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雨の通り道

5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。

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メトロポリタンオペラ「ランメルモールのルチア」観賞


絵はミントグリーンの生地に大胆にすみれをあしらったドレスを着たリリー・ヘザー
こういういかにもなデザインのお姫様ドレスに
あえてお花のプリントをあしらったりしたら面白そうだなあと思って描いたのですが、
ドレスのリボンの水色や肩や袖口のレースも映えて結構可愛くなったのではないかと(* ̄∇ ̄*)
背景の花の素材で見辛いですが、帽子の白い羽飾りもポイントです♪
ろうたけた王妃らしく、華やかで粋な着こなしになった気がします♥
あーいくら自画自賛しても許されるブログ、ホームって本当良いわー


昨日WOWOWでやっていた、2012年のメトロポリタンオペラのライブビューイング
メアリー・ジマーマン演出・ナタリー・デセイ主演のランメルモールのルチア観ました~
このオペラ初めて観るのですが、開幕前に宮本亜門のストーリーや見所解説等があるので
ストーリーも予習出来て、退屈せずに最後まで観られて良かったです。
オペラって長くて眠くなるので、
椿姫とかホフマン物語とか何度も見たことあって良く知ってる作品以外は
TVでやっててもほぼ観ないのですが、
今回は衣装が素敵そうだったので興味を持って観てみて正解でした‼゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚
舞台を原作の17世紀から19世紀ヴィクトリア朝時代に置き換えた上品な衣装も素敵だったけど、
何よりジマーマンのロマンチックで繊細な演出がとても美しくて、
スコットランド版ロミジュリとも言うべき悲劇を
感傷的なゴシックロマンとして彩っていて凄く良かったです‼

第一幕、スコットランドの高地の荒涼とした岩山を表現した舞台美術が
とっても異国情緒があって凄く素敵でした~‼
田舎の貴族の領地の陰鬱で荒々しい雰囲気が良く伝わってきて
乾いた空気の匂いまで感じられるようで良かったです。
冒頭のキルトを着た男性達の合唱で本物のアイリッシュハウンド二匹が出演しているのも見物。
ルチア役のナタリー・デセイ、ナビゲーターのルネ・フレミングも言っているように
小柄で華奢で、折れそうな程儚い雰囲気が
愛する人と引き離され
政略結婚させられて狂気の淵に沈んだ悲劇のヒロイン役にぴったりでとても良かったです~
ルチアの侍女とエンリーコの侍従?家令?の壮年の男性の
ルチアの神経の細さを案じている感じも誠実な召し使いという感じで良かったです。
そして開幕前で見所と言われていた、
ルチアが歌っている時に現れる通常では台本に登場しない泉に沈められた女性の幽霊の演出も
女性演出家ならではの繊細なロマンチシズムに溢れていて魅了されました(*≧∀≦*)
真っ白い服を着て半ば色が落ちて水色になりかけた髪に水草が絡みついている幽霊役の女性、
本当に幽霊そのもので、彼女がルチアの頬をそっと撫でた時は
ルチアと一緒に観ているこちらまで幽霊のひんやりとした手の冷たさが感じられる様でした。
その後再びセリで泉の底に沈んでいく幽霊も素敵。

第二幕、ルチアと敵対している家の息子エドガルドとの恋仲を知ったルチアの兄エンリーコは、
偽の手紙を用意してルチアにエドガルドが裏切ったと信じさせ、
彼女にアルトゥーロと政略結婚する事を承諾させます。
婚約披露の場に集まった貴族の女性達の
グレイッシュと言うかモノトーンで統一されたバッスル・スタイルのデイドレスが
派手ではないもののとても趣味が良くシックで素敵でした~
そしてその中に現れるルチアの、
一人だけ血の犠牲を表すようなワインレッドの生地に地紋の入ったドレスが
何とも効果的でドレスも上品で素敵だった‼
ルチアに裏切られたと思い込んだエドガルドが彼女に渡した指輪を取り返し、捨てる所で
エンリーコが「家のために彼女を犠牲にしてしまった」と悔やむのは
エンリーコはもっと野心家の冷血漢だと思っていたので意外でした~
幕前の解説でヴェルディはドニゼッティを尊敬していて、
ドニゼッティの書いたオペラルチアの影響を受けたと思われる、と言っていましたが、
確かにこの辺の展開やエンリーコのキャラは
ヴェルディの椿姫のジェルモンと似ているな~と思いました。
ルチアがエドガルドの豹変に傷付き、全てを諦める所で
写真家がカメラで
い並ぶ貴族達や夫となったアルトゥーロと並ぶルチアの写真を撮って幕が降りる所も面白かった。

第三幕、ルチアとアルトゥーロの初夜を祝う夜会、
これまた女性達の
スタイリッシュで落ち着いたバッスル・スタイルのイブニングドレスが素敵♥
そしてそこへ新郎アルトゥーロと共に現れる花嫁衣装のルチア、
ごくシンプルなデザインのウェディングドレスだけど、
良く見ると光沢のある生地にやはり地紋が入ってて、
上品で手の込んだ作りになっていてとても美しかったです~
そしてルチアが新郎との新床に向かったのを見送った客人達が浮かれ騒いでいる所に、
先述の家令?が蒼白となって惨劇が起きた事を知らせ、
血染めの花嫁衣装を着て手には短剣を持ったルチアが姿を見せます。

