雨の通り道
5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。
パリ・オペラ座バレエ「ドン・キホーテ」
- 2014/03/15 (Sat) |
- 観劇レポ |
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今日は東京文化会館にパリ・オペラ座バレエのドン・キホーテ観に行ってました~
何気にパリオペの公演生で観るの初めてかも…?
パリオペって有名な割にそこまで良いと思った舞台(映像)無いなー…と思ってたんですが、
ドン・キ楽しかったですー!
9日の夜中にBSプレミアムシアターでやってた
英国ロイヤルバレエのカルロス・アコスタ版ドン・キがつまらなかったので
なおさら良く感じました。
ヌレエフの振り付けってあんまり好きじゃなかったんですが、
これは良かった!
コールドのレベルも高くてさすが!続きから観劇レポです。
オーケストラピットのチューニングの後指揮者が入ってきて序曲が始まるあの感じ、
やっぱり何度観ても良いなあ…
この頃先月のくるみまで生オケのバレエご無沙汰だったので感動もひとしおです。
幕が開くと、プロローグ。田舎貴族のドン・キホーテの屋敷。
召使いにベッドまで運ばれて横たえられるドン・キホーテ、
ベッドから起きあがってお気に入りの騎士物語を読みふける内に
憧れの想い姫ドルシネアの幻影が現れ、ドン・キホーテを誘うように踊りますが、
そんな彼女を怪物が取り囲んで連れ去ってしまいます。
ドン・キホーテは鶏をくすねて追いかけ回されていたサンチョ・パンサに
剣を両肩にかざして叙勲する?儀式(なんて言うのか知らない)をさせて
形ばかりの騎士となり、サンチョ・パンサをお供にドルシネア姫を救う旅に出ます。
ドン・キホーテ役のギョーム・シャルローもサンチョ・パンサ役のシモン・ヴァラストロも
丁寧な演技で、役に入り込んでいて
コミカルと言うよりユーモラスな雰囲気が出ていて良かったですー
美術も豪華で素敵。
場面は変わってバルセロナの広場。
港町の設定なのに背景にお城が描かれてたりちょっと?な部分は有りましたが、
やっぱり美術が綺麗で素敵です。
陽気な町の人たちの中に、さっそうとキトリ役のマチルド・フルステーが登場。
最初出てきた時は小柄でちょっと華がない…?と思いましたが、
溌剌とした演技でぐいぐい引き込んでくれました。
扇を片手に軽やかに踊るキトリ。そこに恋人のバジリオ役のマチアス・エイマン登場。
うーんキトリに比べるとちょっとキャラ付けが弱い気がしました…
ともかく、キトリは跪いて言い寄る男達をすげなく鼻であしらったり、
バジリオはバジリオで他の娘に言い寄ったり、
お互い愛し合っているからこその恋愛遊戯を
おふざけで楽しんでいる感じが観てて楽しかったですー
他の娘といちゃいちゃするバジリオを見てキトリが扇で娘達に「私の物よ!」ってする所とか。
キトリとバジリオのソロの後、キトリの父親ロレンツォが登場、
キトリを金持ちの貴族ガマーシュと結婚させようとします。
キトリはバジリオも引っ張ってロレンツォの前に跪き結婚の許しを請いますが、
ロレンツォは聞く耳を持たずガマーシュと結婚しろの一点張り。
「この親父、もううんざり」って感じのキトリの演技が可愛かったですー
ガマーシュに手を差し出してはさっと引っ込め、を繰り返してからかうキトリを
ロレンツォは言うことを聞くようにがくがく揺さぶって、ガマーシュに引き合わせます。
そこへドン・キホーテがロバに乗ってやってきて、
キトリを一目見た途端彼女こそドルシネア姫だと思いこんでしまいます。
サンチョ・パンサは娘達に目隠しされて鬼ごっこしたり、
男達に胴上げされたりいじられまくり。
でもやられっぱなしではなく、自分も娘のスカートをめくったりとやりたい放題。
そんな所へ闘牛士の花形エスパーダと恋人の町の踊り子が闘牛士達を引き連れて粋に踊ります。
しかしいつもドン・キ観てて思うけど主役のキトリとバジルの完全上位互換の
エスパーダと町の踊り子(通常のメルセデス)を登場させる意図は何だろう…
主役二人の陰が薄くなってしまう気がするのですが。
まあ闘牛士達のマントを翻しての踊りが華があってかっこいいので良いんですが。
バジルのヴァリエーション。
ひょうきんなキャラクターを出しつつ、ポーズが正確で美しかったです。
キトリの有名なカスタネットを持ったヴァリエーション。
うーんもうちょっと1つ1つの技が丁寧で勢いがあると良かったんですが。
でもマントを翻す闘牛士達をバックにしたヴァリかっこよくて好きです。
ブラボーの嵐。
キトリとドン・キホーテ、ガマーシュとキトリの友人、バジリオとキトリの友人の3組が
宮廷風の典雅な音楽で踊るところは、
異質な踊りの中にこの状況の滑稽さを感じさせて効果的でしたー
バジリオがキトリを片手でリフトする所は…片手だったのかな?
