雨の通り道
5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。
昭さんから頂いた誕生日祝い2018
- 2018/07/20 (Fri) |
- 頂き物 |
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今年の私の誕生日祝いに昭さんからまたもや素敵なプレゼントを頂きました~;;
フォロワーさん達との身内企画、創作CPの
私のキャラオランピアとお相手の茶眼さんのお宅のギル君の
シミュレーションゲームのEDスチル風♪
ポーズはpixivの犬様配布のトレス素材(https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=66156019)をご使用になられたそうです。
ふぉおおおおギルオララブラブ恋人エンドスチル美味しいです~!!><
ギル君を見上げるオランの上目遣いが本当に殺人的な可愛さで!!vv
我が子ながらこんなに可愛く描いて頂けて幸せです~;;
ギル君の照れてる表情もまたいいわいいわ~初いのう~vv
お手手恋人つなぎにピンク色のほわほわ~んな背景といいラブラブ度半端無くて昇天~☆
昭さんお忙しい中仕上げて贈って下さり本当にありがとうございました!!><
素敵な誕生日祝いに涙ちょちょ切れましたーvv
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4日ぶりのバースデー♪junさんと真夏のスイーツデート
- 2018/07/19 (Thu) |
- オフ会記録 |
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何だか記事のタイトルの日本語がおかしい気がしますが、
4日遅れだとちょっと感じ悪いかなーと思ったので。
という事で今日は武蔵小杉で11時から
ハマのXmas大好き・ロマンティック大好き仲間junさんとスイーツデートしておりましたーvv
今日のjunさんは髪の毛をまとめてらしてとっても新鮮で可愛かったvv
ベリーピンクのひらひらお袖がラブリーなトップスにストライプのスカートで
夏らしいファッションも素敵でした^^
junさんのブログの記事で紹介してらしたのを見て是非とも行ってみたいと思ってた
グランツリー内のフレンチトーストファクトリーさんに無事到着。
やっぱりパンケーキの醍醐味は鬼盛りの生クリームでしょ!!という事で
一番オーソドックスなシフォンのパンケーキにセットでロイヤルアイスミルクティーを注文。
junさんも全く同じ組み合わせで、いつもながら気が合うわ~♪
パンケーキが運ばれてきてからjunさんが
「どうせならろうそく付けてもらおうか!」とお店の人にお願いしてくださり、
待ってたらこんな(上の写真)ゴージャスなパンケーキが><
花火のついたろうそくなんてアメリカ映画でしか見たこと無かったわ~
junさん素敵なバースデーお祝いありがとうございました!!;;
しかも今回もプレゼントまで頂いてしまいました~!
はいからさんルックにぴったりの大きな赤いリボン!!vv
思わず嬉しい悲鳴を上げてしまいました~vv
実は先日港北東急で赤いリボンが30%オフで売っていて買おうか迷っていたのです~
以心伝心ぶりにびっくり☆私の好みをばっちり把握して下さっていて嬉しいです~;;
4日ぶりの誕生日気分にうきうき♪歳は取りたくないけどお祝いして頂けるのは幸せですね♪
パンケーキはjunさんが書かれていた通りぷるぷる揺れる柔らかさで
いかにもベイクド?な感じが素朴で香ばしいお味で、
何と言っても生クリームがとってもミルキーというか牛乳そのまま!な感じで
とっても美味しかったです~vvボリュームも満点で食べ終わる頃にはすっかり満腹に!
食べながら例によってノンストップで迸る弾丸トーク!!
11月に2人で観に行く事になった帝劇のミュージカルマリー・アントワネットへの期待から
標準語圏の人間からすると方言って憧れるよねーという話題であまちゃん語りになったり
ダメンズ語りからハマを愛して止まないjunさんの相鉄ジョイナスへの情熱等々
話題があっちへ飛びこっちへ飛びでしたー
特に今回は久々に原点とも言えるXmasの話題で大いに盛り上がり、
お互いのXmasの原風景を語り合ったり、好きなクリスマスソング・映画語りから
最近のXmasはどんどん地味になってるけど、セレブな人達は変わらず豪華に過ごしてて、
特に若い人の間で格差が広がってきてるのかもね~とか考察したり楽しかったです~
2時間まるごとXmas一色のショーなんてそうそう無い!!と
去年も渋谷の東急シアターオーブでやっていたXmasショーに今度こそ行こうね!とか
今後のデートの楽しみも広がってわくわくvv
最近いくら何でも私のブログ長文多過ぎるだろと反省してるので
まだまだ書き残しておきたい事はいっぱいあるけどこの位にしておきますが、
本当に心から気の合うお友達といつでも会える距離にいるというのはとっても幸せ~vv
結局15時5分までお店に居座って喋り倒してきて本当に時間があっという間でした!
junさん今回も楽しいデートをありがとうございましたvv11月も楽しみですね!(^^)!
