雨の通り道
5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。
嘘つきは姫君の始まりシリーズ読了
- 2017/08/03 (Thu) |
- 日記というか雑記 |
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一時はずいぶん良くなってた右臀部の痛みが
再び復活してきたので作業所休んで養生してました…
座ってると前とは違ってお尻の横の方の筋が痛んで、
ブックオフ巡りに歩き回ってたのがいけなかったのか
前傾姿勢になるとその筋が凄く痛むようになってたので
痛み止めのロキソニンも飲むと胃痛がする様になってきたので飲めないし、
明日4日の京都行き本当行けるんだろうか…と不安です。
座薬は冷蔵庫保管だから持って行くわけにも行かないしなあ…
せっかくの京都なのにどこにも寄らずにまっすぐ田舎に帰ることになりそうです…
その前に3時間半も京都まで新幹線に座ってられるんだろうか。
その後も綾部まで山陰線で2時間弱あるし…
行きは何とかなっても帰りの6日は悲惨なことになってそう…;;
おいといて、嘘姫「初恋と挽歌」「千年の恋人」「夢見るころを過ぎても」「貴公子は恋の迷惑」
をもってシリーズ読了しましたー
悪婿の時のようなその事以外考えられない位のハマり方ではなかったですが、
お色気の退廃宮廷悪婿と比べて艶な雅の平安嘘姫って感じで、
どちらもそれぞれ違った味わいがあって良かったですー
ハマり方の違いも多分2つのシリーズのカラーの違いのせいだと思います。
嘘姫の方が悪婿よりさらりとした感じで、上品で爽やかな味わいで良かったです。
「初恋と挽歌」は
前回先に読んでしまった少年たちの恋戦のラストで声を失った次郎君の所で終わってたので
東宮の求婚、寵愛の終焉を読みながらも先はどうなるんだろうと気になってましたが、
次郎君の失声の病を聞いて急いで初瀬の尼寺から宮中に戻った宮子と次郎君が
割合穏やかに日々を過ごしてたのがほっとしましたー
前巻までは蛍の宮ラブでしたが声を失った次郎君の愛情表現が凄く可愛くて
かなり次郎君によろめいてる私がいました。
オウムの迦楼羅に「子猫ノ君、君ガイナイト寂シイヨ」と
呟いていた言葉を暴露されて恥ずかしそうにしてる所とか、母性本能を刺激されるわー
かと思えば宮子に口づけて宮子の紅が移った自分の唇を触って指に付いた紅を舐めたり、
その紅で「もっとほしい」と書いて宮子の紅を紙で落とさせてから再び口づけしたり、
甘くてきゅんとしました。
前回はラブシーンがワンパタと書きましたが、
読んでてそうだよこういうのが読みたかったんだよ!!という感じでしたー
絵の上手な次郎君が寝そべった宮子を描いてそれにしっぽや耳を足して、
宮子が色を付けて猫のお姫さまが完成するところは
前巻までの日の宮の好きな
人間のお殿様に恋した猫のお姫さまの絵草紙の伏線が利いていて切なくなりました。
宮子に甘ったれ東宮というあだ名を思いついたと言われて
白い面に朱が走る、という描写とかも毎回思いますが白皙の美少年らしくて萌えます。
更にそのあだ名に答えないと言っても宮様と2人の時だけその呼び名で呼ぶから、と言われて
ますます赤くなって宮子を睨む所とかも可愛い~vv
「今日の君はイジワルだ」と言う次郎君の
怒った時の反応も優しい少女めいた彼らしくて凄く好きです。
宮子の真幸との決着の付け方も某所でお勧めされた通り
ちゃんと納得できる感じで良かったですー
宮子が真幸は自分が次郎君に心奪われた事を知っても
一縷の望みを抱いて宮子を待っているのだろう、と思っていたけれど
それは自分の勝手な感傷に過ぎなかったのだと恥ずかしく思う所は
宮子の心理が良く分かって良かったです。
ともすればヒロインがビッチと思われがちな三角関係ネタを
しっかりけじめを付けて書いてる所は好感持てましたー
真幸の次郎君への憎しみが無いと言えば嘘になるけど、
それよりも何よりも宮子の幸せを願っているのだ、という言葉も泣けました。
そして有子姫の真幸の事幸せにしてあげてって言ったのに、という涙もとても切なかったですー
本編最終巻の次巻「千年の恋人」か番外編2冊での補完を期待させる流れに俄然燃えました。
蛍の宮はこのシリーズの良心という感じで出てくるとほっとしますー
「ぼくの福臥をそんな長大な物語にするなっ!」の所とか好きです(笑)
興味深げに福臥絵巻を眺めてる次郎君も(笑)
そして中宮の逝去は驚きの展開でしたー
何だかんだで無事出産も済んで元気に回復するとばかり思ってたのに…!
