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雨の通り道

5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。

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ごちゃごちゃと色々感想


久々に少女小説じゃない小説の感想。
第20回日本ホラー小説大賞の佳作に選ばれた倉狩聡さんの「かにみそ」
図書館で借りて読みましたー
泣けるホラーとの事でしたが、淡々としてどこか寂し気な雰囲気の文章で
主人公とかにの交流が綴られていく所とか、
かにがどんどん人間世界のことを学習していく所とか
かにのキャラクター性が意外性あって面白かったです。
それにしても何でかに?って思いましたが、テーマは「生きることは食べること」なのかな?
選評でホラーにするには無理があると言われているように怖さは無かったですが。
どちらかといえば併録の「百合の火葬」の方が印象に残ったかな。
独特の平易で読みやすいけど少し寂しげな文章で
主人公の大学生忍と少し浮世離れした清野との奇妙な同居生活の様子が綴られていく中で、
母親とは何か、親子とは何かという事を問いかけるような感じが印象的でした。
忍の友達のキャラもさっぱりしてて明るい感じが良い味出してて良かったなあ。
どんどん庭を浸食していく百合の花の描写に、
いつ清野が豹変して襲いかかってくるのかと思いながら読んでましたが、
全然そんな展開にはならなくてもあくまでも儚く切ない感じの幕引きが良かったです。
最後清野と百合達は最終電車でどこへ行くんだろうという
夢を見ているような余韻が残る独特の読後感が印象的でした。


英国ロイヤル・バレエのアンソニー・ダウエル版「眠れる森の美女」のDVD買って観ましたー
ロイヤルの眠りのDVDはアリーナ・コジョカル主演の
モニカ・メイスン振り付けのを持ってるので
ブックオフの店頭で見かけた時も同じ版だろうと思ってスルーしてたのですが、
念のため確認してみたら振り付けが違ったので買いました!
1750円とかなりお安く眠りの観た事無い演出のDVDが買えて幸せ。
主演は既に持ってるKバレエの眠りでも主演だったヴィヴィアナ・デュランテ。
Kの方はお歳が…とかアップがきついとか散々書きましたが、
彼女の若い頃のロイヤル時代の映像が観られて良かったですー
テクニックは円熟したKバレエの方が良いのは当然ですが、
何と言っても若々しい姫君の魅力が鍵のバレエなのでその点ではやはり今回のが良かったなー
振り付けのダウエルや美術のスタッフの
新しいことに挑戦したいという意欲が伝わってくる映像で、ちょっとクセはあったけど
無難な感じのメイスン版より好きですー

プロローグの装置、映像で王宮の室内が球状になって映ってる所とか独特で面白かったです。
王妃や貴婦人達の衣装は布地がたっぷり使われてるのは良いんだけど、
ちょっと変わっててスカートの前面が少し持ち上がってて足が見える所が
ドレスはやはり足まですっぽり覆い隠して
トレーンを引く形が好きな私にはちょっと残念だったけど、
衣装デザイナーの個性が感じられて嫌いじゃなかったです。
それにしても王妃役のエリザベス・マクゴリアン2003年のロイヤルの白鳥でも王妃役だったけど
若い頃から全く変わって無くてびっくり。
フロレスタン王役のダンサーは美形でした。
妖精達のチュチュと背中に付いた透き通った蝶の羽は可愛い♪
振り付けもかなり独特で通常とは大分違いましたー
リラの精は佇まいはとっても役にあった大らかさと威厳があって良かったんだけど、
ヴァリエーションは振り付けのせいだと思いたいのですが凄くバタバタしてて…
これ以外にも通常のバレエではあまり使われないような
様式美から外れた仕草が観られて、最初はちょっとバタバタしてるなーと慣れませんでした。
でも何と言っても通常ではただの場つなぎでしかないコールドが凄く統制が取れてて綺麗で、
こんなにコールドが美しい映像を観たのは初めてでした!
ダウエル自身が演じるカラボスはもう少し威厳みたいな物があると良いかな。

第一幕、ガーランド・ワルツは衣装の色遣いがあんまり好みじゃなくて残念。
オーロラ姫登場のシーンで出てきた若き日のデュランテは
想像してたよりファニーフェイスだったけど、さすがに初々しくて可愛かったですー
ローズ・アダージオもKバレエの時の超絶技巧はなかったけど、
姫君らしく可愛らしい中にも仕草とかは気品があって、
ラストのアチチュード・アン・プロムナードの所では
姫の威厳をも感じさせる躍りで素敵でした!