何だか尻つぼみになってしまいましたがすみません(^_^;)
13回目の20歳おめでとう私
- 2018/07/15 (Sun) |
- 日記というか雑記 |
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今日で33歳になりました。
今日は母が用事で出かけているので
昨日地元のケーキ屋さんで買ったケーキと
10年ぶり位に頼んだピザーラのピザでお祝いしてました~
ピザは正直スーパーのパン屋さんで買ったので充分だったなって感じでしたが、
ケーキは結構お高めなお店だけあってどれも結構美味しかったです~
私が食べたのはモンブランとシトロンのタルトとベリーのムースが乗ったチョコスポンジ?
モンブラン何だかとても抑制の利いた他のお店のと大分違ったお味で美味しかったですー
シトロンのタルトもレモンの爽やかな酸味が絶妙で
タルト生地もさっくさくで美味しかったー
タルト生地は絶対有る程度固くないと駄目ですよね!!
ベリーのケーキは最後詰め込むように食べたのでちょっとしつこく感じたかな^^;;
12日にれおなちゃんと遊んだ時に早めの誕生日プレゼントに
れおなちゃんのお友達の画家さんのスケッチブックを切り取った物を何枚か頂いてましたー
雨降りを思わせる灰色の街だったり萌え出る新緑の木々だったり
モネの印象─日の出─を思わせる色合いだったり、様々な美しい絵ばかりで嬉しかったー
今年は比較的地味な誕生日でしたが、
また1つ歳を重ねた分何かしら見聞が広まったり少しでも視野が広く持てるようになりたいな。
ユーディと秘密の花冠~千夜一夜~
- 2018/07/12 (Thu) |
- 小説 |
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夜のしじまが分厚いとばりを下ろし、先刻までの喧騒が嘘のような静寂の中。
ユーディは豪奢な天蓋つきの寝台に腰を下ろし、所在なげに自分の夜着を見下ろしていた。
ただの村娘だった頃には想像すら出来なかったような、
フリルやレースがふんだんにあしらわれた霞の様にふわふわしたネグリジェ。
侍女たちに手伝ってもらい薔薇を浮かべた浴槽で入念に湯浴みを済ませ、
唯一の美点だと自負している長い新緑色の髪は何度も何度も丁寧にくしけずられ、
背中に波打つ滝の様に流れている。
今日は結婚式の夜。ラズルとの、初めてすごす夜なのだ。
(うう…緊張するっ…)
もちろん夫婦となった男女が初夜の床で何をするのかは知識としてはあった。
だがそれと心の準備が出来るかどうかはまた別の問題なのだ。
(ラズルは、少しは私の事綺麗だって…思ってくれるかな…が、がっかりされたらどうしよう)
詮も無い考えをぐるぐる巡らしていると、
ノックの音が響き侍従たちに伴われたラズルが寝室に入ってきた。
ラズルが目線だけで彼等を下がらせると、
侍従たちはうやうやしい仕草で二人に一礼しドアの外に出て行く。
ラズルもまた簡素だが上等な仕立ての白いリネンの夜着を着ていた。
いつも一つに編んでいる漆黒の髪は下ろされ肩先にふわりと広がっている。
そうすると普段の健康的な雰囲気はなりを潜め、なんだかひどく──色っぽく見えた。
「ユーディット」
熱をはらんだ瞳で、真剣な声音でまだ呼ばれなれない本名を呼ばれると、
面映さにユーディはつい顔をうつむけた。
ユーディの隣に腰掛けたラズルは、そんな様子をどう思ったのか、
ユーディの瞳を少し心配そうに覗き込む。
ユーディの羞恥を感じ取ったラズルはくすりと笑い、ユーディの頬に優美な長い指を滑らせた。
触れられた箇所からカッと熱が灯り、ユーディの身体中を一瞬で駆け巡っていく。
「ずっと君にこうしたかった」
