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雨の通り道

5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。

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日生劇場「マイ・フェア・レディ」


今日は人生の恩師K先生とミュージカルマイ・フェア・レディ観てきましたー
チケット取ってから3ヶ月、いつ大地震が来るんじゃないかとびくびくしていましたが、
無事に今日の日を迎えられて良かった!
K先生と一緒に観られたのもサウンド・オブ・ミュージック以来だったので嬉しかったですvv
舞台良かったです!キャストも個性派揃いで!つづきから観劇レポですー

まず会場に入ると、舞台の幕が上がっておりセットが見えていましたが、
以前大地真央さん主演のマイ・フェア・レディ観た時よりずっと豪華で早くもわくわくしてました。
オケもオーケストラピットではなく舞台のバルコニー?に入っていて、
オケも役者と一緒に参加してるという感じが出てて面白かったです。

まずは第一幕、お馴染みの序曲が流れると
アンサンブルの物売りの女性が一人一人踊りながら出てきて、
舞台装置もロンドンの街並み、ヒギンズ教授の部屋など、
次々と変わっていって、その豪華さを観ているだけで期待が高まりましたー
最後にコヴェントガーデンの劇場街の装置に変わって、劇場から捌けてきた貴族達が集まる中、
貴族の子弟フレディにぶつかる形でヒロインの花売り娘・イライザ役の真飛聖さん登場。
宝塚の元男役トップという事で、イライザの乱暴な口調がまだヅカの感じが抜けて無い感じで、
しかも聞き取りづらい…とちょっとこれからが思いやられてテンション下がりましたが、
観ているうちに段々慣れてきました。

そこへ音声学の教授であるヒギンズ教授(寺脇康文さん)が登場、イライザの訛りを記録しています。
イギリス人は英語が苦手、と歌うヒギンズ教授。
インドから教授に会いに来たピッカリング大佐(田山涼成さん)と意気投合し、
連れだって教授の家に行こうとする二人にイライザが「花を買ってくれよ頭領~」とお願いすると、
ヒギンズ教授はこれも神の思し召し、と大金を花かごの中へ。
一気にお金持ちとなったイライザを仲間達が囲み、
イライザが温かい部屋でチョコレートを食べる、そんな暮らしが出来たらいいなと歌う「だったらいいな」。
真飛さん、歌はどんな感じかと思ってましたが、何かアニソンみたいな歌い方で、
ちょっとぶりっこっぽい…まあ歌詞の内容には合ってるかもしれませんが。
私が教えれば貧しい花売り娘を半年で貴婦人に仕立て上げられる、という教授の言葉を思い出し、
イライザは教授に花屋で働くのに必要な美しい言葉遣いを習う決心をします。

場面は変わって下町の酒場、金がないのに酒を飲むなと追い出されたイライザの父親、
アルフレッド・ドゥーリトルが登場。
ドゥーリトル役の松尾貴史さん、写真で観た感じではイメージじゃない…と期待してなかったのですが、
とぼけた味のある演技が上手くて凄くハマってましたー役作り半端無かったです。
ドゥーリトル親父の役好きなので嬉しい誤算v
運がよけりゃ一生働かずにすむ、と歌う「運がよけりゃ」、楽しかったですーvv

ヒギンズ教授の自宅を訪ねたイライザを
半年でレディに仕立て上げるという賭をする事になったヒギンズ教授とピッカリング大佐。
ピアス夫人役の寿ひずるさんの冷静な演技も、ピッカリング大佐の田山さんのほのぼのした演技も
そして教授の寺脇さんのリズム良く次から次へと台詞を繰り出す感じもそれぞれ面白かったです。
ヒギンズ教授役は映画版のレックス・ハリソンのイメージが強くて、
ハンサムで若い寺脇さんには違和感があったのですが、
観てる内にどんどん魅力的に感じられてきましたー
教授の横柄で独善的ででもユーモラスな憎めない感じが出ていて。
とにかく息つく暇もない長台詞をぽんぽん繰り出す演技が凄い!
こんな所に来るんじゃなかった、すぐに出て行ってやる、と悪態をつくイライザ。
「君は女性に対して真面目な男か?」と聞くピッカリング大佐に答えて教授が歌う「普通の男」。
女と暮らせば勝手にカーテンを取り替えられ、生活にあれやこれやと口出しするようになる、
と歌う寺脇さん、コミカルで楽しかったです。

