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雨の通り道

5月16日作成 管理人・小雨がオリジナル・版権イラスト、日記などを雑多に書いているブログです。

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イングリッシュナショナル・バレエ「コッペリア」


昨日8日は上野の東京文化会館に
イングリッシュナショナル・バレエ(ENB)のコッペリア観に行ってましたー
コッペリア、何を隠そう自キャラオランピアの元ネタになったバレエなので
久々に生で観たいなーと思って。
お人形は心躍るテーマですね!ファンタジックな世界に浸れて楽しかったです。

…が、この前から言ってるお尻の痛みが第一幕開幕時点で絶頂に達し、
舞台に集中できなくて残念でしたorz
家に戻ってこうしてPCの前に座って書いててもあれほどの痛みじゃないし、
たまたま椅子の堅さとか脚とのバランスが悪かったのかな?
あとバレエの前に4階の音楽資料室でJ・シュトラウスのこうもりのDVDを
2時間半座って観てたのも悪かったかも。
音楽資料室ではそこまで痛みませんでしたが、
ほぼ休み無しでその後バレエ鑑賞に2時間20分座ってたのが悪かったのかな…
帰りの電車でもせっかく座れても痛くて痛くて辛かったです…;;

それはともかく、コッペリア全体的には良かったです~
ENB、ツアーカンパニーという事で
ダンサーの数少なそうだなーと1月のキエフの眠りを思い出して不安でしたが、
多くはないけどまあ豪奢な眠りならともかく
素朴なコッペリアならあれだけいれば充分だったかな。
装置も思ってたより豪華で上品な色合いで良かったです~

第一幕、幕が開くと右手にコッペリウスの屋敷があり、
その後ろに宿屋の装置があって、左手にスワニルダの家がありました。
宿屋の装置の前のアールヌーヴォーっぽい草花の装飾みたいなのが可愛くて良かった。
最初に舞台をポーランドの農村の村人達が行き交い、
私はそれを双眼鏡で観てたら
うっかり主役のスワニルダ役のタマラ・ロホの登場シーンを見逃しましたorz
コッペリウス役のマイケル・コールマンが
窓辺にコッペリア人形役のフランチェスカ・ヴェリクを座らせて
スワニルダがお馴染みのスワニルダのワルツに乗せてコッペリアを誘います。
コッペリア人形の緑がかった水色に身頃と裾に薔薇模様の入った衣装可愛かったー
ちょっとキッチュな感じが絶妙でした。
スワニルダのワルツ大好きなので楽しみにしてたのですが、
ローザンヌとかで踊られる振り付けみたいに全て踊りじゃなくてマイム主体の感じでしたが
後半の回転してから脚を高く上げてまた回転して…の繰り返しの所とか
ロホさすがに上手かったです~回転技が特に得意なのかな?
回転する度にふわっ…と380度広がる赤いスカートも可愛くてうっとりでしたvv
誘いを無視して本を読むコッペリアに何よ!ってする所とか、
物怖じしない気の強い少女って感じが自然に出てて良かったです~
そこへフランツ役のイサック・エルナンデスが登場して、
コッペリアを見るや投げキッス。
怒ったスワニルダも可愛かったです~
エルナンデスも回転しながらジャンプする振り付け
凄くダイナミックで爽快感有って胸がすくようでしたー

そこへスワニルダの友人達や村人が集まって踊ります。
コールド凄く良かったですー一人一人のレベルが高くて安心して観られる感じ。
スワニルダの友人達の衣装も頭に帽子というか頭巾みたいなの被ってるのは残念だったけど、
一人一人ボディスに入ったお花の模様とかスカートの裾の装飾とかが違ってみんな可愛かったー
色遣いが素朴ながらもビビッドな感じで良かったです。創作の参考になりそうだー