ラズルは囁くようにそう言うと、硝子細工を扱うように慎重に、ユーディにそっとくちづけた。
泣きたくなるくらい気遣わしげな、けれども熱のこもったキス。
ルクランディアの結婚式では、誓いのキスが無い。
だから、これが正真正銘のユーディとラズルの初めて交わすキスだ。
ユーディは生まれて初めてのくちづけを呼吸すら忘れて受け入れた。
村祭りの夜には、
恋人同士になった若者達がそこここで羽目をはずして唇を交わらせるのを知っていた。
ユーディは少し年上の村娘達が
後からその刺激的な体験をちょっと自慢気に口に上らせるのを聞きながら、
ぼんやりとキスとはどんな物なのだろうと何とはなしに思っていたが、
実際に自分の身に起こったそれは想像していた物とは随分と違っていた。
触れ合っている唇が燃えるように熱い。
どくどくと心臓がうるさいくらいに早鐘を打ち、
恥ずかしさと蕩けるような心地よさで頭が真っ白になる。
ラズルは顔を離し、苦痛をこらえるような表情でユーディの薄茶色の瞳をまっすぐ見つめる。
「君が去った後、君を追えなかったこと…本当にごめん。
僕は本当に──どうしようもないまぬけだ。
今度こそ、君が僕に愛想を尽かしたって決して君を離したりしないから」
「…なんだか、恫喝されてるように聞こえるんだけど」
育ちの良い彼はまぬけ等という言葉を初めて使ったのではないか。
そんなことを思いながらもユーディの心はじわじわと嬉しさで満たされていく。
ラズルはまたちょっと笑うと、もう一度くちづけてきた。
今度は先ほどよりもう少し長く、深いキスだ。
二人の吐息が交じり合い、愛おしさが心の底からこみ上げてくる。
そのままラズルが体重をかけ、ユーディにもたれかかるように寝台に倒れこむ。
(…来たっ…!)
いよいよ未知の経験をするそのときがきたのだ。
ユーディはおびえと不安と期待の入り混じった複雑な心境でぎゅっと目を閉じた。
…だが、いくら待ってもいっこうにラズルが動く気配は無い。
(…?…)
ユーディが恐る恐る目を開けると──ラズルはすうすうと安らかな寝息をたてて寝入っていた。
「………」
ユーディはぽかんとしてその無邪気な寝顔を見つめる。そして…くすくすと笑い出したくなった。
何せ、今日は早朝から結婚式のための衣装合わせや3回にも及ぶ入念なリハーサルをこなし、
挙式本番では堅苦しい格式ばった典礼を粛々と行い
国民達への挨拶を終えるとその後は結婚披露の宴と
国内・国外の有力諸侯達との晩餐と大舞踏会が催され、
まさに息吐く暇もない忙しさだったのだ。
ユーディでさえくたくたに疲れ果てているのに、
責任ある立場の王子として何週間も前から滞りなく全ての催しの指示をし
何度も何度も予行演習を繰り返し、
招待客の手配の確認までこなしてきたラズルの疲労は推して知るべしだ。
(まあいっか…)
今夜は二人で過ごす初めての夜だが、
これから二人が幾千、幾万と越えていくことになる夜のうちの一夜に過ぎない。
ある夜には今日の様にラズルが先に眠りに落ち、
ユーディがそんな彼の顔を愛おしげに見つめているかもしれないし、
またある夜は眠るユーディの長い髪をラズルが優しげな手つきで梳いてくれているかもしれない。
もう少し時が経ったら、かつて両親がそうしてくれたように
小さな男の子か女の子を二人の間に寝かせて、
寝物語を語りながら眠りにつくのも良いかもしれない。
今日の日を迎えるまで二人の間には色々なことがあったが、
これからはそんな夜をいくつもいつまでもずっと二人で越えていけるのだ。
そう思うとユーディは幸せで胸がいっぱいになった。
「おやすみなさい」
覆いかぶさっているラズルの体の重さすら嬉しくて、
ユーディもやがて張り詰めた緊張から開放された安心感から、
いつしか深い眠りの世界に引き込まれていった。
(…あれ…?)