中宮のように後宮を統率していく自信はないけど、
たとえニセモノの身代わり姫の自分でも
そうしなければならないのだと思う宮子が良かったですー
市の聖のもとにお忍びをする次郎君の
まだ完全に声が出なくて返事に「ん」て頷く所とか死ぬほど萌えました。
お父さんみたいな蛍の宮も可愛い(笑)
次郎君が百舌を空へ放す所は情景が目に見えるようで清々しかったです。
本編最終巻の「千年の恋人」は前巻最後の野武士集団に襲われた真幸の所から始まって、
ほぼ宮子達の脱出救出どたばた劇に終始してて
登場人物の心情的な進展がほとんど無かったのが残念でした…
全ての事件が終わって次郎君の肩に寄りかかって眠ってしまう蛍の宮は可愛かったですが(笑)
宮子の入内問題の解決法は少々強引でしたが、まあ納得できる形で良かったです。
鳩子様が次郎君の福臥役に、ひいては表向きの正妃にというのは
当時の感覚から遠い今の時代から見ると多少もやもやしないではないですが、
次郎君の実質的なお妃は宮子だけ、という事でまあ丸く収まるのかな。
全体的に駆け足感有って、萌え全開だった前巻と比べると
有子姫の恋の行方とかも宙ぶらりんで地味なラストでしたが、
まあ番外編2冊で補完してくれるのだろうと割り切って読みました。
あとがきの松田さんの「番外編は宮子の入内と初夜、有子姫の恋、蛍の宮と相撲のあれこれ」
という言葉に俄然期待が高まりましたー!
そして番外編1冊目「夢見るころを過ぎても」。
鳩子様が久々の登場で嬉しかったですー相変わらず良いキャラしてらっしゃる。
裳着をすませて大人になった日の宮も可愛いし
たおやかな様で結構良い性格してる大姫も良かったですー
蛍の宮の過保護な所も相変わらずで
香作りの名人という所も3巻「恋する後宮」ぶりに披露されてかっこよかったー
馨子さま考案の
「紐を引くと瞬時に布がバラバラになって全裸になる肌着」の下りも笑いました。
悪婿はそもそもがむらむらすると12歳の少年になってしまう呪いのせいで
夫婦なのに結ばれることが出来ない2人、という所から始まっての
9巻目ラストでようやくの初夜だったので
それに比べると宮子と次郎君の初夜はどきどき感も思い入れも到底及ばなかったですが、
それでもやっぱり元服を果たした次郎君と宮子の初夜描写は
これまで見守ってきた12巻分のあれこれが思い出されて感慨深かったです。
悪婿に比べるとずいぶん綺麗目な描写で、
そのまま悪婿と嘘姫のお話の全体的なカラーの違いを表しているようでした。
元服した次郎君の挿絵色っぺかったなぁーvv
すれ違いや様々な葛藤を乗り越えて結ばれる2人というのは何度読んでも良いですねぇ~vv
湿っぽくならずとびきり明るいラストも良かったです。
そして蛍の宮と五節の君の短編「ふつうの速さで歌うように」も良かったですー
松田さんが恋愛物になると蛍の宮は本当に書きづらいとあとがきで言ってたとおり
なかなか色っぽい展開にならなかったですが、
「尼姫さまがやってきた!」で唐突に登場した感のある五節と姫子が
ちゃんと蛍の宮にお似合いの感じになってて良かったです。
蛍の宮へのほのかな気持ちを自分でも気付かず、
宮中に参内しても蛍の宮を怒らせてしまったと思いこんだ五節の
恥ずかしくていたたまれない気持ちが王道だけど凄く可愛くてきゅんときましたー
蛍の宮の不器用な優しさも可愛かったです。
甘甘な宮子と次郎君と比べて
こちらは少女漫画のような爽やかな恋の始まりの予感を書いていてとっても萌え萌えしましたー
蛍の宮のお相手はちゃんと補完されるのかと思ってたので無事こうして読めて満足です。
この2人なら一緒に剣術の稽古をしながら自然に仲を深めていけそう。
五節のまだ姫君の身分に慣れず引け目を感じている所が
これから宮子のように自信を付けて変わっていけば良いなあと思います。
正装をして化粧を施した五節の姿に目を見張る蛍の宮も初いなあvv
桐壷の更衣の母親らしい心配や気遣いも
蛍の宮を母としてよく知ってるだけあって良かったです。
そして番外編2冊目にしてシリーズ最終巻の「貴公子は恋の迷惑」。
真幸と有子姫の恋の行方が気になってたのでその前の
「馨子姫と恋知らずのご兄弟」と「貴公子は恋の迷惑」はかなりいいかげんに読んでしまいました。
馨子姫の男性遍歴も特に興味ないし貴公子~にいたってはこれ嘘姫でやる必要あるか?と…
清嗣さまの純情さは微笑ましかったですが。
紅子達の豊前訛りはちゃきちゃきした感じで可愛かったです~
そして期待の真幸と有子姫のお話「愛しき言つくしてよ」ですが、とっても良かったですー!
