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雨の通り道

5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。

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腰が痛くてブログどころじゃない


日々が続いています。毎日1時間以上座っていない事にしたので今日だけはイレギュラーですが
少女小説を3冊読んでしまったのでちゃっちゃと感想を書きに来ました。
絵は2月頃まだイラスタの体験版を使っていた時書いたアニメ明日のナージャのドレスナージャ。


宇津田晴さんのルルル文庫、「忠犬侍女の愛しの王子様」
松村亜紀さんのビーズログ文庫「完璧令嬢の優雅な破談」
藍川竜樹さんのコバルト文庫最新刊「英国舶来幻想譚 契約花嫁と偽物紳士の甘やかな真贋鑑定」
読みましたー読んだ順に感想。


忠犬侍女はルルル文庫で椎名咲月さんイラストの物は買い尽くしてしまったので、
題材が好みそうな本作を買ってみました。
うーん…悪くはなかったけど、何か全体的にTLっぽい溺愛がひたすら続くお話で
少女小説としてはもう少し起伏が欲しかったな…
清廉な王子様と見せかけて腹黒なファラールはまあ良かったですが、
リーリアがファラールへの気持ちが恋だと自覚した後もう少し何かラブイベントが欲しかった。
ファラールが散策と見せかけてホネストにリーリアとの仲を見せつける
性格悪い所は可愛かったですが(笑)
口調がキツいから誤解されがちだけど本当は弟想いで優しいグロリオッソ王子も良かったですが
ファラールを呼び戻そうとしてくれている王妃様が影も形も出ないのは残念。


完璧令嬢は何気にビーズログ文庫読むの初めてだ…
タイトルの好みドストライク感と椎名さんの可愛い表紙に射抜かれて、
横浜のブックオフで見つけた時今年の2月に出た本だからすぐ安くなるな♪と思ってたら
次に行った時にはもう無くて、凄くがっかりしたので
その後センター北のブックオフで2冊も並んでるの見た時は
どうせすぐ108円になるだろうな…と思いつつ
横浜のブックオフよりは安かったので買ってしまいました。(長い)
良いんだ…椎名咲月さんの表紙が凄く可愛いし帯付きだし!

内容はタイトルまんまで、執事のヒースに恋する完璧令嬢リーシャロッテが
縁談を穏便に破壊しまくっていくお話。
完璧令嬢という割にあまり社交とかの華やかな描写のシーンが多くないので
その完璧さがいまいち分かりづらいのと、
恋愛小説を侍女のライカに発売日に買わせるほどの恋愛小説好きという設定が
その後あまり活かされないのは残念でしたが、
ベネッシュ伝統の死ぬほど不味い料理でベネッシュ公爵夫妻とオラルドをドン引きさせたり、
観劇中に事前に何通りもの質問への返答を考えておいて
振られた質問に完璧な蘊蓄を長々と披露する「完璧すぎる婚約者は気詰まり」作戦は笑いました。

でも本命のヒースが本編中でリーシャに特に良い所を見せる場面がある訳でも無くて、
オラルドをかっこよくかける様頑張ったとあとがきで松村さん仰ってましたが、
悪い意味で当て馬のオラルドの方がかっこよく見えちゃうのは残念…

あと肝心の見せ場の所がことごとく弱いというか、
ヒースがベネッシュ料理のデザートにリーシャの好きな羊のケーキを出す所とか、
どんな奇策かと思えば…って感じでそれで丸く収まるのも納得いかなかったし
リーシャがオラルドとの婚約式でフィリップの盗まれた水晶を探し出す所も
そんな簡単に盗まれた物が見つかる物なの?とか
しかもそれ見つけたの下働きでリーシャの功績じゃないよね?とかちょっともやっとしました。
このシーン挿絵は凄く可愛いんだけど。
リーシャのオーバースカート状になったボリューミーなドレス可愛い~vv
でもリーシャの愛読している恋愛小説の作者がオラルドだった所とか、
ヒースのそれを餌にオラルドを牽制する黒さは面白かったです。
結局最後までリーシャとヒースがくっつかないのはちょっと肩すかしでしたが、
タイトル通り楽しいどたばた作戦がいっぱいで、
陰謀なども無いのでまったり完璧令嬢の恋路を見守れる感じは良かったです~


