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5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。

今日はBunkamuraル・シネマに「ロパートキナ 孤高の白鳥」観に行ってきました~
マリインスキー・バレエのプリマとして20年以上もトップの座に君臨し続けるバレリーナ、
ウリヤーナ・ロパートキナのドキュメンタリー映画。
とりたてて彼女のファンと言うわけでもないし(というか踊ってる所をほとんど観た事がない)
色々あって観るの迷ってましたが、観に行って本当に良かったです!

冒頭、タイトルの後に壮大な音楽と共に美しいロシアの街並みの中を通る運河が映し出され、
ロパートキナがインタビューを受ける所から映画は始まります。
「一番好きなバレエ?『白鳥の湖』?…『愛の伝説』が好きね。
意外に思われるかも知れないけど」
ベリーショートに切った髪が印象的な彼女が話し始めると、
彼女の踊る愛の伝説の女王の舞台が映し出されます。
2歳半で母親にそれまで住んでいたウクライナのケルチから
ペテルブルクにバレエを習いに連れて行かれ、
小さい頃はバッハのレコードをかけて母のドレスを着て踊っていたという彼女。
ドキュメンタリーと言うことでもっと彼女の身のまわりの人達の話やオフショットなどで
多角的に彼女を追っていくのかと思いましたが、
あくまでもバレリーナとしてバレエの舞台を中心に
そのレッスン風景や旧知の間柄のバレリーナや振付家、バレエ教師の証言を元に
映画は構成されていきます。
映画を観ていく内に、彼女のバレリーナとしての才能の素晴らしさと
彼女の中にある理知的な好奇心がありありと見えてきて、
彼女の踊っている全幕作品が観たい!と強く思わせられました~
今度東京文化会館の音楽資料室で彼女の白鳥の湖観てみよう。

特に印象的だったのは「マルグリッとトアルマン」の稽古をしているときの姿。
丈の長い練習着を着て頭にはバンダナを巻いた身軽なスタイルなのに、
ポーズを取った瞬間からもうそこにはマルグリットが存在していて、
本当に役の中に深く深く入り込んで一瞬で役を生きる事が出来る人なんだなあと思いました~
舞台映像を観ていても、よくしなるしなやかな身体と自在にコントロールされた手足、
叙情的な雰囲気など本当に素晴らしいバレリーナだというのが短い時間でも良く分かりました。
同じプリマでも元マリインスキー・バレエ、現ボリショイバレエのプリマ
スヴェトラーナ・ザハロワと比べると凄く軟質な感じの踊りだなという印象。
多分今作品のハイライトだと思う「瀕死の白鳥」のシーンでは
何故か客席内から始終ビニールをガサガサさせる音が絶えなくて、
踊りに全く入り込めなかったのが無念ですが…あれは計画的な嫌がらせとしか思えない…
でもローラン・プティ振り付けの「ステイン・アライブ」を踊る彼女は
クラシック作品を踊る姿とは別人のようにハジけていて、
とっても楽しそうに踊っていたのが観てる方も凄く楽しかったです!
すっかりベリーショートのクールなロックミュージシャンになりきってしまったようで、
現代的な雰囲気も凄く似合っていて素敵でした。


でも一番印象に残ったのは彼女の踊っている姿ではなく、インタビューでの言葉の数々。
踊ってみたい作品に「オネーギン」をあげ、
「タチヤーナは自分本位の愛を放棄した誠実で堅実な女性。尊敬するわ」
と彼女の役柄について熱を込めて語る彼女からは、
役柄に対する深いアプローチと表現者として役柄を突き詰めて考え、
理解して自分の物にする事への純粋な喜びのような物を感じました。
彼女は本当に心から表現することが好きなんだなあと言うのが伝わってきて、
そういうオペラやミュージカルと違って言葉を持たない芸術であるバレエの中で
物語を表現したり一人の人物を自分なりに解釈して演じたりする事へのアプローチの仕方が
私が最も興味を惹かれる部分なので、彼女の役への取り組み方がとても興味深かったです。
言葉を使えるオペラやミュージカルはある意味では役作りというのはとても簡単で、
バレエはそれを自分の身体一つで表現しなくてはならない難しさがあるだろうし、
そういう意味で役作りという点で私が一番興味があるのはバレエダンサー達なので。
彼女の中にある深い知性も感じられました。
愛の伝説を語るときの
「愛ってそもそも何かしら?自分の好きな人や物を手に入れること?
大事な物を諦めた時後に残る感情が愛?」
と言葉を紡いでいく彼女。
誰にも答えの出ない命題に向き合ったとき、
彼女の瞳は心から嬉しそうにどの時よりも楽しそうに活き活きと輝いているのです。
ああ、この人は求道者だな、と思いました。
心から何かを突き詰めて考えるのが好きな理知的で探求心が旺盛な女性。

そして、彼女が孤高だと言われる由縁でもあるストイックな姿勢。
「成功とは資格証書(ディオプラマ)をもらった様な物。
その時は目標を達成した気持ちになって喜ぶけれど、
そこで努力することをやめてしまっては後退してしまう。
とても難しいことだけど、たとえ最高と言われる境地に達したとしても
更に先に進む事をしなくては」
と語る彼女はまさにバレエという芸術を極める最高の求道者。
「舞台が終わる度に思うの。私がマリインスキーのバレリーナ。
今もインタビューを受けている。信じられない。夢みたい。全て神様のおかげ」
と語り、最後ににこりと微笑んでみせる彼女のカットでエンドロールに。

ドキュメンタリー映画ですが、
久々に冒頭から物語の中に入り込み、2時間の間に物語が展開していくのを追い、
ラストシーンはどうなるのだろうと見守る、
2時間で一つの物語を見届けるという映画を観る楽しさを思い出させてくれた映画でした。
最近は義務的な映画の見方ばかりしていたので。
オフショットでの2003年の愛娘マーシャとの親密な姿や
ワガノワ・バレエ・アカデミーを訪ねて当時の思い出を語る姿も貴重だったし、
バレエシーンも言うまでもなく豊富で、
舞台衣装を合わせる舞台裏のシーンも美しい衣装がたくさんで素敵でした~
パリ・オペラ座バレエの元エトワールのアニエス・ルテステュも好きなので
インタビューで姿を観られたのも嬉しかったです。
ロパートキナが20年以上もマリインスキーのトッププリマでいらるのは、
決して天賦の才能だけではなく、
彼女自身のたゆまない努力の結果なのだと言うことがとてもよく分かる映画でした。
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