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雨の通り道

5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。

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新国立劇場「くるみ割り人形」


今日(3日)は新国立劇場のオペラパレスに新製作のくるみ割り人形を観に行ってきましたー
新国立劇場のくるみはオフィシャルDVDブックを持っているのですが、
今回オランダ国立バレエの芸術監督だったウエイン・イーグリングの新振り付けと言うことで、
アンナ・ツィガンコーワとマシュー・ゴールディング主演の
オランダ国立バレエのDVDと似ている所が多かったです。
席も一番安い席でしたが3階席で良く見えて良かったです♪
ではつづきから感想。


お馴染みの序曲が流れ出すと気分はすっかりクリスマス~♪
ジンジャークッキーやホットチョコレートの香りが漂ってくるような
うきうきする序曲の中、幕が開いて舞台は少女クララの寝室に。
クララ役は小野絢子さんとしか書いていなかったので
クララと金平糖の精を同一人物が踊るワイノーネン版に近い演出なのかと思っていましたが、
クララが子供から大人に変わる演出かー…とちょっとがっかり…
やっぱりクララ=金平糖の精役は
パーティーの場面から最後のパ・ド・ドゥまで一貫して一人のダンサーが踊るからこそ
少女の成長という主題が浮かび上がってくると思うのです。

今までの私なら少女クララに萌え萌えする所ですが、
少女クララ役の亀井瑠奈ちゃん小柄すぎてさすがの私も食指が動きませんでした…
とにかく乳母に髪にリボンを結んでもらったりあれこれ世話を焼いてもらっているクララの所に
兄のフリッツがやってきてこっそりねずみのおもちゃを仕掛けていきます。
そこに淡い紫のドレスを着て鏡台に映るクララの姉ルイーズ役の細田千晶さんの
妙齢の女性らしい匂やかな姿に見とれましたー
本島美和さんのシュタルバウム夫人が現れ
フリッツのおもちゃのねずみをつかむ所で序曲は終わり、
道行きの音楽の中セットは雪の降るドイツ?の街並みに。暖かみを感じさせる風景が素敵。
スケートをする人々が何組か横切った後、シュタルバウム家に入っていくお客達の姿が。
そして場面はシュタルバウム家の居間に。
特別豪華ではないけど、電飾で飾られたクリスマスツリーと大きな窓が広々として
暖かみのあるセットで良かったですー

ドロッセルマイヤーが手品を披露した後、
本物の子どもたちが踊る行進曲。クララはドロッセルマイヤーの甥と楽しく踊ります。
瑠奈ちゃんは子供らしい素直な踊りで良かったですー
子どもたちの衣装が何かぺらぺらでもう少し豪華でも良かったかなとは思いましたが。
その後美しいルイーズと彼女に心酔する3人の男性、ルイーズの友人達が踊り、
大人達の落ち着いた踊りに続きます。
19世紀初頭のエンパイアスタイルの大人達のドレスがシックな色合いでまとまって素敵でした。

ただ通常お人形が踊る場面が仮面を付けたルイーズや男性の普通の踊りになっていたのは残念…
お人形がぎこちない動きで踊るシーン好きなんだけどなー。
そこへ皆が待っていた聖ニコラスが現れ、子どもたちにプレゼントを渡していきます。
クララはドロッセルマイヤーからくるみ割り人形をもらい、
人形をとても気に入ったクララは人形と一緒に踊ります。
この場面もう少し人形を持ってのびのびと踊って欲しかったな。
くるみの象徴とも言えるシーンなので。
人形の前でアラベスクする所とか瑠奈ちゃんの力量を感じましたが。
でも瑠奈ちゃんの小さいなりに
役作りのビジョンをしっかり持っているのが感じられる所は良かったですー
そこへ人形をもらえなかった事に腹を立てたフリッツがやってきて、
クララと人形を取り合いする内にくるみ割り人形は壊れてしまいます。
肩を振るわせて泣くクララにドロッセルマイヤーは人形を直してあげて、クララもにっこり。
他の少女達もお人形を持って集まってきて、みんなで優しくお人形をあやします。
ここの音楽、通常とは違ってオルゴールみたいな音が入っているのが面白かったですー
そこへフリッツ達悪ガキ達がラッパを鳴らしながら乱入してきますが、
最後には広間へ戻ってきた大人達がお爺さんとお婆さんを中心にゆったりと踊ります。
パーティの終わりに、クララは優しいドロッセルマイヤーの甥に
憧れの気持ちを込めて自分のリボンを贈ります。

