雨の通り道
5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。
マイ・フェア・レディ
- 2016/07/11 (Mon) |
- 観劇レポ |
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昨日10日は池袋の東京芸術劇場にミュージカル「マイ・フェア・レディ」観に行ってきましたー
3年前にも恩師K先生と観に行ったG2演出の新演出版の再演ですが、
前回はWキャストのヒロインイライザ役は真飛聖さんで観ましたが
今回はもう一人のイライザ役、霧矢大夢さんにしましたー
ヒロインが違うだけでこんなに印象が変わるんだなーとびっくり。
10日が再演の初日でしたが霧矢さんすっかり役を物にしていてさすがという感じでした!
ロビーに飾ってあった美術の古川雅之さんによるセットの模型。
マイ・フェア・レディ自体は映画を何十回も観ているし
新演出版も観ているしで新鮮味はありませんでしたが、
流麗で親しみやすい名曲の数々とミュージカルの古典と言うに相応しい洒落たストーリーで
何度見ても楽しめる作品だなあと思いました。
ただ前回に比べてG2の演出がコミカル路線に傾いてる気がして、
細かいギャグを入れすぎて若干テンポが悪くなってると感じる所もありましたが…
以下ざっと感想。例によって長くなりすぎても許してね。
今回も前回同様第1幕のセットが開演前から見えていて、舞台右上でオケが練習していましたー
序曲に乗せて一人の花売り娘がバレエを踏襲した踊りを披露して
セットがどんどん変わっていく所は前回同様わくわくしましたー
コヴェントガーデンの劇場街から掃けてくる貴族達に
花を売ろうとやってきた花売り娘イライザ。
アインズフォードヒル夫人の息子フレディにぶつかって
スミレが台無しになったと文句を言うイライザ役の霧矢さん、
最初は発声とかべらんめぇ口調が宝塚の男役のクセが抜けてないなーと思ったけど、
次第に自然になって気にならなくなりましたー
霧矢さんのイライザはかっこよくてあけっぴろげな感じが出ていて好きです。
アインズフォードヒル夫人の「聞こえなーい 何も聞こえなーい」は
映画通り「あっちにお行き」とかの方が良かったと思いますが…
何か序盤からギャグを入れてきてるけどいまいち乗れないというか、
滑ってる感が否めないんですよね…
そこへピッカリング大佐役の田山涼成さんが登場、
イライザに「親方ー花を買ってくれよ」と言われ細かいのがないからと1ペンス?を渡します。
その時下町の男がデカが柱の影で会話を書き取ってると忠告し、イライザは動揺。
ヒギンズ教授役の寺脇康文さんが「私が刑事に見えるか?」と登場し、
イライザの訛りから出身はリスングローブ生まれとズバリ当て、
他の下町の男達の出身地も次々と言い当てます。
この辺、演出なのか実力なのかアンサンブルの演技が凄くクサいというか、
実力なら下手すぎると思う…
ヒギンズ教授のナンバー「なぜ学ぼうとしない?」は序盤から寺脇さんノリノリで良かったです。
「私ならこの腐ったキャベツ娘を半年で宮殿の舞踏会で踊る貴婦人に出来る」というヒギンズに
興味を惹かれるイライザ。
ピッカリング大佐と音声学教授のヒギンズは意気投合して一緒にヒギンズ邸に帰ることに。
イライザはヒギンズに花を籠ごと買ってくれるよう頼み、
ヒギンズは偶然教会の鐘の音が鳴ったのを
「神の思し召しだ」と言い金貨を花籠に落として去ります。
突然金持ちとなったイライザに下町の連中は囃し立て、
イライザとアンサンブル達は「だったらいいな」を歌います。
霧矢さん、元男役とは思えないほど可愛い声だし高音が伸びてとっても綺麗。
アンサンブルのハモりも絶妙で、この後のイライザの運命を知っているだけに
まだ何の屈託もない純粋なイライザのささやかな願いを歌うこのナンバーが
とても心に響いて早くもうるうるきましたー
霧矢さん真飛さんより歌も演技もずっと良かった!
一方所変わって下町の酒場。
イライザの父アルフレッド・ドゥーリトル役の松尾貴史さんが2人の悪友と共に
「慈善事業でやってるんじゃねえんだよ!」とバーテンに追い出されています。
「見えない壁がある…」「ねえよ」「こまけぇのがねえけどでけぇのも…」「ねえ!」と
バーテンとやりとりする松尾さんさすが芸達者!