第二幕のデジレ王子の演技も良かったですー
何不自由ない暮らしをしながらも
どこか心に空虚さを抱えた王子のメランコリーを良く表しているソロも良かったです。
オーロラ姫の幻影と踊る場面もデュランテが幻らしいつかみ所のない雰囲気を良く出してて。
コールドも美しい…
デジレ王子がお城に向かってカラボスに打たれそうになる所をリラの精に助けられる所は
もう少し王子に見せ場があっても良かったんじゃ…と思いましたが。

第3幕、王妃と貴婦人の衣装は相変わらず何としても足が出るスタイルなのね…
童話のキャラクター達がいっぱい出てきて、
カエルの被り物をした男性と姫とか観てて楽しかったですー
長靴を履いた猫と白猫は通常とあまり変わらない感じで無難に良かったです。
青い鳥はジャンプ力は良いんだけどもう少し踊りに勢いがあるともっと良かったかな。
フロリナ王女役のリャーン・ベンジャミンは音にぴったり合った踊りで凄く可愛かったーvv
赤ずきんちゃんと狼もまあセオリー通りな感じでした。
もう少し振り付けに動きがあると良かったんですが。
オーロラ姫と王子のグラン・パはあまり良く観てなかったです…
王子のソロはもっと風の様なテクニックで魅了して欲しかった…
オーロラ姫の有名なヴァリは前半部分はちゃんと観てたのですが
後半雑念が浮かんで流してみてしまいましたが、
まあ無難に新妻らしい初々しさが出てて良かったと思います。
コーダも良く観てなかった…けどラストのポーズは2人ともびしっと決まって素敵でした。
ラスト、アポテオーズでリラの精ではなく
オーロラ姫と王子をフューチャーするのは新しいなと。
全体的に新しい解釈で眠りを作りたいというダウエル達の意気込みが伝わってくる演出で、
ちょっとニッチなきらいもあって無難な新演出に変わったのも頷けるけど、
何度も言うように私は色々こだわりが感じられるこの版の方が好きですー。


昨日の夜中BSプレミアムでやっていた
パリ・オペラ座バレエのエトワール、オーレリ・デュポンの引退公演のマノン観てました。
最初は古典と違って踊り的な見せ場もあまり無いし
デュポンが奔放な美少女と言うより椿姫みたいに見えてつまんない…と思ってましたが、
美しい髪をざん切りにされてルイジアナに流されたマノンが看守に弄ばれるシーンは
多くの男性に良い様にされていた少女の疲れを感じさせて胸に迫りました。
看守役のカール・パケットもマノンの脚をなでさする所とか変態っぽさが出てて良かった(笑)
デ・グリュー役のロベルト・ボッレは10年前の白鳥の映像とかと比べると
あんなに美形だったのにオーラが無くなっちゃったなーと思いましたが。
沼地のパ・ド・ドゥは悲惨な状況なのに
音楽は甘美でロミジュリのバルコニーのシーンみたいなのが印象的で、
踊りとのギャップがとても良かったです。
デ・グリューが動かなくなったマノンを背中で抱き起こそうとする所は涙を誘いました。
幕間に流れたデュポンのインタビューもダンサーの素顔とか観るの好きなので良かったです。
「バレエを始めた頃の自分に何か言うとしたら?」という質問に、
「お行きなさい。それは正しい道だから」と答えたデュポンの顔がとても美しかったです。
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天空のミラクル・ロマンス


今日は六本木ヒルズに美少女戦士セーラームーン展行ってきました!
開催を知ったのが昨日だったのですが早速行けて良かった…
お天気悪そうで心配でしたが、見終わる頃には雨も止んでて
ショップで買ったポスカ等が濡れなくて良かったです~。
BSプレミアムで放送してたセーラームーン無印を初めて観てハマった新参者としては
ちょっと入り込めない空気も感じないでは無かったですが^^;;
武内直子先生の美しい原画の数々も堪能したし良かったです~
以下簡単なレポ。


日曜だし混むかなーと思って開場時間の10時前に六本木について、
チケット売り場で15分ほど?並びましたが思ったほど待たずに入場できました。
上はエントランスに飾ってあった本展示会のために武内先生が描き下ろしたイラストの垂幕(?)