パーティーはお開きになり、シュタルバウム夫人はくるみ割り人形を戸棚の中にしまい
クララは自分の寝室に戻ります。お祈りをしてからベッドに入る所がクリスチャン感出てた。
眠りについたクララの夢の中にねずみの王様が現れ、くるみ割り人形をかじっています。
胸騒ぎに目覚めたクララは居間へ向かいます。
何のセットもなく舞台を横切る子供クララが
居間に着いた所で小野絢子さんに変わる演出は面白かったですー
ここで小野さんの登場に拍手が。
居間は魔法にかかった空間を表すように
プロジェクションマッピングでツリーが歪んで伸び縮みしたり、演出が効果的で良かったです。
そこへねずみの王様と部下達、くるみ割り人形率いるおもちゃの兵隊達が現れ、
ツリーや家具がぐんぐん大きくなっていく所は本当の魔法を見ているようで泣けましたー
ねずみの王様が余裕綽々で
おもちゃの兵隊達が行進しててものりのりで踊ってる所とか笑えましたー
ねずみ軍の大砲で痛手を受ける兵隊達。
このシーンは自分も小さくなって
本当のねずみ軍とおもちゃの兵隊の戦争に巻き込まれたような臨場感が凄く好きです。
くるみ割り人形も勇敢に戦いますが、
クララも彼に抱きついて一緒に戦うような振り付けが面白かったです。
クララがただ優しい良い子ちゃんなだけでなく勇気のある女の子なのが伝わってきましたー
窮地に追い込まれたくるみ割り人形を救うためクララは大砲を放たせますが、
出てきたのは小さな鉛玉だけ。兵隊達は捕虜に取られ、ねずみ王は一旦退散します。

クララは倒れたくるみ割り人形が死んでしまったと思い嘆きますが、
そこへドロッセルマイヤーがやってきてマントを広げると、
くるみ割り人形はドロッセルマイヤーの甥によく似た王子の姿に。
ここ音楽がとても美しくて凄くうるうるするシーンなのですが、
王子役の福岡雄大さんには拍手無し…何だかなあ。
ともかくも私がくるみで1,2を争うほど大好きな王子とクララの出会いのパ・ド・ドゥ。
音楽もロマンチックで若い恋人達の瑞々しく初々しいパ・ド・ドゥとっても素敵でしたー!
アクロバティックなリフトが多用されてて、
クララが王子に抱きつくような振り付けがいっぱいでとても感動しました。
成長したクララ役の小野絢子さん、女王のような気品のある踊りも美しいダンサーですが、
少女らしい無邪気で可憐な踊りもとても上手で。
けれどそこへねずみの王様が現れ、王子は再びくるみ割り人形の姿に。

2人はねずみ軍に追われて雪の国へ。雪片達が雪のワルツを踊っています。
真っ白いチュチュにティアラを付けた雪の精達がきらきらした雪の結晶のようで美しかったけど
振り付けがあまり良くない気がしました…
せっかくの雪の精なのだからあまり団子にならずに
もっと幾何学模様や色んな隊列を描いて風に舞う粉雪に様に軽やかに踊って欲しかったな…
雪のワルツの途中でクララと王子のみならずねずみ軍まで加わるのは新しかったですが。
ドロッセルマイヤーが気球に乗って現れ、クララと王子を乗せて魔法の国へ出発します。
ねずみの王様も掴まって一緒に夢の国へ。第1幕終。


第2幕、どことなくロシア風の建物のセットの前にランタンのような物が並べてあって、
クララ達が乗っている気球が降り立つにつれて逆にランタン達は空へ上っていきます。
ここは幻想的な感じで好きでしたー
気球にくっついてきたねずみの王様はくるみ割り人形を追いつめようとしますが、
逆にくるみ割り人形に追いつめられ、ついに討ち取られます。
ロシア風建物の扉の中に入ったくるみ割り人形が出てくると、再び王子の姿に。
クララは王子と共に扉の中へ入っていき、音楽は陽気なスペインの踊りに変わり
魔法の国のダンサー達の饗宴が始まります。

スペインの踊りは赤い衣装を着た女性2人と男性1人の踊り。
悪くないけどもう少しスペインらしい弾けた感じが欲しかったなあ。
新国立劇場のダンサーは端正な踊りは良いんだけどキャラクテールが弱い気がする…
でも男性のジャンプ技は良かったです。

アラビアの踊りは木村優里さんと4人の男性達が異国情緒溢れる感じで凄く良かったです!
木村さん青緑色のヴェールとハーレムパンツが似合ってて色っぽかったー
男性達も彼女を崇拝するように上半身裸で群がる感じがとってもセクシーでした。
男性達を侍らせて妖艶な女王のような品格を醸し出す木村さん綺麗だったー

中国の踊りは女性1人に男性2人という珍しい?構成だったけど、
京劇の衣装のような感じとメイクで雰囲気出てました。
もう少し踊らせてあげればいいのに…と思ってましたが、最後の方は盛り返して良かったです。