イライザのアパートの住人からイライザが教授の家にいるという事を聞き出したドゥーリトルは、
早速教授に小金をせびりに教授の家を訪ねます。
教授はその巧みな話術に感心し、それが彼の運命を大きく変えるとは知らずに
以前から依頼されていたアメリカの大富豪の公演に社会批評家?として彼を推薦します。
教授から5ポンドをせしめたドゥーリトルと、教授のレッスン中のイライザがばったり鉢合わせ。
教授は構わずレッスンを続けるようイライザに言い渡し、
その冷徹さにイライザが歌う「覚えてろヘンリー・シギンズ」。
真飛さん、このシーンノリノリで楽しかったですー
訛りの入った歌い方も、妄想で王様の宮廷に招かれヒギンズ教授の首を所望する所もお茶目で、
コメディエンヌの才能を感じさせました。

イライザとヒギンズ教授の厳しいレッスン風景。
「東京特許許可局!(本当はもっと長い早口言葉)何故言えないんだ!」と言う教授に
「そんな難しいことを…というかまたしても(寺脇さんが)微妙だったよ!」という大佐のやりとりでは
会場が沸きに沸きましたー(笑)
寺脇さんの「またしてもはやめてくださいよ」とか、アドリブだと思うんだけど違うのかなー
役者さん達が一瞬素に戻った感じで楽しかったです(笑)
さらに「お招きありがとうごぜぇやす」としか言えないイライザに対し、
クリップボードに数字の5、サイ、魚のマスを描いて、「ごさいます、だ」というシーンとか、
舞台独自のシーンもあったりで楽しかったですー
使用人達が「朝から晩までレッスン続き、勘弁して」と歌うナンバーも好きなのです♪
メイドさんの衣装が可愛かったv

夜中の3時を過ぎてもレッスンを続けるイライザ達。
疲れ果て「もう無理だよ」と言うイライザに教授が
「君は言語という美しい物を手に入れようとしているんだ」と優しく励まします。
そしてついにイライザの口から、「日は東、日向のひなげし、品のある広い額」という、
ずっと言えなかった「ひ」の音が正しい発音で発せられたのです。
ここ、映画というか原語では「スペインの雨は主に荒野に降る」という早口言葉なのですが、
日本語では早口言葉にならないので変えたんですねー演出を手がけたG2の苦心が感じられました。
そのまま高揚したイライザ達が歌う「スペインの雨」の名で知られるナンバー「日向のひなげし」。
正しい発音を身につけたイライザが
それまでの歌から一転して綺麗なソプラノになる所が凄く良かったですー
続いてマイ・フェア・レディといえばこれという程有名なナンバー「踊り明かそう」。
真飛さん、凄く歌が上手、という訳では無いけど、イライザの浮き立つ気持ちを表現してて
思わずこちらも感動しちゃいましたー最後の高音で伸ばす所、高揚感があって良かったです。
メイドさん二人とイライザがハモる所も可愛い。

いよいよイライザが社交界にデビューするアスコット競馬の日がやってきます。
ここ、映画版と違い最初にピッカリング大佐と教授の母親のヒギンズ夫人が会話して
イライザの件を伝える演出になっていて、シーンははしょりながらも要点をきちんと押さえてあるので
ダイジェスト版といった印象にならずスピーディーなテンポ良い感じになっていたのが良かったです。
貴族達が贅をこらした衣装で歌うアスコット・ガボットのシーン、
映画版ではモノトーンの衣装がとってもお洒落で、取り澄ました貴紳淑女達の演技も楽しくて
大好きなシーンなのですが、今回の舞台では衣装がモノトーンというより黒よりで、
いまいち物足りませんでしたが、それでも貴族趣味な感じ大好きなのでテンション上がりましたー!
そこへ見違えるほど美しく変身したイライザが教授と共に登場。
真飛さん、映画のオードリーのあまりにも有名なドレス姿と比べるとあまり華が無くて、
シンデレラ的なカタルシスはあまり有りませんでした。普通に美人さんではあるんですが。
美しい言葉遣いを身につけて着飾っても育ちの悪さは隠せず、
貴族の子弟フレディにもらった馬券を手に馬を迎える際、
イライザは思わず大声で下品な叫びを上げて大失態。
落ち込み誰にも会いたくないと言うイライザを訪ねたフレディは、
君の住む街角だから美しく見える、と、これも有名なナンバー、「君住む街」を歌います。
フレディ役の平方元基さんはいかにも良い所のボンボンといった感じの爽やかな声で、
歌もとっても上手くて良かったです!
それから6週間後、名誉挽回とばかりにヒギンズ教授とさらなる特訓を続けたイライザは
大使館で開かれる舞踏会に出席する事に。
上手くやれるか心配する大佐、平静を装い大佐にワインをすすめながらも動揺を隠せない教授。
そこへ真っ白いドレスを着たイライザが階段を下りてきます。
真飛さん、衣装はちょっと生地が安っぽい感じでしたが、
純白のドレスと結い上げた髪にティアラという装いがよく似合っていて、天使のように見えました。
その美しさに思わず目を見張り、「悪くない」と言いながらこっそりワインを飲んで気を静める教授、
ツンデレっぽくて可愛かったです(笑)
深紅のコートをまとったイライザをちょっと考えてからエスコートする教授。ここで第一幕終。