エントランスには10戦士達のイラストが180度ぐるっとステンドグラスみたいに飾ってあって、
真ん中に当時のセーラームーンが表紙のなかよし本誌やゲーム、
おもちゃなどの関連グッズがいっぱい展示してありました。
客層はほとんど私と同じくらいの20代後半~30代前半位の女性ばかり。
お洒落な綺麗な方ばかりで
そりゃセーラームーンにリアルタイムで憧れて育った可愛い女の子達は
大人になったらこういう素敵なお姉さんになるよね…うん…という感じでした。
私みたいなオタ丸出しな女性はほぼ皆無。
大きなお友達も予想に反してほとんどいなくて、
たまーに男性がいても女性の彼氏やご主人ばかりな感じでしたー
52階からの東京タワー周辺その他が見渡せる眺めも開放感いっぱいで素敵でした。

エントランスから会場内に入る際にまた少しだけ並びましたが、すぐに入れて
まずは原作セーラームーンの歴史を年表にした物を観ながら入場。
原作はほとんど読んだこと無いので良いお勉強になりました(?)
中に入ると原作セーラームーンの魅力を2分に詰め込んだミニムービーがお出迎え。
その次に武内直子先生のセーラームーンの記念すべき第一話を
全ページカラー化した物が展示されてました。

その次のコーナーではアニメセーラームーンの名場面を集めたパネルや
各キャラクターの設定画、絵コンテなどがずらり。
設定画どれも作画整ってて綺麗だし絵コンテは貴重な物が見られて良かったです!
絵コンテになってもうさぎ可愛いなぁ~
むしろ単純化された線だからこその可愛さがありましたー
絵コンテの下に当時の台本まで貼ってあるのも嬉しい!
無印最終回のうさぎが銀水晶の力を解放する所で
セーラー戦士達がうさぎに手を貸してるシーンを見て、
「みんな死んでるから髪とかリボンが風に揺れてないんだよ、と解釈してた」
と言ってた女性達の意見にはなるほどと思わされました!
当時発売されてたムーンスティックや人形なんかの玩具類もいっぱい展示してあって、
そういうおもちゃの類を一切買ってもらえなかった私は
おもちゃ売り場で羨ましく眺めてた子供時代を思い出して若干切ない気持ちになりました…
他の女性客達はみんな「これ持ってたー!!」ってきゃっきゃしてましたけどね!


写真撮影OKだった、
本展のために制作されたネオクイーン・セレニティとキングエンディミオンの衣装。
どうせならプリンセス・セレニティのドレスが良かったとか
ついったでRTされてきたレイヤーさんのドレスの方が完成度高かったとか
色々言いましたが、それでもネオクイーン・セレニティのドレスの
シフォン地の柔らかい質感とか360度広がるトレーンとかドレス好きにはよだれ物でした。

そしていよいよ一番楽しみだった武内直子先生の描かれた原画の展示室へ。
原画、想像以上に繊細で美しくてうっとりでしたー
ホワイトのでこぼこが分かるくらい近づいて観てましたが、
カラーインク特有の滲みや淡い色彩がとっても綺麗で、
この時期の少女漫画のカラーインクで塗られた独特の質感の
乙女チックなイラストが大好きな私としてはうはうはでしたー
特にコミックス5巻カバーのプリンセス・セレニティのイラストがお気に入りで
何度も観に帰ってしまいました。
写真では青っぽく見えるけど実際は紫っぽい色合いで、
背景の滲みやドレスや髪の毛の表現がとっても美しくて…
本展のための描き下ろしイラストも2点有りましたが、
特にアナログ画の10戦士達のイラスト、絵柄も塗りも全く劣化して無くて美麗でしたー!
周りに配された桜の花びらがまた綺麗で印象的。
ああーやっぱりカラーインク憧れるなあ~
でも惜しむらくはせっかくの原画なんだから色だけじゃなくて
線ももっと注意して観ておくんだった…。
真ん中のスペースには当時の付録とかも展示してあって、
りぼんっ子だったので知らない物ばかりでしたがシールとかノートとかレターセットとか
当時の付録の感じ大好きなので時代を感じて懐かしい気持ちになりましたー


最後に時を超えるセーラームーンと題して、
ミュージカルのセーラームーンの衣装や小道具、プログラム、
武内先生と清川あさみさんとのコラボ作品などが展示してありました。