このオペラの一番の見所でオペラの中でも最も有名な場面と言われる「狂乱の場」、
ルチア役のナタリー・デセイが17分もの間たった一人で狂気に陥ったルチアの心情を歌い、
これだけの長丁場にも関わらず全く間延びを感じさせない息つく演技と歌声に
本当に圧倒されました~
幕間のインタビューでデセイが狂乱の場について
「以前は演技に神経を割きすぎて歌の質が落ちていたけど、
今は両方おろそかにしないよう訓練をしている」
と言っていた通りの名演技と絶唱でした‼(。・´д`・。)

エンリーコとの決闘が行われるはずの墓地にやって来ていたエドガルドは、
ルチアが狂乱の果てに遂に命を落とした事を知り、
彼女のいない世界では生きていけないと自らも剣で腹を付いて息絶えます。
そこへあの泉の幽霊とそっくりの姿になったルチアの亡霊が現れ、
あの幽霊にされたのと同じように死にゆくエドガルドの頬を撫で、
彼が果てるとその体を包み込む様に彼に寄り添うのでした。第三幕終。
実はこの時目を見開いたまま客席に顔を向けてくずおれるエンリーコ役のテノールの、
美しかった青い瞳が、本当に何も映さないかのように光が消えている所が
本当にどうやって演じているんだろうと言うくらい真に迫っていて、
狂乱の場以上に感動したのでした。

先述の様に原作の小説や本来の台本の舞台は17世紀ですが、
19世紀の衣装や風俗が
今まで他のルチアを観ていないので判断は出来ませんがとてもハマっていて、
ジマーマンの儚くも美しい演出が冴え渡っていて本当に観ていて楽しかったです。
幽霊と19世紀のゴシックリバイバルの潮流を結びつけたというアイデアも秀逸。
もちろんデセイ始め歌手も皆素晴らしかったです‼
ランメルモールのルチア、神秘的な響きのタイトルから遠い神話世界の話だと思っていたのですが、
男達の覇権争いの中で犠牲になった悲運の少女、という
いつの時代に置き換えても違和感が無さそうな普遍的なテーマの物語で、
純白の花嫁衣装が
花婿の鮮血で真っ赤に染まるというショッキングなシーンの印象深さがとても心に残り、
まだこの一作しか観て無いけどもう私の中ではこのジマーマン演出の舞台が決定版になりました‼
その後同じメトロポリタンオペラで今年上演された
舞台を現代のアメリカに置き換えた新演出のランメルモールのルチアもやっていて録ってるのですが
見比べる楽しさはありそうだけど観る気がしないなあσ(^_^;)?
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芸術の秋なので読書だやっほい‼


粉雪と聖夜でハロウィン絵二枚目、華流ハロウィンで初挑戦のキョンシーです。
粉雪の顔4回位描き直した甲斐あって、実力以上に可愛く描けました♥
聖夜ももっと苦戦するかと思ったけど思いの外すんなり可愛く描けてお気に入り。
漢服は描いた事あるけど、チャイナ服は多分クリスタでは初めて描いたので新鮮でした~
聖粉熱がたぎってるのでちょっと語りますが、
聖粉は一番最初に描いてた漫画ではどちらかと言えば聖夜→粉雪→三太な感じで、
最後に粉雪の矢印が聖夜に行くみたいな感じだったのですが、
最近は粉雪の方が割と最初から聖夜の事ラブなのも良いなあと思ってます。
もともと少女漫画とかで
複数人から好意を寄せられるモテモテ美少女主人公が好きじゃないのもあって、
自分の創作では女の子の方が先に男子に好意を寄せるパターンの方が好きです。王道‼
粉雪は聖夜の悪ぶってて素直じゃないけど無意識に優しい所ちゃんと分かってるし大好きです。
聖夜は粉雪が失恋したあともずっと三太の事を好きだと思ってて、
粉雪の自分への気持ちに気付かないとか美味しいなあと。鈍感たらし体質良いなあとか…
ちなみに三太は聖夜にとっての、さゆりさんは粉雪にとっての、
恋敵として絶対に太刀打ちできない成熟した大人の男性・女性の象徴なのです。
とは言え三太とさゆりさんも大好きで大切なキャラなので、
この二人のロマンスもちゃんと素敵な感じに考えてあげたいです(考えてないんかい)
そしてさゆりさんは清楚な美人ですが、10年後の粉雪は華やかで色っぽい美人になります。
そう、粉雪は私が表現出来てないだけで美少女と言うか美人なのですよ…
でも設定として語らないのはこれまた美少女設定を強調した主人公が好きじゃないからです。
後あくまで人間姿は仮の姿でトナカイだし…(^-^;
説明しなくても美少女と感じてもらえるように描けるのが理想です‼
ちなみに聖夜も10年後は私の男キャラ一の美形になる設定なのですが
男の美形が描けない事に定評のある私なので粉雪以上に表現出来ない(ヽ´ω`)


潜ってた間に何冊か本は読んでてどれも感想書きたいと思うほど面白くなかったのですが、
直近で読んだ二冊、小田菜摘さんの集英社オレンジ文庫
「掌侍大江こう子の宮中事件簿(ないしのじょうおおえこうこのきゅうちゅうじけんぼ)」と
貴嶋啓さんの講談社ホワイトハート文庫「流離の花嫁」はどっちも面白かったです~

