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雨の通り道

5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。

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最近読んだ色々感想


アクキーと一緒に初めてマグカップも作りたくて描いた粉雪。
結果は印刷所のテンプレートの説明不足で絵の上下が切れてしまいましたが(;ω;`*)
イラスト自体は可愛く整って描けてお気に入りです♪
こういうぺたっと足を投げ出して座ってる絵って少女らしくて好きです~


最近読んだ本はトリイ・ヘイデンのノンフィクション
「うそをつく子 助けを求められなかった少女の物語」、
仲村つばきさんの集英社オレンジ文庫
「廃墟の片隅で春の詩を歌え 女王の戴冠」の二冊。


うそをつく子は、
私の大好きなノンフィクション作家・トリイ・ヘイデンの
何と16年ぶりの新作ノンフィクション。
これまでのシリーズは教師で児童心理学者であるトリイが
過去に出会ったアメリカの小学校や障害児学級、
または病院等での担当児童の子供達との交流を描いた物でしたが、
今作では夫と共にウェールズに渡って娘を育てながら、
精神に問題を抱える子供達のためのグループホームに
ボランティアとして関わる事になったトリイが出会った
ジェシーという9歳の少女との交流の日々を描いた物語。
ネットサーフィン(死語)していて偶然発売を知って、
矢も盾もたまらずAmazonでポチりました~(☆∀☆)
最後に発売されたノンフィクション、
「霧のなかの子」を読んだのが二十歳の時で、
その時の強い印象がいまだに残っているので、
またトリイのパワフルで人生を楽しむ術に長けた仕事ぶりが読める!!と
喜び勇んで五時間半かけて一気に読みました~

四人姉妹の末っ子として50歳の母親から生まれ、
「予定外の子」で
産後鬱の母親とアーティストの父親から十分な育児を受けられず育ったジェシーは
日常的に嘘をつき、暴力をふるう扱いにくい子供に育ちます。
両親から家に帰ってほしくないとはっきり言われているジェシーは
ボランティアとしてやって来たトリイに反発しながらも
次第に心を開いていくのですが…

相変わらずノンフィクションでありながらミステリーの様に謎めいて
ページをめくる手が止まらないリーダビリティは健在でしたが、
正直に言うと、
やはり今までのノンフィクションシリーズと比べると
若干パワーダウンしている感は否めなかったかな…
トリイ自身が70代?と高齢ですし、仕方のない事とは思いますが、
アメリカ時代の教師やセラピストとして活躍していた頃と比べて
ウェールズの独特の気候や環境の印象もあって、
随分曖昧模糊とした印象を受けました。新鮮と言えば言えないことも無かったですが。
トリイの作品で好きだった、
子供達と向き合う時間の外での回りの同僚達や友人達との気兼ねないお喋りとか、
人生を楽しむ術を知っていた生き生きとした人柄が
今作ではあまり感じられなかったかなと。
トリイのユーモアの感覚が、過酷な状況におかれた子供達の辛い境遇を読む苦しさを
上手く中和してくれている所が好きだったのですが。
でも、新天地ウェールズで羊を飼いながらヒースの咲く湿原で生活するトリイの物語も
独特の世界観と魅力があってこれはこれで良かったかな。
ジェシーの抱えた性的虐待の問題も、
今までのシリーズの様にセンセーショナルになりすぎないように書かれていて、
テーマ性という意味ではやや弱いものの、
ノンフィクションである以上はそれもまた仕方のない事ではあるのかな。
両親に必要とされず、里親の家を転々とするジェシーがとても悲しくて、
グループホームのスタッフであるジョーゼフにいたずらをされたという嘘が
彼の人生を台無しにしてしまうことになるとは思わなかったというジェシーの
「ただジョーゼフとマリーナとピクニックに行きたかっただけだったんだよ」
というたったそれだけのささやかな願いに、
ジェシーが今まで本当の意味で自分のものを一つも持てなかった悲しさと
切なさが伝わってきて、とても胸に詰まされました。
ラストのジェシーに一番のお気に入りだった子犬のパペットをプレゼントしたトリイが、
ジェシーの幸せそうな様子を見ながらグループホームを去り、
それから何十年も全く音信が無かったジェシーから
本を出すようになったトリイにアメリカからのファンレターが送られてきたなかに
ひっそりと美しい女性の写真と「これが今の私の家族です。あなたが知りたいと思って」
というメッセージが書かれたジェシーの手紙が送られてくるエピローグが
このノンフィクションシリーズのお馴染みの
途中でどんなに胸が痛くなる過酷な状況が子供達を襲っても、
最後にはノスタルジックな幸福感が溢れる文章でしめくくられる感じが変わっていなくて
とても感動しました。
十六年ぶりにトリイの新作が読めて本当に良かった!!
表紙の大竹茂夫さんの怖いんだけど不思議に心惹かれる不可解な生き物達を描いた挿画も
変わっていなくてとても安心しました。