みんなが踊ってる所にコッペリウスの家から不気味な音が響き、
皆が不審に思ってる所についにコッペリウスの家の窓から爆発が起きて
作りかけの人形の腕などが飛んできます。
好奇心を刺激されたスワニルダ達はコッペリウスの屋敷に忍び込む事にし、
フランツも長梯子を使って窓からコッペリアに会いに行きます。
第一幕終。


第2幕、コッペリウスの屋敷の中。
スワニルダと友人達はおっかなびっくり様々な人形が置かれた部屋の中を見回しますが、
コッペリアを見つけて怖々触ってみたところ、彼女が人形だった事が分かり皆で大笑い。
このシーン、私の座ってた5階左サイドの席からはコッペリア人形が全く見えなくて
壁に映った影しか見えなかったんですが、そう言う演出なのか右サイドの人には見えてたのか…
そこへコッペリウスが帰宅して、娘達は逃げだし、
一人逃げ遅れたスワニルダはコッペリアの置いてある部屋?に隠れます。

そこにフランツが梯子を登って窓から入ってきて、コッペリウスとはち合わせ。
フランツが振り返ると動きを止めて人形のふりをするコッペリウスが笑えました。
フランツの魂をコッペリアに吹き込もうと考えたコッペリウスは
フランツを眠らせ、コッペリアの服を着たスワニルダを連れてきて
何やら機械のような物をフランツの脚とスワニルダの脚につないで起動させます。
通常の演出ではコッペリウスが魔法の本を開いて
そこに書いてある通りにフランツの魂をコッペリアに移して命を吹き込もうとする、
というのが定番なので今回の舞台は新しいなーと思いましたー
すぐに効果が出て、ひとりでに動き出すコッペリアにコッペリウスは大喜び。
コッペリア、もといスワニルダに手鏡を渡して、
それをのぞき込みながらアラベスクしながら回転するスワニルダのシーン可愛かったvv
ご機嫌のコッペリウスはスペインの扇やスコットランドのスカーフをスワニルダに渡し、
それぞれの民族舞踏を踊ってみせるスワニルダ。
ロホ踊りのお国柄をしっかり演じ分けててさすがという感じでしたー
スペインは粋に、スコットランドは軽やかに、同じバレリーナが踊ってるとは思えない!
やがてスワニルダは戻ってきた友人達と共にフランツを起こし
服をはぎ取ったコッペリア人形をコッペリウスに見せて逃げていきます。
ここでスワニルダが少しだけコッペリウスの方を心配そうに見る演出が良いなあと。
コッペリウスがコッペリアを抱く所で凄く静かな悲しみを感じさせて幕が下りるので
思わずコッペリウスに同情してうるうるしてしまいましたー


第3幕、スワニルダとフランツの結婚式。
スワニルダの衣装クラシック・チュチュじゃなかったのが少し残念でしたが…
スワニルダの友人達が踊る時の踊りは可憐で瑞々しい娘達の踊りという感じが良く出ていて
綺麗で良かったですー
でも暁の踊りのクリスタル・コスタはそういう振り付けなのでしょうが流れがとぎれがちで、
ラストの回転は良かったですがもう一つだったような。
祈りの踊りのアリゾン・マクウィニーもアラベスク・パンシェ?とかバランスの時
ぐらぐらしてたのがはらはらしました。
このバレエ団コールドはレベル高いけどソリストはあまり…という感じ。
仕事の踊りは鎌を持っての女性達の踊りが躍動感有って良かったですー