座ってた席の角度の関係で片手だったのか良く見えなかったけど多分片手だったかと。
ながーくキトリを空中でキープする映像はいっぱい観てるので、
それに比べるとちょっと物足りなかったです。
町の人々が活気溢れる踊りに興じる中、
結婚を許してもらえないキトリとバジリオは駆け落ちします。
コールドの水準が本当に高くて、お洒落なフランスのバレエ団とは思えないほど
躍動感に満ちた踊りは南国スペインの陽気な町人達そのもの!
とにかくコールドが手を抜いて無くて凄く見応え有った!
第1幕終。
第2幕、ジプシーの野営地にやってきたキトリとバジリオ。
赤い布を使っての2人のデュエットはまるでロミオとジュリエットのパ・ド・ドゥのように
情熱的でロマンチックで素敵でしたー
そこへジプシー達が登場、
キトリ達は彼等に2人を探しに来たロレンツォとガマーシュからかくまってくれるように頼み、
ジプシー達は快諾します。
ジプシー役のアクセル・イボが中心になっての荒々しくもエネルギッシュな踊り。
アクセル・イボ、小柄だけど存在感と場を支配する踊りがさすがで印象的でしたー
ここでもコールドの質の高さが窺えました。
本当にジプシーの集団を観ているかのような野性味!
ここまでコールドを観てて楽しい舞台って初めてかもー。
ジプシー達の人形?劇。
愛し合うキトリとバジリオ、それを引き裂くガマーシュを思わせる劇で、
小さな子供が演じるキトリとバジリオの姿が可愛かったですーvv
そこへやってきたドン・キホーテ、
ドルシネア姫を襲った怪物達の幻影を見てやみくもに槍を振るい、
ついには風車小屋に突進して落下、サンチョ・パンサに肩を貸されつつ気を失ってしまいます。
そんな彼の前に夢のような世界が広がり、
ドリアードの女王とキューピッド、そして憧れのドルシネア姫が森の精と共に姿を現します。
森のセットが開ける前に紗幕の向こうで黒子にリフトされたドルシネア姫が踊るシーン、
本当にふわふわと宙を漂っている様に見えて幻想的で素敵でしたー
ドリアードの女王役のエロイーズ・ブルドン、
大好きな役なのですがちょっと体型がいかつくて残念…
決して太ってるわけでもスタイルが悪いわけでもないのですが、
やっぱり森の精の女王らしくほっそりと優美な体型が良かったなー…
と思っていたらヴァリエーションもパとパの間が途切れ途切れになってしまって、
今ひとつ力不足な感じでした…
先日のアコスタ版でも森の女王役は凄く気品と風格とたおやかさがあって良かったから
余計比べてしまって…ドリアードの女王のヴァリエーション音楽も振りも大好きなのになー…
キューピッド役のミリアム・カミオンカは
ヴァリエーションの最初はそういう役にしても幼稚…と思ってしまいましたが
後半は良くなって良かったです。
そしてドリアードの女王のヴァリと並んで大好きなドルシネア姫のヴァリエーション。
キトリと二役のフルステー、役柄を演じ分けているのは良いのですが、
もうちょっと音を効果的に使って欲しかったなー…
でもこれまた後半は盛り返して良かったですが、
アコスタ版のマリアネラ・ヌネェスのドルシネア姫がどこまでも清楚な踊りで素敵だったので
やっぱり比べてしまうと物足りなかったかな…
アコスタ版好きじゃないけど森の女王とドルシネア姫だけは凄く良かったからなー。
でも全体的には幻影の場好きなので楽しめましたー
最後ドリアードの女王、キューピッド、ドルシネア姫が
トウで立ちながら入れ替わり立ち替わりするところ綺麗で好きでしたv
第2幕終。
第3幕、町の居酒屋。
キトリとバジリオはジプシーに変装してエスパーダのマントに隠れ
ロレンツォ達から逃れようとしますが、あえなく見つかってしまいます。
そこでバジリオが一計を案じ、狂言自殺を試みます。
