雨の通り道
5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。
久々に萌えに萌えたオレンジ文庫
- 2022/08/06 (Sat) |
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先月描いたひまわり柄ピンクハウスの粉雪
顔は自分でいうのもあれですがめちゃくちゃ可愛く描けたけど、
資料なしで描いたらピンハがエセになってしまった…
でもヘッドドレスに三つ編みをくるっと巻いた髪型は
普通に下ろすより印象的な感じになって良かったです。
全体的な色やデザインも可愛く出来てお気に入り。
山本瑶さんの集英社オレンジ文庫
「穢れの森の魔女 赤の王女の初恋」「穢れの森の魔女 黒の皇子の受難」読みました~
最初ブックオフオンラインでオレンジ文庫を検索して、
赤の王女の初恋と黒の皇子の受難両方出てきたのですが
同世界観の別の主人公の独立した話だろうと思って、
赤の王女の初恋だけ買ったら、まさかの前後編で
赤の王女の初恋を読み終ってすぐ後編の黒の皇子の受難も買いました~
まあ逆よりは良かったかな…
山本さんベテランだけど私にはいまいち合わないと感じることが多い作家さんだったのですが、
これはベテランらしく力量を感じさせて楽しく読めました~
赤の王女の初恋の序盤は
レイトリンの女王カイラの第一王女として認知されてるのに
城の北の塔に飼い殺しにされてたミアの幼少時代と
現在でも城と父方の祖母グリンダの家とを行き来しているという
中途半端なミアの境遇が良く分からなくて、
ベタでも王女と言うことを知らずに育ったミアがある日その身分を告げられ城から迎えが来て…
とかの方が良かったと思ったし、
禁断の森の狼神ナグ・ダグルや森の巫女ラヴィーシャの言葉など、
意味深な台詞や文が頻発する割りに展開は牛歩で
核心に触れそうになった所で脇道に逸れるを繰り返すのが読みながらいらいらさせられたけど、
ミアとキリアンの関係がさすが山本さん萌えのツボを良く分かってて、
キリアンの綺麗好きでぞんざいな話し方だけどミアに優しい感じとか、
黒髪男子大好きな私には萌え萌えでとっても良かったです~
ミアのキャラも北の凍てついた森の中で生きる術をしっかり身に付けた
たくましい野生児の様な王女らしからぬキャラが
エドワード王子と出会って恋をして変わっていく感じが良かったです。
エドワード王子も正統派の穏やかで爽やかな王子さまキャラで、
ミアと恋に落ちる所も可愛い感じで
キリアン派だけど微笑ましく読んでました。
全体的にダークないばら姫と言う感じの話かな。
ミアが16歳の誕生日に神殿でメトヴェに
「決して恋した相手と結ばれず、恋するものに笑いかけることも怒ることも泣くことも出来ない」
いばらの呪いをかけられて、
エドワード王子の祖国グリフィスに嫁いだ所位から
それまでの野性味溢れる厳しい北国の生活の華の無い描写や舞台から
やっと宮廷絵巻っぽくなって、引き込まれました~
グリフィスの華やかな宮廷で
エドワード王子を呪いのせいで拒んでしまったミアにエドワードも戸惑い、
やがて失望して国一番の美姫ロクサーヌを側室に据え、こじれにこじれた二人の仲を
ミアの護衛として付き従うキリアンがどんな想いで見ていたのかと想像すると
ベルばらのアンドレ的な狂おしい男性の片想い大好きなので萌えましたが、
その辺は特に描写が無かったのが残念だったようなまあこれ位の匙加減で良かったような…
エドワードが最初の理想的な優しい王子様キャラから
割とすぐに疑心暗鬼で狭量な性格になってしまうのとか、
そうなってしまった遠因である嘘だらけの貴婦人が嫌いな所とか、
ちょっとキャラの掘り下げが足りないかなーと思う所は有りましたが、
まあ全キャラそんな丹念に掘り下げてたらページが足りないので
これ位の分量で妥当かなという感じでしたが。
ミアと同じく16の誕生日に「実の兄しか愛せない呪い」をかけられた
エドワードの妹姫フランセット王女が
人畜無害な愛らしい王女と見せかけてミアを亡き者にしようとして
逆に殺されてしまうラストは結構衝撃で、
どうせ300ページ超の本をいくら面白くても1日に二冊も読む気力はないのは分かっていても、
Amazonでポチった後編黒の皇子の受難が届くのが待ち遠しかったです。1日ですが。
で、黒の皇子の受難、ここからは断然面白くなってきてノンストップで読んでしまいました~
ミアの呪いはどうやったら解けるのか?
メトヴェがミアに呪いをかけた真意は何か?
時の魔女とは誰なのか?
タイトルでネタバレしてるけどキリアンが皇子なのに森で倒れていて記憶を失っていたのは何故か?
カイラは何故ミアに冷淡な態度を取り続けるのか?