ドゥーリトルのろくでなしさとどこか憎めない感じにとぼけた雰囲気がよく出てて良かった。
ギャグのテンポが絶妙で「バッキンガム宮殿につけといてくれよ!がはは!」
みたいな台詞が凄くハマってて楽しかったです~
「運がよけりゃ」のナンバーはノリが良くて楽しかったです♪
花屋の店員になるためにヒギンズ邸に正しい発音を習いにやってきたイライザ。
あれよあれよという間にヒギンズとピッカリングの賭けの対象にされ、
半年後に宮殿の舞踏会に出席させられる事になったイライザは
「こんな事なら来るんじゃなかった!」と後悔しても時既に遅し。
霧矢さんコメディエンヌぶりもなかなかではすっぱなイライザの言動も可愛く見えましたー
でも寿ひずるさん演じるピアス夫人、
何だかヒギンズ教授をも萎縮させる女中頭として描かれてるのが新しいけど、
公式サイトのインタビューで言っていた「人間関係を感じさせたい」というG2の意向に反して
そうやって一部のキャラに変に個性を持たせてるせいで
キャラクター、ひいては役同士の繋がりが単純化されてしまっている気がします。
あとピッカリング大佐役の田山さんは一生懸命なのは良いのですが
もう少し自然に愛すべき人物像を造形して欲しいなあ。
「ごく普通の男」を歌う寺脇さんこれまたコミカルな雰囲気で良かったです。
のべつまくなしに喋りまくり歌いまくりの大変な役だけどよくやってると思います。
歌の最後のキメポーズとかもびしっと決まってて笑いを誘います。
イライザがヒギンズ邸に行ったと聞いて早速ヒギンズに金をせびりに来たドゥーリトル。
娘をやる代わりに5ポンドせしめたドゥーリトルの弁の立つのを感心したヒギンズは
アメリカの資産家にドゥーリトルを英国一優れた道徳家として紹介する事に。
去り際に「ピッカリンさんもお元気で!」と言うドゥーリトルに
「ピッカリングだ!!」とグにアクセントを付けて憤然とする田山さんのシーンは笑いました(笑)
何度も発音のやり直しをさせられて疲れ果てたイライザが歌う
「みてろシギンズ」も霧矢さんノリノリで楽しかった~
振りのこなし方とか大げさすぎず控えめすぎずコメディエンヌぶりを遺憾なく発揮してました。
イライザとヒギンズの訓練のシーンは前回とさほど変わってませんでしたが、
ヒギンズが「特許許可局長!!」と言ってイライザに繰り返させようとして
ピッカリング大佐が「そんな難しいことさせなくても…ていうか、君も微妙だったよ」
というシーンはやっぱり前回もアドリブだったらしく、
今回は「私はちゃんと言えてました」と言う寺脇さんに
田山さんが「じゃあもう一回言って?」と言って寺脇さんが「どうしようかな…」と言う所は
観客の反応を見ながらアドリブしてる感じで、ライブならではの楽しさだなーと思いました。
「召使いの嘆き」のシーンでは
薄いモスグリーン?のドレスににエプロンを付けたメイドさんがいっぱいで
メイド萌え属性は無かったはずなのにときめきました(笑)
訓練に疲れ果てたイライザにヒギンズが
「君が成し遂げようとしている事を考えるんだ」と鼓舞して、
イライザが
「日は東 日向にひなげし 光あふれ ヒバリひらり」と正しい発音が出来たシーンは
霧矢さんの疲れ果てた風体から
正しく発音できた高揚感まで余すことなく感情が込められた演技がとっても良かったですー
そのまま「日向のひなげし」のナンバーになる所、
みんなのお祭り騒ぎがとても楽しくて良かったです。
イライザとヒギンズが踊ってる脇でくるくる回ってるピッカリング大佐が可愛かった(笑)
その後MFLの代表的なナンバー「じっとしていられない」を歌うイライザ、
前回の真飛さんは高揚感はあったけど歌はお世辞にも上手いとは言えない感じだったけど、
霧矢さん高音が凄く綺麗で美しかったです~本当に元男役とは思えない!
ラストの「その日は すぐ そこ~♪」の高音はブラボー!
イライザを人前に出すテストをするためアスコット競馬に出すことにしたヒギンズ達。
ヒギンズの母役の高橋恵子さん、
上品で洗練されてるけど皮肉屋な感じが良く出ててハマり役でしたー
前回の江波杏子さんより良かったなー
このシーンは清廉な競馬場のセットと
着飾った貴族達の歌うお高くとまった「アスコット舞曲」の雰囲気がとっても好きです。
モノトーンで統一された衣装も映画版同様で素敵。
もう少し紳士淑女達の数が欲しいですがまあ仕方ないか…
母売り娘をよんでいると聞いて眉をひそめる母に
「話題は天候と健康の2つに絞りました」と自信満々のヒギンズ。
そこへピッカリング大佐にエスコートされてあまりにも有名なドレスを着たイライザ登場。
「お招きありがとうございます」と正しい発音で上品に挨拶する度に
後ろでハイタッチするヒギンズとピッカリング大佐が笑えました。
今回の再演版で初参加となるフレディ役の水田航生さん、
甘いマスクと爽やかな声が役にぴったりでとっても素敵。
いかにも甘やかされて育ったボンボンという雰囲気が良く出てて良かったですー
「インフルエンザが流行って大変」という淑女の一人に
「叔母はインフルエンザでおっちんだんでずが本当は誰かがやっちまったんです。
帽子をもらうはずだったのに…帽子をちょろまかした奴がやっちまったに違い有りません」
だの
「父が叔母の喉にジンをひしゃくごと突っ込むと叔母はスプーンを引きちぎりました」
だのと話し始めるイライザに頭を抱えるヒギンズ達と
やっちまったの意味が分からない貴族達のシーンも好きです。
上品な仮面を被りながらも育ちの悪さを隠しきれないイライザを霧矢さんいきいきと演じてて。
フレディから馬券をもらいいよいよレース開始。
「ドーバー何してるんだ!もっとケツ降って走りやがれ!!」
と叫んでしまうイライザに騒然となる貴族達。
誰にも会いたくないと引きこもるイライザに会いにヒギンズ邸にやってきたフレディが
「もしお忘れなら競馬場でははは(と笑い声を立てる)と笑った男とお伝え下さい」と
イライザに言づてと花売り娘から買った花を託し、
有名な「君が住む街」を歌うのですが…水田さん…歌下手…?
