雨の通り道
5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。
読書とお家観劇で芸術の秋
- 2021/09/19 (Sun) |
- 日記というか雑記 |
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特に名前や設定などは決めてないクリノリン・スタイルの女の子
アリックスやモーデリンと同じ時期に続けて描いたのですが、一番いいね数が伸びました。
黄色と緑の爽やかな感じの配色が気に入ってます~
王女の遺言3と同じ日に届いた仲村つばきさんの集英社オレンジ文庫
「クローディア、お前は廃墟を彷惶う暗闇の王妃」読みました~
このシリーズは(多分)一作目の「ベアトリス、お前は廃墟の鍵を持つ王女」
しか読んでないので、その後シリーズが続いたなかで
どんな展開になっていたのか全く分からず読んだのですが、
それでも想像よりずっと楽しく読めて良かったです~‼
久賀さんの王女の遺言もだけど
王朝絵巻、歴史劇が大好きなのでベアトリスはいまいちだったけど
王妃と言うタイトルだけで購入したのですが(((^^;)
ベアトリスは一作目と言うことで
ベアトリス、アルバート、サミュエルの三兄弟の周りを取り巻く状況や
王の子供全員が王位につくイルバスと言う国のあり方など、
設定の説明に大半を割いてる感じで文章にも華がなくて雰囲気も地味で退屈でしたが、
今回のクローディアはシリーズが続いてきて各王の話や設定が大分詰められてたので、
三兄弟の長兄アルバートの物語に焦点が絞られてて読みやすかったです~
王女の遺言は文章も物語も硬質な感じでしたが、
クローディアは良くも悪くも同じ歴史劇でも文章も雰囲気も程よく軟派な感じで、
ベアトリスの時より文章に色気が出ていて良かったです。
生まれつき左目が金色で昼の間光を浴びられない体質の伯爵令嬢クローディアが、
厄介払いの様に送られた修道院でシスターとして暮らしていたところに、
青の陣営の権力を拡大するため
一刻も早く世継ぎを作るために王妃を探すことにしたアルバートが訪れ…という
まずその国王の花嫁探しという王道の展開にわくわくしながら読んでました~
そして末息子サミュエルを溺愛していた王太后イザベラがサミュエルから引き離され、
肺と精神を病んでクローディアの暮らすエルーデル女子修道院にお忍びで療養に来て、
生まれつきの目のせいで自分に価値が見出だせないクローディアが
イザベラの夜の世話係となることで自分の役割を少しでも見出だそうとし、
イザベラの言葉を肯定するでも否定するでもなくただ耳を傾け、
物語を読み聞かせたり薬湯を作ったりと世話をする過程で
少しずつイザベラの頑なだった心を溶かしていくという
クローディアとイザベラの魂の絆が描かれていく所がとても感動的でした。
やがて全てを目のせいにして自ら変わる努力をしなかったのだと気づいたクローディアが
強くならなければと決意する所や、
イザベラがクローディアと接するうちに
愛情とは愛しているから自分の事も同じように愛してほしいと願うことではない、
それはただの執着なのだと気付く所がとても良かったです。
廃坑を脱出する際見張りの男から奪った鍵を持つ手が震えるクローディアを
イザベラが本当の母のように「大丈夫よ、大丈夫」と包み込む所は
涙なくしては読めませんでした~
アルバートの尊大で自信過剰で直感を信じるところも憎めなくてかっこよくて良かったです。
直感でクローディアこそ王妃に相応しいと感じ、
手紙や贈り物をするも全く靡かないクローディアに難儀しクローディアからのそっけない手紙に
王杖のウィルに「地方監査官でももっと熱のある報告を寄越すぞ」と愚痴る所とか、
女など贈り物や名誉をぶら下げれば誰でも自分に群がるとしか思っていなかったのに
今まで彼の周りにいた女性とは全く違うクローディアに初めて恋をして
城を抜け出したクローディアを「追いかけるべきか追いかけないべきか」とウィルに聞いて
「追いかけないという選択肢を考えるようになった事が驚きですよ」