いつの間にか寝室には春から夏へ移り変わる季節特有の穏やかな朝日が差し込んでいた。
目を覚ましたラズルが一番最初に見たのは、
自分の下敷きになりながらも文句一つ言わずすやすやと眠るユーディのあどけない寝顔だった。
可愛い。
(じゃなくて。えっと…待て待て待て)
ラズルは背中を冷や汗が伝うのを感じながらこの状況を整理しようとした。
ラズルは寝つきも良いが寝起きも良い。
毎朝寝ぼけたりする事もなくすっきり目が覚めるので、
もちろん今日も昨夜のことははっきり覚えていた。
自分の記憶が確かなら、昨夜は──
「ん…ラズル…?」
まどろみから覚めたこちらはまだ少しぼんやりしているユーディに、
ラズルは顔を引きつらせながらも努めて笑顔ををつくって確認する。
「な、何も無かった…よ、ね…?」
一瞬何のことを言われたのか分からずきょとんとしていたが、
やがてその意味を理解し頬を染めて頷くユーディを見て、ラズルは
「はぁーーー…!」
記念すべき初夜を完遂出来なかった無念さに思いっきり息を吐きながら頭を抱えたのだった。
──────
「結婚式当日の夜に花嫁より先にぐっすりと眠り込む夫など聞いた事もありませんぞ!!」
やり手の老宰相であり幼少の頃からのラズルのお目付け役でもあるリッカルドの鬼の剣幕の前に
ラズルとユーディは返す言葉もなく縮こまる事しか出来ないでいた。
結婚して世継ぎをもうけるという王族としての義務を一日目から怠った自分の不甲斐なさに、
ラズルは自己嫌悪に陥っているようだ。
「妃殿下も何故お起こしてさしあげないのですか!!」
「え…疲れてるみたいだから可哀想かなー…と…?」
上ずった声でたじたじと答えながら、
どうやらこのリッカルドのお説教も
これから二人が幾千と越えていかなければならない物の一つかもしれない──
とユーディは思うのだった。
ユーディは豪奢な天蓋つきの寝台に腰を下ろし、所在なげに自分の夜着を見下ろしていた。
ただの村娘だった頃には想像すら出来なかったような、
フリルやレースがふんだんにあしらわれた霞の様にふわふわしたネグリジェ。
侍女たちに手伝ってもらい薔薇を浮かべた浴槽で入念に湯浴みを済ませ、
唯一の美点だと自負している長い新緑色の髪は何度も何度も丁寧にくしけずられ、
背中に波打つ滝の様に流れている。
今日は結婚式の夜。ラズルとの、初めてすごす夜なのだ。
(うう…緊張するっ…)
もちろん夫婦となった男女が初夜の床で何をするのかは知識としてはあった。
だがそれと心の準備が出来るかどうかはまた別の問題なのだ。
(ラズルは、少しは私の事綺麗だって…思ってくれるかな…が、がっかりされたらどうしよう)
詮も無い考えをぐるぐる巡らしていると、
ノックの音が響き侍従たちに伴われたラズルが寝室に入ってきた。
ラズルが目線だけで彼等を下がらせると、
侍従たちはうやうやしい仕草で二人に一礼しドアの外に出て行く。
ラズルもまた簡素だが上等な仕立ての白いリネンの夜着を着ていた。
いつも一つに編んでいる漆黒の髪は下ろされ肩先にふわりと広がっている。
そうすると普段の健康的な雰囲気はなりを潜め、なんだかひどく──色っぽく見えた。
「ユーディット」
熱をはらんだ瞳で、真剣な声音でまだ呼ばれなれない本名を呼ばれると、
面映さにユーディはつい顔をうつむけた。
ユーディの隣に腰掛けたラズルは、そんな様子をどう思ったのか、
ユーディの瞳を少し心配そうに覗き込む。
ユーディの羞恥を感じ取ったラズルはくすりと笑い、ユーディの頬に優美な長い指を滑らせた。
触れられた箇所からカッと熱が灯り、ユーディの身体中を一瞬で駆け巡っていく。
「ずっと君にこうしたかった」
ラズルは囁くようにそう言うと、硝子細工を扱うように慎重に、ユーディにそっとくちづけた。
