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雨の通り道

5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。

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ファイナルファンタジーP6(最終回)

つづきからファイナルファンタジーP最終回。
ここまでお付き合い下さった方、ありがとうございます。   1dfd8d83.jpg







6
リッジ達は謁見の間の前に立っていた。あれからなんとかメリーラント城まで帰りつき、皇后とウェルザー伯爵を助け出した事を皇帝に報告しに来たのだ。「皇帝陛下か…遠くからしか見たこと無いからキンチョーするぜ」「私なんて、城に入るのも初めてなのよ」珍しく怖じ気づくリッジとフィオに、スライが「大丈夫だよ。陛下はお優しい方だからな」そう言って安心させる。そして、謁見の間の扉が開き…「ロッティ!我が妃よ!」皇帝アルフレートが親密な呼び名でエシャロット皇后を呼んだかと思うと、即座に駆け寄りその体を抱きしめた。「愛しい我が妃よ、助けに行けなくてすまなかった」「いいえ、陛下。わたくしが悪かったのですわ。本当なら陛下を補佐しなくてはならない立場ですのに、わがままばかり…」こうして、夫婦2人の感動の再会が果たされたのである。「ウェルザー伯爵も、よくぞ無事だった」「恐れながら陛下、ここにおられる3人の勇士達のおかげにございますれば」皇帝はやっと3人の方に目を向ける。「そなた達が皇后とウェルザー伯爵を助け出してくれたのだな。いくら礼を尽くしても尽きない。まことにご苦労であった」
皇帝アルフレートはエシャロット皇后のおのろけもあながちひいき目ではなかったと思わせる、なかなかに立派な風貌の持ち主だった。すらりとした長身を白い軍服に包み、カイゼル髭を生やしたその姿は噂に聞く賢帝そのものである。「ときにリッジ・オウクとスライ・スレン、そなた達は近衛隊と衛兵隊の兵士であったな。それぞれ二階級昇進させ近衛隊中尉と衛兵隊少尉とする。」やったぜ、オレもついに平衛兵隊員卒業だぁ、とほくそ笑むリッジに、更に追い風を吹かせたのはスライである。「皇帝陛下、恐れながらお願いしたく思います。チャダルヌークにとどめの一撃を下したのはリッジです。どうか彼には格別のご配慮を…」そう言って、こっそりリッジにウィンクして見せる。「む、そうか。ではリッジ・オウク、そなたには城の出入りの自由、そして我が国の栄誉勲章を与えよう」皇帝はリッジの胸にきらりと光る勲章を留めつける。(ああ…何かオレ、すっごく偉くなった気がする。サンキュー、スライ)そこで、「わたくしからも贈り物があります。」とエシャロット皇后が進み出る。彼女が手にしているのは銀色に輝くティアラである。その中心には、美しく輝く水晶の結晶が―
「って、これ、もしかして聖輝石じゃないすか」「な、何!そのティアラは我が皇室の家宝の…」さすがに渋る皇帝に、「陛下、チャダルヌークは聖輝石を渡さなければわたくし達を奴隷市場にかけると言っていました。それがこの方達のおかげで救われたのです。わたくしよりも、家宝の方が大事だと?」そう言って微笑むエシャロット皇后だったが、目は笑っていなかった。こ、怖い…と引く3人を尻目に、皇帝は別の懸念を覚えたらしく、顔色を変えた。「チャダルヌークは、聖輝石をよこせと言ったのか?」「何とかありかを聞き出そうとしていました」それを聞いて、皇帝はふーむと考え込む。「これは厄介な事になる…」「というと?」「聖輝石は各国に一つづつ保管してある。遥か昔に無用な争いを避けるためにその輝きを各国で分かち合ったのだ。チャダルヌーク一味が聖輝石を略奪する様な事が起きれば、また国際情勢に影響を及ぼす事になるだろう。奴等は必ず次の聖輝石を狙うはずだ。一度狙った獲物は逃さないというのが奴等の身上だからな…」「あの~、そんな大事な聖輝石を本当にもらっちゃって良いんですか?」深刻そうな皇帝の言葉に気押され、リッジがエシャロット皇后に尋ねる。「この銀のティアラは宝物庫に長い間眠っていた物。聖輝石と言えど、そんな状態では輝きも失せてしまいます。これはわたくしからのあなた方への友情の証として受け取って下さい。…わたくし達の間に出来た関係は、友情と呼んでも良いかしら?」即座にフィオが「もちろん!」と答え、二人はふふふと微笑えみあう。それを見て、皇帝も諦めたのか「分かった。そのティアラはそなた達に授けよう。」とため息混じりに言う。キーアイテム・銀のティアラを手に入れた!「そのかわり、リッジ・オウク、いや、オウク少尉。そなたに使命を授けたい。隣国ファラ・ディーソの姫君の事は聞き及んでおるな?」いーえ、全く。とは言えないので一応リッジは頷づいておく。「かの姫君の持つ杖に聖輝石が埋め込まれていると聞く。チャダルヌーク一味が次に狙うとすればその杖であろう。他国の聖輝石は分かたれたのがあまりにも昔のためにその行方が分からなくなっている物がほとんどであるからな。そなたにはチャダルヌーク一味の手にその杖が渡らない様守って欲しいのだ」こうして、リッジの少尉としての初の任務が下されたのだった。
「何だかなあ…せっかく昇進して威張れると思ったのに、少尉とか言ってもしょせんパシリじゃねぇか?」そうこぼすリッジに、フィオが「何言ってるのよ、栄誉の任務じゃない、ありがたく思いなさい!」とまるで自分が命を下したかの様に言う。そこで、スライが「悪い、俺も昇進して任務が増えたし、もう城を離れる訳にはいかないんだ」と切り出した。「え~、スライは一緒に行けないの?」「マジかよ!お前の剣技を頼りにしてたのに」スライはすまなそうに答える。「ほんとに悪い、まあ何かあればすぐ駆けつけるからさ。頑張れよ、フィオとリッジ・オウク少尉!」スライがパーティから外れた!「お前は…来るなって言ってもついてくるんだろうな…」「あったり前よ!あの憎たらしいチャダルヌークにもう一太刀与えてやらなきゃ気がすまないわ!」(何でそんなに楽しそうなんだ?こいつは…)あれだけの目に遇いながらまだこりていないフィオに、リッジはあきれ返ってため息をつく。とりあえず、2人は出入り自由となった城の中を情報収兼探索する事にした。       