英国舶来幻想譚は藍川さん一時コバで出しまくりだったけど最近見ないなーと思ってたので
久々の新作、しかも椎名さん挿絵で楽しみに読みましたが…
主役2人の契約結婚っていうのが売れ線に寄せただけの舞台装置というか張りぼてでしかなくて、
その舞台装置ありきの設定なので色々破綻してて酷かった…
アデルとクレイグが偽装結婚するそれぞれの理由もいい加減すぎだし、
クレイグは初めからアデルに惚れててその理由も余りにも雑過ぎなのに、
恋心を切々と語られても全く恋愛パートに萌えられなくて、
恋愛パートになると早く終わってくれと思うくらいの萌え無さでした。
クレイグが髪色まで変えて経歴詐称してる理由もあまりにもしょうもなさすぎる…
意外とオークションハウスの経営とか舶来品の真贋鑑定の仕方とか、
お仕事物としては知らない事がいっぱいあって結構楽しんで読めましたが。
ミステリー要素もあくまでもコバルトとしてはですがまあまあ読み応え有りましたー
第2話のペルシャの王女様の挿絵がめちゃくちゃ好みだったvv
メイドが身分違いと最初から分かっていて恋ですらなかったけど、
それでもセシルとの思い出は大事にしたい、と去っていく所とか、
1話、2話の謎が解けた後の顛末とか後味とかは嫌いじゃなかったですー
表紙も椎名さんのケープ付きのバッスルスタイルのドレス盛り盛りで可愛いvv
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新国立劇場バレエ団 イーグリング版「眠れる森の美女」DVDブック


1個下↓の読書日記のいきおくれ姫の選択の感想に少しだけ追記してます


火曜日に腰痛のため整形外科行った時入った別階にある本屋さんで
上↑の様な本を見つけてしまい、
イーグリング版くるみのDVDブックは全然好きじゃないけど、
新たな眠りのDVDが出たとなれば買わないわけにはいかないでしょ!!と、
極度の金欠にも関わらず即買いしてしまいましたー
ブックオフだけでもかつかつなのにもう新刊書店には行かない様にしないと…;;
今月の収支はもうマイナスだよ…;;


眠りはとにかく王妃や貴婦人達の衣装がとっても楽しみなので、
DVDブックの中身の写真は一切見ないでわくわくして家に帰ってDVDを再生してみましたが…
装置はそれなりに豪奢で素敵なんだけど衣装ショボ…
プロローグの貴婦人達のドレスも全く華やかさが無いし
王妃様の衣装も青系なのは高貴で良いと思うけどティアラとかちゃちすぎてがっかりでした。
妖精達のチュチュもリラの精の細田千晶さん以外みんな同じデザインで、
せめて色だけでも変えればいいのに…と思ってしまいました。

プロローグで幕が開くとシャンデリアと共に降りてくるリラの精と
カラボス役の本島美和さんの並々ならぬ確執を感じさせて面白かったですー
全体的に、従来の眠りよりより人間らしい感情が描かれているなーと思いました。
招待されなかった事を怒るカラボスに
王妃が王様にあなた!と詰め寄って王様が式典長をあいつだ!と指さす所とか。
細田さんは妖精達のリーダーとしての風格が感じられる踊りで良かったですが、
ただでさえ寂しげなお顔なのにちょっと表情が硬いのが残念だったかな。
本島さんはフォトジェニックな美人さんなのでマレフィセントっぽいカラボス役がハマる!
表現力も抜群で凄く場を支配するオーラが出てましたー

第1幕、王妃様の衣装がプロローグよりは好みで良かったです。
前開きの紫がかった水色のオーバースカートにアンダースカートの刺繍が素敵vv

オーロラ役の小野絢子さんの登場シーンは
元気いっぱいの無邪気な少女という感じの溌剌としたオーロラで、
くるみの時も思ったけどお年を感じさせない演技がさすがでしたー
本当に16歳になったばかりのプリンセスがそこにいるよう。
王子達と一緒に踊る様王に言われて「まあ、私が?」みたいな表情する所凄く可愛かったvv
ローズ・アダージオではアチチュード・アン・プロムナードの所ちょっと笑顔が強ばりすぎてて
小野さんバランス苦手なのかなーとちょっと意外で残念でしたが、
ローズ・アダージオのヴァリエーションは登場した時のちょっとおてんばな感じとは変わって
初々しい姫君らしい気品もばっちり表現していて美しかったです~
カラボスに花束を差し出されてお願い、下さらない?とお願いする所も
もらった花を一輪一輪まいてステップを踏む所もとっても可愛かったけど、
ちょっと無邪気通り越して少し足りない子みたいに見えてしまった…^^;;