短剣を刺す真似をした後、キトリに投げキッスを送って倒れる所では笑いが起こってました。
思惑に気付いたキトリが水を差し出せば一口飲んではキトリにキス、を繰り返すバジリオ。
ついにロレンツォも2人の仲を認めますが、ガマーシュだけは我慢ならず、
2人を祝福するドン・キホーテに片手の手袋を投げ出して決闘を挑みます。
ドン・キホーテがガマーシュの股間に剣を差し入れたり、コミカルで楽しかったですー
最後はドン・キホーテに槍で追い立てられ、退場するガマーシュ。
場面は変わって再びバルセロナの広場、キトリとバジリオの結婚式。
赤い衣装でのファンダンゴは素敵だけどあんまり印象に残りませんでした…
ブライズメイド達の後に続き、幸せいっぱいのキトリとバジリオのグラン・パ・ド・ドゥ。
アダージオは2人とも音楽の使い方がたっぷりとしていて美しかったです~
最後のエイマンが手を離してのフルステーのバランスもながーーーい。さすが。
ブライズメイド役のシャルリーヌ・ジザンダネは
伸びやかでチャーミングで幸福感溢れる踊りが可愛かったですvv
バジリオのバリエーション。曲が始まる前のタメが凄く長かったので息を呑みましたが、
うーん…ローザンヌでももっと上手い子いるしな…
回転やジャンプでもふらつき気味なのがちょっと気になりました…
キトリのヴァリエーション。
誰の意向か知らないけど通常の振り付けではエシャッペする所、
音楽が凄い間を取っていて、いくら何でもやりすぎ…
せっかくの可愛いヴァリが台無しとまでは言いませんが…
でもおきゃんな新妻らしいキュートさが出ている踊りで可愛かった~
コーダではエイマン、舞台を一周するところとか頑張ってました。
フルステーは32回転のグラン・フェッテ、ダブルも入れてましたが
やや雑で軸もブレがちだったのが残念だったかな。力のみで無理矢理回っている感じでした…
最後にフード付きのマントで扇で顔を隠したガマーシュがドン・キホーテに近づき、
ドン・キホーテはドルシネア姫だと思って手にキスしますが、
見かねた?ロレンツォがフードを取ってみせるとドン・キホーテは憤慨し、
逃げるガマーシュを追っていきます。
残された人々は指を鳴らしながら喜びに沸き立ち揃って踊るのでした。
ロレンツォも一緒になって踊るのは初めて観たー祝祭的な音楽と踊りがとっても楽しくて、
観ていて幸せになる幕切れでした。
第3幕終。
全体的にはとにかくコールドの水準が高い!
バルセロナの町の陽気な踊り、ジプシー達の野性味溢れる踊り、
森に住むドリアード達の優雅な踊りなど、
場面場面で的確に踊り分けられていて、群舞がとっても見応え有って楽しかったですー!
生で観たせいもあると思うけど。
これと同じ物を映像で観てもここまで良いとは思わないだろうな。
やっぱり生の生きた舞台を観るのは良い物です。
お客とダンサー達が互いに士気を高めあい、ダンサー達が良い踊りをすれば観客がそれに応え、
更にダンサー達の力になる…そんな化学反応が起こるのが生の舞台の醍醐味だなあと思います。
客席ほぼ満員だったしね!
ただソリスト陣は技術的にやや物足りなかった感は有りましたが…
主役のキトリ役のマチルド・フルステーはちょっと不安定な所はありましたが、
急な代役だったにも関わらず立派に踊りきってとても魅力的で良かったです。
むしろマチアス・エイマンの方が踊りにくそうだったな。
ドン・キホーテもサンチョ・パンサもロレンツォもガマーシュも
みんな芸達者で舞台を引き締めていて良かったです。
サンチョ・パンサが魚を持って逃げるのをロレンツォが追いかけて、
魚を奪ってサンチョ・パンサを叩こうとするも間違ってガマーシュを殴ってしまう所とか
細かい小ネタというか小芝居がいっぱいで観ててとっても楽しかったですー
ヌレエフの振り付け作品ではかなり好きな方かも!