展示の後のグッズショップは入場券の提示が必要で会計は一人1回20品まで、とあって、
その盛況ぶりが窺えましたー
ショップに入れるまでまた少しだけ並びましたが、
中は歴代のED、OPがプロジェクターに映し出され可愛らしい雰囲気でいっぱい。
もっとゆっくり色んなグッズを眺めたかったけど混んでたので、
ささっと目当てのクリアファイルとポスカ3枚買って出てきました…
クリアファイルは3種類あって、
メインビジュアルの一番上の写真のポスターの絵柄も欲しかったのですが
アニメ版のプリンセス・セレニティの絵柄にしましたー
さすが購買者のニーズを良く分かってる!!
裏面の手を合わせてるセレニティのバストアップが可愛くて好きですvv
しかし本当ついったでRTされてきたクリアファイル用ファイル欲しいなあ…
ポスカはついプリンセス・セレニティの絵柄ばかり探してしまいましたが、
エンセレ、10戦士達、うさぎちゃん一人のものを一枚ずつ。
他にも手鏡とかアクセサリーとかポーチとかパズルとかみんな可愛かったー

一番上は会場を出るとき無料で配られてたチョコラBBジョマのセーラームーンパッケージ版。

セーラームーンにちなんだ軽食やデザートなどが楽しめるカフェはちょっと気になってたけど
10時の開場時から列が出来てて、見終わった頃には長蛇の列でした。
展覧会、予想してたより原作推しな感じで、
全体的にはちょっと内容が薄いなーというか、え?これだけ?と思う所も有りましたが、
ハマって早々タイムリーにこういう展示が観られたのは嬉しかったです!
何よりセーラームーンを愛する女性達の気持ちが会場内からひしひしと伝わってきました。
改めてセーラームーンの魅力とその社会的影響力の大きさを知った思いでしたー
可愛いグッズも買えて満足です♪またセラムン絵描きたいなー

天命の王妃


Googleで画像検索してもpixivで検索しても全く二次絵を見ないのですが、
自家発電して描いてしまいました明霞と無憂。
コバルト文庫で一番好きなカップルかも知れません。
無憂の押せ押せで明霞を溺愛しててあばたもえくぼ状態になってる所とか本当可愛すぎる…
明霞も中盤くらいまではたじたじな感じでもう少し明霞の方からもラブを!と思ってたけど
最終巻で自分から無憂に口づけする所本当明霞の成長を感じさせて好きー
この2人がいちゃつくシーンはどこも好きですが、
特に好きなのはやっぱり3巻の寝台押し倒しちゅーかなー
24歳なら経験豊富なヒーローでも許せるかな。
むしろ大人の余裕で初心な少女を翻弄するとか最高じゃないですか…
でも何と言っても最終巻の「紅燈に影はゆらめく」の美味しさったら無いです!
明霞のおぼこっぷりも可愛いし明霞をからかう無憂も可愛いし
明霞の鎖骨の下に口づける無憂とかもうエロくてたまらん!!
無憂の熱を帯びて輝いている瞳を想像するとどきどきが止まりません。
本当艶っぽいのに下品じゃない初夜の描写が素晴らしいなあと思います。
余談ですがこの絵描くためにGoogleで検索したら
見たことのない天命の王妃のイラストのコバルト表紙が出てきてうはうはでした。
こうもかっこいいけどこの期に及んで新たな無憂のイラストが見られるとか嬉しすぎる…!!
無憂本当大好きだ~最初は長髪ヒーローと敬遠してたんですけどねー。
全サのドラマCDも聴いてみたいけどこればっかりは手に入れるの難しいだろうなあ…
声がイメージ違ったら結構ショックだしなーむーん。