スワニルダとフランツのグラン・パ・ド・ドゥは、
フランツの高いジャンプと早い回転技のソロは良かったですが少し雑だったかも。
スワニルダのお馴染みのヴァリもロホ最初の方でトウを付いてよろけちゃって驚きました。
ロホ、ダンスマガジンのインタビューやカンパニーの仲間からも働き過ぎと言われてましたが
こんなミスはめったに見られないのでは…
後半は盛り返したけどミスの印象が強すぎてハマれなかったなあ。
それでもブラヴォーの嵐でしたが。
コーダでのフランツの高い跳躍と爽快感有るマネージュや
スワニルダの回転技はさすがに見応えあって良かったですー
そして宴の中抗議に来た可哀想なコッペリウスはどうなるのかと思ってたら、
ラスト踊る村人達に輪になって囲まれて
その中心でしょざいなさげに、ひかえめに右手を上げてガッツポーズをして終わるという
今まで見たことのない幕切れで良かったですー
幕が下りる時またコッペリウスの哀切な姿に目頭が熱くなってしまいました。

全体的に抑制が利いた演出で、コッペリウスの救済をきちんと描いている所も好感持ちましたー
エルナンデスはテクニックはさすがですが、キャラ作りが軽いというか、
もう少しフランツのお茶目で愛すべき性格を表現して欲しかったかな。
ロホは女優バレリーナというに相応しいスワニルダで好感持てましたが、
ミスさえなければなあ…;;
コールドは本当に統制取れてて良かったですー
ただコッペリア自体がそういうバレエなのかも知れませんが、
舞台としては少しこぢんまりとまとまりすぎな感はあったかも。
でもお人形を巡る可愛らしい物語と衣装を堪能できて良かったです。
第一幕では色とりどりだった娘達の衣装が
第3幕ではくすんだ黄色や上品な薄茶になってたのが格調を出してて好きでしたーvv
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SINGIN' IN THE RAIN 雨に唄えば


今日は渋谷の東急シアターオーブに
アダム・クーパー主演のミュージカル「SINGIN' IN THE RAIN 雨に唄えば」観てきましたー
うっかり公演の日付を間違って覚えてて今日だと言うことを知ったのが昨日の夜でした…
危ない危ない;;チケット確認しといて本当良かった~><
舞台、良かったです~
良かったです…が…
もっと舞台ならではの演出なのかと思いきや
ほとんどジーン・ケリー主演の映画版と変わらないストーリーと構成で
そのくせツアー人数が少ないだけなのかオリジナル版も同じ人数なのかは分かりませんが
アンサンブルの数が少なくて、
ダンスシーンが思ったほどダイナミックさが無かったのが残念だったかな…
ブロードウェイ・メロディの所とかビューティフル・ガールの所とか
舞台で再現するのは難しいのも分かるけど映画の劣化コピー感が…
舞台だけを観れば充分楽しくて素敵なんだけど、映画版を知ってるとなあ…
でも逆に言えばそれだけ映画版に忠実な舞台化ということで、
映画版が大好きな私にはTVの前で観ていた雨に唄えばが
目の前で現実に再現されているというのがとても感動で嬉しかったです。
でもコズモの壁駆け上がりが無かったのは不満かな。

席は相変わらず3階席の一番後ろでしたが
去年の年始に行ったミュージカルコンサートで確認してた通り充分見えたので良かったです。
ただ来日公演と言うことで左右に字幕があって、
キャストの顔見たくて双眼鏡見てても
台詞や歌詞が出る度に目を離して字幕を見なければならなかったので
各キャストのお顔や衣装をあんまりはっきり見られなかったのが残念…
普通に双眼鏡見てない時でも
字幕を追ってると俳優さん達の演技を見逃しちゃう場面が多くて
来日公演はよっぽど観たいのじゃない限りこれからは観に行くのよそう…と思いました…
オペラとかなら歌手がそんなに激しく動かないので字幕で良いけど、
ミュージカルはやっぱり日本語じゃないとダメだな…