2幕の貴族達の衣装もショボかった…
王子役の福岡雄大さんは王子らしい堂々とした佇まいは良かったです。
幻影のオーロラと王子が踊る所は
小野さん幻らしい茫洋とした雰囲気をよく出してて良かったですー
いばらに囲まれた城でリラの精とカラボスが対峙する所は前述の人間らしい感情が感じられて、
リラの精の中にもカラボスに対する負の感情があるのが分かる感じで良かったですー
演出の意向的にはリラの精は人間的な負の感情は持っていない設定と書いてありましたが。
目覚めのパ・ド・ドゥは単なるお伽話じゃなく
生身の人間として恋に落ちる2人を表現したいのは分かるけど、
ロミジュリのパクリっぽいし最後のキスは眠りにしては生々しすぎるかな…

第3幕は王妃の衣装がエンパイアスタイルなのが珍しいなーと思いました。
ロココスタイルより少ない布地でゴージャスに見えるからかなーとか邪推してしまいましたが。
長靴を履いた猫と白猫のパ・ド・ドゥは従来よりより童話的な雰囲気が出てて可愛かった!
青い鳥のパ・ド・ドゥは渡邊峻郁さんのブルーバード
颯爽とした雰囲気と高いジャンプとっても素敵だったし、
米沢唯さんのフロリナも軽やかで音を良くとらえた愛らしい踊りがとっても可愛かったですー
赤ずきんと狼は狼の衣装がお婆さんに化けた姿というのが新しくて、
狼のパッチワークみたいなスカートとか印象的でしたー

オーロラと王子のグラン・パ・ド・ドゥは
オーロラのヴァリエーション小野さん一幕とは全く違う表現で
すっかり大人の女性として花開いたオーロラの美しさを存分に表現していて良かったですー
コーダのオーロラのフェッテも上手かった。

衣装はドレスもチュチュも全く華がないデザインで
オーロラの衣装も全部白で変化が無くて残念だったけど、
踊りの質はさすが新国立劇場という感じでさすがだったし、概ね満足しましたー
今年の6月に上演されたばかりの舞台がもう観られるとか嬉しいvv


映像特典のアーティスト・インタビューというのは
アーティスト(新国立劇場のダンサーの階級の1つ)のインタビューだと思ってたら、
振付のウェイン・イーグリング、編曲のギャヴィン・サザーランド、
衣装のトゥール・ヴァン・シャイクのそれぞれのインタビューで、
ダンサーのインタビューはあってもこういう制作者側のインタビューって
特に眠りでは珍しい気がするので興味深く観られて面白かったですー

安定の読書日記(最後少し追記有り)


今去年の夏ぶりに腰痛がぶり返していて、
一応コルセットはしていますがあまり長時間座っていられないので
読書日記もあっさりめに。


9月25日発売のBの戦場5巻、安く早く買えてほくほくvv
吉本の芸人さんともこみち君主演の映画化には全く興味はありませんが、
原作はギャグとしてもお仕事モノとしても楽しく読めて好きです~

…でも今回は何か全体的にパワーダウンしてる感じで残念だったな…
一つ一つのお話のインパクトも弱くて、キャラ立ちも今までに比べて活きてない感じ。
課長と香澄がいきなり付き合うことになってるのも前巻よく覚えてないけど面食らいました。
課長からもらった「今日もブスですね」という付箋を
セクハラで訴えるときの証拠用に手帳に大事に取ってる香澄には笑いましたが。