メリーラント城・謁見の間―
エシャロット皇后「助けていただき本当にありがとうございました。わたくし、あんなに楽しい冒険は初めてでしたわ。」
皇帝アルフレート「うーむ、チャダルヌークか…」
近衛兵ウェッジ「皇后陛下が無事で何よりだった!陛下の心配の仕方は半端なかったからな」
近衛兵ビッグス「皇帝陛下、今にも倒れそうだったんだぜ」
近衛兵フィル「やっばりスライ隊長は凄いな。僕…憧れちゃう」
厨房―
料理長「どいたどいた!皇后陛下帰還祝いの料理作りで忙しいんだよ!」         
妻のエレン「ごめんなさいね、亭主ったら張り切っちゃって。」
給食のおばさんミナ「少尉さまになったんなら無下には出来ないね。そら、食べてきな!」スペシャルメニューを味わった!
給仕係セイラ「皇后陛下がいらっしゃらない間、皇帝陛下は何もお召し上がりにならなくて…それはもうご心痛のご様子でした」
右翼搭― 
衣装係クリスティーネ「皇帝陛下夫妻の結婚一周年記念パレードまであと一週間!それまでにこの世にまたとないドレスを作るわよ~おーほほほほ!」   
楽師ジョバンニ「おっ一曲聴いていくかい」きれいな音色が響きわたった!
右翼搭・音楽室―
宮廷付き指揮者ウィルヘルム「もっと熱くたぎる様に」                   
楽団員「これ以上無理ですよ~…」
左翼搭ー
ラインハルト将軍「リッジ、少尉昇進おめでとう!私達もすぐにでも皇后陛下を助けに行きたかったのだが…先を越されたな、ハッハッハ」
左翼搭・個室―
宝箱が置いてある。白のローブを手に入れた!プロンズの小手を手に入れた!ブロンズの兜を手に入れた!ブラッドランスを手に入れた!5000ギル手に入れた!(くそぅ、こんなお宝の山の部屋があったのか!昇進万歳だぜ)リッジは邪な笑みを浮かべた。
医務室―
宮廷付き医師ペリオ「怪我人はいないかね~」
看護婦アミリア「平和すぎて誰も怪我も病気もしないんですもの、毎日暇で困っちゃうわ」
庭―
メイドのアン「皇帝陛下夫妻の結婚一周年のパレード、楽しみよねぇ。うんと盛大になるように私達も頑張らなくちゃ!」
メイドのベス「まさか皇后陛下がチャダルヌークに捕まっていたなんて!てっきりいつもの悪い癖だとばかり…」
「はい、大した情報無しっと」城を出ますか?はい

「ねえリッジ、せっかく少尉になって栄誉勲章までもらったんだから、その姿をおばさんにみせてあげたら?」町を歩きながら、フィオがそんな事を言い出した。「…お前、おふくろの性格知ってるだろ。捕まったら最後、二時間は離さないぞ」「良いから良いから」と、半ば強引にフィオに背中を押され、リッジはまたもや侘しい赤い屋根の家の前に立つ事になった。「リッジ!お前少尉になったんだって万年平衛兵隊員のお前が立派になったもんだ、母さん嬉しくて涙が出ちまうよ、どれ、ちょっと回って見せておくれ、おやまあ、そりゃ国家に貢献した者だけがもらえる栄誉勲章じゃないかい、お前何したんだい、おやフィオちゃん、久しぶりだねぇ、まあまあきれいになって、それじゃ男共がほっておかないだろ、何ならお見合いでも…」「こんにちは、おばさん。お久しぶりです。残念だけど私達急いでるのでこれで」フィオは如才なくにっこり微笑んで話を切り上げる。「オレ以外じゃおふくろのトーク切り上げ最短記録だ。やるなお前」「何年幼なじみやってると思ってるの、おばさんの性格は知りつくしてるわよ」それにしても…とフィオは銀のティアラを取り出してしげしげと眺める。「不思議な輝き…でもこれ、防御力0よ」「マジかよ!見かけ倒しじゃねぇか、売っちまうか」「ばかっエシャロット皇后の好意を無にするつもり!?」と、「このティアラ、裏に何か書いてある…古代語みたいね、読めないわ」「どれ、ちょっと貸してみな」「リッジ、古代語読めるの!?」さも意外そうに言うフィオに、「お前…これでもオレは古代語学者の息子だぞ。親父に昔ちっとばかり教わったんだよ」そう言ってリッジはティアラを頭上に掲げる。「この―決して―べからず…?」「何だか良く分からないわね」「まあいい。とにか道草はこれ位にして、 さっさと任務を果たしに行こうぜ」こうして2人は一路隣国ファラ・ディーソへと向かうのだった。   