有子姫の真幸への純情がとっても切なくていじらしくて、
読みながら何度も涙が出そうになりました。
宮子への恋やぶれて多田に行った真幸が
有子姫からの文だけを大事に思っていた事を聞かされた有子姫の気持ちや
真幸が宮子に向けていたようにやさしい目を
自分に向けてくれるようになるとは思っていなかったという
有子姫の真幸への胸が苦しくなるような恋情がとってもよく分かって。
2人で川遊びする所はほのぼので可愛かったです~
自分と有子姫は身分が違いすぎるからと再び多田に行こうとする真幸が有子姫に口づけする所は
「あなたは私でない他の人のものになる」という台詞が
宮子を次郎君に奪われたようにまた好きになった人を他の誰かが奪うのを見たくないという
真幸のトラウマのような気持ちが伝わってきて凄く悲しかったです。
大姫の
有子姫を駆け落ちした恋人を亡くして虚しい存在になった自分の様にはしないでほしい、という
兼通への嘆願も感動的でした。大姫は本当に強いお姫さまだよ…
3年間真幸の出世を待つという兼通の通告で晴れて恋人同士となった真幸と有子姫の
幸福感溢れるラストは素敵でしたー
「恋しくて、恋しくて、ようやく逢えた時くらい、
やさしい言葉をたくさん聞かせてよ。いつまでも2人の仲を長くと願ってくれるなら」
という歌の意味もお話のラストにぴったりで、
その他にも要所要所で古今和歌集の恋歌を引用してる所とか趣深くて良かったです。
真幸が宮子への辛い思いにけじめを付けて新しい恋を見つけられて本当に良かった。
有子姫の切ない初恋が実って本当に良かったですー!
その他の細々した掌編3本は省略するとして、
巻末の「夢で逢えたら」漫画版と「蛍の宮日記」は
挿絵の四位広猫さんの可愛い絵が堪能できて嬉しかったですー
夢で逢えたらの冒頭のお行儀悪くころころ転がる次郎君可愛い。
四位さんの描かれる簡略顔が可愛くて好きです。
小説とはちょっと違った次郎君の魅力が描かれてて良かったですー
蛍の宮日記も和みました(笑)兄上という言葉と小さい物に弱い苦労性の蛍の宮が愛しい(笑)
挿頭の君をもふもふする蛍の宮の壊れっぷりに笑いましたー
愛故に長々と書いてしまいましたが、嘘姫シリーズ全13巻とっても楽しく読めました。
最初ドン引きしてた馨子の性的な奔放さも
14で侍従を亡くしその子供である宮子と真幸を養うため
自らの美貌と才気を武器に家計をやりくりしていた苦労を考えるとほろりとさせられたし、
最初は自分に不釣り合いだとばかり思っていた姫君という身分に次第に慣れて、
周囲の人々とも親しくなって確実に宮中に自分の居場所を作っていった
宮子の成長も頼もしかったです!
悪婿のジュリエットはちょっとはわわ系で正直いらっと来る所も無いではなかったけど、
宮子は素直でおっとりした所はジュリエットと似てるけど
もう少したくましくてちゃんと成長するところが好ましかったですー
華やかな後宮を中心にした宮中で
魅力的なキャラクター達が大活躍する嘘つきは姫君のはじまり、
こうして最後まで読めて本当に良かったです!
悪婿と比べると色々素直な感じでそこが物足りないとも言えるけど、
これはこれで違った魅力があって、雅な平安絵巻の世界に浸れて楽しかったですー!
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