伝統あるパリオペの底力を見せつけられた良い舞台でした!
やっぱり何度観ても良いなあ…
この頃先月のくるみまで生オケのバレエご無沙汰だったので感動もひとしおです。
幕が開くと、プロローグ。田舎貴族のドン・キホーテの屋敷。
召使いにベッドまで運ばれて横たえられるドン・キホーテ、
ベッドから起きあがってお気に入りの騎士物語を読みふける内に
憧れの想い姫ドルシネアの幻影が現れ、ドン・キホーテを誘うように踊りますが、
そんな彼女を怪物が取り囲んで連れ去ってしまいます。
ドン・キホーテは鶏をくすねて追いかけ回されていたサンチョ・パンサに
剣を両肩にかざして叙勲する?儀式(なんて言うのか知らない)をさせて
形ばかりの騎士となり、サンチョ・パンサをお供にドルシネア姫を救う旅に出ます。
ドン・キホーテ役のギョーム・シャルローもサンチョ・パンサ役のシモン・ヴァラストロも
丁寧な演技で、役に入り込んでいて
コミカルと言うよりユーモラスな雰囲気が出ていて良かったですー
美術も豪華で素敵。
場面は変わってバルセロナの広場。
港町の設定なのに背景にお城が描かれてたりちょっと?な部分は有りましたが、
やっぱり美術が綺麗で素敵です。
陽気な町の人たちの中に、さっそうとキトリ役のマチルド・フルステーが登場。
最初出てきた時は小柄でちょっと華がない…?と思いましたが、
溌剌とした演技でぐいぐい引き込んでくれました。
扇を片手に軽やかに踊るキトリ。そこに恋人のバジリオ役のマチアス・エイマン登場。
うーんキトリに比べるとちょっとキャラ付けが弱い気がしました…
ともかく、キトリは跪いて言い寄る男達をすげなく鼻であしらったり、
バジリオはバジリオで他の娘に言い寄ったり、
お互い愛し合っているからこその恋愛遊戯を
おふざけで楽しんでいる感じが観てて楽しかったですー
他の娘といちゃいちゃするバジリオを見てキトリが扇で娘達に「私の物よ!」ってする所とか。
キトリとバジリオのソロの後、キトリの父親ロレンツォが登場、
キトリを金持ちの貴族ガマーシュと結婚させようとします。
キトリはバジリオも引っ張ってロレンツォの前に跪き結婚の許しを請いますが、
ロレンツォは聞く耳を持たずガマーシュと結婚しろの一点張り。
「この親父、もううんざり」って感じのキトリの演技が可愛かったですー
ガマーシュに手を差し出してはさっと引っ込め、を繰り返してからかうキトリを
ロレンツォは言うことを聞くようにがくがく揺さぶって、ガマーシュに引き合わせます。
そこへドン・キホーテがロバに乗ってやってきて、
キトリを一目見た途端彼女こそドルシネア姫だと思いこんでしまいます。
サンチョ・パンサは娘達に目隠しされて鬼ごっこしたり、
男達に胴上げされたりいじられまくり。
でもやられっぱなしではなく、自分も娘のスカートをめくったりとやりたい放題。
そんな所へ闘牛士の花形エスパーダと恋人の町の踊り子が闘牛士達を引き連れて粋に踊ります。
しかしいつもドン・キ観てて思うけど主役のキトリとバジルの完全上位互換の
エスパーダと町の踊り子(通常のメルセデス)を登場させる意図は何だろう…
主役二人の陰が薄くなってしまう気がするのですが。
まあ闘牛士達のマントを翻しての踊りが華があってかっこいいので良いんですが。
バジルのヴァリエーション。
ひょうきんなキャラクターを出しつつ、ポーズが正確で美しかったです。
キトリの有名なカスタネットを持ったヴァリエーション。
うーんもうちょっと1つ1つの技が丁寧で勢いがあると良かったんですが。
でもマントを翻す闘牛士達をバックにしたヴァリかっこよくて好きです。
ブラボーの嵐。
キトリとドン・キホーテ、ガマーシュとキトリの友人、バジリオとキトリの友人の3組が
宮廷風の典雅な音楽で踊るところは、
異質な踊りの中にこの状況の滑稽さを感じさせて効果的でしたー
バジリオがキトリを片手でリフトする所は…片手だったのかな?