ストーリーは映画版とほぼ同じでしたー
開演前の注意が英語で「舞台は1927年 当然携帯電話はないので電源はオフにして下さい」
とか、舞台が始まる前から世界観に引き込んでいく感じは上手いなーと思いました。
セットは開場して客席に入った時から見えてましたが、
基本は同じ1つの映画撮影所のセットで
シーンによって小物や装置が追加されて色んな場面を表現するという形で、
そういう舞台ならではの工夫の感じは良いなあと。
トーキー映画黎明期のハリウッドを舞台にした笑いたっぷりのミュージカル、
当時の時代の雰囲気とかも良く出てて良かったですー
ただあまりにも原作通り過ぎて舞台にする意味あるのか…?と思う所もありましたが…
ファーストシーンのドンとリナの新作映画のプレミアで
舞台にスクリーンが降りてきてモノクロの無声映画が映る所は
自分もプレミアの観客の一員になったような臨場感があって凄く良かったです~
ラストのリナが「踊る騎士」のプレミアで舞台挨拶するシーンとか
メタ感ある演出は舞台ならではの楽しみで良かったなあ。

音楽や歌もほぼ原作通り。
ダンスシーンは何度も言いますがスケールが小さくなっちゃってる感は否めませんでしたが、
大好きなグッモーニン♪グッモーニン♪とか
雨に唄えばが生で聴けて観られたのは本当に良かったです。
雨に唄えばのシーンでは12トンもの本物の水が舞台に降り注いで、
ドン役のアダム・クーパーが歌い踊る姿も映画そのままでした~
正直もっと感動するかなと思ってたけど意外と冷静に観てしまいましたが…
でもやっぱり雨に唄えばは名曲ですね~
聞いてるだけでほのぼの、うきうきした素敵な気持ちになります♪
アダム・クーパーが足下の雨を蹴り上げて飛沫を飛ばす度に観客から歓声が。
あれ最前列のお客さん水かかってたんじゃ…

キャストはドン、コズモ、キャシーの主役3人はまあ普通に良かったです。
キャシー役の女優さんはちょっと声がハスキーがかってて
歌のシーンとかはちょっと…と思う所もありましたが。
悪声のリナの吹き替えをするという役所なんだからもう少し美声の方が良かったかな…
華というかオーラみたいなのもあまりなかったし。
でもウッド・ユーの歌の所はさすがに良かったです~

でも個人的にはリナ役の女優さんが一番良かったですー
映画版のイメージそのままの大げさな悪声が良く響いて良かったし、
コミカルな演技が憎めなくてラストは可哀想になる位でした。
フランス革命を舞台にした映画を撮る際の大きなカツラと
ピンクのローズ・ア・ラ・フランセーズ姿が凄く可愛くて素敵だったーvv
衣装もっと双眼鏡でじっくり細部まで見たかったけど
前述の理由であまりよく見られなかったのが残念。
「カツラが馬鹿みたいに重すぎる!昔の人って馬鹿だったのね!」って台詞が好き。
「出来ない」をどうしても「出来にゃい」と言ってしまう所とか
英語が分かればもっと楽しいんだろうなーと思いましたが。
マイクの位置を覚えられなくて声が拾えないところとか
初のトーキー映画主演のプレミアで音声がずれて
「イエスイエスイエス!」の所とかは映画版そのままでめちゃくちゃ笑いました(笑)
ドンとリナが愛を語らう演技をしながらも
「このヘビ女!!キャシーをクビにするなんて!」
とか罵りあってるシーンも凄く好き(笑)

そして今回の舞台で一番良かったのはリナのソロの歌のシーンが追加されてた事。
映画版ではただの悪役で終始してるリナの
「ドンはいつ私の夫になってくれるの?」という意外と純情な乙女心?が歌われてて、
リナというキャラクターを嫌なだけでは終わらせないという意気込みが感じられましたー
本当自分でも某創作の某キャラ描いてて思うけど
単なる嫌な悪役ほど物語をつまらなくする物はないんですよね…
映画版のままでも充分リナの憎め無さは伝わるけど、
このリナのソロが有るのと無いのとでは
リナというキャラクターのとらえ方が全く異なってくるだろうなーって感じで良かったですー
後はモニュメンタリーピクチャーズの社長役の俳優さんの
映画撮影時のしゃかりきさとかも笑えたしどたばたキャラっぽい感じも良く出てて好きでした。
フランス革命の話なのにタップダンスを入れたいという所とかも笑いましたー