泣きたくなるくらい気遣わしげな、けれども熱のこもったキス。
ルクランディアの結婚式では、誓いのキスが無い。
だから、これが正真正銘のユーディとラズルの初めて交わすキスだ。
ユーディは生まれて初めてのくちづけを呼吸すら忘れて受け入れた。
村祭りの夜には、
恋人同士になった若者達がそこここで羽目をはずして唇を交わらせるのを知っていた。
ユーディは少し年上の村娘達が
後からその刺激的な体験をちょっと自慢気に口に上らせるのを聞きながら、
ぼんやりとキスとはどんな物なのだろうと何とはなしに思っていたが、
実際に自分の身に起こったそれは想像していた物とは随分と違っていた。
触れ合っている唇が燃えるように熱い。
どくどくと心臓がうるさいくらいに早鐘を打ち、
恥ずかしさと蕩けるような心地よさで頭が真っ白になる。
ラズルは顔を離し、苦痛をこらえるような表情でユーディの薄茶色の瞳をまっすぐ見つめる。
「君が去った後、君を追えなかったこと…本当にごめん。
僕は本当に──どうしようもないまぬけだ。
今度こそ、君が僕に愛想を尽かしたって決して君を離したりしないから」
「…なんだか、恫喝されてるように聞こえるんだけど」
育ちの良い彼はまぬけ等という言葉を初めて使ったのではないか。
そんなことを思いながらもユーディの心はじわじわと嬉しさで満たされていく。
ラズルはまたちょっと笑うと、もう一度くちづけてきた。
今度は先ほどよりもう少し長く、深いキスだ。
二人の吐息が交じり合い、愛おしさが心の底からこみ上げてくる。
そのままラズルが体重をかけ、ユーディにもたれかかるように寝台に倒れこむ。
(…来たっ…!)
いよいよ未知の経験をするそのときがきたのだ。
ユーディはおびえと不安と期待の入り混じった複雑な心境でぎゅっと目を閉じた。
…だが、いくら待ってもいっこうにラズルが動く気配は無い。
(…?…)
ユーディが恐る恐る目を開けると──ラズルはすうすうと安らかな寝息をたてて寝入っていた。
「………」
ユーディはぽかんとしてその無邪気な寝顔を見つめる。そして…くすくすと笑い出したくなった。
何せ、今日は早朝から結婚式のための衣装合わせや3回にも及ぶ入念なリハーサルをこなし、
挙式本番では堅苦しい格式ばった典礼を粛々と行い
国民達への挨拶を終えるとその後は結婚披露の宴と
国内・国外の有力諸侯達との晩餐と大舞踏会が催され、
まさに息吐く暇もない忙しさだったのだ。
ユーディでさえくたくたに疲れ果てているのに、
責任ある立場の王子として何週間も前から滞りなく全ての催しの指示をし
何度も何度も予行演習を繰り返し、
招待客の手配の確認までこなしてきたラズルの疲労は推して知るべしだ。
(まあいっか…)
今夜は二人で過ごす初めての夜だが、
これから二人が幾千、幾万と越えていくことになる夜のうちの一夜に過ぎない。
ある夜には今日の様にラズルが先に眠りに落ち、
ユーディがそんな彼の顔を愛おしげに見つめているかもしれないし、
またある夜は眠るユーディの長い髪をラズルが優しげな手つきで梳いてくれているかもしれない。
もう少し時が経ったら、かつて両親がそうしてくれたように
小さな男の子か女の子を二人の間に寝かせて、
寝物語を語りながら眠りにつくのも良いかもしれない。
今日の日を迎えるまで二人の間には色々なことがあったが、
これからはそんな夜をいくつもいつまでもずっと二人で越えていけるのだ。
そう思うとユーディは幸せで胸がいっぱいになった。
「おやすみなさい」
覆いかぶさっているラズルの体の重さすら嬉しくて、
ユーディもやがて張り詰めた緊張から開放された安心感から、
いつしか深い眠りの世界に引き込まれていった。
(…あれ…?)
