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雨の通り道

5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。

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東京バレエ団「くるみ割り人形」


昨日16日は上野の東京文化会館にくるみ割り人形観に行ってましたー
くるみは毎年キエフやサンクトペテルブルク・アカデミーバレエなど
ロシア系のバレエ団の来日公演を観ていたのですが、去年は観に行かなくて
今年はふと今の日本のバレエ団のレベルはどんなもんなんだろうと思い
東京バレエ団のチラシを見て突発的に下から2番目に安い3000円の席を取ってみましたー
王子役は日本人の日をとるつもりが
Webでチケット予約する際間違えてダニール・シムキンの日を取ってしまい、
日本人の水準が知りたかったのに~と後悔してましたが、
結果的にはシムキンの日に観て本当に良かったです!
日本人の中で王子だけが外人というのは
ストレンジャー感出ててこのくるみにおいては凄く効果的。
クララ役の沖香菜子さんも良かったですー
随所にプロジェクションマッピングを使った演出も凄く楽しくて入り込めました。
プロジェクションマッピングもっとショボいのを想像してたけど美しさにびっくり。
と言うわけで続きからまたスクロールしてもしても終わらない観劇レポ!

お馴染みの心躍る序曲。バレエ鑑賞は1年以上ぶりだったので凄くわくわくしましたー
くるみの序曲は聴いているだけで
ジンジャークッキーやホットチョコレートの香りが漂ってくるようで、
いつ聴いても心躍りますvv
序曲の途中で幕が開いて、くるみ割り人形の顔っぽい書き割りの上を
早速プロジェクションマッピングを使って一匹のねずみが動き回る様子が表現されて、
紗幕にThe Nutcrackerの文字が浮かび上がるところは感動物でしたー
それから紗幕越しに見えているツリーを飾り付ける人とか
ネズミをはたきで追い払うメイドさんのシルエットが映し出されて、
スポットの当たらない裏方の人々の存在も示唆しているのが面白い趣向でした。

序曲が終わり幕が開くとそこは粉雪降る街角。
シュタールバウム家を目指しパーティーのお客が次々と歩いていく道行き。
最後に木村和夫さんのドロッセルマイヤーがステップを踏みながら家へ急ぎ、
暗転して再び明るくなるとそこはシュタールバウム家の居間。
東バのくるみはン十年前にマラーホフがゲストだった時にも一度観に行ったのですが、
装置や衣装がショボかった記憶があったのでその辺期待してませんでしたが
クリスマスツリーが飾られた広間のセット、
豪華ではないけどクリスマスらしい絵本みたいな色遣いで記憶よりずっと良かったです!
そして手前にほとんど何も置いて無くて奥行きが凄く広く取ってあるので
踊るスペースがたくさんあって踊りが見やすくて好印象でしたー
広間には正装した大人達とおめかしした子供達、
そしてシュタールバウム家の子供達、クララと兄のフリッツが。
軽快な行進曲に乗せて
お人形を抱いた女の子達とおもちゃのサーベルを持った男の子達が踊ります。
くるみでは行進曲が終わってもどれがクララ役のダンサーなのか分からなかったりするけど、
今回の振り付けとか演出はちゃんとクララ役の沖さんが目立つようになってて、
工夫が感じられました~

沖さん2年前の2月の東バのノイマイヤー版ロミジュリで
ジュリエット役踊るのを観に行く予定だったのですが、
運悪く大雪で観に行けなくて凄く悔しかったので見られて良かったです。
真っ白いドレスにリボン、
ピーターパンのウェンディみたいな髪型がクララそのものですっごく似合ってて可愛かったーv腰のサッシュだけピンクというのも素敵。
そして踊りも明るく元気な女の子って感じで仕草とか少女らしくて無邪気で良かったです!
よくある大人しくてお行儀が良いだけのクララがあまり好きではないので。
パーティードレスの女の子達も色とりどりの衣装が可愛い♪
子供が踊ることも多い行進曲ですが、
大人が踊ると踊りの見せ場も作れて良いなあと思いましたー
クララとフリッツのピケターン見応えありました。こんな序盤から飛ばすなあと思いましたー
クララの母役の奈良春夏さんの紫に緑という一風変わった配色のドレスを始め、
貴婦人達のドレスがみんな適度にカラフルで華やかで可愛かったです~
男性陣は黒い燕尾服姿で決まっててかっこいい!
大人達の優雅な踊りの後ドロッセルマイヤーがやってきて人形劇を披露します。
そしてピエロ人形、コロンビーヌ、ムーア人の人形達が次々と出てきては踊ります。
ピエロ人形役の山本達史さんは柔軟性があって良かったです。
コロンビーヌ役の中島理子さんはマリインスキーのくるみと振り付けほぼ一緒だったけど
最後の回転とか安定してて良かった。
ムーア人役の吉田蓮さんもワイルドな回転が見応えありましたー