1789 バスティーユの恋人たち


今日は帝国劇場にミュージカル「1789 バスティーユの恋人たち」を観に行ってきましたー
フレンチ・ロック・ミュージカルという事だったので
普段ロック全く聴かないし音楽に馴染めるか心配だったのですが、
かっこよかったり流麗だったりする名曲ばかりでとっても楽しめましたー
前評判で基本歌と踊りを見せるミュージカルで芝居部分はほとんど無いと聞いてましたが、
行ってみたら思ってたより台詞の部分もあって、
やはり生で舞台観るときはお芝居部分も楽しみたい私にとっては良かったです。
衣装もとっても素敵!
オランプ役の夢咲ねねさんの緑ベースで
パフスリーブの肩とスカートに黄色っぽいお花が付いた衣装や
マリー・アントワネット役の凰綺かなめさんの初登場シーンの
ふわふわのフリルが何段にもなった大きく膨らんだスカートに
薔薇があしらわれた白いドレスとか、
何気にポリニャック夫人の黄色っぽい花模様のオーバースカートと
紫のスカートにドレープを寄せて花を散りばめたカラフルなドレスも可愛らしくて好きでした。
でもオランプ役Wキャストの神田沙也加さんと差別化するためだとは思いますが、
夢咲さんのオランプの緑の衣装神田さんと同じに光沢のある布の方が良かったな…
パンフに載ってた生澤美子さんの描かれた衣装デザイン画もとっても素敵だった~
オランプの衣装デザイン画、アンダースカートの前面に付いたレースの模様まで
緻密に繊細に描かれていてとっても美しかったです。パンフ買わなかったけど(…)


ストーリーは1788年のボース地方で
偽りの不正の咎で官僚に父親を射殺された農民の息子・ロランがパリに向かい
ロベスピエールらと出会い革命に身を投じる所から始まり、
王妃マリー・アントワネットの息子で
王太子ルイ・ジョゼフの養育係・オランプと運命的に出会ったロランが
平民と貴族という身分の違いに苦しみながらも愛しあうようになり、
最後にはバスティーユ監獄で革命の成功を見届ける前に命を落とすまでを描きます。
ストーリーは有って無いような物だし、
ラストロランかオランプどちらかが死ぬのも大体予想は付いてましたが、
魅力的な歌とキャラクター達の織りなすドラマにすっかり引き込まれてしまいましたー
あらすじからもっとベタなロミジュリ的なストーリーを想像してましたが、
オランプとロランの出会いからしてコミカルな感じもあったり、
革命派と王妃の侍女という立場の違いに揺れながらも最後には愛を貫き通す2人に
とっても感動しました。

場面転換の所とかの演出は何だかダサいというかもっさりというか、
元は宝塚で上演されていたという事で
ヅカっぽさが抜けてない感じがしてちょっと苦手でしたが…
装置も思ってたより大がかりじゃないし、
アンサンブル含め衣装はカラフルで良いのですがダンスもこれまた何かもっさり…
とにかく全体的にヅカっぽいあか抜けない所はあんまり好きじゃなかったかな…
プロモーション映像のフランス本国での公演はちらっと映ってただけでも
装置も演出ももっとぶっ飛んでる感じで面白そうだったんですけどね~。
でもマリー・アントワネットが登場するシーンの
天井からアントワネットが巨大なスカートをはいて降りてくるシーンはインパクト有りましたー
この場面は仮装舞踏会という設定で、
家臣達がテントウムシや蜜蜂の仮装で登場したり、
ロココの退廃的でスウィートな雰囲気が良く表されてて
全篇で一番ゴージャスな場面でうっとりしました。
ちょっとフランシス・コッポラ監督の映画マリー・アントワネットっぽい雰囲気。
このシーンでアントワネット役の凰綺さんが「怖いのは退屈だけ」と歌うナンバーは
可愛らしい歌声の中にも甘さや艶やかさがあってとっても可愛かった!
凰綺さんのアントワネット役とってもハマってて良かったです。
ルイ16世が断頭台の模型を持って現れるところもこの後の展開を示唆していて皮肉でした。

前宣伝の感じではアントワネットはもっと高飛車で添え物的な役柄だと思ってたのですが、
実際は結構しっかり一人の女性としての彼女の心の動きを描いてて、
凰綺さんの演じるアントワネット、道ならぬ恋に悩む王妃から本当に愛する家族のために
女王の誇りを持って革命に臨む所まで演じきっていて、とても存在感がありました。
第2幕の革命後も王妃にお仕えしたいと言うオランプを
「本当に愛してるのは何かを見極めなくてはならない」と言い諭すシーンの後に歌う
王妃の決意を物語るナンバーも凄く良かったです。
歌っているのを観ている内に凰綺さんに
本当のマリー・アントワネットが乗り移った様な感じがして、
もう凰綺さんではなく本物のアントワネットが歌っているように見えました。
あの不思議な感覚を言葉にするのは難しいのですが、
とにかく凰綺さんであってアントワネットでもある人がそこにいる、
そしてこの後この細い身体の佳人が断頭台の露と消えるのか…というのがリアルに感じられて、
栄枯盛衰の儚さに感じ入っていたのでナンバーの最後、
凰綺さんの背後でギロチンの刃が落ちて終わる演出には鳥肌が立ちました。

