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雨の通り道

5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。

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東京バレエ団「ベジャールのくるみ割り人形」

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東京バレエ団のくるみ割り人形観に東京文化会館行ってましたー
音楽がテープだったのは残念でしたがまあお値段がお値段なので…
このモーリス・ベジャール版くるみ割り人形は振り付けや登場人物が通常のくるみとは全く違って、
合間にベジャールのクリスマスの思い出が映像付きで語られたりととてもユニークなのですが、
あまりに普通と違いすぎてストーリーや踊りの順番がよく思い出せません;;
キャラも衣装も様々でほとんど覚えてないシーンもあるし、
もしかしたら違うシーンをこのシーンだ!と思って書いてるかもしれませんがすみません;;
とりあえず印象に残った事だけ書いていきますー
ちなみに一番安い2000円の席だったのですが、
4階右サイド3列目の席で、遠すぎることはないのですが舞台右が客席で隠れて非常に見辛かったので、
休憩後前の席に移っちゃいました…てへ。(死)

舞台は1930年代?のマルセイユ。
序曲の後幕が開くと7歳で母親を亡くしたベジャール自身とも言えるピムという男の子が、
ツリーの下でうなだれていて、それを猫のフェリックスと、
マリウス・プティパでありメフィストであり、ピムの父親でもあるM…が見守っています。
ここで小さなモニターが出てきて、
「私が7歳の時母は『ママは長い旅に出るの。良い子にするのよ』と言って逝ってしまった』
と、ベジャールの独白が流れます。
このベジャール振り付けのくるみ、先月音楽資料室で初めて観て予習していたので
大体は分かりましたが、そのDVDではフランス語で字幕表示だったのが
今回は日本公演用にベジャールが日本語で喋っていて、その発音がとても聞き取りにくくて;;
モニターというかスクリーン?も小さいし、
もっとバック一面にどーんと映像を映すのかと思っていたので拍子抜け。
でも後述の通りこの日本語の独白が後々活きてきます。

寂しい思いをしているピムの元に無くなったはずの母が現れ、大きなプレゼントを置いていきます。
母役の予定だった吉岡美佳さん、7年前くらいにジゼルで観て気に入っていたので
また観られるのを楽しみにしていたのですが、高木綾さんに変更になっていてちょっとがっかり;;
でも母のモダンガール風というか、ギャルソンヌルックみたいな衣装が決まっていて素敵でした。
ピムが贈りものを開けると、中には布で包まれた置物?が。
ここで背景の幕が下り、数十人のダンサーが行進曲に乗って整然と踊ります。
ピムはマルセイユのバレエ学校?に入学したのです。
日本のバレエ団って、ダンサーがそろりそろり踊っている感じで、
いまいちダイナミックさとか高揚感とかが無くてつまらないと思っていましたが、
ここの赤と白の練習着を着たダンサー達の踊りはキレがあってとても良かったですー
東京バレエ団レベル高いなと思います。次々と形を変えていくポーズを観るのが楽しかったです。

「思い出した。私は小さい頃よく母と結婚すると言っていた。
私が7歳の時母は旅立ち、私はバレエと結婚した。」
というナレーションが、ああ…と思わせて、とても良かったです。

ボーイスカウトに入ったピムは、そこで自然におそれを抱き、自然は神殿だった、と語ります。
そして母はベジャールの中で神殿の中の女神の様に象徴化されていくのです。
M…がピムに
「これを着なさい」
とボーイスカウトの制服を渡します。
DVDで観ていたので分かっていましたが、やはりバレエに台詞が入ると何だか不思議な感じ。

背景に置かれていた布を被った大道具から布が取り払われると、
そこに大きな美しい女神(聖母)像が現れます。
女神像が回転すると、中から亡くなった母が真っ白いレオタード姿で現れ、
ピムと愛おしそうに踊ります。
高木さん、我が子を慈しむ優しい母の雰囲気は出てるんだけど、
ふとした時にピムと恋人同士に見えてしまう…踊ってる内に色気が出るタイプなのかな?
ピム役の氷室友さんは少年らしいひたむきで純真な感じの演技が良かったです。
いつの間にか雪が舞い降り、
白いそりに乗ったマジック・キューピーが現れて次々と手品を披露してくれます。
マジック・キューピー役の飯田宗孝さんはスキンヘッドに堂々とした体躯の貫禄有るお方でした。
DVDでは見慣れているマジックも、生で観るとなかなか迫力で面白かったですー
黒いマントを羽織ったダンサー達が同じく黒いマントを着た母とピムをそりに乗せ、
夢の世界へと旅立っていく二人の場面は、
雪のワルツの美しい旋律と舞い散る粉雪の情景がとても美しくて、涙が出そうでした。
第一幕終。

第二幕は、母の日がイメージ。ピムが母の日のプレゼントに色んな踊りの贈りものをします。
まずはスペインの闘牛の踊り。
「私は闘牛が好きだった。闘牛は怖かったが、子供は怖い物が好きだ」
とベジャールのナレーション。