第二幕、大使館での舞踏会。大使館のセットも豪華でとっても素敵でしたー!
貴婦人達の色とりどりのスレンダーなラインのドレスもみんな素敵で、
貴族趣味全開な感じがとっても良かったですvv
イライザと貴婦人達の踊りも綺麗で…
そこへ教授の元教え子で、音声学の才能をゆすりに使うハンガリー人・カパーシーが登場。
カパーシー役の役者さん、名前出てなかったけど味が出てて好演してました。
たちまち舞踏会の華となったイライザの素性を突き止めようとイライザに近づくカパーシー。
ここで大使館のセットはそのままに、帰ってきた教授が事の顛末をピアス夫人に話す場面へ。
回想シーンをいかにして舞台で表現するかという事や、
前述の、シーンをカットしながらも要点は伝えるといった演出の巧みさが光ってました。
イライザと踊ったカパーシーは英国人はあんなに上手く英語を話せない、
彼女はハンガリーの王家の血を引くプリンセスだ!と言ったのでした。
ヒギンズ教授の成功を称えるピッカリング大佐とピアス夫人達使用人、
その中で一人沈んでいるイライザ。すっかり夜も更け眠ろうとした教授に、
自分を賭の対象としてしかみていなかった教授に絶望したイライザが
「私はこれからどこに行けばいいの?」と心情を吐露します。
このシーンはそれまでただ楽しいだけだった舞台にお芝居の演劇的な妙が入った場面で、
真飛さん、演技もまだまだだったけど一生懸命演じていて、
イライザの気持ちがよく伝わってきました。
思わず汚い言葉を使って罵り教授に注意されたイライザが言い直した後に、
「言葉を直して何が変わるの?」と言う場面、このお話の根幹に繋がる台詞だなあと思いました。
綺麗な言葉を使えば花売り娘が貴婦人にもなれるけど、
言葉遣いが変わってもその人の本質は変わらない、というか。
映画版のオードリーは変身後と前半の下品なイライザとのイメージに開きが感じられましたが、
真飛さんはあまり変身シーンが印象的でない分、
ちゃんと変身前も後も連続したイライザという一人の女性を演じている感じがして良かったです。

教授の家を出ることにしたイライザは家の前で毎晩彼女の住む街に来ていたフレディと会い、
告白されますが、まわりくどい上品な言い回しに辟易していたイライザは
愛しているなら言葉でなく証拠を見せて、と歌います。真飛さん、高音はちょっと苦しい感じかな。
花売りをしていたコヴェントガーデンに向かったイライザ。
かつての顔なじみ達に再会しますが、彼等はすっかりレディになったイライザに気付かず、
イライザはもう昔の自分には戻れない事を悟り、一人「だったらいいな」を歌います。
第一幕でのシーンとの対比が印象的な、泣けるシーンです。
と、そこへ燕尾服を着てめかしこんだドゥーリトルが
一幕とはうって変わって丁重に扱われながら酒場から出てきます。
ヒギンズ教授に紹介された公演で大成功を収めた彼はパトロンの大富豪の遺産を相続し、
今や大金持ちに。その途端情婦から結婚を迫られ、
翌朝には教会で結婚式を挙げる事になっているのです。
朝には俺を教会に連れて行ってくれ、とドゥーリトル達が歌う「時間通りに教会へ」。
アンサンブルの踊りが祝祭的な雰囲気を盛り上げていて、とっても楽しいシーンでしたー
イライザは「幸せになってね」と父親に告げると、タクシーを呼んで来たフレディと共にその場を去ります。