ロラン役の加藤和樹さんも
始めは現代的なそこらのちんぴらみたいな演技がちょっとどうかな…と思ってましたが、
ロベスピエール等革命の有志達と出会って
彼等ブルジョワと農民との格差に不条理を感じて感情を爆発させたりしながらも、
最後には革命派の闘士として成長する姿が印象的でしたが、
オランプ役の夢咲ねねさんが何と言ってもとっても良かったです~
王妃の侍女でバスティーユ監獄の中尉の娘という立場にありながらも
ロランという男性と出会い恋に落ち、
最後まで自分の信じる道をまっすぐ突き進む芯の強さを持ったオランプという女性を
しっかり演じきっていてとても魅力的でした。
ロランと初めて出会うシーンではロランがフェルゼンに向けていたステッキ?を
自分にあてて「離してー!」と王妃とフェルゼンの密会を隠すために一芝居打つところとか
機転が利いてお茶目だし、
その後自分のせいで監獄に入ることになったロランを助けるため
男装して父と共にバスティーユ監獄にやってくる所とかも勇気があって素敵でした。
王妃への忠誠を誓い「愛し合っていても結ばれない恋もあるのよ…」と
ロランとの恋を諦めようとしながらも
王妃に諭され貴族の身分を捨てロランの元へ走る所とか、
常に自分が正しいと思った事を行動に移す聡明で心優しい女性像が
悪役アルトワ伯の台詞「見た目だけで無く心も清らかなのか」というのにぴったりでした。
ロランの「お前はいつも自分が正しいと思った道を行くだろう?」という台詞に
「私はそういう生き方しか出来ないもの…」と返すところとか、
彼女の一本気な性格が良く出てました。
そんな彼女がロランと共に生きる決意をして
王妃と別れの抱擁をし出奔する所は感動的だっただけに、
ロランを失った彼女の悲痛な叫びは胸に迫ってうるうるしましたー

ラスト、ロランの死の後バスティーユ監獄を落とした革命家達が横に並び
「人は何人たりとも宗教や人種の違いによって差別されない」
「人は有罪と確定するまでは無罪であるべきである」
と有名な人権宣言の文言を一つ一つ言った後で、
最後にオランプが
「人は誰かを害する以外は何をしても許される」
とロランの言っていた「自由」の意味を言葉にするところは、
ロラン達平民の尊い犠牲のもとに革命の勝利がなった事をひしひしと感じさせて、
今私達が当たり前のように享受している自由は
革命の闘士達の血が流された結果勝ち取られた物なんだなあというのが感じられて
目を覚まさせられる思いでした。
ロランの死を乗り越えて革命の精神を謳うオランプ達が一種の殉教者のようにも感じられて。
とても厳かな幕引きで良かったですー
最後出演者が集まるシーンでアントワネットが粗末な服で出てくる所が
あえて彼女の死を描かないで、でも彼女の運命を示唆させる感じとか。
その後高い台に乗ったロランが仲間達とまた歌って終わるんですが。

カーテンコールの後、ロラン役の加藤和樹さん、オランプ役の夢咲ねねさん、
マリー・アントワネット役の凰綺かなめさんの舞台挨拶がありました。
夢咲さんは「素晴らしいキャストの皆様とずっと憧れていた帝劇の舞台に立てて幸せです。
一日一日大事にオランプ役を生き抜いていこうと思います」
凰綺さんは「私は17年男だったので(宝塚の男役出身)、女はまだ1年目で
女役はこれが初めてなので日々精進していきたいです」と笑いを誘ってました。
最後に加藤さんが「この舞台は割と舞台転換がどんどこあって…
どんどこっていうのはおかしいかな(笑)とにかく舞台のエネルギーが凄いので、
それに負けないように演じていきたいと思いますので千秋楽までよろしくお願いします」
と〆。
ちなみにロラン役、オランプ役、マリー・アントワネット役はWキャストで、
今日出演されたのは皆今公演初日だったみたいです。
他にもロベスピエール、デムーラン、ダントン役の革命闘士達3人も
情熱的な演技と歌で素敵だったし、
ルイ・ジョゼフ役とシャルロット役の子役の子達も
歌とっても上手くて演技も一生懸命で良かったですー
一貫して悪役だったアルトワ伯はもう少し悪どい存在感あっても良いかなと思いましたが。
フェルゼン役の広瀬友輔さんも整ったルックスと瑞々しい歌と演技がハマり役で良かったです。
アルトワ伯の腰巾着の3人組とかも良い味出してたし。
何だかんだ言ったけどダンスももっと超絶技巧を想像してたので
ちょっと物足りない所はありましたがノリが良くてかっこいいところもあったし、
本当に全篇美しくクールな曲ばかりなので音楽的にもとっても楽しめましたー
ミュージカルなのに歌の事ににほとんど触れてませんが
歌の上手い下手が良く分からないので…
でも加藤さんはロック調の歌を力強く歌ってて良かったと思うし、
夢咲さんは歌はあまり印象に残ってないけど
凰綺さんは前述のアントワネットの登場シーンとか
女役初とは思えないほど柔らかい声で良かったです!
フランス革命に散った恋人達の悲恋と自由とは何かという崇高な精神を描きながら、
情感豊かな音楽でエンターテインメント性たっぷりに仕上げられたミュージカルで、
とっても楽しかったですー。

