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雨の通り道

5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。

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シコふんじゃった。

17日にBSプレミアムでやっていた「Shall We ダンス?」の周防正行監督の映画、
「シコふんじゃった。」昨日見てましたー。

コネで就職が決まっている教立大学のお気楽大学生、秋平は、
卒論指導の教授で元学生横綱の穴山に
卒業単位をやる代わりに1日だけ弱小相撲部に入って試合に出てみないかと提案される。
相撲部の唯一の部員・青木と無理矢理勧誘した田中と共に
渋々ながら試合に出るも結果は惨敗。
試合後相撲部のOBに「一度でも勝ってみろ」と散々こき下ろされた秋平は、
つい「勝ってやろうじゃねーか!」と宣言してしまう。
屈強で理屈っぽい留学生、スマイリーと弟のもやしっ子、春夫も加入し、
秋平に想いを寄せる相撲取りの様な体型の正子をマネージャーに迎え、
学生相撲のリーグ戦に出場する事になった秋平達だが…

というお話。続きから1日経ってるのでうろおぼえの感想。

凄く面白かったですー!!こういう青春スポ根モノの映画は展開が定形に沿ってるので
有る程度予想できるのが普通ですが、この映画はそういう定形を踏襲しながらも
独自の切り口でお話を紡いでいって、見ていて引き込まれてしまいました。

平成3年の映画と言うことで今から19年も前が舞台なので色々時代を感じさせる部分は有りますが、
そういう事を超えてここにはいつの時代も変わらない人生の大切な物が描かれてると思いました。

Shall We ダンス?でもそうでしたが
周防監督はキャラの個性の付け方が凄く上手いなーと思います。
それなりのキャラはそれなりに、濃いキャラはひたすら濃く、
とにかくキャラがそれぞれの役割に応じてしっかり個性を出し切ってる。
しかもキャラを絶対に最後まで活かしきる。絶対に無駄死にさせません。
個人的に秋平と青木がスマイリーを勧誘する場面の
やたら理知的にまわしをしめたくない理由を語るスマイリーのシーンでめちゃくちゃ笑いました(笑)
スマイリー役のロバート・ホフマン君めちゃくちゃかっこいいvv

そしてヒロインもとってもかっこいい。
穴山の助手で相撲部の名誉マネージャーの夏子は美人なだけでなく、
秋平達に「こんな相撲部なくなっちまえ」というOBに
「あんた達が存続させるのに必死だからみんな試合にでてくれたんじゃない!
それを何よ偉そうに!!」
と反論する所凄くかっこよかった!!魅力的なヒロインも良作の条件だよなーと思っていたら、
もう1人のヒロイン、正子は更にかっこよかった。
マネージャーとしてみんなの役に立とうとする健気な姿も可愛いのですが、
負傷した春夫の代わりに
裸になってまわしをしめて試合に出るシーンがもうめちゃくちゃかっこよかったです。
どんなに相手に押されても踏ん張って耐える姿がたまらなく健気で!!
結局負けてしまうのですが、「あたし悔しい…」というシーンが凄く涙ものでした。
あんたどんだけ良い子なんだよ!!今まで観たどんな映画のヒロインよりかっこいいと思いました。

この映画には、相撲のタブーがこれでもかと出てきます。
クリスチャン、外国人、ついには女性までもが土俵に上がる。
でもそういったタブーを描くことで、性別の違い、国籍、宗教の違い、
そういった物が相撲というスポーツにおいて何一つ重要ではないという事が浮き彫りになります。
どんな違いも垣根にはならない。好きな気持ちはどんな違いをも超越する、
人間にはどんな違いも枷にはならないのだ、という、人類への賛歌が描かれているように感じます。

この映画には私の好きな要素は何一つ無いのに、確かに「美」が存在しています。
肉と肉がぶつかりあうさまにいつの間にか相撲というスポーツの美しさを感じたのもそうですが、
もっと広い目で見ると、ここにはいつの時代も変わらない、
ひたむきな人間の姿の美しさが描かれている様に思います。
やる気のない春夫のキャラに象徴されるように、
更にこの時代から20年近く経った今でも
「汗をかいて努力するのはかっこ悪い」という風潮がある様に思いますが、
一つのことに向かって努力することの美しさ、
必死になる、ひたむきに物事に向き合う事の美しさが映画から立ち上って来ている気がします。
お気楽だった秋平がラスト、就職を蹴ってもう1年相撲部に残る事にし、夏子に
「もう楽してズルするのはやめた」というシーンがとても印象的。

にしてもこの映画、キャストがShall We ダンス?といっぱい被ってて、
特に青木、田中、夏子と役名まで一緒なのはにやにやしていまいました。
Shall We ダンス?は同窓会的な映画だったんだなーというのが良く分かりました~
青木と田中はこの後就職して社交ダンス始めて、夏子はダンスホールの歌姫になるのか(笑)
まああくまでもパラレルなんでしょうが。
構成もShall We ダンス?とほとんど同じでしたが、
ラスト、シコの方は登場人物のその後がきっちり描かれてるのが
すっきりしてカタルシスのある王道な終わり方で良かったですが、
Shall We ダンス?のラストではその後どうなるかは分からない、
その瞬間の刹那的な美しさを描いて終わっているのが、
周防監督が映画監督として
シコふんじゃった。からもう一皮脱皮したんだなーという感じがして良いなあと思いました。

最後Shall We ダンス?の話になっちゃいましたが、
とにかく王道だけど独特で、いっぱい笑えて、元気になって、心があったかくなれる、
とっても幸せな映画でしたー。
主題歌の林檎の木の下でも素敵。
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小雨
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読書、映画鑑賞
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7月15日生まれのかに座、A型。
めんどくさがりでものぐさ。

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