座ってた席の角度の関係で片手だったのか良く見えなかったけど多分片手だったかと。
ながーくキトリを空中でキープする映像はいっぱい観てるので、
それに比べるとちょっと物足りなかったです。
町の人々が活気溢れる踊りに興じる中、
結婚を許してもらえないキトリとバジリオは駆け落ちします。
コールドの水準が本当に高くて、お洒落なフランスのバレエ団とは思えないほど
躍動感に満ちた踊りは南国スペインの陽気な町人達そのもの!
とにかくコールドが手を抜いて無くて凄く見応え有った!
第1幕終。
第2幕、ジプシーの野営地にやってきたキトリとバジリオ。
赤い布を使っての2人のデュエットはまるでロミオとジュリエットのパ・ド・ドゥのように
情熱的でロマンチックで素敵でしたー
そこへジプシー達が登場、
キトリ達は彼等に2人を探しに来たロレンツォとガマーシュからかくまってくれるように頼み、
ジプシー達は快諾します。
ジプシー役のアクセル・イボが中心になっての荒々しくもエネルギッシュな踊り。
アクセル・イボ、小柄だけど存在感と場を支配する踊りがさすがで印象的でしたー
ここでもコールドの質の高さが窺えました。
本当にジプシーの集団を観ているかのような野性味!
ここまでコールドを観てて楽しい舞台って初めてかもー。
ジプシー達の人形?劇。
愛し合うキトリとバジリオ、それを引き裂くガマーシュを思わせる劇で、
小さな子供が演じるキトリとバジリオの姿が可愛かったですーvv
そこへやってきたドン・キホーテ、
ドルシネア姫を襲った怪物達の幻影を見てやみくもに槍を振るい、
ついには風車小屋に突進して落下、サンチョ・パンサに肩を貸されつつ気を失ってしまいます。
そんな彼の前に夢のような世界が広がり、
ドリアードの女王とキューピッド、そして憧れのドルシネア姫が森の精と共に姿を現します。
森のセットが開ける前に紗幕の向こうで黒子にリフトされたドルシネア姫が踊るシーン、
本当にふわふわと宙を漂っている様に見えて幻想的で素敵でしたー
ドリアードの女王役のエロイーズ・ブルドン、
大好きな役なのですがちょっと体型がいかつくて残念…
決して太ってるわけでもスタイルが悪いわけでもないのですが、
やっぱり森の精の女王らしくほっそりと優美な体型が良かったなー…
と思っていたらヴァリエーションもパとパの間が途切れ途切れになってしまって、
今ひとつ力不足な感じでした…
先日のアコスタ版でも森の女王役は凄く気品と風格とたおやかさがあって良かったから
余計比べてしまって…ドリアードの女王のヴァリエーション音楽も振りも大好きなのになー…
キューピッド役のミリアム・カミオンカは
ヴァリエーションの最初はそういう役にしても幼稚…と思ってしまいましたが
後半は良くなって良かったです。
そしてドリアードの女王のヴァリと並んで大好きなドルシネア姫のヴァリエーション。
キトリと二役のフルステー、役柄を演じ分けているのは良いのですが、
もうちょっと音を効果的に使って欲しかったなー…
でもこれまた後半は盛り返して良かったですが、
アコスタ版のマリアネラ・ヌネェスのドルシネア姫がどこまでも清楚な踊りで素敵だったので
やっぱり比べてしまうと物足りなかったかな…
アコスタ版好きじゃないけど森の女王とドルシネア姫だけは凄く良かったからなー。
でも全体的には幻影の場好きなので楽しめましたー
最後ドリアードの女王、キューピッド、ドルシネア姫が
トウで立ちながら入れ替わり立ち替わりするところ綺麗で好きでしたv
第2幕終。
第3幕、町の居酒屋。
キトリとバジリオはジプシーに変装してエスパーダのマントに隠れ
ロレンツォ達から逃れようとしますが、あえなく見つかってしまいます。
そこでバジリオが一計を案じ、狂言自殺を試みます。
短剣を刺す真似をした後、キトリに投げキッスを送って倒れる所では笑いが起こってました。
思惑に気付いたキトリが水を差し出せば一口飲んではキトリにキス、を繰り返すバジリオ。
ついにロレンツォも2人の仲を認めますが、ガマーシュだけは我慢ならず、
