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5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。

高山ちあきさんの「橘家本店閻魔帳」シリーズは全巻借りてあるのですがひとまずお休みして、
別のコバルト文庫を読んでました。
図書館で借りた椎名鳴葉さんの「宮廷詩人に捧げる一皿」と
コバルト文庫の中でもお気に入り作家さんのはるおかりのさんの新巻、
「後宮響華伝 包丁愛でる姫君の謎多き食譜」の2冊。
たまたまなのですがこの2冊ヒロインが料理好きというのを筆頭に
設定が結構被ってるのですが、作品の出来の明暗がくっきり分かれてる感じでした…

椎名さんの宮廷詩人に捧げる一皿は、挿絵が凄くクセがあって
自分ではまず買わないだろうな…という感じでしたが
図書館にあったので試しに借りて読んでみたら思いのほか快作で良かったです~
こういう事があるのが図書館のいいところだなと思いました。
文章やストーリーテリングが巧みで、キャラクターの心理描写が凄く説得力があって
キャラクターにすっとスムーズに感情移入できるところが良かったです。
ヒロインの彩花の料理が好きで亡き父のような一流の料理人になりたいという夢を持って
日々修行に励む姿も一途で可愛くて好感が持てたし、
安の横暴ななふるまいを許さずどんなに殴られても決して信念を曲げないシーンは
一本筋が通ってて凄くかっこよかった!!
瞬も穏やかだけど料理を作ることに対して確固たる矜持を持っている所や
幼い黎を優しく諭す所とかとてもキャラクターが立っていて優しい雰囲気が素敵でした。
料理人に毒を盛られて以来食べることが出来なくなった黎が
俊の人柄に触れて料理を口にすることが出来た場面で
「わたしの体の一部になったものたちがもっと生きたいと背を押したんだ」
と言う所は、私達が食べてきた動物の肉や食材達が私達の中で血肉となって、
私達が生きる事でそれらの者達も生きようとしているんだというのが
凄く素敵な考え方だなあと思ったし、感動しました。
緋翼も画一的な嫌な婚約者キャラじゃなくてちゃんと彩花を愛してて
理解はしないけど意思を尊重して大切にしようとしている所が好感が持てました~
全体的に食べることや料理を作ることに対しての信念が貫かれていて、
普段何気なくしている食べるという行為に
これだけ深い意味づけを与えているのは凄いなーと読んでて思いました。
…ただ一つだけ難を言うなら宮廷詩人として詩一つで国を動かす、とまで言われている黎の
詩を詠むシーンが一つもなかったのが…
最後の鄭満に黎が送った手紙の中の彩花への「熱烈な恋の詩」くらいは
出さなきゃ駄目だろ…と思いました…。
多分椎名さんが中華風世界観の料理の事を調べるだけで精一杯で
漢詩みたいなのの取材というか勉強?する暇が無かったのかなーと思いましたが。
彩花があくまでも最後まで黎に恋していないけど、と明記されてたり、
後書きで椎名さんが書かれてるようにラブ要素は少なめだけど、
黎がラスト「嫁き遅れたらちゃんともらってやる」と
本気とも冗談ともつかない言葉を言ったりするので
たまにはこれ位さらっとしてるのも良いかなと。
本当に絵柄だけで毛嫌いせず読んでみて良かったです。


で、はるおかさんの新作の方は…うん、結構な地雷だったかな…
葵木あんねさん名義でルルル文庫の方でも先月末に新作が出てて、
どっちを定価で買おうか、もしくはどっちもブックオフに並ぶのを待とうか
凄く悩んだ末に前作の後宮詞華伝が良かったのと
某巨大掲示板で一番にレビューを書きたいという
割とどうでもいい理由で今作を買ったのですが、
たとえ毎回薄味でもお約束を踏襲してくれる
安心して読めるルルルの方を買えば良かったと後悔しました…
中華物よりもオーソドックスな西洋物の方が読むの好きだしなあ…
由利子さん画の表紙のけい鷹がかっこいいし
あらすじ読んだ限りでは結構興味を惹かれたのですが、
どうしても直前に読んでた宮廷詩人~と設定が似通ってるところを比べてしまって…
ヒロインの鈴霞の料理を好きな気持ちもギャグタッチで書かれてるので
彩花の真剣な気持ちに比べていまいち情熱が感じられなかったし、
けい鷹が過去に毒殺されかかって以来毒に耐性のある芋しか食べなくなったと言う所も
黎の設定と似すぎてて同じコバルト内でここまで似てていいのか…?と心配になりました。
それを抜きにしても、後宮の妃達の悲哀を描いていて心に残る物があった前作と比べて
エピソードの一つ一つがとってつけたようだったりほとんど機能してなかったりで…

鈴霞が栄宵麗の身代わりだとバレるのが早すぎるのは
まあいつものはるおかさんのパターンを思えばまだ予想できなくもなかったですが、
鈴霞が宵麗と身代わりになってけい鷹を騙していることについて
彼に惹かれていくにつれて罪悪感を抱く所とか
もっと上手く書けばかなり切ない恋が書けて良かったんじゃないかと思いますが、
いつのまにかうやむやになってるし…
明杏公主が央順を好きなのも何の伏線にもなってなかったし
唐仲来と班太后とのエピソードも最後にご都合主義的に利用されるだけだったし、
前作と違って後宮を舞台にしている意味もあまりなくて
芙羅のエピソードは唯一後宮らしい話だけど内容はいくらお話でも無理ありすぎだし…
何より前作と同じ世界観!どっちから読んでも楽しめる!という触れ込みだったのに
前作の主人公カップルを始め登場人物達が軒並み不幸になってるのは何のサービス?
個人的に前作の吾氏のキャラクターが可愛くて好きだったので
今作で皇后となった彼女が皇帝の意向とはいえ
実の息子に毒を盛るような人物になってたのが残念すぎました…
前作は書や詞がテーマで趣深い漢詩調の詩が所々に出てきたり、情緒があって良かったけど
今作は肝心の料理があまりストーリーの大筋に絡んでこなくて企画倒れのような…
ミステリーと銘打ってる割りにはその部分もあまりにもお粗末すぎるし。
はるおかさんはいつも一定以上の水準の作品をコンスタントに出してくれるので
作家買いしやすくて好きなのですが、ここまで地雷なのはデビュー作以来かも…
椎名さんとはるおかさん、最初にも書いたように同じような素材なのに
料理の仕方でくっきり明暗が分かれた感じでした…
唯一の救いは由利子さんの挿絵が綺麗な事かな…
男性が以前に比べて少女漫画っぽいきらきら感とクセが抜けて
かっこよくなってたのは良かったです。
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7月15日生まれのかに座、A型。
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