声量も全くないし音程の変化する所とか聞き苦しくて、
「じっとしていられない」と合わせてMFLの代表曲のはずなのに全く高揚感がなかったです…
ここは多少顔に難ありでも豊かな歌唱力でうっとりさせて欲しいシーンなのになー…
六週間後、いよいよ大使館での舞踏会の日。
イライザがまた失態を犯したらと心配でたまらないピッカリング大佐と
落ち着いているようであちこち歩き回って緊張を隠せないヒギンズが面白かったです。
大佐にワインを勧めながら椅子に座っても脚をがたがたと踏みならしてしまうヒギンズ。
そこへ真っ白いドレスにティアラを付けたイライザが降りてきます。
ドレスとティアラの材質がやや安っぽいのは置いておいて(苦笑)
前回の真飛さんの時には天使のように見えましたが、
霧矢さんのこの姿は女王のような威厳と気品を感じさせて目を見張る思いでしたー
真飛さんは花売り娘から貴婦人へと転身するカタルシスはあまり感じられませんでしたが、
霧矢さんはその辺ばっちり!
ヒギンズは「悪くない」と言いながらこっそり気付けのワインを飲んで動揺を誤魔化し、
深紅のマントを着たイライザに腕を貸して舞踏会に出かけます。
第一幕終。第二幕への期待が膨らむ幕切れでしたー
第二幕、大使館での舞踏会。
セットの前に張りぼてに毛の生えたようなショボい扉みたいなのがかかってて、
前回の舞踏会のシーンはこんなの無かったのに貧乏くさく見えるーと思いましたが
この扉は次々入ってくる舞踏会のゲストを通す門?を表しているらしく、
最後に「イライザ・ドゥーリトル嬢」とイライザが入ってきた後取り払われたので良かったです。
ピッカリング大佐とヒギンズの母が密談中。
「大使夫人にあの素敵な方は誰かと聞かれたので
あのイライザ・ドゥーリトル嬢をご存じないのですかと言っておきましたよ」
「上手い言い方ね。私最近あの子のファンになってきたの」
と話す2人の傍ら、ヒギンズの教え子で
32カ国語を話せる語学の才を揺すりに使うハンガリー人、ゾルタン・カーパシーが現れ、
「私に見抜けない正体はありません」と宣言。
カーパシー役の港幸樹さん、ずるがしこくてねちっこい感じが良く出てて良かったです!
舞踏会のシーンはとっても華やかでうっとり~
バレエみたいな振り付けがハマってて
貴婦人達の色とりどりのアールデコ調ドレスとティアラも美しかったですー!
トランシルバニア女王が降りてきて居並ぶ貴族達が縦一列に並んで礼をとるところは
ロイヤルな雰囲気大好きなので生でこういう光景を見られて
本当に女王列席の舞踏会に参加しているようでとっても幸せでした…
帰宅してからピアス夫人に事の次第を話して聞かせるヒギンズ、
カーパシーはイライザの完璧な英語に彼女をハンガリーのプリンセスだと断言したのでした。
勝利の喜びに沸くヒギンズとピッカリング大佐。
「やったぞ!」を歌う田山さんおどけたお茶目な雰囲気が出てて可愛かった。
一方必死で努力して完璧に振る舞ったのにねぎらいの言葉一つかけられなかったイライザは
自分はしょせん賭けの対象でしか無かったのだと絶望し、憤ります。
ヒギンズに「私は花は売っても身体は売らなかった。でもレディになって何をすればいいの?」
と感情をぶつけますがヒギンズはそんな彼女の気持ちが分かりません。
この辺の霧矢さんの演技もとても繊細で
抑制が利いていながらもイライザの心境がとても丁寧に台詞に乗せられていて素晴らしかった!
対するヒギンズ役の寺脇さんはあくまでもコミカルで軽い雰囲気を崩さなくて、
2人の演技が水と油のようにかみ合ってない感じがしました…。
イライザはヒギンズからもらった指輪を返してヒギンズ邸を出ることにします。
フレディは相変わらず毎日ヒギンズ邸の前に佇み
日に2回も3回もイライザに手紙を書いています。
そこへイライザがトランクを持って現れ、フレディは思いの丈を伝えようとしますが
イライザは「私にみせて」を歌い言葉なんていらない、愛してるなら行動して見せてと言います。
ここの霧矢さんもまっすぐな迫力があって歌も感情がこもってて素敵でした。
かつての住処だった下町へ向かったイライザでしたが、
言葉遣いだけでなくもはや一人の人間として変わってしまったイライザは
もうそこに自分の居場所はないのだと悟るのでした。
かつての仲間達が「だったらいいな」を歌うのが
第一幕の無邪気だったイライザと
教養を知って変わったイライザの対比を感じさせてまた泣かせるシーンです。
そこへお馴染みのバーから浮かれ騒いで出てきためかしこんだドゥーリトルの姿が。
ヒギンズがドゥーリトルを紹介したアメリカの資産家が遺産を残したため
いまやドゥーリトルは大金持ちになり、目の色を変えた愛人との結婚式が待っているのです。
バーテンの態度もすっかり変わり、
「見えない壁がある」「ありますね」
「(自分の片手で服を引っ張りながら)誰かが服を引っ張ってる」「おーい引っ張っちゃ駄目だよー」
と、これまた第一幕との対比が笑えるシーンでした(笑)
イライザに「自分の脚でしっかり立って生きていけ。お前は大人の女なんだから」
とびた一文やらんとつっぱね、
イライザはそんな彼に「幸せになって」とはなむけの言葉を贈ってその場を去ります。
霧矢さんの親子の情を感じさせる台詞回しが良かったです。
「教会へは遅れずに」のナンバーはとっても盛り上がって楽しかったですー
祝祭的な雰囲気が良く出ていて賑やかで、アンサンブルのダンスも小気味良くて良かった。
翌日イライザがいなくなったと動転するヒギンズ。
ピッカリング大佐が警察にイライザの捜索を依頼。更に内務省へ出向き、
そんな彼にヒギンズは「男性讃歌」を歌い
やはり男は良い!と言ってピアス夫人にうろんな目で見られます。
ヒギンズの母の元を訪ねていたイライザを見たヒギンズは
「君は一人でやっていけるだろう。だが私が寂しくなる…」と本音を漏らし、
イライザも「怒鳴られるのも殴られるのも慣れてる。でも知らんぷりされるのはいやよ!