ラスト、踊る騎士のプレミアでリナが口パクしてる後ろで幕が開いてキャシーが現れて
キャシーが観客席に下りていく所も映画通りで良かったですー
吹き替える歌は映画とは違ってウッド・ユーでしたが。
この辺メタメタ感満載で本当生で観るからこその楽しさだなーと。
ドンの「彼女こそスターなのです!」の言葉に拍手する観客達とか。
カーテンコールでは字幕で「ただいまより写真撮影可能です」と出て
撮りたかったけどケータイのカメラでは目一杯ズームにしてもボケ過ぎて無理だった…orz
最近はカーテンコール撮影OKって増えてるんですかね?
SNSとかで宣伝してもらえるからなんだろうなー
そして最後に主役3人がアンサンブルと一緒に雨に唄えばの中再び傘を持って踊りましたー
銀色で内側に色とりどりの色が付いたたくさんの傘が舞うところは
本当にハートフルで幸福感いっぱいの幕切れでした~

何度も言うように映画通りなだけに映画よりスケールダウンしてる所が目立つ所もあったけど、
全体的にはハッピーで心温まる舞台で良かったです。
舞台と観客席が一体となって楽しめるところも良かったです~
生オケの演奏も豪華でとっても良かったし、
春の陽気の中大好きな雨に唄えばの世界に浸れてご機嫌な一時でしたー

キエフ・バレエ「眠りの森の美女」


昨日5日は新年早々上野の東京文化会館にバレエ観に行ってましたー
キエフ・バレエの眠りの森の美女。
でも正直凄く期待外れでした…
キエフ・バレエ観るのはは2014年の12月にくるみ観に行って以来なんですが、
くるみでも思ったけどとにかく装置がショボい!コールドが少ない!!
くるみが特別ショボかっただけで他の演目はまともなんだろうと眠りのチケ取ったんですが、
パンフの豪華そうな写真に騙されました…
ダンサーは綺麗なんだけどとにかく装置がショボいのと人数が少ないせいで
全く話に入り込めなくて、第1幕観た時点で帰ろうかと思ったくらいです。
バレエでこんな事初めて…これで一番安い席でもチケット代7000円はなあ…
どうせ払うなら何度でも見返せるDVDでも買えば良かったと思いましたよ…

でも主役のミハイロフスキー・バレエからのゲストの
イリーナ・ペレンとレオニード・サラファーノフが良かったのと
さすがに第3幕はちょっと豪華になってたのでまあ…
ペレンは私が高校生位の時から踊ってるのでもう30代半ば以上だと思いますが
初々しい可愛らしいオーロラ姫で良かったですー
でも第1幕の登場シーンで見守る貴族とかが少なすぎて
「高貴さ」みたいなものが表現できてないのが痛い。
眠りは豪華な衣装着た貴婦人や貴族達モブがいてこそ
主役のオーロラ姫やデジレ王子、フロレスタン王や王妃の高貴さが際立つと思うのです。
高貴さって相対的なものなんだなーと思います。
大勢いる貴族達に見守られていてこそ姫や王達の高貴さが可視化されるのだと思うのですよ。
人数も少なすぎるせいでせっかくのウクライナ国立歌劇場管弦楽団の生オケ演奏も
曲のスケール感に舞台が全く合ってなくて、
いつものバレエを観てると感じるお伽話が現実に立ち現れてくるような感覚が全くなくて
生身の人間が演じてる感バリバリで興ざめでした。
もうキエフ・バレエの公演は絶対観に行かない…
プロのバレエの舞台を観てがっかりすることがあるなんて思いもしなかったので
本当に残念でした。華やかな歴史絵巻を期待してたのになあ…
でもせっかく観に行ったのでつづきから箇条書きででも感想を…