まちだ全国バレエコンクール2016


今日は町田に毎年恒例まちだ全国バレエコンクール・中学生の部予選観に行ってきました~
サイトには9時半から審査開始と書いてあったので7時半起きで出かけたのに、
いざ行ってみると審査は11時からと言われ途方に暮れてました…
暇つぶし用の新書持ってたしお天気も良く暖かかったので
会場の市民ホールの中にあるレストランのテラス席で時間潰してましたが、
10時15分頃にはロビーに入れて、30分には無事毎年座る右サイドの指定席を確保。
しかし中学生の部予選今年は1日しか無いのね…
去年までは2日あったのに出場者減ってるのかしら。
まあ2日連続朝から晩までの強行軍は体力的にキツいのでちょうど良かったけど、
出場者全部で161人しかいないからどうしてもヴァリエーションに偏りがあって
ボリューム不足の感は否めなかったです。

でも11時から12時20分までの予選第一部が終わった時点で
体力が続く気がしなくて帰ろうかな…と思ってましたが
18時25分の審査終了までいて良かったです!
お昼食べたら体力も回復したし、一部40人ずつ審査して休憩という形でしたが、
審査人数もちょうどよくて
色とりどりのクラシックチュチュや清楚なロマンチックチュチュがたくさん観られて
衣装の参考になりそうでした~
そしてやっぱり中学生くらいの少女は一番美しい時期ですねえ…
初々しい少女達が可憐なチュチュに身を包んで舞う様を観てるだけで
あっという間に時間が経ってしまいました。

全体的にド下手もいたけどレベルは安定してる感じで、
前のように上手いけどポーズが決まってない子とか、
アカデミックな感じが出てない子というのはそんなにいませんでした。
上手い子はそつなくみんな上手い感じ。
お稽古ごとでここまで踊れるようになれば充分だよなぁ~という感じの子ばかりでした。
24番のエスメラルダ踊った子が抜群に上手かったなあ。
自信たっぷりの表情も良かったしテクニックが抜きんでてました。
ちょっと踊りのテンポが一本調子だったので
もう少しメリハリが付けられるともっと良かったかも。
128番のジゼルも視線の先にアルブレヒトがいるのが見えるような情感たっぷりの演技で、
演技過剰な嫌味な感じもなくて好感が持てました~
衣装も裾に向かってグラデーションになってるブルーのロマンチックチュチュ可愛かった。
お姫様系のヴァリの子達のシニヨンにきらきら輝くティアラを付けた姿は
私のお姫様のイメージの原点とも言えるスタイルで萌え萌えでしたー
やっぱりティアラには楚々としたアップが似合う!
全体的にはオーロラとスワニルダ多めだったかな。黒鳥は今年は一人もいませんでした。
男子は今年は3人しかいなくてちょっと物足りなかったな~
159番のバジル踊った男の子が小さいけど回転とかびしっと決まってて上手かったです。

毎年春の訪れを感じる恒例行事を今年も楽しめて良かったです!
お昼の休憩時間にメロンパンを食べるのが至福の時なのですよ…vv
今年も浴びるほどバレエを見られてとっても楽しかったです~

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プロフィール

HN:
小雨
性別:
女性
職業:
大学生
趣味:
読書、映画鑑賞
自己紹介:
7月15日生まれのかに座、A型。
めんどくさがりでものぐさ。

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