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5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。
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小雨
性別:
女性
職業:
大学生
趣味:
読書、映画鑑賞
自己紹介:
7月15日生まれのかに座、A型。
めんどくさがりでものぐさ。
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タイトル通りです。また画像無くてすみません…
というわけで28日にブックオフで買った村上春樹の「騎士団長殺し」、
第1部「顕れるイデア編」第2部「遷ろうメタファー編」読了しましたー
第1部は読むのに11時間半、第2部は3日間にまたがって読んで14時間半かかりました…
合計26時間か…丸一日以上かかったのか…

感想、結論から言うととっても良かったです!
私あまり言ってないけど結構なハルキストで
無人島に一冊だけ本持って行くならノルウェイの森(2冊あるけど)だし
風の歌を聴け以外は村上春樹作品全て読んだと思うけど(エッセイ以外)、
その中でもかなりお気に入りの作品になりました。
1Q84は面白かったけど主人公と青豆がやっと出会ったところで終わってて
謎のカルト教団の下りとか凄く引き込まれて読んでたのに
全く謎が明かされずに終わったので
兄がもらってきてただで読んだのにも関わらず壁投げ本でしたが、
今回は3000円弱出したのも無駄ではなかったどころかそれ以上の値打ちはあると思いました~

騎士団長殺しというタイトルをまず見てオペラ「ドン・ジョヴァンニ」に関係した話なのかな?
と言うのは予想できましたが、何となく暴力的な荒々しい話を想像してたら
良い意味で予想を裏切られました。
1Q84は視点が章ごとに主人公と青豆と交互に変わったのでちょっと読みづらかったけど、
今回は主人公の「私」の視点で一貫してたので読みやすくて良かったです~
主人公の職業が画家と言うのも上野で美術展行って帰ってきたばかりで
自分の絵を描くことについてもちょっと思う所あったのでタイムリーでわくわくしました。
村上春樹は小説家なのに絵描きの心理を凄くよく分かってて凄いなあ。(小学生並みの感想)
第1部序盤の妻から離婚を言い渡された私が
車に乗って北国を放浪するあたりはちょっとだるかったけど、
雨田具彦の家に住むことになって免色と出逢うあたりでもう引き込まれてました~
そのまま免色という男の謎めいた人間性にどんどん興味を惹かれて、
夜中に鳴る鈴の音で目が覚めて雑木林の中の穴をみつける所は
春雨物語の中の入定仏の話とか凄く面白くて、
耳袋みたいな昔の日本の不思議な話というか怪異譚が大好きな私にはたまらない展開でした。

騎士団長が初めて登場して話す所は
谷崎純一郎(読んだこと無いけど)読んでたらいきなりラノベになったみたいな
もの凄い違和感を感じて、無理にキャラ付け頑張らなくて良いのに…と思いましたが
慣れたらその味のある話し方がどんどん好きになってる自分がいました(笑)
雨田具彦がウィーン留学時代反ナチ抵抗組織に身を置いてたらしい事が分かる辺りが
一番わくわくしてたかなあ。
ラスト近くの秋川まりえが行方不明になっていた4日間
免色の家でどの様に身を潜めていたかが延々語られるところは
え、もっとあの辺やあの辺の謎も知りたいんだけど…いつまで続くの?
と思ったし
ラストの章の一つ手前の章では
1Q84や他の多くの村上春樹作品と同じく謎がほとんど解明されなかったけど、
1Q84の宙にほうりなげられたみたいな分からなさじゃなくて
色々想像の余地がある良い分からなさなのが良かったかな、と思いながら読んでましたが、
ラストの章「恩寵のひとつのかたちとして」を読み終わったときは
実際にはほとんど何も明かされてないにも関わらず
全ての謎が解明されたような、心地良い満足感に包まれました~
村上春樹作品の中でも随一のハッピーエンドだと思いました。
思えば主人公と配偶者との間に子供が出来る村上春樹作品って初めてでは?