翌朝、イライザがいなくなったので教授と大佐は大騒ぎ、
ピアス夫人はそんな二人のやりとりにあきれ顔。
内務省に電話する大佐の演技、場が和みました。田山さんは本当に朗らかな演技が楽しい。
そんな中イライザはヒギンズ夫人の家に。舞踏会で完璧に振る舞ったのに
労いの言葉一つ無かったというイライザの話に憤慨したヒギンズ夫人は、
あなたはプリンセスとして振る舞ったのだから教授の前でもそうしていなさい、と言います。
そこへイライザを探しに来た教授がやってきます。
殴られても罵られても良い、でも無視されるのだけはいや、と
自分の気持ちを伝えるイライザですが、教授には伝わらないと分かった彼女は
あなたが世界の全てだと思いこんでいたなんて何て愚かだったのか、と
「あなた無しでも」を歌います。
それを聞いた教授は「ついに理想の女性を作り上げた!」と言いますが、
イライザは「もう二度とお目にかかりません」と言い残し、教授の元を去っていきます。
このシーンのイライザと教授のかみ合わない応酬も演劇的な場面でしたが、
最後の決別の台詞は涙声で言うんじゃなく、もっとドライに言った方が生きるのになーと思いました。
イライザに去られた教授はヒギンズ夫人に「これからどうしよう」と言いますが、夫人は
「あのこなしでやっていくしか無いわね」と切り捨てます。
そうだ、彼女なんていなくてもやっていける、といきがって帰った教授を見送ったヒギンズ夫人は、
一人「ブラボー、イライザ!」と快哉をあげます。
江波杏子さん演じるヒギンズ夫人も、シニカルで息子を知り尽くしてる感じとか、
イライザを気に入って味方になってくれる所とか凄く良い味出してて好きでしたー
アスコット競馬で息子の言った台詞を踏襲して、イライザを迎えに来た教授に
「話題は健康と天候の2つに絞る事ね!」という所とか最高でした。

帰り道、フレディと結婚するというイライザを
どうせすぐに落ちぶれて自分を頼ってくるに違いない、と息巻く教授ですが、
あの見慣れた笑顔、声が忘れられない、と遅まきながらも自分の気持ちに気付いて歌います。
家に帰ったヒギンズ教授は、イライザの声が録音された蓄音機に耳を傾けます。
そこへイライザがやってきて、静かに部屋に入って来、蓄音機を止めて
「顔も手も洗ってきたよ」と最初に教授を訪ねた時の台詞を言います。
一瞬顔を上げた教授は、「ちょうどスリッパを探していた所だ」と言いながら帽子で顔を隠すのでした。
踊り明かそうのメロディーが流れて、第二幕終。
最後のイライザの台詞、真飛さんまたも涙声で言ってましたが、
ここもさらっと言った方が面白いのに、と思いましたが、まあこれも良いかな。
この幕引きは粋で気の利いた感じで好きです。

その後、劇中のナンバーのメドレーに乗せてカーテンコール。
途中寺脇さんと真飛さんが脇役達に左右に引き離されて袖に入っていったり、
細かい演出も楽しかったです。
いやー良かったです!王様と私の様に演劇的な部分の完成度はさほどでは無かった物の、
そこはミュージカルですし、名曲の数々を生歌、生オケで聴けただけでも価値はありました。
コメディ的な要素もたっぷりでしょっちゅうくすくす笑いが起こっていたし、
そういう部分での間の取り方は寺脇さんも田山さんも松尾さんも絶妙で、かけあいも楽しかったですー
真飛さんのイライザも、貴婦人としてだけなく人間として成長する感じが出ていて良かったです。
そして何より舞台装置!!
コヴェントガーデンの下町の雰囲気、落ち着いたヒギンズ教授邸の応接間、
うらぶれた酒場の灯りが漏れている感じ、整然としたロンドンの街並み、
アスコット競馬場の上品な雰囲気、大使館の優雅さ…
今まで生で観た数々の舞台芸術の中でも最高クラスの豪華さで、
写実的で品格有る感じのセットは至高でした!舞台転換もとってもスムーズで。
箱庭的な舞台という空間で、どの様にして場面の移り変わりを表現するか、
嘘の世界をいかに本当の様に見せられるかという所にとても興味があるので、
そういう意味でも一時の楽しい夢を見せてくれた、素敵な舞台でしたー。

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HN:
小雨
性別:
女性
職業:
大学生
趣味:
読書、映画鑑賞
自己紹介:
7月15日生まれのかに座、A型。
めんどくさがりでものぐさ。

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