少しで良い、優しくしてくれない?…」と心情を吐露。
霧矢さん、イライザの一人の人間としてヒギンズに見てもらいたいという気持ちを
最後の願いのように魂を込めて言葉にしていて、胸に迫る物がありました。
対する寺脇さんはやっぱりコミカルな演技から抜け出さず、
演出なのかもしれませんが2人が心を割って話している感じは良いけど
どうも演技のテイストが反発しあっているように感じられました。
イライザはあなたなしでも太陽は輝く、と「あなたなしで」を歌い、
それを聞いたヒギンズは「遂に理想の女を作り出した!」と快哉を叫びますが、
イライザはヒギンズに「二度とお会いしません」と決別を告げ消えます。
母に「あの子無しでやっていくしかないんじゃない?」と言われ、
そうとも、あいつなどいなくても平気だ!と強がるヒギンズですが、
いつの間にか焼き付いたあの顔…と「あたまから離れない」を歌い
イライザが大事な存在であると気付くヒギンズ。
寺脇さんここはさすがに甘い歌声で情感たっぷりにイライザへの思いを歌っていて良かった。
屋敷に帰ったヒギンズは別れる前にイライザに
「蓄音機に私の声が録音されてるからそれを聞けばいいわ。機械は人を傷つけたりしない」
と言われた通りに蓄音機を再生します。
そこへイライザが静かに入ってきて、「来るめぇに顔も手も洗って来たぞ」と
蓄音機の台詞を引き取ります。
感極まったヒギンズが帽子を目深に被り「スリッパはどこだ?」と言って第二幕終。
このラストのイライザの台詞、真飛さんは少し震えた涙声で言ってて、
映画のオードリーみたいにさらっと言った方がかっこいいのにーと思ってましたが、
霧矢さんも震え声で言ってた所を観ると演出意図なんでしょうね…
イライザもヒギンズの元へ帰ってくるのに不安もあったのかな?と思いました。
何か感想と言うよりストーリーのあらすじみたいになっててすみません…
もちろんこれ以外にも印象的だったシーンはいっぱいあるのですが、
まあMFLの観劇レポ書くのも二回目だし…と今回はかなりはしょりました(それでこれ…)
全体的にはとにかくギャグの比重が増えてて、
それは別に良いとしてもそれが妙にクサかったり大げさだったり
演出過剰気味で全体のテンポを悪くしたりと、悪のりの感が拭えませんでした…
イライザ役の霧矢さんは個人的には真飛さんより遥に良かった!!
真飛さんは花売り娘から貴婦人への転身というカタルシスをあまり感じなかった分
変身前のイライザと変身後のイライザの乖離があまりないのは良かったかなと思ったけど、
霧矢さんはきちんと前後のイライザの立ち居振る舞いや人間性の違いを出しながらも、
あくまで一人のイライザという女性の変化を丁寧に演じていて、
連続した人間としてしっかりイライザの人生を生きてる感じが凄く良かったです。
台詞回しも最初のべらんめぇ口調から
舞踏会の後あたりからの変化が訪れたイライザまでその時その時を真摯に演じていて。
ただ何度も言うように寺脇さんや田山さん始めイライザ以外の人物が
皆が皆ギャグ要員みたいになってるので、
後半の真面目になったイライザの演技との齟齬がどうにも残念というか…
演出の問題なのか役者の問題なのかは分かりませんが。
ドゥーリトル役の松尾さんは前回に引き続きの好演で
憎めない駄目親父を愛嬌たっぷりに演じていて良かったです!
ヒギンズの母役の高橋さんも
リハーサル動画観た感じでは普通のおばさんで大丈夫か?と思ったけど
粋でシニカルな母親っぷりが素敵でしたー
衣装を着けると貧弱な感じも無くなって気品たっぷりだし。
ヒギンズに毅然とした態度で別れを告げたイライザに
「ブラボー イライザ!」と叫ぶところ好きー。
ピッカリング大佐役の田山さんは愛すべきキャラなんだけどもう少しさじ加減を考えて欲しい。
でも全体的には楽しめましたー何と言っても数々の名ナンバーが素晴らしいし
舞台装置も前回からほぼ変わりなく精緻で上品で素敵だし場面転換もスムーズで。
カーテンコールで公演初日と言うことで寺脇さんと霧矢さんの舞台挨拶がありました。
寺脇さんは「リボーンのリボーンという舞台ですが、
今日お客さんが入って初めてこの舞台に息が吹き込まれたなと言う感じがしています」
霧矢さんは「Wキャストという事で、最低でも2回、
2回と言わず何度でも足を運んで下さったら嬉しいです」
と挨拶。
更に最後に寺脇さんが
「これからみんなで居酒屋に移動するんで…」と言って笑いを誘ってました。
上演前ロビー下でゴスロリさん達が何人も集まってたのですが
彼女らはどこに座ってたんだろう…
日向のひなげしの歌詞も一部変わっててちょっと残念だったし
演出も前回の方が抑制が利いてて良かったなーとは思いますが、
それでも霧矢さんの華とオーラと歌だけでも充分観に行った甲斐がありました!