廃墟の片隅で春の詩を歌えは
今月3日にブックオフで110円で買えました~
コロナの新規感染者が減少し始めた9月から10月、11月と
三ヶ月連続で29日のブックの日に町田・関内・あざみ野・センター北と
久々にブックオフ巡りが出来てめちゃくちゃ嬉しかったのですが、
せっかく感染者が減ってる平安の時期だったから
もっと3日に一回位通ってても良かったなあ~と後悔していたのですが、
そうこうするうちにオミクロン株が入ってきてしまい、
気持ち最後のつもりで行ったあざみ野のブックオフで
まさに欲しかった廃墟の片隅で~があって運命を感じました(///∇///)
本当はこの前に「廃墟の片隅で春の詩を歌え 王女の帰還」という前編があって
そちらは買えていないのですが、
後編だけでも十分楽しめて凄く良かったです~!!
仲村さんの廃墟シリーズ、一作目の「ベアトリス、お前は廃墟の鍵を持つ王女」は
そこまで高評価で無かったのですが、どんどん面白くなるなあ~☆
重厚な王朝絵巻でもありながら、
少女小説風のロマンティシズムもしっかり入っていて読んでいてとっても楽しかったです!
前後の展開が分からないのはアレでしたが、
革命で地位を追われたベルトラム王朝の三人の王女の末娘アデールが
夫のグレンと共に新興で開放的な気風のニカヤへ公務に向かうところから始まって、
炎帝と呼ばれる豪放なニカヤ国王マランとの駆け引きや
王弟ユーリからのアプローチなどを受けながら
アデールがニカヤの自由な発想の政治に感銘を受ける冒頭から引き込まれました~
ニカヤ語とイルバス語を自在に操ってグレンを揺さぶるユーリ王子達との
政争と言うほどではないですが腹の探り合い?も楽しめました。
マラン国王が美貌の王妃を略奪した敬意も面白くて、
夫を立てる控えめな王妃に見えて狩りの名手で
ウサギを事も無げに仕留めるニカヤ王妃様も素敵でした♥
ニカヤの開放的なお国柄も生き生きと書かれていて、
実際にアデールと一緒に観光気分が味わえました♪

アデールの長姉で王政復古で女王として即位しているジルダと
自分の子に王位継承権を与えたい次姉ミリアムが
母王妃マリガと宮廷画家との間の
不義の子だったと告白された時の二人の衝撃とやるせなさもよく伝わって、
ジルダが王杖エタンに命じてミリアムを毒殺せざるを得なかった苦悩も読んでて苦しかったです。

アデールがただ人形のように周囲の言いなりになり王女ではなく、
国民が希望を持って生きられる国にするために
自らが王冠を被る決意をするところと、
女王ジルダを自害したと見せかけてニカヤへ密かに逃れさせ
第二の人生を始めさせる事を選ぶ所、
そしてクライマックスのカスティアとの長期戦の大勝利の描写は
とてもカタルシスがあって良かったです~
全てが終わり女王として王冠を被ったアデールのもとに
ジルダから春の詩を歌う手紙が届くところは泣けました。
でもなあ~、
王女の帰還を読んで無いのでエタンとアデールの関係や絆が分からなかったこともあり
グレンがあっさり死んじゃって結局本当の意味でアデールから愛してもらえなかったのは
可哀想過ぎやしないか?(^^;)))
グレンもアデールを愛しすぎるあまり
彼女を鳥かごの中に囲って一切外の情報から遮断させるとか酷いところもいっぱいあったけど、
エタンとのあれこれはあったのでしょうが、
アデールがあっさりエタンを愛してると告白する所はちょっと微妙…
王道でテンプレでも
アデールはグレンと幸せになって欲しかった…ヽ(;▽;)ノ
ともあれ、エンターテイメント性たっぷりのヒストリカルで
とっても私好みで良かったです~‼゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚
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プロフィール

HN:
小雨
性別:
女性
職業:
大学生
趣味:
読書、映画鑑賞
自己紹介:
7月15日生まれのかに座、A型。
めんどくさがりでものぐさ。

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