大江こう(本当は漢字だけど字が出ない)子の宮中事件簿は、
同じ小田さんで平安もののオレンジ文庫、「平安あや解き草紙」シリーズが結構好きだけど
3巻まで安く買えたけどそれ以降の続刊なかなか安くなってなくて買えてないのと、
平安あや解き~がシリーズ物で結構話が大きくなってきたのでちょっと疲れて、
単発読み切り(と思われる)ならコンパクトで良いかなと買ってみたのですが、
タイトルや表紙の雰囲気から軽いノリのミステリ&お仕事小説かと思ったら
思いの外ドロドロの後味悪い話で嫌いじゃなかったです(笑)
ミステリと思って読むとあまりにもライト過ぎて物足りないですが。

「雀と白粉」はキャラ紹介的な感じで謎解き?要素もライト過ぎでしたが、
こう子と政征の気心の知れた幼馴染み同士で、微妙な距離感が美味しくて好みでした。
乙橘こと卓子の無邪気な愛らしさも可愛かった。
ただ表紙や各話の白黒扉、白黒口絵描かれてる絵師さんの絵綺麗で可愛くて好きだけど、
白黒口絵の卓子は宮中で評判の可憐な美少女という感じに見えなかった…

「胡蝶装」は如子の汚れた紙に色のついた紙を切り張りして使うというアイデアと
出来上がった紙の彩りの美しさが目に浮かぶようで良かったです。
でも話としてはオチてなくてすわりが悪かった。

「密事(ひそかごと)」は、当代一と名高い貴公子・直嗣に縁起物の豪奢な薬玉を贈られても
箱を開けて見ようともしないのに、
政征から贈られた自分の好みを知り尽くした素朴な薬玉は大事に自分の局に飾っておくこう子の
女心が可愛くて良かったです。
同僚の女房達から「もう藤侍従(政征)にしちゃいなさいよ」とからかわれて、
政征を妥協点のように言われるのにかちんときた、というこう子の所も可愛い♪
帝の藤壷の中宮への嫌がらせが明るみに出て、良い感じにドロドロしてきた話も好きでした。
卓子が男装してみづらを結った美少年武者として射弓に出場するのも、
その卓子の姿を描いた白黒扉も素敵でした。
そして小田さんの平安ものは女性の衣装や美貌の描写が美しくてとても好きです♥
「こきでんの女御が凄艶な八重咲きの桃花なら、中宮は寒さに耐えて咲く寒椿」とか素敵♥

「魂鎮(たましずめ)」は、東宮時代に臣下から冷遇されていた帝が
その臣下の筆頭であった左大臣の娘である藤壷の中宮に今になって嫌がらせをしていた真相や、
東宮時代に先立たれた妃と彼女の忘れ形見で6歳で夭折した姫宮を思ってむせび泣く帝の姿、
藤壷の中宮と有たかの不義によって生まれた男の子を二人が若宮と偽っていた事、
そして政征が帝が姫宮を内裏から下がらせずに看取った事を秘密にしていた事など、
数々の「秘密」が次々明らかになって面白かったです~
密事を読んだ時は
自分を冷遇していた臣下の娘である妃に陰湿な嫌がらせをする帝が暗い…と思いましたが、
ちゃんと中宮の幸せを考えていたからこその行動だった事が分かって良かったです。
どっちにしてもドロドロで後味悪いのは変わらないのですが、
そのじめじめした陰鬱な空気が結構面白かったです~

最初は一話完結方式で登場人物も変わると思ってたので
四話とも連続している話だったのはちょっと残念だったし、
平安あや解き~が三角関係拗らせてるので
今作ではこう子と政征がすんなりくっつくと思って楽しみに読んでたけど
それもあやふやに終わったのは物足りないと思わないでも無かったですが、
ライトなノリと思わせて高貴な人の業とかままならなさみたいな物が感じられて
これはこれで面白く読めたので良かったです。
小田さん的には如子が推しなんだろうけど、彼女のキャラには特に感銘を受けなかった…(^^;)))


