作の緑のエキセントリックな面をもっと取り入れて欲しかったなーと思っちゃうのですよね；；

全体的に、断片的なかけらを一つ一つかき集めて、ピースの足りない部分は自分で補って…
そうして観なければならない映画だなーと思いました。
やっぱり原作のあの登場人物達を含めた独特の空気感を映画化するのは
難しいんだろうなあと思います。