夏の初めのきらきらした陽光の中の芸術劇場でのミュージカル鑑賞、良い思い出になりました。
序曲に乗せて一人の花売り娘がバレエを踏襲した踊りを披露して
セットがどんどん変わっていく所は前回同様わくわくしましたー
コヴェントガーデンの劇場街から掃けてくる貴族達に
花を売ろうとやってきた花売り娘イライザ。
アインズフォードヒル夫人の息子フレディにぶつかって
スミレが台無しになったと文句を言うイライザ役の霧矢さん、
最初は発声とかべらんめぇ口調が宝塚の男役のクセが抜けてないなーと思ったけど、
次第に自然になって気にならなくなりましたー
霧矢さんのイライザはかっこよくてあけっぴろげな感じが出ていて好きです。
アインズフォードヒル夫人の「聞こえなーい 何も聞こえなーい」は
映画通り「あっちにお行き」とかの方が良かったと思いますが…
何か序盤からギャグを入れてきてるけどいまいち乗れないというか、
滑ってる感が否めないんですよね…
そこへピッカリング大佐役の田山涼成さんが登場、
イライザに「親方ー花を買ってくれよ」と言われ細かいのがないからと1ペンス?を渡します。
その時下町の男がデカが柱の影で会話を書き取ってると忠告し、イライザは動揺。
ヒギンズ教授役の寺脇康文さんが「私が刑事に見えるか?」と登場し、
イライザの訛りから出身はリスングローブ生まれとズバリ当て、
他の下町の男達の出身地も次々と言い当てます。
この辺、演出なのか実力なのかアンサンブルの演技が凄くクサいというか、
実力なら下手すぎると思う…
ヒギンズ教授のナンバー「なぜ学ぼうとしない?」は序盤から寺脇さんノリノリで良かったです。
「私ならこの腐ったキャベツ娘を半年で宮殿の舞踏会で踊る貴婦人に出来る」というヒギンズに
興味を惹かれるイライザ。
ピッカリング大佐と音声学教授のヒギンズは意気投合して一緒にヒギンズ邸に帰ることに。
イライザはヒギンズに花を籠ごと買ってくれるよう頼み、
ヒギンズは偶然教会の鐘の音が鳴ったのを
「神の思し召しだ」と言い金貨を花籠に落として去ります。
突然金持ちとなったイライザに下町の連中は囃し立て、
イライザとアンサンブル達は「だったらいいな」を歌います。
霧矢さん、元男役とは思えないほど可愛い声だし高音が伸びてとっても綺麗。
アンサンブルのハモりも絶妙で、この後のイライザの運命を知っているだけに
まだ何の屈託もない純粋なイライザのささやかな願いを歌うこのナンバーが
とても心に響いて早くもうるうるきましたー
霧矢さん真飛さんより歌も演技もずっと良かった!
一方所変わって下町の酒場。
イライザの父アルフレッド・ドゥーリトル役の松尾貴史さんが2人の悪友と共に
「慈善事業でやってるんじゃねえんだよ!」とバーテンに追い出されています。
「見えない壁がある…」「ねえよ」「こまけぇのがねえけどでけぇのも…」「ねえ!」と
バーテンとやりとりする松尾さんさすが芸達者!
ドゥーリトルのろくでなしさとどこか憎めない感じにとぼけた雰囲気がよく出てて良かった。
ギャグのテンポが絶妙で「バッキンガム宮殿につけといてくれよ!がはは!」
みたいな台詞が凄くハマってて楽しかったです~
「運がよけりゃ」のナンバーはノリが良くて楽しかったです♪
花屋の店員になるためにヒギンズ邸に正しい発音を習いにやってきたイライザ。
あれよあれよという間にヒギンズとピッカリングの賭けの対象にされ、
半年後に宮殿の舞踏会に出席させられる事になったイライザは
「こんな事なら来るんじゃなかった!」と後悔しても時既に遅し。
霧矢さんコメディエンヌぶりもなかなかではすっぱなイライザの言動も可愛く見えましたー
でも寿ひずるさん演じるピアス夫人、
何だかヒギンズ教授をも萎縮させる女中頭として描かれてるのが新しいけど、
公式サイトのインタビューで言っていた「人間関係を感じさせたい」というG2の意向に反して
そうやって一部のキャラに変に個性を持たせてるせいで
キャラクター、ひいては役同士の繋がりが単純化されてしまっている気がします。
あとピッカリング大佐役の田山さんは一生懸命なのは良いのですが
もう少し自然に愛すべき人物像を造形して欲しいなあ。
「ごく普通の男」を歌う寺脇さんこれまたコミカルな雰囲気で良かったです。
のべつまくなしに喋りまくり歌いまくりの大変な役だけどよくやってると思います。
歌の最後のキメポーズとかもびしっと決まってて笑いを誘います。
イライザがヒギンズ邸に行ったと聞いて早速ヒギンズに金をせびりに来たドゥーリトル。
娘をやる代わりに5ポンドせしめたドゥーリトルの弁の立つのを感心したヒギンズは
アメリカの資産家にドゥーリトルを英国一優れた道徳家として紹介する事に。
去り際に「ピッカリンさんもお元気で!」と言うドゥーリトルに
「ピッカリングだ!!」とグにアクセントを付けて憤然とする田山さんのシーンは笑いました(笑)
何度も発音のやり直しをさせられて疲れ果てたイライザが歌う
「みてろシギンズ」も霧矢さんノリノリで楽しかった~