流離の花嫁は椎名咲月さん挿絵で
ブックオフオンラインで220円から110円になるのずっと待ってたので喜び勇んで買いました♥
以前書いた同じく椎名さん挿絵の
「ランジャールの宝冠」も貴嶋さんとは知らずに買ったのですが、
ランジャールの宝冠よりずっと良く出来たお話で良かったです‼
衰退した帝国の皇女が敵対しているアラビアンな世界観の帝国の国王に嫁がされる事になり…
とだけ書くとそこらの少女小説やTLにゴロゴロしてる設定ですが、
今作では嫁いだ皇女イレーネが妾腹で周囲から冷遇されて育ち
皇帝である異母兄や祖国の帝国を憎んでいて、
嫁いだ国の王ジャファルを殺そうとして故郷の帝国が滅ぼされれば良いと思っていたり、
ジャファルが数年前実の母であるアストリアに謀反を企てられ、
実弟ラティフをそのせいで幽閉しておかなければならなくなり苦しんでいたりと、
そこここで設定や展開に一捻りあるのが独自性出していて良かったです。
ジャファルの細かいことに拘らない豪胆で飄々とした性格に見えて、
実の母である母后アストリアに冷淡に扱われる事への苦しみも抱えている所がきゅんとしました。
アストリア様も成人に達した息子を産んでいるとは思えないほど若々しく美しいお妃様という、
絶対私の好みな美女なので挿絵欲しかったです・゜・(つД`)・゜・
少女小説界はもっとお妃様萌えという需要を理解するべき‼((ヾ(≧皿≦メ)ノ))
自分が逃げようとしたせいで
唯一心を許せる大事な従弟アキウスを死なせてしまったと自分を攻め続けているイレーネに、
ジャファルが
「人が死ぬということは
その者が抱いていた希望や思いまでもが立ち切られてしまうということだ。
だからアキウスの意思を覚えていて引き継ぐ事が死を無駄にしないと言う事だ」
と諭してあげる所がとても良かったです。
イレーネを殺そうとしたアストリアもまた失われた帝国の幻に支配されているのだと
彼女を許すのではなく理解するイレーネも、
幽閉を解かれて旧ドゥーカス領の総督に任命されたラティフの元で
監視下に置かれるアストリアという落とし所も、厳しすぎなくて好きでした~
ラスト、イレーネがずっと大事にしていたアキウスのペンダントを湖に投げ、
この人の元でなら安心して生きていける、そう、きっと─
そう、きっと─
と、二回繰り返して終わる所が余韻を感じさせて凄く良かったです。
椎名さんの挿絵はあまりアラビアンな世界観が伝わってこなかったのがちょっと残念でしたが、
ジャファルとイレーネがお忍びで街に出かけるシーンは挿絵も展開も可愛くて好きです♥

NHKバレエの饗宴2022 感想


絵は楽描きなのに二時間半もかかった学パロ粉雪
正面向きが安定して描けるようになって嬉しくて描いたのですが、
この描き方確かに安定はしてるけど、輪郭のバランスが取りにくかった…


18日にNHKEテレでやっていたNHKバレエの饗演2022観ました~
ずっとこの日を楽しみに生きてたので観られて良かった~
開始数分で大雨警報のテロップが入って泣いたけど・゜・(つД`)・゜・

一番楽しみにしていた演目、パ・ド・カトル、
ごく淡いピンクのロマンチック・チュチュに花飾りをつけた
中村祥子さん、菅井円加さん、水谷実喜さん、永久メイさんの
四人の舞姫達が本当に絵から抜け出てきたように美しくてとっても良かったです~(*ノ▽ノ)
それぞれのソロ、永久さんは小鳥のように軽やかで可憐で可愛かったです♥
菅井さんは夏の午後を思わせるゆったりと優美な踊りで良かったです。
水谷さんは清潔感のある踊りが良かった。
中村さんはプリマオーラバシバシで貫禄ある踊りで素敵でした~
スタイルが良いので本当にTV映えする‼
ラストの今に残る絵画そのままのポーズを決める四人が本当に素敵でした。

その次のvariation for fourは初めて観たけど、
男性版パドカトルという感じで、四人の男性ダンサーの妙技が観られて見応えありました。
個人的には厚地康夫さんの、男性だけど優美で気品のある踊りが特に印象に残りました~

牧神の午後の前奏曲は、紫山紗帆さんと飯野萌子さんの
互いに鏡のようにシンメトリーにポーズを決める踊りが
まるでどこまでが現実でどこからが幻想の世界か境目が曖昧になるような
魔術的な雰囲気に幻惑されました~
牧神役の小尻さんの踊りは、青春期にある若者の迷いや悩み、
まだ見ぬ物への憧れや恐れと言った青年特有の感情を表しているようで良かったです。
フルートの立木さんはダンサーでないのがもったいないほどの美女でした‼

スターダンサーズバレエ団のウエスタン・シンフォニーは、
ちょっとヅカのレビューを思わせるような雰囲気で、
ちょっと長かったけど陽気な雰囲気で嫌いじゃなかったです~

永久メイさんとビクター・カイシェタのロミオとジュリエットのバルコニーのパ・ド・ドゥは、
永久さんは少女らしい可憐さで良かったけど、
カイシェタが髪型のせいかあまり少年らしさが感じられなくて残念…(^-^;

菅井円加さんと清瀧千晴さんのドン・キホーテのグラン・パ・ド・ドゥは、
菅井さんが筋肉ムキムキでキトリに見えなくて…( ´д`)
でもキトリのバリエーション、
見栄の切り方と言うかポーズの決め方や表情は上手いと思いました~
清瀧さんはバジルのバリエーションはあまり印象に残ってないけど、
コーダのジャンプはとても高くて良かったです。
菅井さんのグラン・フェッテはさすがに安定感が凄くて良かったです~

ラストの中村祥子さんと厚地康夫さんが踊った金森穣さん振り付けのanndanteは、
ラストの光の中に消えていく二人の姿が
これから二人が手を取り合って歩んでいく未来を想像させて印象的でした。