いつの間にか寝室には春から夏へ移り変わる季節特有の穏やかな朝日が差し込んでいた。
目を覚ましたラズルが一番最初に見たのは、
自分の下敷きになりながらも文句一つ言わずすやすやと眠るユーディのあどけない寝顔だった。
可愛い。
(じゃなくて。えっと…待て待て待て)
ラズルは背中を冷や汗が伝うのを感じながらこの状況を整理しようとした。
ラズルは寝つきも良いが寝起きも良い。
毎朝寝ぼけたりする事もなくすっきり目が覚めるので、
もちろん今日も昨夜のことははっきり覚えていた。
自分の記憶が確かなら、昨夜は──
「ん…ラズル…?」
まどろみから覚めたこちらはまだ少しぼんやりしているユーディに、
ラズルは顔を引きつらせながらも努めて笑顔ををつくって確認する。
「な、何も無かった…よ、ね…?」
一瞬何のことを言われたのか分からずきょとんとしていたが、
やがてその意味を理解し頬を染めて頷くユーディを見て、ラズルは
「はぁーーー…!」
記念すべき初夜を完遂出来なかった無念さに思いっきり息を吐きながら頭を抱えたのだった。
──────
「結婚式当日の夜に花嫁より先にぐっすりと眠り込む夫など聞いた事もありませんぞ!!」
やり手の老宰相であり幼少の頃からのラズルのお目付け役でもあるリッカルドの鬼の剣幕の前に
ラズルとユーディは返す言葉もなく縮こまる事しか出来ないでいた。
結婚して世継ぎをもうけるという王族としての義務を一日目から怠った自分の不甲斐なさに、
ラズルは自己嫌悪に陥っているようだ。
「妃殿下も何故お起こしてさしあげないのですか!!」
「え…疲れてるみたいだから可哀想かなー…と…?」
上ずった声でたじたじと答えながら、
どうやらこのリッカルドのお説教も
これから二人が幾千と越えていかなければならない物の一つかもしれない──
とユーディは思うのだった。
夏だ!読書だ!長文だ!!
- 2018/07/05 (Thu) |
- 日記というか雑記 |
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もう何十回描いているか分からない似た様なデザインのロココドレスのリリー・ヘザーさん。
せめて今まで描いた事のないロココハット(勝手に命名)で変化を付けてみました。
はるおかりのさんのコバルト文庫・「後宮錦華伝」表紙の由利子さんイラストのヒロイン翠蝶が
黒髪デコ出しロングウェーブでリリー・ヘザーの髪型と似てたので
これ幸いと髪の塗りを真似してみましたー
本家の麗しさとはほど遠いけど、青っぽい黒髪も新鮮で出来は結構気に入ってます~
pixivで相互フォローして頂いている某お方のイラストに触発されて
上から下まで真っ白いドレスにするつもりだったのですが、あんまり可愛くなかった…ので
ピンクに近い紫にしてみました~
今までも紫のドレスのリリー・ヘザー2回位描いてるけど、青に近い紫ばかりだったので。
自由に好きなだけ色を使えて変えられるのもデジタルの良さですねー
クリスタのパールブラシ?でスカートデコるのも楽しかったです~♪
図書館で借りてきた本3冊とコバルト文庫7月の新刊1冊読んでましたー
図書館で借りたのは清家未森さんの角川ビーンズ文庫「身代わり伯爵といばら姫の憂鬱」、
深山くのえさんのルルル文庫「身代わり歌姫の憂鬱」、
それにグリム童話を6人の作家とイラストレーターが独自の解釈で語った「暗黒グリム童話集」。
コバルト文庫の新刊は奥乃桜子さんの「身代わり姫と呪われし賢者」。
偶然にも少女小説3冊がみんな身代わり物でした^^;;
読んだ順に感想ー
身代わり姫は某所で先月終わりに表紙イラストが公開された時は
題名に姫が入ってるのにヒロインの衣装全く華やかさが無くて
定価で買う気は全然起きなかったのですが、
昨日の夜になって何故か突如「欲しい…!」となって
夜8時に2駅先の駅中にある有隣堂に買いに行きましたー
結果、天啓に従って買ってみて良かったですー!
新人さんという事でまだまだ文章力も設定も未熟な部分はたくさんあったけど、
ヒロインのリアナがとっても前向きで素直な良い子でストレス無く読み進められて
心から応援して読める所がとっても良かったです!