振りのこなし方とか大げさすぎず控えめすぎずコメディエンヌぶりを遺憾なく発揮してました。
イライザとヒギンズの訓練のシーンは前回とさほど変わってませんでしたが、
ヒギンズが「特許許可局長!!」と言ってイライザに繰り返させようとして
ピッカリング大佐が「そんな難しいことさせなくても…ていうか、君も微妙だったよ」
というシーンはやっぱり前回もアドリブだったらしく、
今回は「私はちゃんと言えてました」と言う寺脇さんに
田山さんが「じゃあもう一回言って?」と言って寺脇さんが「どうしようかな…」と言う所は
観客の反応を見ながらアドリブしてる感じで、ライブならではの楽しさだなーと思いました。
「召使いの嘆き」のシーンでは
薄いモスグリーン?のドレスににエプロンを付けたメイドさんがいっぱいで
メイド萌え属性は無かったはずなのにときめきました(笑)
訓練に疲れ果てたイライザにヒギンズが
「君が成し遂げようとしている事を考えるんだ」と鼓舞して、
イライザが
「日は東 日向にひなげし 光あふれ ヒバリひらり」と正しい発音が出来たシーンは
霧矢さんの疲れ果てた風体から
正しく発音できた高揚感まで余すことなく感情が込められた演技がとっても良かったですー
そのまま「日向のひなげし」のナンバーになる所、
みんなのお祭り騒ぎがとても楽しくて良かったです。
イライザとヒギンズが踊ってる脇でくるくる回ってるピッカリング大佐が可愛かった(笑)
その後MFLの代表的なナンバー「じっとしていられない」を歌うイライザ、
前回の真飛さんは高揚感はあったけど歌はお世辞にも上手いとは言えない感じだったけど、
霧矢さん高音が凄く綺麗で美しかったです~本当に元男役とは思えない!
ラストの「その日は すぐ そこ~♪」の高音はブラボー!
イライザを人前に出すテストをするためアスコット競馬に出すことにしたヒギンズ達。
ヒギンズの母役の高橋恵子さん、
上品で洗練されてるけど皮肉屋な感じが良く出ててハマり役でしたー
前回の江波杏子さんより良かったなー
このシーンは清廉な競馬場のセットと
着飾った貴族達の歌うお高くとまった「アスコット舞曲」の雰囲気がとっても好きです。
モノトーンで統一された衣装も映画版同様で素敵。
もう少し紳士淑女達の数が欲しいですがまあ仕方ないか…
母売り娘をよんでいると聞いて眉をひそめる母に
「話題は天候と健康の2つに絞りました」と自信満々のヒギンズ。
そこへピッカリング大佐にエスコートされてあまりにも有名なドレスを着たイライザ登場。
「お招きありがとうございます」と正しい発音で上品に挨拶する度に
後ろでハイタッチするヒギンズとピッカリング大佐が笑えました。
今回の再演版で初参加となるフレディ役の水田航生さん、
甘いマスクと爽やかな声が役にぴったりでとっても素敵。
いかにも甘やかされて育ったボンボンという雰囲気が良く出てて良かったですー
「インフルエンザが流行って大変」という淑女の一人に
「叔母はインフルエンザでおっちんだんでずが本当は誰かがやっちまったんです。
帽子をもらうはずだったのに…帽子をちょろまかした奴がやっちまったに違い有りません」
だの
「父が叔母の喉にジンをひしゃくごと突っ込むと叔母はスプーンを引きちぎりました」
だのと話し始めるイライザに頭を抱えるヒギンズ達と
やっちまったの意味が分からない貴族達のシーンも好きです。
上品な仮面を被りながらも育ちの悪さを隠しきれないイライザを霧矢さんいきいきと演じてて。
フレディから馬券をもらいいよいよレース開始。
「ドーバー何してるんだ!もっとケツ降って走りやがれ!!」
と叫んでしまうイライザに騒然となる貴族達。
誰にも会いたくないと引きこもるイライザに会いにヒギンズ邸にやってきたフレディが
「もしお忘れなら競馬場でははは(と笑い声を立てる)と笑った男とお伝え下さい」と
イライザに言づてと花売り娘から買った花を託し、
有名な「君が住む街」を歌うのですが…水田さん…歌下手…?
声量も全くないし音程の変化する所とか聞き苦しくて、
「じっとしていられない」と合わせてMFLの代表曲のはずなのに全く高揚感がなかったです…
ここは多少顔に難ありでも豊かな歌唱力でうっとりさせて欲しいシーンなのになー…
六週間後、いよいよ大使館での舞踏会の日。
イライザがまた失態を犯したらと心配でたまらないピッカリング大佐と
落ち着いているようであちこち歩き回って緊張を隠せないヒギンズが面白かったです。
大佐にワインを勧めながら椅子に座っても脚をがたがたと踏みならしてしまうヒギンズ。
そこへ真っ白いドレスにティアラを付けたイライザが降りてきます。
ドレスとティアラの材質がやや安っぽいのは置いておいて(苦笑)
前回の真飛さんの時には天使のように見えましたが、
霧矢さんのこの姿は女王のような威厳と気品を感じさせて目を見張る思いでしたー
真飛さんは花売り娘から貴婦人へと転身するカタルシスはあまり感じられませんでしたが、
霧矢さんはその辺ばっちり!
