雨の通り道
5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。
東京バレエ団「ブルメイステル版白鳥の湖」
- 2018/06/30 (Sat) |
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今日は上野の東京文化会館に東京バレエ団のブルメイステル版白鳥の湖観に行ってきましたー
今の東バのトップの実力を知りたくて
2016年のくるみの時観た沖香菜子さんでも
DVDも持ってて大体実力が分かってる上野水香さんでもなく
初めて観る川島麻実子さんの日を選んだのですが…
うん…これが東バの今のトップだと思うと
完全に新国立劇場に敵わないんじゃないかと思います…
私自身は新国立劇場は小綺麗すぎる気がして東京バレエ団派なのですが、
人材豊富な新国立と比べて目立つ若手もいないしなあ…
そんな訳でつづきからテンション低めな感想。
お馴染み、バレエの代名詞とも言えるメロディの序曲が流れ、
プロローグで幕が開いて
人間の姿のオデット姫が湖畔で百合の花を摘んでいる所から始まります。
川島麻実子さん真っ白いドレスにショール、ティアラに黒髪縦ロールが映えてとても清楚。
人間オデットの衣装もよくあるチュールみたいな薄い素材じゃなくて
ちゃんと素材感のある生地でその点は良かったです。
ロットバルト役の森川茉央さんの衣装も
巨大な翼が悪魔らしい雰囲気出てて動かすのは大変そうだけど禍々しい感じで良かったですー
ロットバルトの翼に囲われたオデット姫は1羽の白鳥に姿を変えられ湖を泳いでいきます。
プロローグ終。
そのまま第1幕、ジークフリート王子の成人の宴。
セットは地味ながら雰囲気あって良いんだけど、衣装ショボ過ぎない…?
2年前のブルメイステル版初演の時はモスクワ音楽劇場バレエから衣装を借りたけど、
今回の再演にあたりロシアの衣装工房に依頼して衣装を一新したという触れ込みだったので
凄く期待してたのですが…
農民達もいくら何でも地味すぎるし王子の白に黒の縁取りの衣装もモブみたいで酷い…
王子役の秋元康臣さん、パッと見は細身で容姿も良いし期待したのですが、
何か存在感がない…
衣装も地味すぎて人数も少ないし農民達の踊るワルツは全く入り込めませんでした。
王妃の登場でやっと宮廷の貴婦人達が出てくるけど、これまた衣装が安っぽい…
事前に届いてたバレエ公演の情報パンフで一部衣装写真が公開されてて、
それが凄く安っぽくて嫌な予感がしてたけどその通りの高級感の無さでした。
白鳥の湖と言えば中世ドイツの重厚なコスチュームが見所の1つなのに、
貴婦人達の衣装ただのチュールスカートにティアラ・ヴェールしただけ…
王妃の衣装だけはダークグリーンの格調の高い感じのドレスで素敵でしたが。
王妃役の矢島まいさん、若くて気品溢れる美しいお妃様ぶりで素敵vv
でもこの版の王妃はジークフリートに弓も贈らなければ結婚を促しもしなくて
何の意味もなくただいるだけで残念。
この部分だけでなく1幕は踊り以外の繋ぎの芝居部分が何か間延びしてるというか、
全体的に締まらない感じがしました。
パ・ド・カトルは女性の第一ヴァリエーションの中川美雪さん
音楽の溌剌として元気な感じをもう少し表現して欲しかった。水色衣装は可愛いんですが。
男性2人のデュエットは樋口裕輝さんと鳥海創さんまあ無難な感じ。
女性第2ヴァリエーションの秋山瑛さんはのびのびした感じで明るく朗らかで
ジャンプの多い振り付けを体を大きく使って元気よく踊っててとっても可愛かったですーvv
アダージオの吉川留衣さんは何分短すぎて実力が分からなかった…
配役変更のあった道化の池本祥真さんの回転技は平均的で可もなく不可も無くかな。
第1幕終。
休憩無しで第2幕。
物思いに沈みながら湖畔にやってきた王子の前にオデット姫が現れます。
川島さんのオデット、何か地味で印象薄いなーって感じでした。
踊りからもあまりこういうオデットを踊りたいという役作りみたいなのが伝わってこないし。
でもコールドはぴったり揃っててとっても美しい!
グラン・アダージオも秋本さんも川島さんも丁寧に踊っててここはさすがという感じでしたー
4羽の白鳥も息がぴったりで凄く可憐で良かったです。
3羽の白鳥は普通。
オデットのソロはもう少し足を高く上げても良いんじゃないかと思ったけど、
川島さんの控えめで淑やかなオデットの役作りだと解釈できない事もないかなという感じ。
去っていくオデットが落とした一枚の羽を手に決意を固める王子。第2幕終。
20分の休憩の後第3幕。
大舞踏会の華やかな雰囲気を伝える音楽も相まって最高にわくわくする場面なのですが、
幕が開いた途端セットショボ…と思ってしまいました。
一応シャンデリアとか華やかな要素もあるけど奥行きが無くて地味。
衣装も1幕よりは貴婦人達のドレス重厚さを出そうとしてるのは感じられたけど
装飾とか少なくてやっぱりショボい…
でも王妃のエリザベスカラーの付いた金色のドレスは豪奢で良かったー大振りの王冠も素敵。
黄色、紫、水色、黄緑のパステルカラーのドレスにティアラを着けた花嫁候補の衣装も
豪華さは無い物の初々しいお姫様らしくて可愛かったけど、
1人の姫に1人ずつ重厚なドレスを着たシャペロン(お目付役)みたいな女性達が付いてるのも
独特で面白かったですー
4人の道化の踊りの後花嫁候補達のパ・ド・フィアンセ。
ここでもシャペロン達が出張ってて面白かったけど、その分姫達の踊りは少なかったかも。
王子に選ばれなくてシャペロン達にどうして~って泣きつく姫達可愛かったです(笑)
そこへファンファーレと共に大勢のダンサー達を引き連れたロットバルトとオディール登場。
ここも音楽含め最高に盛り上がる場面なのに
川島さんここまで登場した瞬間魅力を感じないオディールも珍しい…
白鳥はまだ控えめな表現とも取れたけど、
黒鳥全く華が無くて全然カタルシスがありませんでした。
ロットバルト達の配下という設定のナショナルダンスはどれも衣装含めよかったですー
照明が妖しい赤になるのも雰囲気出てて良かった。
スペインはソリストの伝田陽美さんも赤い旗振ってる男性達もキレッキレの動きで良かった!