ヒーローのイードも怒ってばっかりなのに全然嫌な感じしなくて本当は優しくて素敵だったし、
笹原亜美さんの挿絵も女の子はつり目で好みじゃなかったけど男性凄くかっこよくて眼福vv
挟み込みペーパーのカラーキャララフも凄く上手くてデザイン秀逸で
貴重なラフ絵が見られて嬉しかったですー
冒頭からあ、このお話好き!と思わせる何かがありましたー
展開が凄く早くて
リアナがファス姫の身代わりとしてお姫様教育を受ける所も超序盤でさらっと流されるし
リアナとイードが互いの心情を慮る様になるのも早すぎて
いやそこはもうワンクッション位おこうや、と思いましたが
ファス姫を心から敬愛し忠誠を誓っていたイードが
次第にファス姫の中にいるリアナの明るさに惹かれる様になる所や、
リアナもイードが求めてるのはファス姫であって枯れ枝の様な自分じゃない、と思う所とか
入れ替わり物のじれじれな醍醐味が詰まってて大変キュンキュン出来ましたーvv
イードがファス姫の魂が入ったリアナの体を見て
「お前が今まで立派に生きてきた身体だろう」とリアナ自身をちゃんと見て言ってくれる所とか
リアナが後ろを振り返らないのは自分を軽んじているからでもあるのだ、
リアナに自分自身に価値があると思わせたい、と思う所は
素直で明るくて活き活きしたリアナをしっかり見てあげてるイードがとってもかっこよかった!
リアナはリアナで自分の枯れ枝のような姿をイードに見られたくないと思ったり、
ジス公の陰謀で牢に入ったイードがキスしたいのはファスなのだから、と思う所とか
自分に自信が持てない所が可愛くてニヨニヨしました~
サイルが自分とファスの事しか考えてない色ボケのクズ男な上に無能すぎだろとか
クラリアで女王を傀儡化して政治を牛耳ってるジス公も全然頭良くも狡猾でも無いし…と
色々不満やツッコミたい所も多々ありましたが、
大筋のストーリーは概ね良くまとまってると思うし
最初から予想出来るとは言え
イードが消えた弟のユータリス王子だと分かって涙を流すミエリア女王のシーンも
挿絵イードはかっこいいしミエリア女王は美人さんだしで感動しました~
こういう特大ブーメラン言うのもアレなのですが、
賢者という職業がキーになってるのにその設定があまりにもゆるふわで
定義も全く説明されないので、一介の町娘が賢者になれるとか賢者になれば王族と結婚出来る!
な展開にはご都合主義極まれりと思いましたが…
でもラストの半ばやけっぱちになりながらリアナに求婚するイードの必死さ可愛かったし
リアナも大変初々しくて素直に祝福できましたー
黒髪男子スキーとしては本来の姿の金髪に青い瞳から
ずっと自分として付き合ってきた黒髪黒瞳の姿に戻してもらったイードも美味しかったです(笑)
奥乃さんまだまだ新人さんと言うことで荒削りではあるけど、
とにかく読後感も読中感?も凄く清々しくて気持ちいいのは凄く美点だと思います。
コバルトがまだこういう正統派の作風の新人さんの本を出してくれた事が嬉しかったですー
さすがにこの時点で文章量がヤバいので後の本の感想は簡単に。
身代わり伯爵はシリーズ物の短編集でシリーズ本編は一切読んでないので
当然ながらキャラに思い入れも全くないしキャラ相関も分からないしで
本来の10分の1も楽しめてないと思いますが、
ねぎししょうこさんの表紙や何ページにも渡る豪華なカラー口絵だけでも眼福で
後は色々脳内補完と雰囲気で楽しみましたー
ねぎしさん来月発売のコバルト新刊で久賀理世さんの本の挿絵するのでそっちも良いといいな…
ツンデレセシリア様とフレッドの未来の恋路が楽しみです♪
ジャックの自分をおじんと言ったり
ギャグがウケないと絡んだりするめんどくさい所も好きです(笑)
身代わり歌姫は深山さん浪漫邸へようこそは主役カプが優等生過ぎて面白味無かったけど、
恋愛描写上手いと言われてたのは納得という感じでしたー
ラストの叡季のなりふり構わない告白と素直になれない銀花が可愛かったです♪
ただ浪漫邸も大正浪漫要素薄かったしせっかくの中華物なのに華やかさが無いのは残念。
暗黒グリム童話集はどの話&挿絵もそれぞれ趣向が凝ってて楽しめましたー
手なし娘協会の独創性と酒井駒子さんの美しい挿絵、
BB/PPのSFっぽい感じから始まって最後は猟奇ホラーっぽくなる終わり方も皮肉で好きです。
とにかく本読むのが楽しすぎて大きな声では言えないけど今日は故意に徹夜しちゃいましたよ…
寝る時間すら惜しい!読書最高ー!!vv
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小雨
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趣味:
読書、映画鑑賞
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7月15日生まれのかに座、A型。
めんどくさがりでものぐさ。
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