とにかく一つ一つの結婚式のお客さんの事情が今までと比べてあっさり気味で、
結婚式の華やかな雰囲気とかも今までと比べると薄くて少し残念。
でもお見合い結婚をいたずらに否定しない1話目も
神山君のレストラン部をウエディング部に良い様に乗っ取られたと思い
香澄に反発するけど、香澄やコンパニオン達の働きを見て彼等を認めてくれる2話目も
結婚って家同士の結びつきで家族になるって事なのに、
相手の家族のことを考えないで自分だけで好きな結婚式をしようとしていたと
花嫁が反省する3話目も相変わらずよくまとまっててまあ良かったです。
香澄が何だかんだでトラブルに巻き込まれるけど最後には全て丸く治めましたーで
ヒロインマンセー寄りな所が気にならないでもないけど、
3話目で自分は先進的な結婚式に感心するばかりでお客様の事を考えられていなかったんだと
ちゃんと失敗を反省する所とかもあるので、好感が持てる所は相変わらずで良かった。
泰造君はもっと活躍して欲しかったけど。
神山君のワインでフレンチの味わいまで変わってくるという薀蓄もへーと思わせられました。
「サービスマンはお客様に育てられる」というのも香澄と同じく素敵だなと思いましたー


9月1日発売のコバルト文庫、彩本和希さんの「いきおくれ姫の選択 未婚の魔女にも明日はくる」
コバルト文庫が安いブックオフで出るのひたすら待とうと思ってたのですが、
市営地下鉄沿線にあるコバルト文庫が安い3店の内
一番最寄の一店が値上げしたのに心を折られて、高いブックオフで買いました…
どうせ高く買うんなら先月町田のブックオフ巡りした時見つけた時点で買えばよかったなあorz
お金の問題(もあるけど)じゃないんです!!
良い物を安く買えたという満足感と探して安く見つける快感が大事なんです!!;;


感想はというと、最初のうちは地の文の表現とかが単純で比喩とかもいまいちぴんとこなくて、
重要シーンでの決め台詞も何か上滑り気味だしいまいち…と思ってたんですが、
クラシア様の秘密とかサナティアの父や妹との誤解が解けるあたりから
ルーカスが帝国のギーグ教の教義を変えるラストまでは程ほどに疾走感があって良かったです。
恋愛描写は淡白すぎて今ひとつだったな…
お互いを好きになる理由は分かるのですが、
もっと好きになった後のときめきとかどきどきする気持ちを描いて欲しかったです。
魔女の塔の設定とかはまあ考えられてて良かったですが、
ルーカスの監察官という役職がよく分からなくて結構暇だなとか思いながら読んでました。
でも18歳で結婚できなければ魔女として蔑まれるという現状を
自らの意思で変えていこうとするサナティアとルーカスは良かったですー
ラストは王道に舞踏会と言うベタさも好きです。
サナティアに足を踏まれると求婚が無効になると聞いたルーカスが
必死でサナティアの足を避けて踊るラストはめでたしめでたしな感じで好きですー
魔女達は似たり寄ったりな雰囲気な魔女ばかりであまり印象に残らなかったけど、
ラスト舞踏会で女の子にモテモテになっちゃうアーキリアちゃんは可愛い(笑)

でも購買欲をそそられなかった原因の一花夜さんの地味なカバーもですが、
中の挿絵も女の子がごついし男性もバランス悪いしどっちも顔歪んでるし酷かった…

母が入院していた話

今月2日から9日まで、母が9割方違うとは思うけど肺ガンの可能性があるとの事で
切開して肺を調べるために入院していました。
結果としてガンではなくて心から胸をなでおろしましたが、
母が最初兄にだけ伝えていて私にはガンの可能性がある事を隠していたのと、
病院からの電話で私がその疑惑を知ってしまい
母に問い詰めたときにも検査入院するだけだから、と言っておいて、
実は切開して組織を調べるという事を
またもや隠していたことを兄との電話で聞いてしまっていた事もあり、
本当はもっと悪い事態なんじゃないか、9割違うというのも嘘なんじゃないかと
あらゆる悪い可能性が浮かんで、
入院前から無事退院してくるまでの10数日間不安でいっぱいで何をしていても気もそぞろでした。