ナポリも通常はからりとした明るい踊りなのに
音楽はそのままでもブルメイステル版だと全く違った表情を見せてくれて面白かったですー
チャルダッシュも民族舞踊らしい良さがよく出てたし、
マズルカも音楽をよく表してて良かったです。
スペインの女性ソリストがずっと階段の上でポーズを取ってたり(ロットバルトの正妻?笑)
ロットバルトがナポリの女性ソリストとハンガリーの女性ソリストを侍らせてたり
ブルメイステル版ならではの演出も面白くて想像が膨らみましたー
ロットバルトのソロはもう少し悪魔的な雰囲気と迫力があっても良いかなと思いましたが。
黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥ、オケが張り切りまくってて笑いました。
王子のヴァリヴァイオリンソロの張り切り半端無い。
秋元さんの王子のヴァリ、細身の容姿の通り軽やかで幅のあるジャンプと
ぴしりぴしりと正確に決まるテクニックはさすがでとっても美しかったですー
オディールのヴァリは曲の妖しい雰囲気も迫力も全く表せてない…;;
コーダのオディールのグラン・フェッテも何か回転が遅くて綺麗に見えなくて残念でした。
すっかりオディールに魅せられた王子は彼女に結婚を申し込もうとしますが、
ロットバルトにその前に愛を誓えと言われます。
ブルメイステル版はこの辺くどくてはよ誓えさせてやれやと思ってしまいます(笑)
私が観てた限りでは王子誓いのマイムしてなかったけど、
舞台が暗転して城の外で悲しむオデットの姿が映し出され、
オディールとロットバルトは高笑いして去っていきます。
オディールが王子に砂かけする様にくるっとアラベスクして去っていくの面白い。第3幕終。
15分の休憩の後第4幕。
再び湖畔。侍女達の元に裏切られたオデットが傷心で戻ってきます。
そこへ王子が許しを請いにやってきます。
オデットと王子は悲しみながらもデュエットを踊り、
オデットは逡巡しながらも去っていってしまいます。
ここ、最初他の白鳥たちに囲まれたオデットが
彼女たちの制止を振り切るように輪から出て王子に駆け寄るのが新鮮で面白かったですー
結局その後去ってしまうので何がしたいの?感はありましたが。
オデットに見放されたと思い倒れ伏す王子に追い打ちをかけるように
ロットバルトによって湖が氾濫を起こし、王子を飲み込もうとします。
水色の布で表される水が暴力的でありながらとても美しく見えて印象的でした。
そこへオデットがやってきて、湖に身を投げた瞬間舞台が暗転、ぼっ!と小さな爆発が起こり
再び舞台が明るくなるとそこには王子にリフトされて人間に戻ったオデットの姿が。
ここ他のお客も言ってましたがロットバルトが何故滅びたのか分かりませんでしたが、
オデットと王子の愛の力がロットバルトの野望を砕いたと脳内補完しました。
公演プログラムのストーリー説明読んでくれば良かった。
王子もオデットも地味だの存在感がないだの散々言いましたが、
何だかんだ言ってこの幕切れはとても感動してうるうるしちゃいましたー
やはり最後にオデットが人間の姿に戻る演出は
劇的で視覚的にもハッピーエンドが分かりやすくて良いですね。
ラスト2人がロットバルトがいた崖の上で抱き合い、
背景にお城が見える所がディズニーの白雪姫とかを思い出させて、
2人はこの後お城でずっと幸せに暮らすんだろうな、という幕切れがとっても良かったですー
第4幕終。
全体的にはとにかく秋元王子も川島オデットも華が全くなくて地味過ぎて
特に川島さんのオーラの無さは舞台から遠い5階席だからかな?とも思ったけど、
先月のバーミンガムのアリーナ・コジョカルのオーロラ姫も
似たような席だったけどちゃんと存在感も華も感じられたしなー…
ソリスト達にもこれといって目立つ人もいなかったし、
本当新国立劇場と違って若手が育ってない感じで心配…
衣装のショボさもいかんともしがったかったです…東バお金無いの…?
コールドは本当に揃ってて美しいんですけどねー
白鳥のカタルシスが全く無い舞台でほとんど入り込めませんでしたが、
それでも音楽の力とラストの良さでまあ許せたかな。
オケ凄い頑張ってて音量も大きくて好感持てましたー
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