ヒギンズは「悪くない」と言いながらこっそり気付けのワインを飲んで動揺を誤魔化し、
深紅のマントを着たイライザに腕を貸して舞踏会に出かけます。
第一幕終。第二幕への期待が膨らむ幕切れでしたー
第二幕、大使館での舞踏会。
セットの前に張りぼてに毛の生えたようなショボい扉みたいなのがかかってて、
前回の舞踏会のシーンはこんなの無かったのに貧乏くさく見えるーと思いましたが
この扉は次々入ってくる舞踏会のゲストを通す門?を表しているらしく、
最後に「イライザ・ドゥーリトル嬢」とイライザが入ってきた後取り払われたので良かったです。
ピッカリング大佐とヒギンズの母が密談中。
「大使夫人にあの素敵な方は誰かと聞かれたので
あのイライザ・ドゥーリトル嬢をご存じないのですかと言っておきましたよ」
「上手い言い方ね。私最近あの子のファンになってきたの」
と話す2人の傍ら、ヒギンズの教え子で
32カ国語を話せる語学の才を揺すりに使うハンガリー人、ゾルタン・カーパシーが現れ、
「私に見抜けない正体はありません」と宣言。
カーパシー役の港幸樹さん、ずるがしこくてねちっこい感じが良く出てて良かったです!
舞踏会のシーンはとっても華やかでうっとり~
バレエみたいな振り付けがハマってて
貴婦人達の色とりどりのアールデコ調ドレスとティアラも美しかったですー!
トランシルバニア女王が降りてきて居並ぶ貴族達が縦一列に並んで礼をとるところは
ロイヤルな雰囲気大好きなので生でこういう光景を見られて
本当に女王列席の舞踏会に参加しているようでとっても幸せでした…
帰宅してからピアス夫人に事の次第を話して聞かせるヒギンズ、
カーパシーはイライザの完璧な英語に彼女をハンガリーのプリンセスだと断言したのでした。
勝利の喜びに沸くヒギンズとピッカリング大佐。
「やったぞ!」を歌う田山さんおどけたお茶目な雰囲気が出てて可愛かった。
一方必死で努力して完璧に振る舞ったのにねぎらいの言葉一つかけられなかったイライザは
自分はしょせん賭けの対象でしか無かったのだと絶望し、憤ります。
ヒギンズに「私は花は売っても身体は売らなかった。でもレディになって何をすればいいの?」
と感情をぶつけますがヒギンズはそんな彼女の気持ちが分かりません。
この辺の霧矢さんの演技もとても繊細で
抑制が利いていながらもイライザの心境がとても丁寧に台詞に乗せられていて素晴らしかった!
対するヒギンズ役の寺脇さんはあくまでもコミカルで軽い雰囲気を崩さなくて、
2人の演技が水と油のようにかみ合ってない感じがしました…。
イライザはヒギンズからもらった指輪を返してヒギンズ邸を出ることにします。
フレディは相変わらず毎日ヒギンズ邸の前に佇み
日に2回も3回もイライザに手紙を書いています。
そこへイライザがトランクを持って現れ、フレディは思いの丈を伝えようとしますが
イライザは「私にみせて」を歌い言葉なんていらない、愛してるなら行動して見せてと言います。
ここの霧矢さんもまっすぐな迫力があって歌も感情がこもってて素敵でした。
かつての住処だった下町へ向かったイライザでしたが、
言葉遣いだけでなくもはや一人の人間として変わってしまったイライザは
もうそこに自分の居場所はないのだと悟るのでした。
かつての仲間達が「だったらいいな」を歌うのが
第一幕の無邪気だったイライザと
教養を知って変わったイライザの対比を感じさせてまた泣かせるシーンです。
そこへお馴染みのバーから浮かれ騒いで出てきためかしこんだドゥーリトルの姿が。
ヒギンズがドゥーリトルを紹介したアメリカの資産家が遺産を残したため
いまやドゥーリトルは大金持ちになり、目の色を変えた愛人との結婚式が待っているのです。
バーテンの態度もすっかり変わり、
「見えない壁がある」「ありますね」
「(自分の片手で服を引っ張りながら)誰かが服を引っ張ってる」「おーい引っ張っちゃ駄目だよー」
と、これまた第一幕との対比が笑えるシーンでした(笑)
イライザに「自分の脚でしっかり立って生きていけ。お前は大人の女なんだから」
とびた一文やらんとつっぱね、
イライザはそんな彼に「幸せになって」とはなむけの言葉を贈ってその場を去ります。
霧矢さんの親子の情を感じさせる台詞回しが良かったです。
「教会へは遅れずに」のナンバーはとっても盛り上がって楽しかったですー
祝祭的な雰囲気が良く出ていて賑やかで、アンサンブルのダンスも小気味良くて良かった。
翌日イライザがいなくなったと動転するヒギンズ。
ピッカリング大佐が警察にイライザの捜索を依頼。更に内務省へ出向き、
そんな彼にヒギンズは「男性讃歌」を歌い
やはり男は良い!と言ってピアス夫人にうろんな目で見られます。
ヒギンズの母の元を訪ねていたイライザを見たヒギンズは
「君は一人でやっていけるだろう。だが私が寂しくなる…」と本音を漏らし、
イライザも「怒鳴られるのも殴られるのも慣れてる。でも知らんぷりされるのはいやよ!
