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雨の通り道

5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。

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若いダンサーとTVのイメージ操作?


先週の土曜日、NHKEテレで
「夢をかなえるアンドゥトロワ~ルグリと目指せバレエの饗宴」という番組をやっていました。
パリオペラ座の元エトワール、マニュエル・ルグリが、
バレエダンサーを志す若者をオーディションで選んで
毎年NHKが主催しているバレエのガラコンサート「NHKバレエの饗宴」で
プロと一緒に舞台に立つ機会を与えるという企画を追ったドキュメンタリー。
オーディションを勝ち抜いた8人の男女の若者達が
ゼンツァーノの花祭りとナポリの2つの作品をそれぞれ踊る事になるのですが、
この番組、色々考えさせられる物がありました。
選ばれた8人の中には今年のローザンヌの決勝に残った
吉江絵璃奈ちゃんと木村楓音ちゃんもいて、
特に楓音ちゃんはローザンヌの記事に書いたとおり結構気に入ってたのですが、
この番組で色々と悪いイメージがついてしまって…

ドキュメンタリー自体は凄く面白かったです。
オーディション場面のダンサー達の緊張感とか、
彼等の素質を冷静に時に冷徹に見極めようとするルグリの眼差しとか、
最終選考に残ったダンサー達が
稽古着のままで得意なヴァリエーションを披露するシーンとか見応えありました~
オディール踊ったのって楓音ちゃんだっけ?回転技の安定感が抜群でした。
そうして選抜された8人がそれぞれ憧れのルグリから直接指導を受けて伸びていく様子や、
ルグリの「そこで彼女を見て…彼女は驚いて顔を背ける…」みたいな
ルグリが頭の中に思い描く踊りの情景が目に見える様な
分かりやすい教え方も素晴らしいと思いました。
ただ…ナポリ組の6人は木々が枝を伸ばすように自分たちの個性を出し合いながら
自分達なりの関係性を構築していっていく感じが
若いなーって感じで見てて凄く微笑ましかったのですが、
ゼンツァーノ組の楓音ちゃんと相手役の理久君が…
ルグリから繰り返しアイコンタクトを、相手に歩み寄って呼吸を合わせて、と指摘されてるのに
楓音ちゃんの方がいつまで経っても理久君とうち解けようとしてない感じで、
本番が終わった後も楓音ちゃんは楽屋裏で一人ぶすっとしてて…
2人ともろくに会話を交わしてないし、楓音ちゃんが頑なな態度を取ってるように見えて
理久君が凄く可哀想でした…
というか一人でドキュメンタリー観てただけの時はそこまで思わなかったのですが、
ネットで感想見てみたら楓音ちゃんが凄く叩かれてて、私も影響されて
やっぱりそうだよなーあの態度は無いよなーという印象が強くなってしまったのもあります。
そこで出てた意見が、
ドキュメンタリーだからって全てが真実とは限らない、
ああいった番組は作る側の製作意図から印象操作が行われて当たり前、
楓音ちゃん一人をヒールにして盛り上げたかったんでしょ、
と言う物。
事実かどうかはともかく、
そうだよなー、ドキュメンタリーと言っても
必ず作る側の人間の脚色というか意図がどうしても出てしまうんだよなーと気付かされました。

で、彼等の本番の舞台を録画した昨日の「NHKバレエの饗宴2016」を観ましたが…
あれ?楓音ちゃんと理久君、普通に上手いし
親密とまではいかないけど仲悪そうな感じは全然しないよ??
あの番組を観ずに普通に観れば若々しい2人の初々しいパ・ド・ドゥ。
…とネットにも書いてありましたが、本当にそう。
理久君はブルノンヴィルスタイルの足技を見事に踊りこなしてたし、
楓音ちゃんもソロの部分まだ15歳であれだけテクニックがあるの凄いなーと思いました。
アイコンタクトが足りないとかも全然思わなかったし、
本当にこれだけの若さであれだけ踊れれば充分だと思いました。
それよりナポリ組、稚拙すぎ…
ドキュメンタリーでは凄く成長したような描かれ方をしてたけど
ソロはともかくみんなで組んで踊る所、
ほんの少しのポーズや仕草がまるで小学生みたいに見えて、2流バレエ学校の発表会という感じで
とてもプロの舞台に立って良いレベルとは思えませんでした。
これ観てあのドキュメンタリーの意味がますます分からなくなりました…
本当に、事前の刷り込みとか印象操作というのは怖いなと。
まあ今回はドキュメンタリーとは違う印象を実際に自分の目で見て確かめられたので
ああいう番組ってあてにならないのねーと思えたのは良かったけど。
でもドキュメンタリーでは若い彼等の舞台裏が見られたのが面白かったです。
バレエを習ってると聞くとどうしても私生活まで上品なんだろうなーという憧憬を
ついダンサーに押しつけてしまう嫌いがあるのですが、
レッスン場での素顔の彼等は本当にごく普通のどこにでもいる10代の若者達で、
こういう子達がどういう風に古典を踊っていくのかとか、色々観てて楽しかったです。
ナポリ組も酷いこと言いましたが、
それぞれのソロ絵璃奈ちゃんとか細かいポアントワークが丁寧で愛らしかったです~
でもやまと君はぼろぼろだったけど…かなこ姉さんはちょっと元気がなかったかな。
自分の目で見て判断するとか、情報を鵜呑みにしないという事を教えられた今回の一件でした。