それから、16日と17日にWOWOWで
メトロポリタンオペラのM・メイヤー演出とB・シャー演出の
リゴレットのライブビューイングをやっていたのですが、
メイヤーは舞台を16世紀のイタリアから1960年台のラスベガスに、
シャーはワイマール共和国時代のドイツに移し変えていて、
それぞれの個性が出ていて見比べるのが楽しかったです~
リゴレットは何回も観ていて見所はわかってるしヴェルディの流麗な音楽が親しみやすくて、
上演時間も比較的短いので何とか飽きずに観られました。
メイヤー版は装置のネオンが第3幕では雷を表現していたり面白かったです~
マッダレーナ役の歌手がリリー・ヘザーぽくて萌えた(笑)
シャー版は、アールデコのドイツの退廃的な社交界の様子が美しくて好みでした~
女性達のドレスやティアラが素敵♥
メイヤー版も面白かったけど、
こちらの方が本来のリゴレットの薄暗い雰囲気が出ていて好きでした。
そしてどちらもチェプラーノ夫人役の歌手が
スリムで金髪のゴージャスな美女で素敵でした♥
二つの演出のリゴレットを観て、無垢であるがゆえの悲劇と言うか、
無垢である事の罪、純粋さは罰せられる運命なのかと言ったテーマを感じました。

引き続きオレンジ文庫日記だよー


ブイっ
徒競走のタイムが聖夜より良かった事を自慢する粉雪
粉雪はそり引きトナカイ養成所での成績は下の中位の劣等生だったけど、
唯一足の速さだけは一番(馬鹿だから)
俯瞰構図や顔のバランス等上手く描けて気に入ってます~

ブックオフオンラインで買った松田志乃ぶさんの集英社オレンジ文庫
「ベビーシッターは眠らない 泣き虫乳母(ナニー)・茨木花の奮闘記」読みました~
前作「赤ちゃんと教授 乳母猫より愛をこめて」が面白かったので
ちょっと高かったけど買ってしまったのですが、
前作同様フェミニズム的なメッセージも有りつつ、
更に児童福祉の問題にも触れていて
ちょっとトリイ・ヘイデンのノンフィクションみたいな雰囲気のシーンもあって面白かったです~
前作のヒロイン鮎子も良かったけど、
鮎子はスーパー乳母として完璧で隙がない感じだったので
今回の主人公・花の家事・育児スキルは完璧だけど
以前働いていた家で家長のセクハラに遇い
お世話していた長女の中学受験を失敗させてしまったと負い目を感じている所や、
乳母になる前は養護施設で働いていたけど、
オーバーワークの連続で
自分には十分な仕事をし続けることは難しいと判断して辞職した過去がある所など、
迷い傷付くごく当たり前の人間としての面がある所が
より共感出来る主人公になっていて良かったです。

一話目「わたしの乳母は良い乳母」は、
七海のオンライン誕生会で
「本当面の皮も厚ければ化粧も厚いわ~ファンデーション浮いてるわよ」
「お義母さまこそ、イエローベースのお肌にピンクがかった青のワンピースを着るって、
自殺行為じゃありません?」
と嫁姑戦争を勃発させる明日香と一二三の母のやりとりに笑いました。
七海が誕生日プレゼントにリクエストした「ラッキーちゃん」を明日香が間違ってしまって、
七海が「ママは何でも忘れちゃうんだね」と怒りを爆発させて眠ってしまい、
一二三と明日香と七海の去年家族旅行で行った水族館での思い出と
明日香の熱海の温泉宿で生まれ育ち東京の地元の名士である大和家に嫁ぎ、
都議会議員にまで上り詰めながら
女性であるがゆえに思うように仕事が出来ない鬱屈が語られる所は、
「私はどこまでも男なのよ」と語る明日香ほど成功した女性でさえ
成功や栄光と言った輝かしい物は「男性」の物であるとカテゴライズしてしまうのだ、
と思う花の所が考えさせられました~
水槽の前で七海に先程聞いたラッキーホースというタツノオトシゴの生態を
優しく語ってあげている明日香はどこにでもいるごく普通の美しく優しい母親に見えた、
という一二三の目線はその光景が目に浮かんでくる様で、
「人間もそうなら良いのにね。オスも子供を産んでみれば良い。
変わるしかなくなる事が分かるでしょう」と七海に語る明日香の言葉や、
花との電話で、七海を産んだときはただただ疲れていた、
その後の育児でも母乳育児を諦めて姑に嫌味を言われたり、
仕事に復帰しても最低限の身なりしか出来なくなり、
ママになったんだから仕事は減らして育児に専念してもらわなきゃ、と重要な仕事から外され、
一方父親である一二三はパパになったんだからバリバリ働いてもらわなきゃなあ、と
どんどん仕事を任されるようになり…という明日香の独白から
女性と男性に求められる役割の違い、女性が育児をしながら元通り働くことの難しさ、
そして妻である明日香から削った分の仕事は
夫である一二三に回せば帳尻が取れるだろうと思っている男社会の矛盾など、
国民の生活を変えるのが仕事の政治の世界でさえそう言った男女差別がまかり通っている
現代の女性の立場の弱さをとても感じて息苦しくなりました…
でもそれら全てを聞いた花が
「七海さんの歯が虫歯一つ無いのは明日香さんが毎日磨いて毎月検診を受けさせてくれたから。
七海さんの肌が柔らかいのは明日香さんが一生懸命クリームを刷り込んでくれたから。
子育てって外からは大きく成長したという見た目でしか見えないけど、
七海さんの一つ一つが明日香さんが心を込めてお世話してくれた時間で作られているんです。
七海さんを見ていれば明日香さんが七海さんを愛している事がちゃんと分かります」と、
うろ覚えなので本当はもっと良い台詞なのですが明日香に言ってあげる所は、
明日香と一緒に私も読んでいて泣けてしまいました~
子供を育てるって、お母さんのそういう努力一つ一つが重なって
成長していく子供を形作っていく事なんだなあとしみじみしました。
後日明日香のつてで以前花がセクハラ被害で辞めることになった家の長女の手紙が届くラストも、
前向きな長女の楽しい中学生活が綴られた手紙に
花が涙を流す所が暖かい終わり方で良かったです~