・・・つづきはこちら

東京バレエ団「くるみ割り人形」


昨日16日は上野の東京文化会館にくるみ割り人形観に行ってましたー
くるみは毎年キエフやサンクトペテルブルク・アカデミーバレエなど
ロシア系のバレエ団の来日公演を観ていたのですが、去年は観に行かなくて
今年はふと今の日本のバレエ団のレベルはどんなもんなんだろうと思い
東京バレエ団のチラシを見て突発的に下から2番目に安い3000円の席を取ってみましたー
王子役は日本人の日をとるつもりが
Webでチケット予約する際間違えてダニール・シムキンの日を取ってしまい、
日本人の水準が知りたかったのに~と後悔してましたが、
結果的にはシムキンの日に観て本当に良かったです!
日本人の中で王子だけが外人というのは
ストレンジャー感出ててこのくるみにおいては凄く効果的。
クララ役の沖香菜子さんも良かったですー
随所にプロジェクションマッピングを使った演出も凄く楽しくて入り込めました。
プロジェクションマッピングもっとショボいのを想像してたけど美しさにびっくり。
と言うわけで続きからまたスクロールしてもしても終わらない観劇レポ!

・・・つづきはこちら

宮本亜門演出 二期会「フィガロの結婚」


今日16日は上野の東京文化会館で宮本亜門演出のフィガロの結婚観てきましたー
宮本亜門演出のオペラはTVでやっていた魔笛を観ただけなのですが、
それがかなり突飛な演出で衣装とかも奇抜だったので
宮本亜門の演出ってみんなあんな感じなのかなーと思ってましたが
フィガロの結婚はちゃんと時代背景にあった装置や衣装で、
そんなにニッチな感じじゃなかったです。むしろ正統派と言っても良いかも。
全体的に明るくてコミカルで、
フィガロの結婚の良さを充分に引き出していた舞台で良かったですー
オケも良かった。序曲が鳴り始めたときはわくわくしました♪

幕が開くとフィガロとスザンナが恋人同士らしく仲むつまじく結婚の準備をしています。
装置もシンプルながら簡素すぎることなく機能的で、
箱庭的な演劇の世界を良く表していて良かったです。
そして何よりスザンナ役の高橋維さんの姿と声の可愛らしさ!vv
粗末なお仕着せをまとってはいても隠しきれない可憐さと
娘らしい透き通ったソプラノがとっても綺麗で素敵でしたーまさに役にぴったりのハマり役!
全篇通して賢いけど嫉妬もするおきゃんで元気いっぱいのスザンナでとっても可愛かったですv
フィガロ役の萩原潤さんもちょっと顔が大きいけど如才ないフィガロには似合ってて良かった。
ケルビーノ役の青木エマさんはとっても美人さんなのでズボン役が凄くハマってましたー
伯爵夫人の前で歌う「恋とはどんなものかしら」ものびのびした美しい高音で素敵でした♪
アルマヴィーヴァ伯爵役の与那城敬さんは全幕黒ずくめの衣装で、
カツラも被ってないので全体的に悪の帝王みたいな感じが出てて暴君らしくて良かったです。
伯爵夫人役の増田のり子さんは…声も姿もちょっとおばさん過ぎて…;;
これじゃ伯爵が若い娘に走るのも分かるわ…と言ったらちょっと酷ですが、
第2幕最初の「愛の誓いはどこへ消えたの?」と伯爵の心変わりを歌うアリアは
情感と悲哀がこもっていて良かったですー
衣装も第3幕のロココスタイルでボディスにビーズみたいな装飾のある
青っぽい象牙色のドレス上品で素敵でしたー