私はいつも最悪の可能性をシミュレーションしていざ本当となった時にショックを和らげるという
マイナス思考の人間なので、
ガン疑惑が持ち上がったときから既に悪い可能性ばかり考えて、
今までお友達と無邪気に何の憂いも無く遊んだり映画を観たりしていたことが
どれほど得がたい幸せだったか、
もし母がガンだったらもう仲良しのお友達と遊んでいても
以前のように100%心から楽しめることは無いんだ、という絶望感と
お友達には隠すつもりは無かったのでお相手にも気を使わせてしまうだろうし
とにかくもう何の憂いも無く遊べることは無くなるんだ、
あれが最後の無邪気なデートだったな、無邪気な映画鑑賞だったな、と
そんな事ばかり考えていました。

もちろん母が入院したり亡くなったらこれまで一切を母にしてもらっていた家事も
全て自分でやらなくてはならないし、
今の家に住み続けられるかどうかも分からないというもっとリアルな不安もあったし、
今までの私の幸せは母が元気で生きていたからこそのものだったんだなと痛感しました。

結果的にガンではなくて本当に良かったですが、
今回のことで私も皆にそろそろ将来のこと真剣に考えなきゃヤバいよと言われていたこともあり、
自分の生活を見つめなおすきっかけになったかな、と思います。
母が退院してきたときは本当にほっとしてこれからは母に少し優しくしようと誓ったばかりなのに
早くも怒鳴りあってばかりの日々ですが、
とりあえず少しは家事をするか、自分の遊行費位は稼ぐためにバイトでも出来たらいいな…

とにかく当面はまた憂い無くお友達づきあいが出来ることが嬉しくてたまりません。
そして母がいなくなるかもしれないという不安が
この先ももっと悪い条件で持ち上がるかもしれないので、
もう母もそういう歳なんだと色々覚悟しておかなければならないなあと。

久々のホラーとコバルト文庫11月の新刊


ホラー小説大賞大賞受賞作、「ぼぎわんが くる」が凄く面白かったので、
図書館でかなり前から?予約していた同じ澤村伊智さんの「ずうのめ人形」やっと読みましたー

呪いの日本人形というホラーでは使い古された題材を
どう料理してくるのか楽しみにしていたのですが…
ぼぎわん~と同じ登場人物が出てくる続編?的な作品という事で仕方ないのかも知れませんが
ホラーと見せかけて家族に自分勝手な理想を描き子供を好き勝手に扱う父親、という
ぼぎわん~でのイクメンを気取っていながら自分の自己満足だけで動いていた男を
妻の視点から書く重苦しい視点と同じようなテーマを扱ってくる感じが、
純粋なエンターテインメントとしてホラーを楽しみたい私にはちょっと重くて残念だったかな。
その割にはその自己満足で最低な父親と
重苦しい家庭から逃げたくてホラー小説や映画に傾倒する少女、というテーマも
ぼぎわん~ほど突っ込めていなくて、
主人公の僕こと藤間の読む原稿を書いた里穂の苦悩やよりどころの無さに
藤間が共感する所も、藤間の背景が里穂と同じような環境であった事を示唆するだけで
具体的なエピソードなどは語られないので、いまいち薄っぺらく感じてしまいました。

でもぼぎわん~は子供を産めない体の真琴と野崎の葛藤とかもかなり詳細に書かれていて
共感はしたけどとにかく重かったので逆にずうのめ人形位の塩梅の方がちょうど良かったかも。
ちなみに私はぼぎわん~の登場人物名をさっぱり忘れていたので
真琴と野崎がぼぎわん~にも出てきた人物な事も分からず、
ずうのめ人形が続編的な作品である事も知らなかったので、その2作品の構成の類似に
この作者さん2作目にして早くもマンネリか?と思いながら読んでいました^^;;

ゆかりちゃんの語るずうのめ人形の話に
どんな陰惨ないわくがあるのかを凄く楽しみに読んでいたのに、
結局単に里穂が作り出したよく分からない力を持った呪いでしかなかった所とか、
都市伝説が伝播する怖さとかももっと掘り下げて欲しかったし、
全体的に思ってたより恐怖が少なかったのは残念でしたが
どちらかと言えばホラーというよりイヤミスっぽい感じな所が気に入りましたー
戸波さんの性別と正体は全く見抜けなくて、
辻村ゆかり(=来生里穂)の過去のいー君やゆかりちゃん(=アキ)への仕打ちを
淡々と冷徹に暴いていく所は最後の最後で凄く爽快感ありました。
ラストもどちらかといえばハッピーエンド寄りのバッドエンドなのに、
全ての元凶となった里穂が何の罪もない幼い息子共々呪いに殺されるという因果応報に
とてもすっきりしてしまいましたー
これはラストのこのどんでん返しのためにある作品だなと思いました。
呪いの日本人形という存在が全く怖くなかったのはアレですが、
ミステリーとして読めばかなり満足度は高かったです。