二話目「迷い子たちはお菓子の家の夢を見るか?」は
七海のスイミングスクールのクラスメートの櫂と母親の敦子が
実の親子では無いのではないかと気付く花の推理から、
七海と一緒に敦子に自宅にお呼ばれされた花が
敦子に自分達夫婦と櫂とは里親と里子の関係で、
櫂にもそれは話してあるのだと言う事実を知らされ、
「私達にはいつ別れが来るか分からないから、櫂とはいっぱい思い出を作ろうと思ってるの。
端から見たら必死に見えるのかもしれないけど」と言う敦子に、花が
「櫂君、このお家で凄く伸び伸びと楽しく過ごしていて、
それが夫さんや敦子さんにも伝わって楽しさが循環して。
それを凄く感じます。敦子さん達は凄く素敵な親子ですよ」と言ってあげる所良かったです~
前述の明日香への台詞もだけど、
花の自身も子育てのプロとして、子供を育てる難しさや苦労を分かった上で、
明日香や敦子達親達に心から賛辞を惜しまず、寄り添う優しさにとても感動しました。
その後櫂が産みの母親の意向で急に敦子達夫婦から引き離され、
一時保護施設に移される事になる展開には胸が痛みました~
ショックを受けた花が学生時代ボランティアで訪れていた養護施設にいた、
母親と義父に良い子になるまで家族には迎えられないと言われ、
一時帰宅の前はいつも楽しみで仕方ない様子なのに
一時帰宅から帰ってくる時にはいつも暗い顔をしている少女の事を思い出すシーンは
まさにトリイ・ヘイデンのノンフィクションを読んでいる気分になりました~
養子縁組と里親の違いや、
都の児相が慢性的な人手不足で職員一人一人が手に余る仕事量を抱えていて
一つ一つのケースに十分な対応が難しい事など、
児童福祉の現状について語られる所は勉強になりました~
穏やかで気弱な花が
親になっても自分を変えようとしない身勝手な親達には怒りを隠さない所も胸を打たれました。
どんなにだらしない親でも、現在では産みの親の権利が絶対で、
櫂の様な子供達や敦子達里親はどんなに良好な親子関係を築いていても
いつ何時実の親の意向一つで引き離されるか分からないのだと言う残酷な現実や、
一時保護施設に行きたくなくて家出した櫂がスカイツリーの中にある水族館で
「何で僕のことを勝手に決めちゃうんだよぅ」と涙を流す姿に
今の児童福祉が抱える複雑な問題が浮き彫りにされていてとても胸が詰まりました。
櫂を見送ってからしばらく不安定になっていた敦子が
櫂の6歳の誕生日の12月26日にショッピングモールで偶然会った花に
「私は櫂と過ごした時間を、2歳の櫂を、3歳の櫂を、4歳の櫂を、5歳の櫂を、絶対忘れない」
と笑い、
モールに流れる1日遅れのクリスマスソング、
「今年のクリスマスはそう多くは望まないわ
サンタさんがくれるおもちゃなんかで誤魔化さないで
私が欲しいのはあなただけ…」と歌の流れる中で
再婚する予定だった相手が摘発され、櫂の措置変更を取り下げた実母の意向で
再び敦子夫婦の元に里子として帰れる事になった櫂が
ツリーの下で敦子と抱き合うラストはガチ泣きしました…(*;д;)ノ
マライアのクリスマスソングがもう悲しくは聴こえない、と思う花と
一時帰宅が実現するか分からなかったのでサプライズにしていた敦子の夫と一二三、
そして一二三の先輩の宮さんも良かったです~
ハロウィンに始まり1日遅れのX'masに終わる胸に沁みる感動的なお話でとっても良かったです~

松田さん、コバルト文庫の悪魔のような花婿シリーズが大好きなので
オレンジで現代物書くようになっても求めてるのはソレジャナイ感あったのですが、
こういう現代の親子や情勢をテーマにしたお話もやっぱり上手くて、
少女小説とは違った問題提起等にも考えさせられたし面白かったです~
元から筆力ある作家さんなので、やはり安心感あって良かったです。
子供の書き方も少女小説のデフォルメした感じを残しつつリアルになっていて
更に今回は新型コロナ後の世界を書いているのも新鮮でした。
上手い作家さんは何を書いても上手いんだなあとしみじみ。

久々に萌えに萌えたオレンジ文庫


先月描いたひまわり柄ピンクハウスの粉雪
顔は自分でいうのもあれですがめちゃくちゃ可愛く描けたけど、
資料なしで描いたらピンハがエセになってしまった…
でもヘッドドレスに三つ編みをくるっと巻いた髪型は
普通に下ろすより印象的な感じになって良かったです。
全体的な色やデザインも可愛く出来てお気に入り。