人形達が片付けられ、もっと人形を見せてとせがむクララとフリッツに
ドロッセルマイヤーはくるみ割り人形を取り出します。
ロシア系のバレエ団ではくるみ割り人形を人間が演じるのは良くあるけど
私は普通の人形を持って踊るクララが好きだな…まあ不満と言うほどではないですが。
ともかく2人はくるみ割り人形と一緒に遊ぶうち
フリッツが乱暴してくるみ割り人形は壊れてしまいます。泣き出すクララ。
ドロッセルマイヤーはフリッツをこらしめると
クララを優しく慰めくるみ割り人形を直してあげます。
大人達がズボンやドレスの裾を持って踊り、パーティーはお開きに。
再びシュタールバウム家の外観が見える書き割りの前を招待客達が帰って行きます。

真夜中、ツリーの下に置いたくるみ割り人形が気になって起き出してきたクララ。
床に映る窓の大きな影が効果的で素敵。
そこへドロッセルマイヤーが現れ、
プロジェクションマッピングで居間がぐにゃりと曲がるような効果が施されて
飾ってあったツリーがどんどん大きくなります。
そこへねずみたちの軍隊が登場し、ネズミの王様が現れます。
くるみ割り人形も兵士達を引き連れ勇敢に戦います。
このネズミの王様とくるみ割り人形の戦争のシーンは生で見ると本当に迫力満点で、
飛び出す絵本の世界がそのまま立ち上がって来るような
自分も一緒に小さくなって魔法の世界に入り込んでしまった様な気分になって大好きです。
ねずみの王様に押されるくるみ割り人形を助けようと、
クララはとっさにスリッパをねずみの王様に投げつけ、ねずみたちは退散。
後に残ったのはひざをついて座っているくるみ割り人形。
彼が顔を覆っていた手を下ろすと、そこにはダニール・シムキン演じる美しい王子の姿が。
ここで客席から拍手。
シムキン、写真で見た限り決してハンサムではないし期待してなかったのですが、
もう佇まいが王子さまそのもの!ロマンチックで優しげな雰囲気がとっても素敵でしたー
このシーンは音楽も甘く美しく初恋の喜びに溢れていて大好きなシーンです~
クララは美しい王子に変わったくるみ割り人形を見て一瞬逃げ出すそぶりをしますが、
コロンビーヌ達人形に促され手を引かれて王子と踊り始めます。
この演出は珍しくて面白かったです。
一種の通過儀礼で、クララが少女から大人の女性になる過程で必要な
いわば性的経験をしたことを象徴しているのかなと思いました。
最初はおずおずと王子に身を任せていたクララが
段々軽やかに舞えるようになっていく姿とか、上手いなーと。
沖さんとシムキンの息がぴったり合っていて感動的でした~

2人は雪の精達がワルツを舞う雪の森を抜けて不思議の国へと旅立ちます。
雪のワルツも風に舞う粉雪がどんどん強く吹雪になっていくのが目に浮かぶような
情景的な音楽が大好きなシーン。
真っ白いクラシックチュチュにティアラを付けた雪の精達が優雅に舞う姿は素敵でした。
フォーメーションも独創的で、
十字になった雪の精達がアラベスクしながらくるくる回るところか綺麗でした~
…ただ合唱がなかったのとコールドの数が若干少ないのがちょっと残念だったかも。
クララと王子も加わって踊り、雪の精達に囲まれながら
最後は王子がクララの腰を支えてクララがアラベスクのポーズを取って幕。
途中王子がマネージュで舞台一周するところは爽快感有って胸がすきました。
第一幕終。



第二幕、幕が開くと薔薇色の雲の中をクララと王子を乗せた船が滑るように進み、
後ろからはコロンビーヌとピエロ、ムーア人が続き
更にねずみの王様が4匹の部下を連れて船で追いかけています。
やがて不思議の国に到着したクララ達を各国の精達が歓迎します。
不思議の国の装置も豪華ではないけど夢があって良かったです~
そこへねずみの王様達が現れくるみ割り王子に決闘を挑みますが、
王子は回転技でねずみたちを退け、遂にこれを討ち取ります。
王子が死んでしまったと嘆くクララの前に王子がねずみの王様の王冠を持って捧げ、
いよいよ楽しいパーティーの始まり。
クララが各国の精達に「あなた達が一番に踊らない?」と呼びかけ、
他の精達は照れて首を振りますが
スペインの精の女性が「じゃあ私達が!」と真っ先に進み出て、そのままスペインの踊りに。
不思議の国の精達にもキャラクター性を持たせているのが凄く良いなあと思いました。

スペインの踊り、前に観たときは女性のチュチュがビニールみたいにぺらぺらだったのですが
今回はちゃんと素敵なチュチュになってて良かったですー
スペインの女性役の二瓶加奈子さんはもう少し溌剌とした感じがあっても良かったけど、
男性の宮川新太さんはスペインの衣装が似合って粋で伊達者な雰囲気が出てて良かったですー!