次は中国の踊り。
一人の女性ダンサーがバトンをクルクルと回しながら踊り、
その周りを人民服を着て自転車に乗った男性達が駆け回るという物。
バトン凄かったですーダンサーってバトントワリングまで出来なきゃいけないのかー大変だなー。
いつ失敗するかとどきどきしていましたが、無事踊り終わって良かったです。
ここでまたベジャールのナレーション。
「昔のマルセイユは石油が足りなくて街は自転車だらけで、中国みたいだった。
でも、それって素敵だよね」
とにかく発音が聞き取りにくいんですが、DVDで観ていたので内容は分かってるし、
その拙い日本語がいつしか不思議とほのぼのとした味わいになっていて、
奇しくも原語では出なかっただろうと思われる温かい雰囲気を作り出している所が面白かったですー

お次はアラビア。M…役の木村和夫さんが2役をこなしていて、
妖しい雰囲気が出ていて良かったです。アラビアは大体どのくるみでもハズレがありませんね。

次にソ連。
「ロシアはもうない。しかしロシアのバレエの伝統は今も息づいている」
とベジャール。
ダイナミックな男性と女性の躍動的な踊りが良かったです。ブラボーいっぱいもらってました。

通常のあし笛の踊りの曲で、猫のフェリックスが燕尾服の仲間達と踊りを披露。
フェリックス役の小笠原亮さん、まさしく猫のようにしなやかで柔らかい踊りでとっても良かったです。
ピルエットでちょっとぐらついちゃった気がしたのが残念でしたが…
猫のメイクといい、ちょっとキャッツを思わせる場面でした。

そこでピムが、
「スペイン、中国。アラビア。ロシア。フランスは?」
と声を上げると共に、アコーディオンがシャンソン風のワルツを奏で、
ピムも母親と一緒に踊ります。
DVDで観た時はくるみに全く関係ない曲がいきなり出てきて違和感でしたが、
今見ると違和感なく一つのシーンとして溶け込んでいて、これまた面白かったです。
母役の高木さんの、
まるで少女のように無邪気に一つ一つの踊りに楽しそうに魅入っている演技が凄く可愛かったですvv
通常のくるみのクララのように、真っ白いドレスに下ろした髪型も可憐でしたvv

そこでベジャールがピムに呼びかける声が。
「ピム。バレエが好きならたくさん稽古しなさい。」
そしてM…に、ピムに5番ポジションをみせてあげなさい、と言います。
M…の木村さんは、圧倒的な身体能力と存在感でさすがでしたー
ルネサンス時代の舞踏を思わせる古風な音楽にのって踊る木村さんですが、
振り付けは現代的、という所が不思議な魔力を感じさせて、
木村さんの身体の美しさを引き立てていて凄く素敵でした。ブラボー。

そして花のワルツ。燕尾服を着た男性達が手に一輪ずつ花を持って、
母の周りを取り囲んで踊り、母もワルツに加わります。
ピムの母の日の贈りもの、というテーマがはっきりして、泣けました。

最後にM…が「コリオグラファーの意志により、グラン・パ・ド・ドゥは通常通りに踊ります」
とマイクでアナウンスして、
真っ黒いチュチュを着た上野水香さんと後藤晴雄さんが登場。
DVDでも黒だったかは忘れましたが、真っ黒い衣装の二人の踊りというのも、
フランスらしいエスプリが出ていてお洒落だなあと思いました。
期待していた上野さんのグラン・パ、良かったですー
アダージオはとても情感たっぷりで、上野さんのポアントワークもとても綺麗で素敵でした。
ブラボーの嵐。

後藤さんの王子のヴァリエーションも伸びやかなジャンプや回転をしっかり魅せていて良かったです。

上野さんの金平糖の踊りは…
うーんここの所クリスマスも近いしと家にある10本以上を超すくるみのDVDを観まくっているのですが、
ロイヤルバレエとバーミンガムロイヤルバレエの吉田都さんの金平糖の踊りに比べると、
ちょっと上品さや女性らしさが足りないかなぁ…と思ってしまいました。
一つ一つのポーズもキメ方があまり綺麗じゃないというか、やや雑な感じを受けました…
でもブラボーの雨。

コーダは二人とも凄く良かったですー音楽の高揚感に相応しい踊りで。

フィナーレのワルツでダンサー達がせいぞろいで踊り、去っていくと、
M…がピムにまたこれに着替えなさい、と最初に着ていた衣装を渡し、
ピム役の氷室さんが大急ぎで着替えている間にセットは元通りになり、
再び第一幕のクリスマスの場面に。
母の高木さんがプレゼントを置いていき、ピムが開けると、中には美しい聖母像が…
母がピムにいつでも自分を思い出せるように聖母像を贈ったのかな、と考えると、
ラストの高まる音楽にのせられるのもあって、思わず涙が出そうになりました。
第二幕終。

全体的にダンサーのレベルも高く、満足度の高い舞台でした。
音楽がオケでさえあればもっと感動しただろうなあ。
私は何だかんだ言っても少女クララが主人公の普通のくるみが一番好きですが、
母への溢れる愛情をくるみの叙情的なメロディにのせて描いたこのベジャール版も
また違ったベクトルで楽しかったです。
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小雨
性別:
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職業:
大学生
趣味:
読書、映画鑑賞
自己紹介:
7月15日生まれのかに座、A型。
めんどくさがりでものぐさ。

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