阪神大震災の後に書かれた「神の子どもたちは皆踊る」では
村上春樹がまだ起こったことを整理しきれずに荒ぶっていた感じがしたけど、
東日本大震災を経て村上春樹の精神が何だか凄く健全な方向に傾いてるというか、
良い意味で変質していった様な印象を受けました。
3・11から大分時間が経っていることもあるでしょうが、
私が雨田具彦の家で過ごした8ヶ月間の間に
どんな困難な状況に陥っても必ずなにかが導いてくれるという
確信を持つようになった事がとても良かったなあと。
どちらかと言えば今までの村上春樹作品のラストって
一筋の希望はあるけどその後はどうなるか誰にも分からないよ、って感じだったのが、
いくらか楽観的になった感じがするというか。
物語の始めではまだ人生を始めたばかりのような気分だった私が
一連の不思議な出来事を経験して
ラストでそのなにかが導いてくれるから
何があっても大丈夫だという強さを身につけたのが凄く良かったです。

ラストで色々なことが収束していって
秋川まりえが13歳の頃のことを昔のこと、と思っている事とか、
私が色々なことを懐かしく思っている感じや
登場人物たちのその後が淡々と語られていく感じは
同じく一気読み必至の
トリイ・ヘイデンのノンフィクションみたいな終わり方で良いなあと思いました。
免色のキャラも凄く好きだったので不幸になって無くて良かった。
私と免色が全くの音信不通になったりしてなかったのもほっとしました。
村上春樹作品はキャラクター一人一人の役割というかポジションが
舞台劇のようにはっきりしていて、
いつもの友人ポジションの雨田雅彦も彼の出てくるパートも好きです。
私が教えている絵画教室の生徒の年上人妻のガールフレンドとかも好きだなあ。

そして何と言っても村上春樹の小説は
手の中でころころ転がして何度も何度も確かめたくなるような
魅力的な文章や言葉がたくさん出てきて、その独特の言語感覚に夢中になります。
各章の章タイトルもざっと目次を見て確認して
それから1章1章どんな意味なのか楽しみに読んでいくのが凄く面白かったなあ。
1Q84では「蝶を起こさないように静かに」という章タイトルだけ覚えてますが、
今作で一番好きだったのは
第36章の「試合のルールについて全然語り合わないこと」でした。
読む前から何か好きと思ってて、読んで意味を知ったらもっと好きになりました。
年上の人妻のガールフレンドの言いたいことが凄く良く分かって。
ジャングル通信とかも好きだったなあー

とにもかくにも、まるでRPGの様に
1つのイベントが終わったと思ったらまた次の心惹かれるイベントが発生するみたいな感じで
次々と気になる展開が連続していくのでとにかく続きが読みたくて
一気に読めてしまいましたー
これだけの長編をほとんど飽きさせず最後まで読ませるって凄いと思います。
そして雨田具彦が騎士団長殺しという絵に込めた寓意が
何となくだけど輪郭をおびてじわじわと浮かび上がってくる感じが良かったですー
読みながらしょっちゅう立ち止まって
文章を噛んで含めるようにじっくり租借して味わっていくのも楽しかったし、
しばしば自分の個人的な思考に意識が飛ぶこともありましたが、
長らくしていなかった
「自分のしている思考を1つ1つきちんと言語化して意識に収めること」
の楽しさ、大事さも久々に思い出しました。
村上春樹の小説にはそうさせる地力みたいな物があると思います。
個人的に海辺のカフカも結構完成度高いと思うけどそれより好きかなー
何度も言うように村上春樹が良い意味で丸くなったのを感じました。
3年後くらいに図書館で借りて読めばいいや…と思ってたけど
発売からすぐに読んでみて良かったです!
村上春樹ワールドを堪能できたとびきり不思議で暖かい小説でしたー
読み終わった後無性に「ばらの騎士」が聴きたく(観たくではなく)なりました。
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小雨の適職発見
葉月
コラムニストになりなさい。非常に向いてると思う。
で、耳袋好きなんだ。新耳袋知ってる?私はそっちが好き。現代版百物語ね。徹夜しないから一晩で読破したことないけど;;
2017/03/11(Sat)22:40:56 編集
嬉しい!
小雨
葉月ちゃんありがとう!
言いたいことを要約するセンスはないからコラムニストは無理だけど、
この感想は結構気に入ってたからそう言ってもらえて嬉しいよ~
耳袋は京極夏彦が耳袋の中の恐い話を現代風に書き下した?旧怪談って本で知ってるだけなんだけど、
日本の古いホラーが好きなんだよね~
現代版百物語良いねえ~今度読んでみようかな。
2017/03/11(Sat)22:55:18 編集
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