2人を祝福するドン・キホーテに片手の手袋を投げ出して決闘を挑みます。
ドン・キホーテがガマーシュの股間に剣を差し入れたり、コミカルで楽しかったですー
最後はドン・キホーテに槍で追い立てられ、退場するガマーシュ。
場面は変わって再びバルセロナの広場、キトリとバジリオの結婚式。
赤い衣装でのファンダンゴは素敵だけどあんまり印象に残りませんでした…
ブライズメイド達の後に続き、幸せいっぱいのキトリとバジリオのグラン・パ・ド・ドゥ。
アダージオは2人とも音楽の使い方がたっぷりとしていて美しかったです~
最後のエイマンが手を離してのフルステーのバランスもながーーーい。さすが。
ブライズメイド役のシャルリーヌ・ジザンダネは
伸びやかでチャーミングで幸福感溢れる踊りが可愛かったですvv
バジリオのバリエーション。曲が始まる前のタメが凄く長かったので息を呑みましたが、
うーん…ローザンヌでももっと上手い子いるしな…
回転やジャンプでもふらつき気味なのがちょっと気になりました…
キトリのヴァリエーション。
誰の意向か知らないけど通常の振り付けではエシャッペする所、
音楽が凄い間を取っていて、いくら何でもやりすぎ…
せっかくの可愛いヴァリが台無しとまでは言いませんが…
でもおきゃんな新妻らしいキュートさが出ている踊りで可愛かった~
コーダではエイマン、舞台を一周するところとか頑張ってました。
フルステーは32回転のグラン・フェッテ、ダブルも入れてましたが
やや雑で軸もブレがちだったのが残念だったかな。力のみで無理矢理回っている感じでした…
最後にフード付きのマントで扇で顔を隠したガマーシュがドン・キホーテに近づき、
ドン・キホーテはドルシネア姫だと思って手にキスしますが、
見かねた?ロレンツォがフードを取ってみせるとドン・キホーテは憤慨し、
逃げるガマーシュを追っていきます。
残された人々は指を鳴らしながら喜びに沸き立ち揃って踊るのでした。
ロレンツォも一緒になって踊るのは初めて観たー祝祭的な音楽と踊りがとっても楽しくて、
観ていて幸せになる幕切れでした。
第3幕終。
全体的にはとにかくコールドの水準が高い!
バルセロナの町の陽気な踊り、ジプシー達の野性味溢れる踊り、
森に住むドリアード達の優雅な踊りなど、
場面場面で的確に踊り分けられていて、群舞がとっても見応え有って楽しかったですー!
生で観たせいもあると思うけど。
これと同じ物を映像で観てもここまで良いとは思わないだろうな。
やっぱり生の生きた舞台を観るのは良い物です。
お客とダンサー達が互いに士気を高めあい、ダンサー達が良い踊りをすれば観客がそれに応え、
更にダンサー達の力になる…そんな化学反応が起こるのが生の舞台の醍醐味だなあと思います。
客席ほぼ満員だったしね!
ただソリスト陣は技術的にやや物足りなかった感は有りましたが…
主役のキトリ役のマチルド・フルステーはちょっと不安定な所はありましたが、
急な代役だったにも関わらず立派に踊りきってとても魅力的で良かったです。
むしろマチアス・エイマンの方が踊りにくそうだったな。
ドン・キホーテもサンチョ・パンサもロレンツォもガマーシュも
みんな芸達者で舞台を引き締めていて良かったです。
サンチョ・パンサが魚を持って逃げるのをロレンツォが追いかけて、
魚を奪ってサンチョ・パンサを叩こうとするも間違ってガマーシュを殴ってしまう所とか
細かい小ネタというか小芝居がいっぱいで観ててとっても楽しかったですー
ヌレエフの振り付け作品ではかなり好きな方かも!
伝統あるパリオペの底力を見せつけられた良い舞台でした!
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女性
職業:
大学生
趣味:
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自己紹介:
7月15日生まれのかに座、A型。
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