ロシアの踊りは福田圭吾さんの回転技が見事で会場が拍手喝采でしたー
ロシアの民族衣装っぽいのを着た4人の女性達と
ロシアの王様とお妃様みたいな2人まで出てきて目にも楽しかったです。

あし笛は…1幕でルイーズ役だった細田千晶さん扮する蝶々がほぼソロで踊る感じで、
ドロッセルマイヤーと申し訳程度にパ・ド・ドゥっぽい所もあるけど
音楽の可愛さを生かし切れてない感じがして残念…
細田千晶さんの女性らしい美しさは良いんだけど、
あし笛の踊りはやっぱり複数人ダンサーが欲しいな…
でも羽の生えた背中や薄布を腕に飾った衣装は可愛かったです。頭の触角も。

花のワルツはグラン・パ・ド・ドゥの前の最高に祝祭気分が盛り上がる所なのですが、
何だかあまり入り込めずに観てしまったなあ…
決して悪くなかったですけどね。
例のロシア風建物のセットの前に
オレンジ色の野バラの書き割りが下りてくる所は可愛くてロマンチックでとっても素敵でした。
女性のオレンジや黄色のふんわりした衣装もとっても綺麗なんだけど、
男性の衣装が女性に対して少しかっちりしすぎな気が。
そしてやはりこういう群舞になると振り付けが良くない気がする…
何だかもたついてるというか…
でも終盤の全組の男性が女性をリフトして舞台の真ん中を横切る所は華やかで好きでしたー

いよいよ小野絢子さんのクララと福岡雄大さんの王子のグラン・パ・ド・ドゥ。
2人とも白に金基調の衣装が高級感あって素敵でした。
アダージオはそつなくまとまっててお二人とも良かったです。
王子のソロ。福岡さん、バネのようにしなやかなジャンプがとても良かったですー
福岡さんの王子はノーブルと言うより
軍人のように鍛え抜かれた凛々しさという感じが独特な印象で新鮮でしたー
小野さんの金平糖の踊りは
DVDではクララとは別人のお菓子の国の女王という設定なのでもっと格調のある感じでしたが、
今回はクララが変身した姿というのをふまえて
少女らしい初々しさも表現しようとしてる感じが感じられて、可愛くも美しかったです。
コーダは福岡さんの飛距離の高いジャンプを繰り返すダイナミックなマネージュが良かった!
小野さんは…振り付けがあまり難易度高くなくて残念…
これも少女クララというのをふまえての振り付けだったのだと思いますが。
福岡さんが舞台中央で片足で何回転もしてる間周りをシェネで回ってるだけで
完全に福岡さんに踊りの見せ場を持って行かれてる気が。
でも何だかんだ言ってもくるみのコーダは高揚感ある音楽が大好きなので
涙が出そうになりましたー;;

花のワルツのダンサー達から始まる大団円の踊りも祝祭気分が最高潮に達して大好きですー
斜めにずらりと並んだ女性ダンサーを男性ダンサーが一組ずつ引き寄せる所とか好きでした。
スペイン、アラビア、中国、ロシア、蝶々とダンサー達が勢揃いし
ラストはクララと王子も加わって踊りが最高の盛り上がりを見せる所で舞台に紗幕が掛かって
少女クララが寝室で夢から覚めます。
ここ、ワイノーネン版他通常で使われる音楽の方が感動的で好きなのですが、
今回はオランダ国立バレエの版やヌレエフ版と同じパーティーの最中の曲でした。
フリッツとお互い見た素晴らしい夢を語り合うクララ。
ふと外に出てみると、ちょうどドロッセルマイヤーと甥が帰る所でした。
2人は気球に乗って去り、クララとフリッツはそれを眺めるのでした。第2幕終。


全体的にオランダ国立バレエのDVDの演出をほぼ踏襲してる感じでしたが、
装置も衣装も全く違うし
魔法の国のディベルティスマンの演出なんかも1つ1つ違いや工夫を感じるのが楽しかったですー
くるみは魔法(お菓子)の国のキャラクターや振り付けの違いを見比べるだけでも楽しめますね。
新国立劇場のダンサー達はテクニックはあるけどいまいちはじけないというか、
大人しい踊りに感じてしまうところもありましたが、
日本のバレエ団としてはトップクラスの水準なのは間違いないし、
主役の小野絢子さんと福岡雄大さんは
文句なしに若々しい恋人達を演じていて踊りも素晴らしかったです。
何度も言うようにクララが少女と大人のダンサーに別れてる演出は好きじゃないのですが、
何だかんだ言っても観た事のない版のくるみを生で観られたのは
次はどういう演出で来るんだろうというわくわく感を楽しめてとっても良かったです!
一足早くクリスマス気分を味わえた公演、良席だったし満足しましたー
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性別:
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職業:
大学生
趣味:
読書、映画鑑賞
自己紹介:
7月15日生まれのかに座、A型。
めんどくさがりでものぐさ。

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