等々、謎がいっぱいでそれが解き明かされるのが待ち遠しくて仕方ありませんでした。
冒頭の時の魔女がかつて愛した男に似ていたキリアンを愛しく思い、
キリアンも魔女を哀れに思い魔女の側にいて
寂しいという感情だけでも取り除いてあげる所はショタキリアンが可愛くて萌えました。
フランセット王女を殺されたことでミアへの愛が完全に憎しみへと変わり、
ミアを捕らえようと包囲網を巡らすエドワードから逃れ
キリアンと侍女のハンナ、キリアンの義父デール侯爵に支える諜報員ジーク、護衛のルイスと共に
ローウッドを経由して祖国レイトリンに帰ろうとするミア。
国境をまたぐために通過する必要がある修道院の僧達を欺くため、
ミアとハンナは男装、キリアンとジークとルイスは女装するところは
美味しい展開キタ━(゚∀゚)━!とわくわくしました♥
女装したキリアンの違和感の無い美女っぷりに
「女としての自信を無くす」「ほんとですよ」とこぼすミアとハンナに笑いました。
ジークのキャラもよくあるオネエキャラかもしれないけど、
ミアを心から敬愛していて普段は軽薄そうに見えて実直で有能なところとか
情に厚い所が凄く好きでした~
マルト城の城主の伯爵にそもそもの五国割譲が不公平だったのだと聞かされ、
ミアと同じく16の年にいばらの呪いを受け
愛する女性を死なせてしまい言葉を話せなくなった第二王子セオドールを託される所は、
いばらの呪いって王女にしか発現しないはずでは?と
セオドールは女なのかと勘繰ってしまいましたが。
後はミアの想いがエドワードからどうキリアンに傾いていくのかだけを楽しみに読んでましたが、
レイトリンとロウナスの連合軍に加わるためキリアンが出兵する辺りでキタキタキターと実に萌えました。
キリアンが一瞬躊躇ってからミアに口づけする所良い‼゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚
キリアンの感情があまり表情に出ないけど
野生児のミアをずっと見守って来てミアのことを誰よりも近くで見ていた所いじらしい‼
そしてレイトリンの王城の最後の砦となる渓谷の門の前で
エドワード率いるグリフィスの軍を迎え撃つため策を練るデール侯爵や軍師達の所から
渓谷での死闘のシーンまでの流れも熱くてテンション上がりました‼
ジークの働きも美味しい‼
「私だって大切な人をみすみす失いたい訳では無いんですのよ」と
エドワードへの手紙を託したミアに言う所は
ジークの真摯な想いが伝わってきてきゅんとしました~あくまで主従愛と言うのも良いです‼
エドワードと精鋭部隊を率いたキリアンの渓谷での衝突のシーンも熱かったです~
その後のキリアンを失ったミアが
エドワードへの恋心を完全に捨て去って憎しみの限りを込めて斬りかかる所で
エドワードが、ミアを捕らえたらミアはどんな風に思うだろう、
自分はミアをその場で殺すのだろうかとばかり考えていたのに、
ミアの憎しみを間近にしてもうミアは自分を愛してはいないのだ、
ミアの心はキリアンにあるのだと戸惑いながらも悟った所は
事実上ミアがキリアンに恋している事に初めて言及する文章だったのでまた萌えました~
クライマックスのグリフィスの軍に門を破られ火をかけられたレイトリンの王城で
女王カイラがミアに自らの呪いとグリフィスに勝てない戦を仕掛けた真相を打ち明け、
ミアを正式に次期女王に指名し女王の証の指輪を託すシーンは、
カイラのミアの父の農夫エルネストとの悲しい恋の話が切なくて良かったです~
この小説は他にもセオドールとアリーシャとか時の魔女とその恋人とか、
フウロソウの精霊の話とか、全体的に切ない悲恋のお話が散りばめられていて、
そういうの読むの好きな私には楽しかったです~
燃え盛る城の中で死んだはずのキリアンに助けられ、
彼の正体といばらに飲まれた帝都ナハティールの真相を知らされたミアの所からは
ラストまで凄い駆け足で、
せっかくキリアンの事を恋する様になったミアとキリアンのラブいちゃは??とがっかりしました…
結局時の魔女も救われず女王カイラはいばらに飲まれ、ナハティールのいばらもそのままで
ミアのいばらの呪いも解けず…続編見越してたのかも知れませんが消化不良感が否めませんでした。
キリアンの恋心が報われてミアとラブラブになるのだけを楽しみに読んでたのに…
せめてミアがキリアンに恋しているとはっきり明言する文章が欲しかった…
せっかく生還したキリアンと一生結ばれる事も出来ず、
女王とその側近として生きていくしかないって…メリーバッドエンドですか?
でもまあミアがカイラ女王の後を継ぎ女王となることを決意して
青狼城で異父妹のアリステア王女を
「あなたは王太子として相応しい振る舞いを何も学んで来なかったのですか?」とやり込め、
ナグ・ダグルが神力を振り絞って青狼城に啓示を示す所から
最後のラヴィーシャとの語らいは良かったです~
とにかく山本さんの巧みの技でのキリアンのキャラの萌え度が半端無かったですが、
ミアの自由気ままに逞しく生きているように見えて
実は誰よりも不自由を抱えていた利他的な所が、
最後は祖国レイトリンの民草を守る女王としての資質に昇華していく所も良かったし、
ジークも先述の様に良いキャラしてるし、
大柄な侍女のハンナの、城でいじめられ男達に暴行された過酷な過去があっても
「私は男を嫌いになったりしませんよ」と明るく前向きに生きている所もとても良かったです。
ルイスの若干木偶の坊に見えても朗らかな性格も和みました~
セオドールはちょっとその存在必要だった?と思わないでも無かったですが(((^^;)
後幕間のアルナディスの女王シャナンのシーンはその後全く回収されませんでしたが、
やはりミアとキリアンのあれこれも含め尺不足のせいだったのかなあと。
最近のオレンジ文庫は王女の遺言とか青の女公とか女性為政者物多いけど、
そのどれもヒロインが正式には誰とも結ばれずに終わるのは女性の自立という時代を感じます…
尺不足説明不足の感は否めませんでしたが、
特に皇子の受難は息つく暇もなくぐいぐい読ませられて、
久々にオレンジ文庫でコバルト文庫っぽいキャラ萌えカプ萌え出来る小説に出会えて満足です。
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