山本瑶さんの集英社オレンジ文庫
「穢れの森の魔女 赤の王女の初恋」「穢れの森の魔女 黒の皇子の受難」読みました~
最初ブックオフオンラインでオレンジ文庫を検索して、
赤の王女の初恋と黒の皇子の受難両方出てきたのですが
同世界観の別の主人公の独立した話だろうと思って、
赤の王女の初恋だけ買ったら、まさかの前後編で
赤の王女の初恋を読み終ってすぐ後編の黒の皇子の受難も買いました~
まあ逆よりは良かったかな…
山本さんベテランだけど私にはいまいち合わないと感じることが多い作家さんだったのですが、
これはベテランらしく力量を感じさせて楽しく読めました~

赤の王女の初恋の序盤は
レイトリンの女王カイラの第一王女として認知されてるのに
城の北の塔に飼い殺しにされてたミアの幼少時代と
現在でも城と父方の祖母グリンダの家とを行き来しているという
中途半端なミアの境遇が良く分からなくて、
ベタでも王女と言うことを知らずに育ったミアがある日その身分を告げられ城から迎えが来て…
とかの方が良かったと思ったし、
禁断の森の狼神ナグ・ダグルや森の巫女ラヴィーシャの言葉など、
意味深な台詞や文が頻発する割りに展開は牛歩で
核心に触れそうになった所で脇道に逸れるを繰り返すのが読みながらいらいらさせられたけど、
ミアとキリアンの関係がさすが山本さん萌えのツボを良く分かってて、
キリアンの綺麗好きでぞんざいな話し方だけどミアに優しい感じとか、
黒髪男子大好きな私には萌え萌えでとっても良かったです~
ミアのキャラも北の凍てついた森の中で生きる術をしっかり身に付けた
たくましい野生児の様な王女らしからぬキャラが
エドワード王子と出会って恋をして変わっていく感じが良かったです。
エドワード王子も正統派の穏やかで爽やかな王子さまキャラで、
ミアと恋に落ちる所も可愛い感じで
キリアン派だけど微笑ましく読んでました。
全体的にダークないばら姫と言う感じの話かな。
ミアが16歳の誕生日に神殿でメトヴェに
「決して恋した相手と結ばれず、恋するものに笑いかけることも怒ることも泣くことも出来ない」
いばらの呪いをかけられて、
エドワード王子の祖国グリフィスに嫁いだ所位から
それまでの野性味溢れる厳しい北国の生活の華の無い描写や舞台から
やっと宮廷絵巻っぽくなって、引き込まれました~
グリフィスの華やかな宮廷で
エドワード王子を呪いのせいで拒んでしまったミアにエドワードも戸惑い、
やがて失望して国一番の美姫ロクサーヌを側室に据え、こじれにこじれた二人の仲を
ミアの護衛として付き従うキリアンがどんな想いで見ていたのかと想像すると
ベルばらのアンドレ的な狂おしい男性の片想い大好きなので萌えましたが、
その辺は特に描写が無かったのが残念だったようなまあこれ位の匙加減で良かったような…
エドワードが最初の理想的な優しい王子様キャラから
割とすぐに疑心暗鬼で狭量な性格になってしまうのとか、
そうなってしまった遠因である嘘だらけの貴婦人が嫌いな所とか、
ちょっとキャラの掘り下げが足りないかなーと思う所は有りましたが、
まあ全キャラそんな丹念に掘り下げてたらページが足りないので
これ位の分量で妥当かなという感じでしたが。
ミアと同じく16の誕生日に「実の兄しか愛せない呪い」をかけられた
エドワードの妹姫フランセット王女が
人畜無害な愛らしい王女と見せかけてミアを亡き者にしようとして
逆に殺されてしまうラストは結構衝撃で、
どうせ300ページ超の本をいくら面白くても1日に二冊も読む気力はないのは分かっていても、
Amazonでポチった後編黒の皇子の受難が届くのが待ち遠しかったです。1日ですが。