…と言うわけでNHKバレエの饗宴2016面白かったです!
去年は新国立劇場の眠り以外は全く覚えてないし即消したのですが、今回は取っておくかもー。
小林紀子バレエシアターのレ・ランデヴーは
アシュトンらしい華やかで優雅な雰囲気に加えて、
ちょっとコケティッシュな感じもあって良かったです~装置も瀟洒で素敵。
最後の女性達のお手上げポーズが全体の印象を物語っている感じで良かったです。
島添亮子さんは回転技の時にクセがあるのが気になるけど、
アントニーノ・ステラとの回転しながら舞台を一周するシーンとか
何だかんだ言って高揚感あって盛り上がりました。

谷桃子バレエ団のオセローは全く期待してなかったですが
振り付けた木村さんが仰ってた「踊りと音楽がぴったり一体になった時の圧倒的な感動」
みたいな物が、表現できてるかはともかくそういう感じにしたいんだな、
というのは凄く伝わってきて、人間のどろどろした感情みたいな物も現れてて良かったです。
デズデモーナ役の永橋あゆみさんが本当に
純真で疑うことを知らない誰からも愛される女性、
という役柄にぴったりの演技と踊りで可愛かったです~
イアーゴ役のダンサーも悪役っぷりが板に付いてて良かったです。
ラストシーンでエミリアがオセローとデズデモーナの手を繋げてあげる所、
何とも言えない悲劇的な感じが出てて印象に残りました。

モーツァルト・ア・ドゥは短すぎて全然印象に残らなかったです…
ただ身体を前に倒す姿勢とかポーズの一つ一つは面白いなと思いました。

スターダンサーズ・バレエ団のリラの園は作品自体はあまり感じる所は無かったですが、
衣装が細やかで素敵でしたー
カロラインの婚約者の愛人の青い縞模様のドレスとか大胆で素敵。
カロラインの真っ白いドレスにスカート部分に花のコサージュが付いてるのとかも可愛い。
女性達の長いスカートが踊りに合わせてひるがえる様がとても綺麗でした。

バーミンガム・ロイヤルバレエのプリンシパル
平田桃子さんとセザール・モラレスのくるみ割り人形は良かったんだけど…
平田桃子さん、去年のバーミンガムの来日公演の白鳥の代打でオデット観たけど
何か惹かれないんですよね…踊りは確かに端正でテクニックもあるんだけど、
金平糖の精の優雅な雰囲気というか、うっとりする様な感じが出ていないというか…
優美さがあまり感じられないというか。
モラレスは「彼女は妖精なのだから軽やかに軽々と踊っているように見えなくてはならない」
とサポートの重要さを語ってましたが、まさにその言葉の通り
モラレスにサポートされて踊るアダージオは平田さんとても素敵に見えるんですけどね。
むしろモラレスのファンになりましたーサポートも上手だし
テクニックも素晴らしいけど抑制が利いてて、
まさしく王子さまにぴったりの気品があってとっても役にあってたし素敵でしたー

バレエの饗宴2016、演目の合間の出演者達のインタビューとかからも得る物がいっぱいあって、
良い刺激になりましたー
素顔のダンサーって職業柄とても清廉ですっきりとした印象があって観てて気持ちいいし、
前にも言ったダンサーの役作りとかにも凄く興味があるのでそういう話も興味深かったです。
あまりメジャーじゃない作品ばかりだったのでどうかなと思ってましたが、
かえって新鮮で楽しかったです。


…まだ続きますよ。
その後BSプレミアムでやってたウィーン国立バレエ団のルグリ版海賊観ましたー
うん…ダンサーとして才能があるのと振付家としての才能があるのとは
やっぱり別物なんだなと。
最初は全幕生で観てから寝ようと思ってましたが
つまらなさすぎて第一幕終わった時点で寝てました…
後から録画したのを観ましたが、第2幕、3幕は1幕よりはずっと面白くて良かったけど、
何というか、衣装とか装置とかが踊りを際立たせる効果を果たして無くて
踊りの見せ場はいっぱいあるのに全体的にいまいち地味な印象がぬぐえませんでした。
やっぱりバレエって総合芸術なんだなと実感しました。
アリがいなかったりズルメアというオリキャラ?が出てきたりと目新しいことをやってるけど、
あまり必然性を感じなくて奇をてらった域から出ていないというか。
ギュリナーラが最後トルコの総督のもとに残るのは面白いなと思いましたが。
ダンサー達も普通に上手いけどこれはという人はいなかったし。
第2幕のメドゥーラとコンラッドの寝室でのパ・ド・ドゥは
若い恋人同士の甘い雰囲気が出ていて素敵でしたが。
生ける花園のシーンでバレエ学校の生徒の少女達が出てたのはとっても可愛かったですvv
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小雨
性別:
女性
職業:
大学生
趣味:
読書、映画鑑賞
自己紹介:
7月15日生まれのかに座、A型。
めんどくさがりでものぐさ。

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