笑い所もいっぱいあって楽しかったです♪
第2幕で伯爵夫人の部屋に男が隠れていると疑って銃を持って部屋に駆け込んでくる伯爵とか、
第3幕でフィガロが昔手放した自分の息子だと知ってこてっと転がるマルチェリーナとか
マルチェリーナとバジリオが自分の両親だと知って
同じくこてっと横に倒れるフィガロとか。
その前のシーンで「俺は名門の出身だ」と言うフィガロを笑い飛ばす面々の中で
最後まで一人「ふんがふんが」みたいに笑いまくってるドン・バルトロとかも(笑)
スザンナが伯爵と逢い引きすると思いこんだフィガロがマルチェリーナに
「ママ!」と泣きつくところも笑えました(笑)
かといって登場人物をことさらに戯画的に描くことはしていないので
ギャグシーンも適度に抑制が利いてて上品だし、
キャラクター一人一人の人間としての深みが伝わってきました。
変にキャラクター付けしようとしすぎて
返ってキャラが単純化されちゃってるこの前のマイ・フェア・レディとは対照的。

歌は二期会の皆さんも合唱団の皆さんも素晴らしかったですー
「恋とはどんなものかしら」「もう飛ぶまいぞ蝶々」とかのアリアももちろん良かったけど、
このオペラは合唱曲や重唱曲がとっても甘美で素敵。
第2幕ラストの6重唱?もそれぞれの思惑を歌いながら音楽的に完全にハーモニーになっていて、
とっても美しかったしわくわくしましたー
オペラってこういう多重唱で登場人物それぞれの思惑を描く所がとっても面白いなあと。
モーツァルトの音楽もさすがの才能を感じさせて、その完成度にブラボーです!
第3幕の伯爵夫人とスザンナの
「今宵の風は何と優しく吹く事でしょう」で始まる有名な手紙の二重唱も
うっとりするくらい美しくて音楽的エクスタシーが半端無かったです。

このオペラは貴族批判を描いてると言われていますが、
今回の舞台ではそういう事はほとんど感じなかったなー
あえて言うとすれば敵が簡単に味方になり、騙す方が容易に騙される方になると言う
登場人物の風のように変わる立場が
作曲当時のフランス革命間近のヨーロッパの世相を表しているのかなと思うくらい。
全体の演出意図としては、そういう貴族社会への批判よりは
赦しと愛というもっと根源的なテーマを描いていると思いました。
底抜けに明るいながらも伯爵夫人の独唱やラストの伯爵の悔恨など、
ふとアイロニーを感じさせる部分もあったりして。
伯爵の必死の許して欲しいという謝罪を聞いて
「愛という物を知った今の私ならはいと言えるでしょう」と答える伯爵夫人は
赦しを与える慈悲深い存在となり、伯爵は真実の愛を知る…みたいな感じかなーと。
とにかくフィガロとスザンナ、
ドン・バジリオとマルチェリーナの二組のカップルはめでたく結婚、
たわけた一日の騒動はようやく収束するのでした。
ラスト主要キャストと合唱が「全ての人とこの喜びを祝おう」と歌い
照明と効果音で花火が上げられているような効果を出していたのが
祝祭的でとっても楽しい幕切れでした。
このラスト以外にもあちこちで照明が効果的に使われていてそれも良かったです。

全体的に思ったほど斬新な演出ではなかったけど、
洒脱でコミカルでそれでいて人生の深みを感じさせる含蓄深いフィガロで良かったですー
モーツァルトの美しく軽やかな旋律を生で聴けただけでも満足。
愛は全てに打ち勝つという幸福感溢れるラストが良かったです!
オペラ観るの久々だったけど席も4階ながら左端よりの舞台に近い席で見易くてラッキー。
ミュージカルもバレエも大好きですが、オペラもやっぱり良い物ですねえ。

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プロフィール

HN:
小雨
性別:
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職業:
大学生
趣味:
読書、映画鑑賞
自己紹介:
7月15日生まれのかに座、A型。
めんどくさがりでものぐさ。

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