第一章・皇后、誘拐さる・完―



はい、ファラ・ディーソでの事なんてなぁーんにも考えてませんでした(笑)終わります。
というか無駄にお妃さまとかお姫さまとか出したがり過ぎですね私、分かりまs

ここまで読んで下さった方、いらっしゃいましたら本当にありがとうございます。
そしてすみませんorz





































※果てしなくどうでも良い後書き
この話を考えたのはFF9熱を突如発症した2年前で、
リッジを始めとするキャラクター達もほとんどはその時考えた物ですが、
エシャロット皇后とウェルザー伯爵のキャラだけは
この話とは何の関係もなく、16歳の時に考えてたお話が元になっています。
実はこのお話を書いた理由の3分の1位は、彼女を登場させたかったからでした。
何とかファイナルファンタジーPの中に彼女たちをねじこむ事が出来て良かったです。
ちなみに、エシャロット皇后はEDの一年後に待望の皇太子を出産するという設定です。
もう彼女の伝奇小説とか書きたいくらいエシャロット皇后お気に入りです。誰得私得。

ちなみにばらすと、ラスボスは神様という中二設定でした。第一話冒頭の独白は神様の物です。

そして本文に一回も名前の出てないジルダ姫のキャラと設定は完全な後付です。
でも婚約者を奪われた皇帝とか、
憧れの皇帝に嫁ぐはずだったお姫さまが敵国だった国の老王に嫁ぐとか、
我ながら美味しい設定だよなあとか思ってました。

何はともあれ、書いててとっても楽しかった小説でした。
多分今後続きを書くことは無いともいますが、
これからもリッジ達はこのブログでも出していきたいと思ってるので、
どうぞよろしくお願いします(^_^;)
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連載おつかれさまでした(^^


  この作品には、小雨さんの大好きが沢山詰まっていたんですね(^^
 そういうのすごくいいな! って思います。創作は自分の趣味詰め込んでなんぼだと思うのでw
 私も真似して創作またやりたくなりました(笑

 また、少しだけでもリッジくんやフィオちゃん達がしゃべってたりするのを読めて楽しかったです。家宝のティアラ上げちゃうエシャロット様すげぇえ!
 やはり自分以外の創作って萌えます~vv
 
 小説を書き続けるのは確かに難しいですよね(^^;
 私もちょっとだけ書いて疲れてやめちゃったのが何個かあります(笑
 でもせっかく作ったキャラクター達ですから、今後も使っていきたいですよね!

 これからのリッジくんたちの活躍、楽しみにしていますv
 そして小雨さんのキャラの中では、やっぱり私はリッジくんが一番好きです(笑


 乱文失礼いたしました~(^^
  • 茶眼 さん |
  • 2011/06/29 (23:35) |
  • Edit |
  • 返信

茶眼さんねぎらいのお言葉ありがとうございます::

茶眼さんこんばんは。
こんな駄文を最後まで読んで下さって本当にありがとうございます~(>_<)
のみならず感想まで…!;;もう泣けます;;ぶわっ;;

まあ連載とか言っても過去の文をそのままコピペして載せてただけなので全然大変じゃ無かったんですけどね☆(唯一最終回の挿絵だけは描き下ろしましたが)

そうですね!やっぱり創作は萌えが原動力だと思いますv
好きな物じゃないととてもここまで描き続けられませんでした。
茶眼さんの創作も是非読んでみたいです~!
個人的にはシルク君とキアリスさんの恋が気になるところ…ああでもジェノバ君もかっこいい~v
私は自分の創作でも余裕で萌えられますww
すみません完全自己満人間ですww

こんなしょうもない性格の主人公でも、一番好きと言って頂けて嬉しいです~;;
今後もどうか彼等をよろしくしてやって下さいm(_ _)m

ではでは、たくさんの嬉しいお言葉をありがとうございました!vv
  • 小雨 さん |
  • 2011/06/30 (00:19) |
  • Edit |
  • 返信

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自己紹介:
7月15日生まれのかに座、A型。
めんどくさがりでものぐさ。

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