コバルト文庫は11月1日発売の
はるおかりのさんの「後宮剣華伝 烙印の花嫁は禁城に蠢く謎を絶つ」読みましたー
はるおかさんの後宮シリーズ売れてるみたいなのでまだまだ続くと思ってたのに、
カバー見返しの挿絵の由利子さんのコメントで最終巻と知ってびっくりしましたー
でも第一部終了でまだ続くとの事なので、続きは電子で出るのかな?

ともかく後宮シリーズ毎回サブタイトルに謎が入ってたりミステリ推しみたいに売ってるのに
いつもとんでも理論だったりミステリと言いながらただのファンタジーだったりするのに、
今回はその辺は最終巻という事でかなり練られてて、
特に第一章の哀美人の陰謀はなかなか考えられてて良かったですー
主役カップルの宝麟と勇裂も慎ましやかな美人と見せかけて脳筋気味な皇后様と
やんちゃ系年下夫皇帝、という組み合わせがなかなか可愛くて、
宦官と女官として出会ってお互いの正体を知ってからの心が通じ合った2人のやりとりが
安定の糖度で良かったですー
宝麟が自分の横っ面をはり倒したいと言っていたのを思い出して自分を殴らせた勇烈が
「平手だと思ったら鉄拳とはな!」と笑ったら宝麟に「平手でやり直しましょうか?」と言われて、
「い、いや!そなたの気持ちは充分伝わった!」と慌てる所とか笑いました~
2人で初めて口づけする所とかも年下夫の勇烈の初々しさ炸裂で甘甘で良かった。

今回はいつもよりラブラブの主役カップルを差し置いてどんどん不幸になる脇役達、
という胸くそ要素も控えめで、所々ちゃんと救いがあるのも良かったです。
宝麟の斑貴妃への心遣いもちょっとお人好しすぎて嫌味だなーと思わないでもなかったですが、
これまでは上辺だけ模範的な皇后を演じていただけだったけど、
真に他の妃濱達を思いやれる皇后になろうと決意した宝麟が頼もしくて良かったですー
共太后に殉死させられたと思っていた生母湖氏の真実を知って自暴自棄になる勇烈を
実力行使で止められる宝麟もかっこいい!!

そして相変わらずはるおかさんは後宮の三千の美姫達の美貌の描写や情景描写、
心理描写に至るまで本当に美文で、比喩も巧みで最初は惚れ惚れしながら読んでたのですが、
余りにまんべんなく美しすぎる文章に中盤くらいから胸焼けがしてきました^^;;
もう少し引き算を覚えれば印象的なシーンをより効果的に出来るのにな~と思いつつ、
宦官に扮した勇烈が初めて氷滑(スケート)をする宝麟を見初める所の文章とか、
摂政王の
「女人は燃える水だ。水の様に冷たく見えても種火が有ればたちまち燃えさかるが、
火傷したと思ったときには溺れ死にさせられそうになっている」
という例えとか凄く好きでしたー

摂政王と共太后の真実も良く考えられてたし、
本当いつもこの位救いがあってえぐみが無ければもっと一般ウケしそうなのになーと思わせる
手堅いまとめ方で、最終巻らしくシリーズ中でもかなり完成度の高いお話で良かったです。
共太后の挿絵も美人さんだったvv
巻末のシリーズ一作目後宮詞華伝の淑葉と夕遼の描き下ろしイラストも感慨深かったですー
でもいい加減家系図もこんがらがってるし
紙で出てくれれば続きも買うけど電子のみになるなら電子書籍苦手だから離れるかな…

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小雨
性別:
女性
職業:
大学生
趣味:
読書、映画鑑賞
自己紹介:
7月15日生まれのかに座、A型。
めんどくさがりでものぐさ。

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