で、黒の皇子の受難、ここからは断然面白くなってきてノンストップで読んでしまいました~
ミアの呪いはどうやったら解けるのか?
メトヴェがミアに呪いをかけた真意は何か?
時の魔女とは誰なのか?
タイトルでネタバレしてるけどキリアンが皇子なのに森で倒れていて記憶を失っていたのは何故か?
カイラは何故ミアに冷淡な態度を取り続けるのか?
等々、謎がいっぱいでそれが解き明かされるのが待ち遠しくて仕方ありませんでした。
冒頭の時の魔女がかつて愛した男に似ていたキリアンを愛しく思い、
キリアンも魔女を哀れに思い魔女の側にいて
寂しいという感情だけでも取り除いてあげる所はショタキリアンが可愛くて萌えました。
フランセット王女を殺されたことでミアへの愛が完全に憎しみへと変わり、
ミアを捕らえようと包囲網を巡らすエドワードから逃れ
キリアンと侍女のハンナ、キリアンの義父デール侯爵に支える諜報員ジーク、護衛のルイスと共に
ローウッドを経由して祖国レイトリンに帰ろうとするミア。
国境をまたぐために通過する必要がある修道院の僧達を欺くため、
ミアとハンナは男装、キリアンとジークとルイスは女装するところは
美味しい展開キタ━(゚∀゚)━!とわくわくしました♥
女装したキリアンの違和感の無い美女っぷりに
「女としての自信を無くす」「ほんとですよ」とこぼすミアとハンナに笑いました。
ジークのキャラもよくあるオネエキャラかもしれないけど、
ミアを心から敬愛していて普段は軽薄そうに見えて実直で有能なところとか
情に厚い所が凄く好きでした~
マルト城の城主の伯爵にそもそもの五国割譲が不公平だったのだと聞かされ、
ミアと同じく16の年にいばらの呪いを受け
愛する女性を死なせてしまい言葉を話せなくなった第二王子セオドールを託される所は、
いばらの呪いって王女にしか発現しないはずでは?と
セオドールは女なのかと勘繰ってしまいましたが。
後はミアの想いがエドワードからどうキリアンに傾いていくのかだけを楽しみに読んでましたが、
レイトリンとロウナスの連合軍に加わるためキリアンが出兵する辺りでキタキタキターと実に萌えました。
キリアンが一瞬躊躇ってからミアに口づけする所良い‼゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚
キリアンの感情があまり表情に出ないけど
野生児のミアをずっと見守って来てミアのことを誰よりも近くで見ていた所いじらしい‼
そしてレイトリンの王城の最後の砦となる渓谷の門の前で
エドワード率いるグリフィスの軍を迎え撃つため策を練るデール侯爵や軍師達の所から
渓谷での死闘のシーンまでの流れも熱くてテンション上がりました‼
ジークの働きも美味しい‼
「私だって大切な人をみすみす失いたい訳では無いんですのよ」と
エドワードへの手紙を託したミアに言う所は
ジークの真摯な想いが伝わってきてきゅんとしました~あくまで主従愛と言うのも良いです‼
エドワードと精鋭部隊を率いたキリアンの渓谷での衝突のシーンも熱かったです~
その後のキリアンを失ったミアが
エドワードへの恋心を完全に捨て去って憎しみの限りを込めて斬りかかる所で
エドワードが、ミアを捕らえたらミアはどんな風に思うだろう、
自分はミアをその場で殺すのだろうかとばかり考えていたのに、
ミアの憎しみを間近にしてもうミアは自分を愛してはいないのだ、
ミアの心はキリアンにあるのだと戸惑いながらも悟った所は
事実上ミアがキリアンに恋している事に初めて言及する文章だったのでまた萌えました~
クライマックスのグリフィスの軍に門を破られ火をかけられたレイトリンの王城で
女王カイラがミアに自らの呪いとグリフィスに勝てない戦を仕掛けた真相を打ち明け、
ミアを正式に次期女王に指名し女王の証の指輪を託すシーンは、
カイラのミアの父の農夫エルネストとの悲しい恋の話が切なくて良かったです~
この小説は他にもセオドールとアリーシャとか時の魔女とその恋人とか、
フウロソウの精霊の話とか、全体的に切ない悲恋のお話が散りばめられていて、
そういうの読むの好きな私には楽しかったです~
燃え盛る城の中で死んだはずのキリアンに助けられ、
彼の正体といばらに飲まれた帝都ナハティールの真相を知らされたミアの所からは
ラストまで凄い駆け足で、
せっかくキリアンの事を恋する様になったミアとキリアンのラブいちゃは??とがっかりしました…
結局時の魔女も救われず女王カイラはいばらに飲まれ、ナハティールのいばらもそのままで
ミアのいばらの呪いも解けず…続編見越してたのかも知れませんが消化不良感が否めませんでした。
キリアンの恋心が報われてミアとラブラブになるのだけを楽しみに読んでたのに…
せめてミアがキリアンに恋しているとはっきり明言する文章が欲しかった…
せっかく生還したキリアンと一生結ばれる事も出来ず、
女王とその側近として生きていくしかないって…メリーバッドエンドですか?
でもまあミアがカイラ女王の後を継ぎ女王となることを決意して
青狼城で異父妹のアリステア王女を
「あなたは王太子として相応しい振る舞いを何も学んで来なかったのですか?」とやり込め、
ナグ・ダグルが神力を振り絞って青狼城に啓示を示す所から
最後のラヴィーシャとの語らいは良かったです~

とにかく山本さんの巧みの技でのキリアンのキャラの萌え度が半端無かったですが、
ミアの自由気ままに逞しく生きているように見えて
実は誰よりも不自由を抱えていた利他的な所が、
最後は祖国レイトリンの民草を守る女王としての資質に昇華していく所も良かったし、
ジークも先述の様に良いキャラしてるし、
大柄な侍女のハンナの、城でいじめられ男達に暴行された過酷な過去があっても
「私は男を嫌いになったりしませんよ」と明るく前向きに生きている所もとても良かったです。
ルイスの若干木偶の坊に見えても朗らかな性格も和みました~
セオドールはちょっとその存在必要だった?と思わないでも無かったですが(((^^;)
後幕間のアルナディスの女王シャナンのシーンはその後全く回収されませんでしたが、
やはりミアとキリアンのあれこれも含め尺不足のせいだったのかなあと。
最近のオレンジ文庫は王女の遺言とか青の女公とか女性為政者物多いけど、
そのどれもヒロインが正式には誰とも結ばれずに終わるのは女性の自立という時代を感じます…
尺不足説明不足の感は否めませんでしたが、
特に皇子の受難は息つく暇もなくぐいぐい読ませられて、
久々にオレンジ文庫でコバルト文庫っぽいキャラ萌えカプ萌え出来る小説に出会えて満足です。

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7月15日生まれのかに座、A型。
めんどくさがりでものぐさ。

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