続いて崔美実さんとブラウリオ・アルバレスさんのアラビアの踊り。
リフトを多用した振り付けが印象的で、最近アラビアンな雰囲気も好きなので楽しかったです。

中国の踊りは男性の高い跳躍が見所ですが、岡崎隼也さんその点は…まあ及第点かな。
女性の岸本夏未さんはキュートな笑顔が可愛くて良かったです。

ロシアの踊りは伝田陽美さんと入戸野伊織さん難しい振り付けを軽々こなしてて良かったですー
普通のくるみでここまで難易度高い振り付けそう無いよ…
入戸野さんの大の字を書く様な高い跳躍と柔軟性が光ってて客席からそれまでで一番の拍手。

フランスの中川美雪さん、秋山瑛さん、岸本秀雄さんのパ・ド・トロワは
愛らしい曲にあった雰囲気の踊りで可愛らしくて良かったですー
岸本さんテクニックもしっかりしてるしすらりとした長身で舞台映えして素敵。

花のワルツももう少し人数が多いと良かったけど、
マリインスキーのワイノーネン版とほぼ振り付け同じで
優雅で甘い雰囲気が漂ってくるような踊りで夢うつつでしたー

いよいよピンクのチュチュに着替えたクララと王子のグラン・パ・ド・ドゥ。
ワイノーネン版、と言うよりクララがパ・ド・ドゥを踊る版では
クララが金平糖の精ではなく
少女クララの延長として踊らなくてならないという難しさがあると思うのですが、
沖さんその辺しっかりこなしてて良かったですー
シムキンもクララの手に頬を寄せる仕草とか、
本当にパートナーを大事に踊ってるんだなーというのが伝わってきて、
情感たっぷりのアダージオ素晴らしかった!ブラボーの嵐。

王子のヴァリエーション。
シムキン、驚くほど滞空時間の長いジャンプと柔らかい身体の使い方が本当に素敵。
最後の回転も全くぶれなくて客席が沸きましたー

金平糖の踊り、沖さんはどちらかといえば少女らしい生硬な踊り手のイメージでしたが、
金平糖の踊りもちょっとたどたどしい演技とかもあって
柔らかい雰囲気も出しつつちゃんと少女クララとして踊ってるのが伝わってきて良かったです。

コーダは高揚感のある音楽が大好き!
シムキンの回転も安定感有って良かったけど
ロイヤルバレエのライト版とかでは金平糖の精がフェッテしながら前に進む振り付けの所
クララがアラベスク→ジャンプ、を繰り返しながら進む振り付けになってて
元気な少女らしい感じのクララらしくて可愛かったですー

フィナーレは各国の踊りが勢揃いするのがカタルシス有って好きなのに
前観たときと同じで花のワルツしか出なくてそこだけ残念だったけど、
祝祭的な音楽がクライマックスを盛り上げていて良かったです。
マラーホフを観た時は最後王子をリフトするのはちょっと(笑)と思いましたが、
シムキンだと不思議に違和感ない!
ラスト、プロジェクションマッピングで雲の上を飛んでシュタールバウム家に帰って行く所
観客の私達まで一緒に空を飛んでいるような
浮遊感と臨場感があってとっても素敵な演出でしたー
居間で目覚めたクララがふとかたわらを見ると、人形のくるみ割り人形が。
クララは楽しかった旅を思いくるみ割り人形を愛しげに抱きしめるのでした。
第二幕終。


いやーやっぱりワイノーネン版は良いですね!!
数あるラストの中でもやっぱりこの終わり方が一番音楽とも合っていて余韻があって好きです。
シムキンの王子さまらしい優しげな雰囲気も素敵だったけど、
クララ役の沖さんが無邪気な少女から大人の女性になりかけの若い女性として
くるみ割り人形の王子との旅を通じて
しっかり成長していく様子がきちんと表現されていて感動的でしたー
少女クララと金平糖の精を別人が踊るくるみも嫌いじゃないけど、
やはり少女クララがグラン・パ・ド・ドゥまで通して踊ることで物語に一貫性が出て、
他愛ないお伽話から少女の恋と成長という奥深いテーマを紡ぐことが出来るのが良い所だなと。
随所に使われるプロジェクションマッピングも本当に効果的で、
何度も言いますがもっとショボいのイメージしてたので
現代の技術は素晴らしいわねーと思いました~
東京バレエ団、芸術監督に斉藤友佳里さんが就任したことで色々実験してるんだろうなあ。

5階左サイド2列目真ん中当たりの一番後ろの席でしたが、
少し舞台の左袖が見にくい以外は充分良く見えたし、
ダンサー達が遠くてもはっきり伝わるほど
身体いっぱいで大きな演技をしてくれたので良かったです。
オケは…第一幕はまあまあ良いじゃん?と思ったけど
第二幕たまに金管とかが音外して
せっかくのディベルティスマンへの集中が途切れることが何度か有ったのは勘弁して欲しい…
でも生のくるみの音楽はやっぱり最高でした!
クリスマスの夢溢れるファンタジー、随所に独自の演出もあったりしてとっても楽しめましたー
ソリスト達のレベルも高いし日本のバレエ団がここまでの水準になってたとは驚き。
この版のくるみ、DVD欲しい~><
クリスマスも間近の冬の日、素敵な思い出が出来てとっても幸せな一日でしたー!vv
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自己紹介:
7月15日生まれのかに座、A型。
めんどくさがりでものぐさ。

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