と言われちゃう所とか可愛くて初心でニヤニヤしました(笑)
アルバートとウィルの遠慮のないやり取りやクローディアの妄想癖等、
序盤の一般向けの文章の中で突如少女小説的なギャグが入る所は違和感ありましたが、
後半にいくにつれてほとんどコバルト文庫的な話運びや文体になっていくので、
そうなるとギャグシーンも素直に笑いながら読めて良かったです。
アルバートとウィルの「無神経な発言でボコボコにされますよ」「誰が無神経だ」とか
「お前は良くそこまで薄情な事が言えるな」「自分の事じゃないからです」とか
ポンポン交わされる小気味良いギャグ会話好き(笑)
クローディアがイザベラを守れるのは自分しかないと
自らの勇気を奮い立たせて廃坑を逃げ回る所から、
アルバートに正式に城に呼び寄せられ結婚を申し込まれ、
やはり自分に王妃はつとまらないと逃げ出した先で追いかけてきたアルバートに
クローディアの両の瞳と同じ紫と金色の糸で刺繍された美しい女性用の眼帯を贈られ、
自分の心ををどん底に落とせるのも天上に引き上げられるのも
アルバートの言葉だけなのだとついに彼の求婚を受け入れる決意をする所はとても良かったです~
その後アルバートに「結婚するにはまず恋をしなくてなりませんよね?」と
罪な言葉を言ってアルバートを落胆させる所はお約束でしたが、
前述の心境からもクローディアが既にアルバートに惹かれている事は明白なので
微笑ましく読めました~
ただラストだけシリーズ物なので仕方ないとはいえ
三兄弟の先祖のアデール女王の息子が企てる陰謀に焦点が移って
本作の主人公のクローディアの影が薄くなってしまったのだけは残念でしたが。
ベアトリスとギャレットの主従の恋もテンプレながら可愛かったので、
晴れて夫婦となった二人のやり取りを読めたのも嬉しかったです。
多分二ヶ月前位にWOWOWでやっていて録画してた
サイモン・ゴドウィン演出・岡田将生主演の舞台ハムレット、やっと観ました~
シェイクスピアの戯曲を全編通して観るのは多分初めてでしたが、
衣装や装置などとても現代的なハムレット、楽しめました~
登場人物が皆悪役とか善人といった一枚岩でない所がとても気に入りました。
シェイクスピアの戯曲の力はもちろんですが、それよりも
台詞に役柄の感情と魂を乗せる役者という仕事の凄さをまざまざと感じ、驚嘆させられました。
出演者全員の熱のこもった演技に圧倒されました~岡田将生があそこまで演技が出来たとは驚き‼
ハムレットの父王の弟の国王や松雪泰子演じる王妃等熱演で素晴らしかった‼
中でも黒木華演じるオフィーリアがとっても気に入りました♪
初登場シーンの前髪の一部を三つ編みに編み込んで
残りを下ろして背中に流して毛先を巻いた髪型がとっても可憐で、
女性の豊かな髪って最高の魅力があるなあ~とうっとりしました。
黒木華の悪く言えば芋っぽい雰囲気が
かえって正統派の美女には出せない
オフィーリアというキャラクターの純粋さ、無垢さをよく表していて、ハマり役だと思いました。
父ポローニアスをハムレットに殺されて狂気に陥ったところの演技は
短く切った髪に花冠を乗せてか細い声で要領を得ない事を話したり歌を歌ったり、
突如激しく暴れて叫んだりとまさに圧巻で、オフィーリアの悲劇がせつせつと胸に迫ってきました。
ラストは新たにデンマークの王位についた王子が観ていても誰なのか分からなかったのですが、
彼が王位についた後でも
同じような悲劇はきっと王朝というものが続く限り起こるのだろうと思わせられる幕引きでした。
以前書いた「今こそ、シェイクスピア」と言う番組で中嶋朋子さんが言っていたように、
どんな舞台でも最後まで観れば必ず自分のなかに何か府に落ちる物がある、という言葉が
なるほど本当だな~と面白かったです~
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7月15日生まれのかに座、A型。
めんどくさがりでものぐさ。
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