少しで良い、優しくしてくれない?…」と心情を吐露。
霧矢さん、イライザの一人の人間としてヒギンズに見てもらいたいという気持ちを
最後の願いのように魂を込めて言葉にしていて、胸に迫る物がありました。
対する寺脇さんはやっぱりコミカルな演技から抜け出さず、
演出なのかもしれませんが2人が心を割って話している感じは良いけど
どうも演技のテイストが反発しあっているように感じられました。
イライザはあなたなしでも太陽は輝く、と「あなたなしで」を歌い、
それを聞いたヒギンズは「遂に理想の女を作り出した!」と快哉を叫びますが、
イライザはヒギンズに「二度とお会いしません」と決別を告げ消えます。
母に「あの子無しでやっていくしかないんじゃない?」と言われ、
そうとも、あいつなどいなくても平気だ!と強がるヒギンズですが、
いつの間にか焼き付いたあの顔…と「あたまから離れない」を歌い
イライザが大事な存在であると気付くヒギンズ。
寺脇さんここはさすがに甘い歌声で情感たっぷりにイライザへの思いを歌っていて良かった。
屋敷に帰ったヒギンズは別れる前にイライザに
「蓄音機に私の声が録音されてるからそれを聞けばいいわ。機械は人を傷つけたりしない」
と言われた通りに蓄音機を再生します。
そこへイライザが静かに入ってきて、「来るめぇに顔も手も洗って来たぞ」と
蓄音機の台詞を引き取ります。
感極まったヒギンズが帽子を目深に被り「スリッパはどこだ?」と言って第二幕終。
このラストのイライザの台詞、真飛さんは少し震えた涙声で言ってて、
映画のオードリーみたいにさらっと言った方がかっこいいのにーと思ってましたが、
霧矢さんも震え声で言ってた所を観ると演出意図なんでしょうね…
イライザもヒギンズの元へ帰ってくるのに不安もあったのかな?と思いました。
何か感想と言うよりストーリーのあらすじみたいになっててすみません…
もちろんこれ以外にも印象的だったシーンはいっぱいあるのですが、
まあMFLの観劇レポ書くのも二回目だし…と今回はかなりはしょりました(それでこれ…)
全体的にはとにかくギャグの比重が増えてて、
それは別に良いとしてもそれが妙にクサかったり大げさだったり
演出過剰気味で全体のテンポを悪くしたりと、悪のりの感が拭えませんでした…
イライザ役の霧矢さんは個人的には真飛さんより遥に良かった!!
真飛さんは花売り娘から貴婦人への転身というカタルシスをあまり感じなかった分
変身前のイライザと変身後のイライザの乖離があまりないのは良かったかなと思ったけど、
霧矢さんはきちんと前後のイライザの立ち居振る舞いや人間性の違いを出しながらも、
あくまで一人のイライザという女性の変化を丁寧に演じていて、
連続した人間としてしっかりイライザの人生を生きてる感じが凄く良かったです。
台詞回しも最初のべらんめぇ口調から
舞踏会の後あたりからの変化が訪れたイライザまでその時その時を真摯に演じていて。
ただ何度も言うように寺脇さんや田山さん始めイライザ以外の人物が
皆が皆ギャグ要員みたいになってるので、
後半の真面目になったイライザの演技との齟齬がどうにも残念というか…
演出の問題なのか役者の問題なのかは分かりませんが。
ドゥーリトル役の松尾さんは前回に引き続きの好演で
憎めない駄目親父を愛嬌たっぷりに演じていて良かったです!
ヒギンズの母役の高橋さんも
リハーサル動画観た感じでは普通のおばさんで大丈夫か?と思ったけど
粋でシニカルな母親っぷりが素敵でしたー
衣装を着けると貧弱な感じも無くなって気品たっぷりだし。
ヒギンズに毅然とした態度で別れを告げたイライザに
「ブラボー イライザ!」と叫ぶところ好きー。
ピッカリング大佐役の田山さんは愛すべきキャラなんだけどもう少しさじ加減を考えて欲しい。
でも全体的には楽しめましたー何と言っても数々の名ナンバーが素晴らしいし
舞台装置も前回からほぼ変わりなく精緻で上品で素敵だし場面転換もスムーズで。
カーテンコールで公演初日と言うことで寺脇さんと霧矢さんの舞台挨拶がありました。
寺脇さんは「リボーンのリボーンという舞台ですが、
今日お客さんが入って初めてこの舞台に息が吹き込まれたなと言う感じがしています」
霧矢さんは「Wキャストという事で、最低でも2回、
2回と言わず何度でも足を運んで下さったら嬉しいです」
と挨拶。
更に最後に寺脇さんが
「これからみんなで居酒屋に移動するんで…」と言って笑いを誘ってました。
上演前ロビー下でゴスロリさん達が何人も集まってたのですが
彼女らはどこに座ってたんだろう…
日向のひなげしの歌詞も一部変わっててちょっと残念だったし
演出も前回の方が抑制が利いてて良かったなーとは思いますが、
それでも霧矢さんの華とオーラと歌だけでも充分観に行った甲斐がありました!
夏の初めのきらきらした陽光の中の芸術劇場でのミュージカル鑑賞、良い思い出になりました。
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